2008-03-08

いただいたご本『ゲイ・マネーが英国経済を支える!?』

gay_money.jpg「英国はいかにして一八兆円市場を生み出したか?
なぜ英国は日本よりも豊かになったのか?
金融ビッグバンや民営化のおかげ? いや、それだけではない。
高額の収入があり、それに比例して消費欲も旺盛、旅行やパーティといった“形に残らない愉しみ”へも惜しみなく費やす――
そんな金の卵を産む同性愛者たちの聖地となったことで、英国は一八兆円市場という巨大なマーケットを手に入れたからだ!
バークレイズ銀行やIBMといった巨大企業が注目し、閣僚やメディアの仕掛け人も生まれはじめた、知られざる英国ゲイ・パワーの実態をリポートする。」(プレス・リリースより)

ゲイ・アクティヴィズムと経済の問題をレポートした一冊。日本ではゲイ・マーケットというのはなかなか実態として捉えづらいが、欧米では可処分所得の多いゲイたちの動向は市場に影響を及ぼしている。今後日本のゲイたちがそのような主体となるかどうかは疑問だが、ポップミュージックの分野などではすでに、レコード会社がゲイ向けのパブリシティを仕掛けたりしている。はてさてどうなるのか?

● 入江敦彦『ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y 190)』(洋泉社新書)780円+税

2008-02-29

いただいたご本『家庭でできる法事法要』

ha.jpg手にしたときに、なんといまどきの本なのか、と感心。装丁に「5000円かからない!」と入っているが、誰でもチープに気軽にできる法事法要のマニュアル本だ。だけど、監修はあの社会学者、橋爪大三郎氏。橋爪氏が宗教社会学を得意としていることは存じ上げているが、かの大先生がこのような本を出すとはいったい……。

しかしよく読んでみると、この本が単なる法事法要のマニュアル本ではなく、ブッダが主張した仏教本来の教えに立ち返り、我々がそこから出発するための思想書であることもわかってくる。お経の読みと現代語訳まであって、勉強になること請け合い。また、橋爪氏の言葉にも味わい深いものがあって思わずジュンとくる。「やがて死ぬとわかっていて、立派に毎日を生きていく。こういうことのできる人間って、なかなか大したものだと思いませんか」。

『おひとり様の老後』の後は『家庭でできる法事法要』がベストセラーになるかもしれない! 橋爪氏にはできたら、「ひとりでできる生前葬」とかも書いてほしいわね(笑)。 

● 橋爪大三郎 監修『家庭でできる法事法要』(径書房) 1200円+税

2008-02-23

いただいたご本『家事と家族の日常生活』

kajitokazoku.jpg本書は、社会学者の品田知美氏が博士論文を単行本にまとめたもの。地味なタイトルなので、専門外の人間としては、いただかなければ書店で手に取る機会はなかったと思うが(すみませーん)、これがかなりスリリングな内容の本になっている!

品田氏はこれまでの繰り返し語られてきた「家電製品の登場や市場化の発達により女性たちが暇になり、社会進出を果たすようになった」という物語の真偽に挑戦している。そしてその実態は副題に「主婦はなぜ暇にならなかったのか」とあるように、主婦はちっとも暇にはなっていなかった。彼女の分析によると、「主婦たちは産業化してゆく社会で変わり行く生活を維持する家事を、できる限り技術革新や市場化などによって省力化しようと努力をつづけていた。それでも家事量が減らなかったのは、大多数の日本人が豊かな生活様式の追求をめざした結果、必要となった家事水準が高まったからである」。

さらに、そうした研究の考察から、これまで上野千鶴子氏や落合恵美子氏らによって前提とされてきた日本の「近代家族」自体に、根本的な疑問符が投げかけられていく。実直な分析からラディカルな議論が導かれていて、社会学の業績にはこうした鋭角的なものもあるのか、と恐れ入った。ジェンダーを一つの分析道具にしながらも、ジェンダーのイデオロギー性に呑み込まれない姿勢が、学者としての信頼性を感じさせる良書。

