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5月の日誌
[2004-5-31(月)]

さっそく壁にぶちあたる

三木
miki@pot.co.jp

今日で3日目です。
地図をトレースしたり、図版の直し、カバーデザインの直しなどを行いました。
図の中に矢印を追加したり、文字を差し換えたりしてつくづく思うことは、「デザインて難しいなぁ」ということです。矢印をひとつ追加するにしても、既存のデザインとの調和を考えなければいけません。その矢印をクローズアップさせる必要があるのかないのか。あればあったでどこまで目立たせるのか。それによって大きさや色、形が変わってきます。今後さらに何かが追加されることも考慮に入れつつ、どこまで調和をさせるのか、図から読みとるものが非常に多く存在しています。
図説というのはひとめ見ただけで意図が伝わらないといけないものですから当然といえば当然ですね。ただ、デザイナーとして、それが外注の仕事であれば先方の担当者とのコミュニケーションが必要ですし、読解力も必要であり、センス、経験、技術、スピードも必要です。
前の会社では自社の出版物を自社のデザイナーが作るというスタイルでした。私は編集とデザインの両方を担当していたので自分で考えたことを形にすれば誰にも文句は言われませんでした。予定もある程度は自分で立てられるので、自分のことだけを考えていれば事足りました(もちろん、売り上げや著者や会社のことも考えますが)。その意味においては、温室で育ったといいますか、現在、給料をいただきながら良い勉強をさせてもらっているといいますか、なかなか複雑な思いを文章にするのは困難でして……。
とにかく、まずはがむしゃらに頑張るしかないでしょう!

[2004-5-31(月)]

徹夜力

日高
hidaka@pot.co.jp

「30過ぎると体力ガックリ落ちるよー」と言われていたものの、意外に体力は落ちず、むしろ徹夜がどんどん平気になってきている……。とひそかに自負していたのですが、最近夜10時目標で帰るようにしてから、めっきり徹夜ができなくなりました。最近は一晩徹夜しようものなら、翌日はへろへろです。(薬のせいもあるんだろうけど。)アレは体力とかも関係ありますが、慣れもありますね。絶対。(慣れたくない)

[2004-5-28(金)]

社員バックアップシステム

三木
miki@pot.co.jp

さて、今日で2日目です。昨日のメールの反応をビクビクしながら(それでも楽しげに)待っていたのですが、北は北海道から南は九州沖縄まで誰からもリアクションは返ってきませんでした(そりゃそうですね)。世界中で一人も、です(自意識過剰ですね)。そう考えると逆にある意味すごいことのような気がしてきました(気のせいですね)。
本日はポットの日誌に何度か登場した「シャワートイレ」と「マッサージイス」の体験談をば。
では、まずはトイレ。ポットのトイレの初体験は2度目の面接のとき。事前に「面接に行ったらトイレに行くべし」と決めての行動でした。便所のフタが開くことは知っていたのでそのなめらかな動きに心で拍手。が、問題はそのあとでした。用を済ませて手を洗っていたら、ガタンと音を立てて視界の端で何かが動くのです。思わずサイドステップをし、ドアに激突しました。なんと、開いたフタがシュルシュルと閉じてくれたのです。さすがにそこまでは想像がつかずの失態。面接中なので誰かに話すこともできずにニヤけていました。誰かに話して一緒に笑えればと、悔しかったことを憶えています。
マッサージイスは思っていたより、いや私の経験上、最高のマッサージイスでした。スーパー銭湯にある100円のものよりも更に上質。是非みなさんにも体験していただきたい。
これ以外にも様々な「ポット出版の社員バックアップシステム」が存在するのですが、それらについてはまた別の機会に……。
あ、仕事はしています。来週からはちゃんと仕事のことについても「日誌」らしく書いていきたいと思います。

[2004-5-28(金)]

