2008-02-29
いただいたご本『家庭でできる法事法要』
手にしたときに、なんといまどきの本なのか、と感心。装丁に「5000円かからない!」と入っているが、誰でもチープに気軽にできる法事法要のマニュアル本だ。だけど、監修はあの社会学者、橋爪大三郎氏。橋爪氏が宗教社会学を得意としていることは存じ上げているが、かの大先生がこのような本を出すとはいったい……。
しかしよく読んでみると、この本が単なる法事法要のマニュアル本ではなく、ブッダが主張した仏教本来の教えに立ち返り、我々がそこから出発するための思想書であることもわかってくる。お経の読みと現代語訳まであって、勉強になること請け合い。また、橋爪氏の言葉にも味わい深いものがあって思わずジュンとくる。「やがて死ぬとわかっていて、立派に毎日を生きていく。こういうことのできる人間って、なかなか大したものだと思いませんか」。
『おひとり様の老後』の後は『家庭でできる法事法要』がベストセラーになるかもしれない! 橋爪氏にはできたら、「ひとりでできる生前葬」とかも書いてほしいわね(笑)。
● 橋爪大三郎 監修『家庭でできる法事法要』(径書房) 1200円+税