● 品田知美『家事と家族の日常生活―主婦はなぜ暇にならなかったのか』(学文社)2000円+税

2008-02-22

いただいた雑誌「小説新潮」

20080222.jpg中村うさぎさん、松沢呉一さんとの鼎談「快楽も半ばを過ぎて」の最終回です。といっても、まだ収録して活字になっていない部分のほうが多く、それはこれから単行本化されるときに加えられる予定。一足先に読みたい方は、雑誌でどうぞ。

しかし、この鼎談は伏見にとっても実に面白い経験でした。まあ、中村さんと松沢さんをノンケ女子とノンケ男子の代表とは間違ってもいえないけれど(もちろん伏見がゲイの代表とも相当言い難いが)、異文化どうしが語り合うことで見えてくるものは大きい。性をより立体的なものとしてとらえることができたのが、この鼎談の魅力だったと振り返ります。

最終回は「良いチンコ、悪いチンコ」「良いマンコ、悪いマンコ」みたいな具体的なことがらが話題となっているので、あきないと思います。

●「小説新潮」3月号

2008-02-14

いただいたご本『I LOVE 過激派』

hayami.gif(たぶん)面識のない方なのだが、早見慶子さんからご著書をお送りいただいた。ありがとうございます。

それにしてもいったいなぜ伏見に?(笑) というか、早見さんって誰? 本の帯によると。

「80年代バブルの時代。セレブなお嬢様にならず、なぜかゲリラの激しい過激派・戦旗で活動してました。アジト生活、ガサ、逮捕と最底辺の生活。対立して、やめてからは布団も電気製品もない貧しい日々でした。今は社会を変えることより、周囲に感謝することのほうが大切だと気づきました。」

へえ、面白そうな本だなあとプロフを見ても、早見さんが何歳なのかもわからない。ジェンダーを感じる?(笑) 過激なわりに小市民的なところが可笑しそう。

● 早見慶子『I LOVE過激派』(彩流社) 1800円

2008-02-11

いただいた雑誌「Quick Japan」

QJJ.jpgアンケートとコラムを寄稿。同じQJでもこちらのQJはいまだに元気ですね。というか、そもそもQUEER JAPANは、書店でQUICK JAPANと間違えられたら売り上げが伸びるかもしれない、と考えて名付けた雑誌名(笑)。

ちなみに、ぼくの雑誌はガス欠で休業中。ゲイへの愛情が戻ってこないとああいう仕事はできないなあ。

● 「QUICK JAPAN」特集・爆笑問題(太田出版)

2008-01-31

いただいたご本『家を出る日のために』

iewo.jpg伏見が実家を出て独り暮らしをしたのは、いまからちょうど二十年前のこと。最初は、独りでいることの自由と気ままさに心が解かれたようでただ楽しかった。それから、日々のなかで寂しさや孤独の意味を知り、改めて誰かといっしょにいることの快もわかるようになった。若いうちに独りの暮らしを体験することには、多くを教えられるものだ。

そんな生きていくことの基本について語ってくれるのが、この『家を出る日のために』。著者は「家事塾」を主宰する女性で、「どうしたら心楽しく豊かに生きていけるかを、等身大の言葉で提言しつづけている」。暮らす、ということを思考する一冊である。

巻末の「家出テスト」は挑戦の価値あり!

● 辰巳渚『家を出る日のために (よりみちパン!セ 32) (よりみちパン!セ 32)』(理論社/よりみちパン!セ) 1200円+税

2008-01-18

いただいた雑誌「dankaiパンチ」

08_02.jpgコラムを寄稿したので掲載誌が送られてきた。これってタイトルからして団塊の世代向けのものだと思うのですが、ちょっと下の世代であるぼくにも興味深い記事がけっこうある。「妻の死とその後」「俺たちはハゲじゃない」「本を捨てたら見えてきた世界」……なかなかタイトルに惹かれる。

で、ぼくの原稿は「宣言 さらばセックス」という特集のなかにある(もちろん、「撤退しない宣言」を書いているのだけどね)。その頭にある山口文憲さんと亀和田武さんの「セックスはしなくても愉しい。妄想しているときが華なんじゃないかな」という対談が、これまで男性があまりセックスに対して語ってこなかった正直な内容で、よかった。