国民年金

沢辺
kin@pot.co.jp

国民年金の平成15年度(2003年度)の保険料は月額1万3300円です。
これに対して年金額は、最高79万7,000円・年額だそうです。
20歳〜60歳までの40年間(480ヶ月)すべて完全に支払った場合です。
なので、79万7,000円を480ヶ月で割ると、月額1万3,300円を支払った場合の年金額・年額になる。1,660円(1660.4166666円)。65歳から8年間、年金を受け取るとちょうどトントンになります。73歳まで生きるとトントンということですね。

保険料を1ヶ月分(1万3,300円)払うと、年金として1年に1,660円を受け取れる。こう考えるとすっきりしませんか?

ちなみに、日本人の平均寿命は、男・78.07歳/女・84.93歳だそうです。
こうみると、月額1万3,300円は、それなりにお得かとおもわれます。

で、2017年には保険料が月額1万6,900円になるそうです。10.18年間受け取ってトントン。75歳までですね。こう考えるとどうなんでしょう?って気になります。

[2004-5-27(木)]

はじめまして

三木
miki@pot.co.jp

はじめまして。本日付けでポットに入社しました三木です。どうぞよろしくお願いします。
ポットに入ったら日誌が書けるんだと思い、日誌ページ登場を憧れていましたが、まさか入社初日からとは思わず、ただいま緊張で固くなった脳味噌をふやかしながら書いています。
この業界もそれなりに長くなってきましたので、ご存じの方もしくは名前にピンときた方がいるかもしれません。若い頃は無駄な喧嘩を多数してきたので、ご迷惑をお掛けした人にはこの場をお借りして「失礼しました」と申し上げたいと思います(文句を言われる前に言っちゃう戦法です)。
これから1カ月のあいだ毎日お付き合いいただくことになりますので、ネタは小出しにしていきたいと思います。では明日お会いしましょう。

[2004-5-26(水)]

アリんこ、死す

佐藤
sato@pot.co.jp

小久保が飼っていたアリたちが、死にはじめました。5匹のうち、生きているのは、あと1匹だけ。こいつの命も時間の問題だと思われます。
小久保が、アリが巣を作る様子がよくわかるということで購入し、ポットのトイレに飼育(?)ケースを 置いて、観察していたもの。小久保が辞めるにあたって置き土産として、残して(捨てて?)いったペットです。
数ヶ月は生きていたと思うけど、これは長生きしたのか、早死にだったのか? そもそもアリの寿命ってどのくらいなんでしょう。……今、ネットで「アリの寿命」で検索したら、「働きアリで半年」と書かれていました。
ふーん 。
ポットに送られてくる前に、すでに生きている期間があるわけだから、そこそこ生きたということにしておきます。

[2004-5-25(火)]

まちぼうけ

齊藤
saito@pot.co.jp

慣れってこわいな、と思ったこと。
 ある日出先でトイレに入った私。トイレに入ったのに立ったまま便器を見つめ、 「休め」の姿勢で佇む自分に、はたと気付きました。
何をしにトイレに入ったのか。尿意をもよおしたからトイレに入ったに決まっとろう。だのに何故佇む、自分。
 どうやら私は、便器のフタが開くのを待っていたようです。
以前も書きましたが、ポットの便器のフタは、勝手に開きます。頼んでもいないのに、毎回自主的に開きます。だから私も、彼の自主性を尊重して、勝手に開くのを寛大に見守っていてあげるのです。開くテンポがあきらかに遅いのですが、せっかくのやる気を削いでしまうのも優しさに欠けると思うので、毎回根気よく、開くのを見届けてあげます。(どうでもいいことですが、開くのを待つ間、つい、小久保さんがコンプリートした水戸黄門フィギュアのフォーメーションを変えてヒマをつぶしてしまいます。時折、そっちがメインになってしまい、便器のフタを見守っていないこともしばしば)
…それがクセになっていたのですね。自分の寛大さがアダとなりました。尿意も忘れ、アホのようにボケー…と佇んでしまった。間抜けです。
 これからは、ポットの便器のフタが自主的に開こうとしている時、それを見守ったりせず、そっと手を添え、共同作業をしてあげようと思います。いたって暗い行為ですが、誰も見ていないし、良しとしましょう。でもすぐ飽きると思います。

