2007-11-15
QJ 座談会「私はコレで会社を辞めました」後編
「ホモ」と
呼ばれるより
「好き者」の
ほうがまし
伏見 だいたいみなさんのヒストリーを聞かせていただいたと思います。児玉さんは職場でカミングアウトをしていたこともあって、それは最初はうまくいったけど、人間関係次第でどうなるかわからないということでしたが、他の方はカミングアウトというのは職場の中でしてなかったわけですよね?
junchan 職場では全然してなかった。
ラク 僕もまったくしてませんでした。
マリー 私はしてませんでしたが、完全に疑われてました(笑)。
伏見 マリーさんの場合、態度物腰でバレバレってことですか(笑)。
マリー そうですね。お客さんと付き合ってるという噂が流れたり。ただ私は一応仕事はやってますみたいな雰囲気だったので、そういったことはあまり大きなことにはならなかったんですね。
ラク 僕はバレることに関しては恐怖感がすごくあった。ここでバレたら、もうとんでもない扱いになるだろうと思った。
伏見 それはゲイの側が被害妄想的に思ってるだけじゃなくて、現実に差別的な扱いをされるということ?
ラク 例えば、こんなことがありました。入社してすぐの頃、僕はHIVの問題で少しは個人的に啓蒙活動ができたらと思ってたから、上司にエイズの話をしたんです。すると、「ああ、オカマの病気だろ」っていうような反応で、僕が「でも、そんなこともないみたいですよ」と言ったら、「ホモはしょうがないんだよ、そんな病気になっちゃっても」っていう会話で終始しちゃった。そうなると、こっちも何も言えなくなってしまう。こんなやつらが山のようにいると思ったら、とてもカミングアウトなんてできない。だから合コンの話が出たら、ゲイだって悟られないように、自分から「俺も出る!」っていうふうにわざと演じていかないといけない、と(笑)。 続きを読む…

■ 座談会「私はコレで会社を辞めました」
● 社会は続くよ何処までも
● 仁義なき戦い・前編
■ カマ護士は見た!
じゅんこ●プロフィール
最近、伏見の周囲では「大ちゃん」ファンが急増中!
コピーは「先生の答えは、ぼくの予想を超えていました」。
*初出/「クィア・ジャパン・リターンズ vol.0」(ポット出版/2005.5)
外見と自己肯定感
伏見 今回、僕の友達のドラァグクィーンの男の子と、石井さんで立場を交換してもらうという企画も最初考えました。ドラァグクィーンの子には素顔に「アザ」をつけてもらい、石井さんには一日女装で過ごしていただいて、そのうえで座談会をしてもらったらどうかなと。偽物、見せ物になることを楽しむドラァグクィーンと、メイクをすることで、偽物、見せ物になることの屈辱感を感じる人たちでは、いったい何が違うのか。顔に象徴的な印が存在しているという意味では同じなのに、片方はそれを見られることを喜びと感じ、もう片方はそれを屈辱と感じる。そのコントラストから見えてくる地点もあるのではないかと思いました。
座談会「アザ」と「ハゲ」の政治学
● マッキー世代とマドンナ
■ 対談 あなたがオバサンになっても
いまから15年前に刊行された小浜逸郎『人はなぜ結婚するのか』がPHP新書として復刊。
■ 福祉制度の利用術