それにしても、見開きページのなかで、ぼくと、安部譲二さんと、末井昭さんの顔写真が並んでいるって、なんかすごい絵面(笑)。それもセックスがらみのページでね……。

● 「dankaiパンチ」(飛鳥新社)980円

2008-01-16

いただいたご本『完全解説 ヘーゲル「精神現象学」』

hege.jpgヘーゲル?精神現象学?んなものあたいにわかるか!とお思いのあなた、いい本が出ました。その名も『完全解説 ヘーゲル「精神現象学」』。竹田青嗣さんと西研さんの共著で、講談社選書メチエ「知の高峰を読み平らげる新シリーズ第一弾」ということですから、きっと素人にもわかりやすいものでしょう。

哲学に興味はあっても、独りで原著を読んで勉強するほどの根性も、知力もない我々にとっては、空からすくいの糸がたれてきたようなものです。著者たちの志も、専門家のあいだの謎解きにしかなっていない知の遺産を、一般の人たちが共有できるものとしたい、というところにあります。ありがたいことです。

ぼくも、自分の文章のなかにヘーゲルとかカントとか引用したらかっこいいなー、などとミーハーな憧れを抱いていたので(笑)、これを機会に勉強してみたいと思います。えぇ、読み切ってみせます。投げ出さないで読んでみせるー!

● 竹田青嗣・西研『完全解読 ヘーゲル『精神現象学』 (講談社選書メチエ 402 完全解読)』(講談社)1700円+税

2008-01-01

謹賀新年

081.1_fuku.jpg本年もよろしくお願い申し上げます。

ご無沙汰している人、よくお目にかかる人、まだ出会えていない人、08年にはどこかで言葉を交わすことができれば、と願っています。

伏見は今年も何冊か単行本が出る予定です。楽しみにしていてください。

今年がみなさんにとってすばらしい一年になることを祈っております!

2007-12-29

いただいたご本『あのころ、先生がいた。』

hiromi.jpg師走も押し詰まってからさまざま本が届きますが、今回は最近小説も絶好調の伊藤比呂美さんがパン!セに書き下ろしたエッセイ。ご自身の学生時代の「先生体験」があたたかい文章で綴られています。

伊藤比呂美さんには田中美津さんがらみで何度かお目にかかったことがあるのですが、その毒々しいキャラに当時鮮烈な印象を持ちました(笑)。彼女の自作の詩の朗読はもう「芸」の域に達していて、初めて目の当たりにしたときには口があんぐり。すンごいんです!

あれから十数年が経ちますが、どうやら伊藤さんは最近はアメリカで暮らしていて、かの国と日本を行ったり来たりしているようですね(なんか豪華な人生)。この本を読んでいたら、久しぶりにまた彼女の朗読を聴きたくなりました。

● 伊藤比呂美『あのころ、先生がいた。 (よりみちパン!セ 31) (よりみちパン!セ 31)』(理論社/よりみちパン!セ) 1200円+税

2007-12-28

いただいた論文「明治期における学生男色イメージの変容」

danshoku.jpg先日のクィア学会で知り合った、京都大学大学院の博士課程で学ぶ前川直哉さんから論文をお送りいただいた。「教育社会学研究第81集」(2007)からの抜刷で、タイトルは「明治期における学生男色のイメージの変容」。

こうしたテーマでは古川誠さんの先行業績があるが、前川さんの論文はさらに埋もれていたテキストを掘り起こし、分析したものになっている。前近代から近代の転換にあたって、日本の「男色」がいかにして「同性愛」にパラダイム・シフトしていったのかは、まさにブラックボックスのなかで、前川さんが新たに付け加えた解釈は実に興味深い。それほど単純でない変容の内実を明らかにしている。

伏見も戦後の同性愛について論文としてまとめようかと考えているので、おおいに参考になった。前川さんのような有意義な仕事をされる研究者が増えることは、歓迎すべきことだ。お送りいただいたことに感謝!