[2004-5-24(月)]

ふと思い出したのですが

木村 瞳
kimura@pot.co.jp

誰それは何色のイメージ、なんて話をされたことがありますでしょうか? 私は自分から誰かを色にたとえたことはないんですが、よくたとえられるので、この行為がどれだけ一般的なのかちょっと聞いてみたくなりました。
で、いろんな人からたとえられるわけですが、あるきまった色が多いんですよね。水色、黄色、紫色、だいたいこの3つのどれかです(濃い黄色、とか茄子紺に近い紫とか、パターンはありますが)。黒にたとえられることに憧れるのですが、だいたいの人は上の3つのどれかを言います。
ということは、みんなそれぞれに私のイメージがあって、それぞれに色のイメージがあって、このイメージがそれぞれつながるんだけども、この3つの色のどれかに帰着するってことでしょうか。場所によっていろんな態度をとっているはずの私ですが、結局この枠のなかなんですかね。何だかおもしろい気がします。
しかしながら、そういえば、上の3つを言われていたのは1年くらい前までの話なので、もしかしたら、今は違う色を挙げてくれる人が多くなっているかもしれません。最近であった人に聞いてみたい気がします。でも聞きづらいですね。「私って何色?」って質問、なんかちょっと。

[2004-5-24(月)]

パレード委員長に・その12
8月22日に開催

沢辺 均
kin@pot.co.jp

ゲイ雑誌の『Badi』と『G-men』に発表がありました(『G-men』は未確認ですけど)。

8月22日(日)にこれまでと同じ代々木公園イベント広場で、関根信一さんが委員長になって行われるそうです。新宿二丁目のレインボー祭りも同日夜に開催されるとか。

まずは、おめでとうですね。

[2004-5-21(金)]

引っ越し

岡田
ok@pot.co.jp

今年の目標のひとつ「引っ越し」。ついに明後日決行します。
ただ死を待つだけの住居と思いこんでいた(近所の部屋は、老人介護サービスの人がたびたび訪れていたし、とにかく住居者は高齢化していた)、港区田町の単身者用公団住宅(家賃40,000円、風呂・トイレ無し)から、一転神奈川に移住します。
今度は海のそばで、図書館、動物園も近所にあって、ライブハウスも多いし、喫茶店も充実(土日は競馬中継を流しっぱなしだが)。
ああ、でも、田町に引っ越したときも、これからの生活にバラ色の未来を描いてたな。 今度は失敗しなきゃいいけど。

[2004-5-21(金)]

カーミラvol.4

岡田
ok@pot.co.jp

ただいま、2004.05.21,AM1:49、日高といっしょに明日入稿予定の版元ドットコム会員集会の印刷物2点の制作追い込みにかかっているわけですが、ちと飽きたので、つらつらと自社本のアマゾン順位をチェックしていたところ、『カーミラvol.4』がなんと、11位になっているではないですか!。『シブヤから遠く離れて』で、最高位61位を記録したときはびっくりして、鼻血が吹き出しましたが、今回は、風邪を引いて下痢をしていることもあって、×××が吹き出しそうに・・・。ああ、メイミーさんにメールでもしてこの喜びを伝えようか、と思っていた矢先、既刊本も順位が急上昇していることが発覚。どこぞの誰かが、派手に宣伝をかましてくれたんでしょうか。それとも、カーミラvol.4、特集が「まんこ」ゆえ、皆急に心がざわつきだし、かんたんに「ショッピングカートに入れる」のボタンを押しまくっているんじゃないか。うっかりものが多い、春の終わり、です。とってもうれしいんですけど。
記録のために順位をつけておきます。