● 前川直哉「明治期における学生男色イメージの変容」

2007-12-26

いただいたコミック『君を知るや南の獄』上下

tagame.jpg
田亀源五郎さんが雑誌「ジーメン」に連載していた『君を知るや南の獄』が単行本(上下刊)にまとめられた。装丁も凝っていて、ポット出版と田亀さんとのコラボレーションは非常に上手くいっている。

舞台設定は終戦後の米捕虜収容所内、米軍士官と日本人捕虜とのSMの物語。ホモソーシャルとホモセクシュアルの関係が交叉し、隠された愛の秘密が明らかになる……。

描画の緻密さにうなりながら、複雑なエロス感情の機微を堪能できる傑作だ。

セジウィックに読ませたいコミックですかね?(笑)

● 田亀源五郎『君よ知るや南の獄 上』上下 各2500円+税(ポット出版)

いただいたご本『本日、東京ロマンチカ』

nakano.jpg今年も中野翠さんから、一年間のコラムをまとめたご著書をお送りいただきました。

サンデー毎日などの彼女のコラムを時系列にたどりながら、一年を振り返るのが年中行事になりましたが、振り返ると、本当にいろんなことを忘却しています。あの事件って今年だったっけ!?みたいなことが多く、どんなに陰惨で、猟奇的な事件でも、それをあっという間に忘れ去っている自分と、そういう時代が怖くなりますね。

しかし、相変わらず、怒ったり喜んだり、喜怒哀楽をまっとうしている中野さんはすごいなあ。ぼくなんて、そういう情感すら忘却している気がするのだ、最近。←単に衰えたってこと?!

● 中野翠『本日、東京ロマンチカ』(毎日新聞社)

2007-12-25

いただいたご本『テメレア戦記』

teresenn.jpg友人の翻訳家、那波かおりさんから新刊をお送りいただいた。小説からノンフィクションまでさまざまなジャンルを訳している彼女だが、今回は歴史ファンタジーということで、金のにおいがプンプンしまっせ〜(笑)。←下品

なんといってもあの「ロード・オブ・ザ・リング」の監督、ピーター・ジャクソンが映画化することが決定しているというのだ! これはもう大ヒット間違いないでしょう。

物語もすごく面白そうで、こんな感じ。

「テレメアーーーそれは誉れ高きドラゴン。漆黒の翼はためかせ、この世に舞い降りた。清廉なる海軍将校ローレンスと深き絆を結びしその竜は、高貴なる血がため、苛烈な戦いへと赴く宿命にあった……」

「ハリーポッター」とか「ロード・オブ・ザ・リング」の系統が大好きな伏見には(実はファンタジーな性格なの)、たまらないものがあります。このお正月にじっくり読ませていただきましょう。

●ナオミ・ノヴァク著/那波かおり訳『[テメレア戦記] I 気高き王家の翼』(ヴィレッジブックス) 1600円+税

2007-12-18

いただいた雑誌「サイゾー」

saizo.jpg「サイゾー」でオネェ特集?が組まれています。TV番組「おネエ★MANSに賛否/カルーセル麻紀も吠えた!/オカマと呼べない理由」という記事。

これまで雑誌のゲイ特集というのはたくさんあったが、オネェ特集というのは記憶がないので、けっこう面白かった。オネエタレントの歴史とか年表になっていて(ちょっと足りない感じもしたけど)。カルーセルねえさんのインタビューがいいね!

伏見もちょっとインタビューに応じましたが、まあ、それは例の「オカマ論争」についてですが。←運動へのおさえってやつね(笑

● 「サイゾー」08.1 690円

2007-12-14

いただいたご本『カミングアウト・レターズ』

coming_out.jpgいまさらカミングアウト本? なんて思ったあなた、この本はなかなか侮れませんぜ。なんてったってカミングアウトする側の声ばかりでなく、された側の親御さんや教師の赤裸々な声が聞けるのだから。