2004.05.21,AM2:01
カーミラvol.4○11位(ベスト100ではなぜか10位)
カーミラvol.3○49位
カーミラvol.2○57位
カーミラvol.1○45位
[2004-5-20(木)]

部屋をきれいにする

山田
yama@pot.co.jp

ずいぶん古い話ですが、ゴールデンウィークは、ほとんどを寝たきりですごしてしまい、最後の1日に、死力を振り絞っておきあがり、激しく部屋をかたづけたのですが、たまりにたまったゴミを排出(ゴミ袋やら雑誌、段ボールの束などを合計すると、20個前後になってしまいました。)することだけで、力つき、片づけ途中のままの中途半端な状態で連休後の日々を暮らしています。ちらかすのは簡単ですが、片づけるのはとても大変だと思い知りました。ポットの机もすぐにぐちゃぐちゃに散らかしてしまいます。しかし、今回は、ノーモアゴミの山をかたく心にちかったので、なるべくゴミを散らかさないようにしていて、2週間くらいたちますが、わりとすっきりした状態をキープできていると思います。
[2004-5-18(火)]

一人ひとりの自由を
調整するってこと

沢辺 均
kin@pot.co.jp

ここんところ、ちょっとハマってる「考え」があるんです。

●人はみんな自由になりたいし、なっていいし、なることができる。
●問題は、一人ひとりの自由がぶつかったときにそれを調整する方法をひねり出す方法を、一つずつひねり出して、積み上げてくってこと。これが自由を具体的に実現できる方法なんだ。
ざっとまとめるとこんなかんじですか。

この前提には、たぶん人は一人で生きてくことができなくて、どうしても自分以外の他人と「一緒」に生きていく「社会」みたいなものがどうしても必要だ、ってことがあるんだと思うんです。

たとえば「売春」です。
セックスをしたい人がいて、しかしとりあえず売春という方法以外に今セックスできる可能性のすごく少ない人がいるとします。Aさんです。
セックスを仕事としてもいいと思う人がいるとします。Bさんです。
セックスは恋愛関係でしたやってはいけないと思う人、あるいは売春という方法は人間としてやってはいけないものだと考える人がいるとします。Cさんです。
それぞれ自由な意志です。
AさんとBさんが金とセックスを取引してもCさんの自由を奪うことにはならないとおもうのです。ただ、Cさんの目の前で聞こえるような声で相談するのはやめておこう、くらいは必要かもしれません。
AさんとBさんのセックスをCさんに了解しろというのは、Cさんの自由を奪ってしまうと思えます。別に了解してもらう必要もない。
これで三人の自由は同時に実現できるってことだと思います。
なにをもって「自由な意志」というのは難しいけど、とりあえず、最近話題の「自己責任」でやるぶんには、本当に自由な意志なのか?と問いつめてもそれほど意味があるとは思えません。

会社のなかで、自由をそれぞれが了解するのはそれなりに難しいです。
Dさんが編集を担当している本があるとします。それは911テロに関する本なので、なんとして8月15日ころには本屋さんに並べたいものです。ところがDさんは、自分の小学生になる子供と「夏休みに入ったら海にいく」と前々から約束していて、海水浴場のそばの民宿の予約をとっていました。その約束のあとに本の発行が決まってしまっていました。だから休むとその進行が遅れてしまうんです。で、Dさんが休むためにはだれかにその仕事を一時的にEさんにかわってもらわなければなりません。小さな会社だから、かわってもらえるのはEさんくらいしかいないのです。Eさんは、独身で子供もいないし、彼氏もいないんで、まあ夏は友達と適当な温泉にでもいくか、と漠然とした計画しかないんです。で、この場合、DさんとEさんがそれぞれ自由な意志で、一時的に仕事を肩代わりすれば、なんの問題もありません。
でも、Eさんにも子供がいて、同じような約束を7月下旬にしていたとしたら、それぞれの自由はぶつかるだけ。

で、この、それぞれの自由の衝突を、具体的にどんなふうに調整できるのか。
まず、仕事のスケジュールをずらせないかが、解決案の第一でしょう。仕事を前倒しにできたり、発行を1週間遅らせることができればDさんとEさんの自由はどちらも実現できます。しかし、その本の著者の原稿仕上がりが遅れていたら、この計画は実現できません。
ちょっとヤケになって、本の発行をやめてしまうなんてのは、こんど著者の「出したい」という自由な意志とぶつかります。
するとDさんかEさんが一時的に自分の自由を一時的に引っ込めて我慢するしかありません。
なにかプレゼントするとかの条件をつけたりして、一方に我慢してもらうのです。あるいは「こんどは私が我慢するからね」って条件もあるかも知れませんね。また、そもそも「来年は、子供と約束する前に日程調整をしようね」というのも、その後の自由の実現にはいいかもしれません。
こうした、それぞれの自由の共存状態をつくるための、具体的な対処案をひねり出し、それを積み上げていく現実をへないと、自由の実現はできないってことを考えるのです。

現実には、こうした調整ってむずかしいって思います。
僕は、自分の自由[だけ]を優先させたいって感情を処理できなかったりします。あるいは「そもそも日程を変更できないだろうか」なんて簡単なことを思いつけなかったりもします。どちらかが我慢しなければならない状況を考えると、「今回だけはこの我慢を引き受けるのは勘弁してほし」とか子供の顔がちらついたり、この前も約束を破ったな、なんてことを思い出したりもします。
だけど、できるだけ、僕自身の周りでおこっていることを、最初に書いた「考え」で対処したいと思ってます。そうして「考え」がほんとにうまくいくんだろうか・どっかにズレがあるかどうか、そしてその「考え」が使える考えなのかどうかを試していきたい、なんて考えているんです。

さて、僕とポットという組織は、版元ドットコムという組織に参加していて、それなりにその運営に責任を分担しながら関わっています(と考えてます)。版元ドットコムの会員同士の連絡に使っているメーリングリストに「謝恩価格本フェアに参加する意思のあるひとはわたしに連絡してください」といったメールが流れました。
このメールが、単なる情報交換だと考えれば、これまでも版元ドットコムという組織の取り組みとは直接関係ない情報が流れていました。

しかし、ことは「再販」に関わっています。
再販とは再販売価格維持、といってメーカーが小売店での価格を拘束することで、独占禁止法で禁止されています。資本主義・市場主義からみても、それはズルでしょと思われているのだと思います。市場主義だからといってもどんな取引をしてもいいわけじゃない、というのが今の日本という社会の「ルール」になっている、と理解していいと思います。
ただ、本はこの再販売価格維持禁止の対象から、例外的に外されてます。逆にいえば本をつくるメーカーは「保護」されているってことになると思います。
業界では、再販を守る(つまり禁止対象から外された状態を守ろうということ)のがいいと考えている出版社が多数のようです。
たしか講談社や小学館のような出版界内の大企業(といっても売り上げ1千億、従業員千人前後)から、社長一人の零細企業まで、再販擁護と考えているいるひとが多いはずです。

謝恩価格本というのは、要は値下げして売るってことですから、みずから再販売価格を崩すことになる、とみることもできると思います。
また、再販を守るためにも、あまりに堅苦しくしてると消費者の不満も高まる(なんで安売りができないのか)んで、ときどきサービスはしなきゃ、っていう考えもできると思います。
僕は再販はなくしてかまわないない、という考えです。再販が特別役に立っているとは思えないから、という消極的な理由からです。
逆に再販をなくしても特別にいいこともないと、考えています。だから謝恩価格で売ること自体には抵抗がありません。ただ、値下げを宣言すると、なんか価値観を自分で減らしているような気もして、それほど積極的にしたいとも思ってない。
版元ドットコムでは、この議論に、版元ドットコムとしての結論はもたない、って決めたはずです。
ただウエブサイトで、会員社の本をうってるわけですから、値段をどうするかは決めなければならい、。そこで、版元ドットコムのサイトでの販売は「定価」といういうメーカー(つまり僕ら、出版社)が決めた値段でうる。もし再販をはずして値引きして売りたいという会員が現れたら、自社のウエブサイトにリンクしてもらってそこで値引きして販売してもらう、ってことにした。