これまでのこの手の本は(伏見の本も含めて)ゲイやレズビアンの気持ちを代弁するものだった。が、それだけでは片手落ちだった(これ差別表現?)。『カミングアウト・レターズ』は当事者ばかりでなく、自分の子供に性的少数者であることを告げられた家族の気持ちのリアルに分け入っているところが面白い! 面白いなんて言ったら怒られてしまうかもしれないが、読み物としてもちょっと感動を味わえるエンターテイメントに仕上がっている。

ryojiカミングアウトとは一方的に少数者の側がするものではなく、それを受け止める側とのコミュニケーションのことを言う(べきだ)。本書はそういう意味では、初めてカミングアウトを立体的にとらえた一冊になっている。差別に置かれながらも可能性に開かれている日本のゲイやレズビアンの「いま」を、見事に映し出しているだろう。

まあ、そんな肩肘張った読み方をせずとも、親と子の自立の物語のヴァリエーションとして、多くの人たちの琴線に触れること間違いなし。そうとう斜に構えて読みはじめた伏見も、途中ぐっと胸に迫るものがあったくらいで。

写真の兄貴は編者の一人、RYOJIさん。とってもエロエロなフェロモンを出していて悩殺!

● RYOJI+砂川秀樹編『カミングアウト・レターズ』(太郎次郎エディタス) 1700円+税

2007-12-13

いただいたご本『性同一性障害と戸籍』

douitu.jpg緑風出版の「プロブレムQ&A」シリーズから新刊が出ました。針間克己・大島俊之・野宮亜紀・虎井まさ衛・上川あや氏による『性同一性障害と戸籍』。

性同一性障害についての概論から戸籍変更のノウハウまでがわかりやすくかかれている。当事者にとっても、それに関わる人たちにとっても使い勝手のある一冊。

一家に一冊はいらないが(笑)一図書館に一冊は入れてほしいと思うのだが。

● 針間克己・大島俊之・野宮亜紀・虎井まさ衛・上川あや『性同一性障害と戸籍―性別変更と特例法を考える (プロブレムQ&A)
緑風出版 1700円+税

2007-11-26

いただいたご本『ついていったら、だまされる』

damasareru.jpgまたまたよりみちパン!セからの一冊。今度の本は「キャッチセールスにデート商法、出会い系サイトに悪質オーディション……「自分だけは大丈夫」と思っているヒトほど、じつはいちばん危ういのだ! 世の中にあふれる「甘いコトバ」に誘われてタイヘンなことになる前に、キミをねらう詐欺やワナの手口のよみときかたを、手とり足とり、教えます」。

これも重要なテーマですね。いまどきの社会、子供のころからこういうことを教えておくのが大切かも! てか、大人も知っておいたほうがいいだろう。実に使える若者向けの本だ。

寡聞にしてこの著者のことを知らなかったのだけど、「キャッチセールス評論家」として活躍されているのだそうだ。いやあ、世の中にはいろんな評論家がいる(←オカマの評論家の伏見もヒトのこといえない)。

● 多田文明『ついていったら、だまされる』(理論社/よりみちパン!セ) 1260円

2007-11-18

いただいたご本「ひとはみな、ハダカになる。」

bakushi.jpg一読して、「す、す、すっげぇ!」。

いやあ、こんなに過激な中高生向けの性教育の本は世界中探してもないでしょ。よりみちパン!セすごすぎます。伏見をラインナップに入れてるのも思春期の若者向けとしてはどうかと思うけれど、バクシーシ山下にAV業界について語らせるなんて奇想天外! ぼくでさえ読んでいて「こ、これって、許されるの?」みたいな話の連発だもん。例えば、

「ぼくがその会社でいちばん最初にした仕事は、ロバを迎えに行くことです。……ロバは、その女優さんと交尾というか、セックスをするという役です」

こんなネタが満載なのよ! AVを観ることだって許されていない中高生向けに!(笑) 滅多なことでは驚かない伏見も、パン!セ編集部の剛胆に冷や汗が出ました。編集サイドの懐の深い教育観にただただ感心するばかりです。

あぁ、ぜひこの本の書評を書きたいのだけど、どこか勇気のある媒体ありませんかねえ?

● バクシーシ山下『ひとはみな、ハダカになる。』 (理論社/よりみちパン!セ)
1200円+税