さてさて、話はもどって「謝恩価格本フェアに参加する意思のあるひとはわたしに連絡してください」というメールに異論が出されました。

僕の考えはこうです。
●できるだけそれぞれの会員の自由を了解したい。で、その自由を共存できるかたちで、共同で本をうったり、書誌情報を業界やネットワークのなかに流すという活動を、便利に楽に実現していきたい。
●再販をどう考えてとう対処していくのかは会員各社がそれぞれ自由に判断して対処する。版元ドットコムとしての判断はもたない。
●ウエブサイトでは定価で販売する(各社のサイトでの値付けは版元ドットコムとは無関係)。
●メーリングリストをつかった情報交換の「情報」の種類は(当面)問わない。業界の情報は歓迎する。
つまり、謝恩価格本セールを版元ドットコムで取り組むことはしない、情報交換としてながれたメールは問題ないし、今後も謝恩価格本の情報を流すことはOK、ということです。

このことを版元ドットコムの幹事会で議論になりました。もう1ヶ月くらい前になります。
ぼくは上記のことを主張しました。
十分にそれぞれの自由を確保した上で、共存できる取り組みを引き続きやっていくことが、これでできると考えたからです。

どうしても、再販を壊す謝恩価格本セールの情報が流れることに違和感がある、という考えも出されました。
そこで、版元ドットコムとしての対応を、
●謝恩価格本セールという具体的な活動の情報をメーリングリストには流さない。
●どういうメールを流してはいけないのかは、あえて決めない
という2点として決めました。
僕は、現に「異論あり」という人がいる以上、その現実はふまえる、と考えたのでした。
また、すべての情報を流すのが自由とは、現時点では言い切れないとも考えました。
なので、具体的な禁止決定の積み重ねで、一定のルール化ができればいいんじゃないか、さらにこの禁止自体も今後変更することになるかもしれないし、それまでにさまざまな考えを積み上げればいい、と思ったのでした。
僕のなかには、僕の案で十分にそれぞれの自由を共存させることができるのに、という気持ちと、メールを流した側に我慢が割り振られてしまったなという気持ち、が残りました。

一方、まあよくも、このあたりで「とりあえずの決め」ができたなという気持ちもあります。
それも、ほとんど「シコり」とか「気まずさ」を残さないで。この点だけでも、僕の考える自由の共存への前進がちょっとだけ実現できたのかな?って。

もっとよく自由になるための、具体的なルールの積み重ねに興味があるって話でした。

[2004-5-17(月)]

Mac OS Xでftpで同期

日高
hidaka@pot.co.jp

よくある「手元で更新したファイルをサーバに放る」動作をさせたいだけなんですが、linuxだと動くものが全く動作せず。ftpmirrormirrorftpsyncrsync(with SSH)と来てすべて撃沈。結局lftp(fink経由)を使うことになりそうです。
[2004-5-16(金)]

国民年金未払い

沢辺
kin@pot.co.jp

国民年金の保険料未払い問題です。

保険料の未払いは、だれからも文句を言われる筋合いがないと思ってます。
それは、未払いすると、その本人に未払い分のペナルティーが課せられていると考えるからです。

ペナルティーの第一は、年金受給額がちょうど未払い分だけ減らされることです。
国民年金の受給額は79万7,000円ということになっているようです。一応、厚生労働省のサイトで調べた平成15年度(2003年度)の金額です。で、わかりづらいんですけど、これは20歳〜60歳までの40年間(480ヶ月)をひと月の未払いもない場合です。
いま国会で問題にされているような「未払い」があったらどうなるのか。単純に年金受給額が減らされるだけです。
例えば小泉総理大臣です。日経新聞(2004.5.15朝刊)によれば6年11ヶ月(83ヶ月ですね)未払いがあるということです。面倒なので、仮に小泉さんは20歳〜60歳まで、すべて国民年金加入の対象者だったと考えて話を進めます。で、この場合、小泉さんの受け取る国民年金の受給額は、79万7,000円ではなく65万9,185円に減らされてしまうはずです(端数処理は多分するはずだから、本数百円はズレルでしょうけど)。
計算式は、79万7,000円÷480ヶ月×(480マイナス83ヶ月=397ヶ月)のはずです。
未払いは、ちょうどその分だけへらされるんですよね。
で、政府は毎月の掛け金(月額13,300円=平成14年4月〜)に対して一定額を負担してます。現状は1/3で改正されると1/2になるそうです。つまり、払わなかった人がいると政府の負担が少なくなるのか、年金として払う額がへるけど積立金が増えていくかどっちかになるはずです。
政府にとっても、税金負担をする僕らにとっても悪い話ではないでしょ。
(細かにいえば、受給額がへると、生活に困った人が生活保護に回ってたいへんだ、って可能性もある)
この年金受給額が減るっていうペナルティーを甘んじて受けるんだから、未払いでもいいじゃないかって、考えるんです。

ペナルティーの第二は、その未払いが15年(180ヶ月)をこえると、そもそも年金を受ける資格そのものがなくなるって、ものです。
年金は20歳〜60歳のあいだの40年間(480ヶ月)のうち25年間(300ヶ月)以上保険料をおさめてないと、そもそも受け取る資格がなくなります。
これは、たとえ25年に1ヶ月足りなくても(299ヶ月) です。299ヶ月の保険料をおさめていても、です。で、そのおさめた保険料は戻ってきません。つまり279ヶ月間の保険料は払い損になってしまう。
保険料をおさめることができるのは、免除手続きをしていた場合をのぞいて、2年後までです。2年で時効になるのです。
時効というと、何やらおさめないで逃げ延びたって印象があるけど、これは「払わせない」ための時効なんです。
なんでこんな「払わせない時効」があるのか? 
これは僕の想像ですけど、年金を受け取ることができる65歳の誕生日の前月に、25年(300ヶ月)以上の保険料をいっぺんに払うといった「ズル」を予防するためだと思います。
年金は「生き続ける」という「事故」に対応するものなので、生き続けている限りは払われ続きます。逆に64歳と11ヶ月29日で死んでしまうと「死亡一時金」というのしか支払われません。
死亡一時金は、3年以上15年未満の納付実績がある場合で12万円、35年以上納付していても32万円。
ちなみに、2003年度の保険料・月額13,300円を、年額にすると15万9,600円なので、最高でも2年分の保険料分しか帰ってこないのです。
これ、僕は仕方ないことだと思ってます。「生き続けるのが事故」なんだから。ただ、話をもとにもどすと、こういう「損」を回避しようと思うと、64歳11ヶ月29日まで、保険料と同額を定期預金にでもしていて、さあもう死なないぞ、っと思ったら一気に支払えればいいことになってしまう。これを予防するためにあるのが2年の時効、だというのが僕の理解です。時効のおかげで、64歳のときにはもう支払うことができないんだから。
あ、遺族年金というのがあるけど、18歳未満の子供に対して、18歳まで支払われるだけです。65歳で死んじゃった人(つまり受給する直前 で死んだ人)に18歳未満の子供がいる確率がどの程度あるでしょう。たとえ18歳未満の子供がいたとしても、すぐ18歳になって受給はおしまいですよね。ちなみに65歳のときに18歳未満の子供って47歳でできた子供ってことです。むちゃくちゃ少ないでしょう。
だからこの時効は、政府が払わせないための「時効」であって、小泉さんが逃げ切ったのとは違う、と思うのです。

ペナルティーの第三は、障害年金です。もう詳しくは書きませんけど、保険料を支払うべき年齢(20歳〜60歳)のあいだに障害者になった場合に、その時から障害年金を受給できるって話しです。で、これも保険料に未払いがあったらほとんど無理(って個々のケースによって違うんで、以下略です)。

厚生労働省の「年金Q&A」でも

Q606
<問>保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。
<答>
国民年金の保険料は、納付期限から2年以内であれば納めることができます。
納付期限から2年を過ぎると、時効により納めることができなくなります。
保険料の納付手続など、詳しいことは、社会保険事務所または社会保険事務局の事務所にお問い合わせください。

と書いてあります。
税金だったらこんなわけにいくんでしょうか? 「時効になった未払いの税金があるんですけど、今からおさめることができますか?→時効なのでおさめることができなくなります」なんて答えるんだろうか?

さて、だから自民党も民主党も、馬鹿だ、というのが僕の意見です。

保険料の未払いなんて、ちゃんとペナルティーを受けてるんだから、何にも問題ないって思うのです。3月に沖縄でパフォーマンス的に厚生労働省がやったらしい「強制徴収」も、国会での「江角マキコ」批判も筋違いだと思う。で、こんなペナルティーのことを考えないで「未納三兄弟」だとかいってここぞとばかりに大声出したりするから。
敵失に大喜びして攻撃するんじゃなくて、もっとオオモトから考えなきゃってのが僕の意見。

[2004-5-13(木)]

博士が愛した数式

佐藤
sato@pot.co.jp

読みました。本屋さんが読んでほしいと思った本の大賞を受賞した『博士が愛した数式』。
数ヶ月前に、友人と「数学って、大人になってからのほうが面白いよね」というような話をしていたときに、その友人からすすめられたのですが、泣けました。きっと20年前に読んでも、こんなにジーンとはこなかっただろうな。
でも、博士が紙に書いた肝心の数式が理解できない! くやしい。参考書、買ってこなくちゃ。
[2004-5-12(水)]

昔、実家にあったんです、アレ

齊藤
saito@pot.co.jp

ゴールデンウィーク中は2度ほど銭湯に行ったのですが、その時、頭にガボッとかぶるドライヤー、昔ながらのアレに挑戦してみました。1回20円。
20円入れて、ドライヤーいざ起動。私は結構なロン毛ですので、あっという間に、ロン毛は初心者の作ったわた菓子状態。そこで、調子に乗って20円追加。わた菓子も40%増量…したのならコスプレ気分を味わえたのですが、そんなファンクなハプニングもなく、わりと普通に毛は乾いてしまい、どこまでも 地味な連休でした。
[2004-5-10(月)]

パレード委員長に・その11
ひきつづき49万円

沢辺 均
kin@pot.co.jp

「ポットの日誌」、長らくご無沙汰しててすいません。
この原因と責任は、社員の斎藤にあります。今日も日記を書かずに 帰ってしまいました。ぼくから「注意メール」おくりましたし、今日は日高もメールと口頭で「書くように」って言っていたのに、です

さて、パレード委員長にお金を出すと宣言している人からメールが届きました。

 前略  いつもお世話さまです。ところで、パレード委員長への募金ですが、4月2日の49万円という集計のあと、どのようになったのでしょうか?
とんと集まらないのか、それとも少し前進があったのか、是非、貴社のサイト等で情報公開のほど、よろしくお願いします。
(以下略)

すいません。その後もまだ正式発表を聞いてません、今年のパレードについて。いくつか噂はあるんですけど。

ということで、今のところこの程度しか言えること、ないんです。

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