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1月の日誌

[2003-01-31(金)]

最後の校正

佐藤智砂
sato@pot.co.jp

単行本にしろ、雑誌にしろ、「これが最後の校正」を戻したあとは、なんとなく不安で、落ちつかない。……といってもすぐに忘れるんだけど、ふと、「あ、あそこ大丈夫だっけな?」とか、とんでもない間違いをしでかしちゃいないだろうかと心配になる。
子どもの頃、近所にダムの設計をしている、痩身のおじさんがいて、「壊れたらどうしようかって不安になるんだよ。だから太れないんだ」って話してくれたことがある。太れないっていうのは、冗談だろうけど、不安になるっているのは本当のような気がする。
校正紙をサーッとスキャニングすると、誤植や事実関係の間違い(電話番号とか名前の表記)をピコピコって教えてくれる機械ができないかなあ? 

[2003-01-27(月)]

ボウリング・フォー・コロンバイン

おかだ
ok@pot.co.jp

コロンバイン高校の銃乱射事件から、アメリカと銃の問題を追ったドキュメンタリー映画。公開初日に観てきました。いやよかった。
銃とアメリカですぐに思い出すのは、1992年の日本人留学生射殺事件。その被害者はすこしだけ身近な人だったので、当時まわりの人間とで散々議論しました。事件後、親がアメリカに乗り込んでいって、銃規制の署名運動していることまで含めて。でも結局、アメリカはすげぇ国だな銃なんかなくならねーよ、いやなくすことだって出来る、なんて以上には発展しなかったように思う。つまり、何も収穫なんかなかった(当たり前か)。
この映画が恐怖、猜疑心といった感情がアメリカの銃社会を支配していることをあぶり出していく過程は圧巻。重くて、ダサくなりそうなテーマだけれど、音楽と編集は相当意識してかっこよく仕上げていたし、マイケル・ムーアのキャラも良かった。これならアメリカの若者も観るだろうな。こんな計算をちゃんとしているとこが、また、泣ける。マイケル・ムーアのスタンスはポットっぽいかも(いいすぎか…)。

[2003-01-26(日)]

ポットで自炊

やまだ
yama@pot.co.jp

このところ、どうも食費がかさんでいるような気がしてなりません。というか、実際かさんでいます。食欲はどうにも抑えがたく、ついつい1日にお弁当(コンビニやほか弁)+αという案配で、1日千円以下で食うという、最低限の努力目標もさっぱり守られません。このままではいかん。しかし、自炊するにも、自宅では寝たい楽したい欲求にまけてなかなか続けられません。し、だっぷりつくって2、3食(あわよくば4食)という自炊ポリシーは現在の自宅での食事回数に照らすとイマイチ、ぴったりこない、というか腐らせて後始末が大変という事態をまねきかねません。ということで、台所用品、調味料、米完備というポットの素晴らしい環境を生かし、ポットで自炊といういばらの道を歩むことを決意しました。この計画が無事成功し軌道にのれば、食費は飛躍的に減らせる(はず)!ちなみに、きのうは、みそおでん、今日はその残りをかたずけ、明日はカボチャをたく予定です。

[2003-01-24(金)]

接続不可

クニイミサト
kunii@pot.co.jp

昨日の朝から、自宅のネット環境が麻痺している。
接続自体ができないので、当然メールチェックもファイルのアップロードもできない。う〜ん、困った。
契約からちょうど1年ほど。その間何度もこういうことがある。毎度調査しています、の返答。前回の時は、「モデムが壊れてました」とモデムを交換して行ったらしい(家族が対応したので詳細不明)。
またモデムが壊れたのかな…。てゆうか、モデムってそんなに頻繁に壊れるものなの??

[2003-01-22(水)]
会社にいない日々

日高崇
hidaka@pot.co.jp

この一、二週間というもの、取材やら打ち合わせやらで外に出ることが増えています。(ちなみに沢辺はそれに輪をかけて多く、基本的に打ち合わせを一日1.5件以上こなして、深夜にデスクワーク、という恐ろしい生活パターンになっています。)この合間を縫ってCDドライブとかブロードバンドルータ(ついに光ファイバ引きます)とかを査収する、といった楽しいミッションをこなさないといけないのですが、はてさてどこに組み込んだものか。

[2003-01-21(火)]
「本屋の村」との
意見とシステム交流会

沢辺均
kin@pot.co.jp

昨日の大阪屋(取次・本の問屋です)との懇親会(主催・流対協)という飲み会に続いて、今日は「楽樂ほんやさん」という本屋さんのためのソフトをつくっている関西の本屋さんのグループ、「本屋の村」と版元ドットコムの意見・システム交流会でした。

本屋さんたちが自らの手で、そのお店の在庫管理から外注の管理……、とさまざまなシステムを開発してるのを直接説明してもらって、とっても面白かったです。そのなかで特に、本屋からのメールでの注文を直接出版社にするシステムに強く興味を引かれました。とりあえず今日の結論は、メーリングリストなどを立ち上げて、そのフォームなどを検討して移行ということになりました。

やっぱり仕事を楽しんで、自分の手をつかって工夫している人は面白い。

[2003-01-20(月)]

新コーナー

佐藤智砂
sato@pot.co.jp

2月の上旬から、ポットのサイトに新しく映画のコーナーが登場します。
去年の暮れに、友人から「ベルリン国際映画祭に行くので、現地レポートをポットのサイトで書かせてくれない?」と連絡があり、5年ぶりくらいに会って話しを。
「じゃあ、メールでレポートを送ってよ。その日か翌日にはアップするから」と、新コーナーを決定。
映画祭は、2月6日から16日まで開かれるとのこと。ベルリンからの最新情報をアップしていきますので、お楽しみに!

[2003-01-19(日)]
出版のデータ(その2)

その1へのリンク

沢辺均
kin@pot.co.jp

すいません、。

「出版のデータ」を書いた2002-12-18の日記に「次回、この続きを書きます。」などとかいたのに、全然続いてないです。
あっというまに1カ月もたってしまいました。で、その続きを書きます。

まず、出版っていうのはこれからどうなるのか? ということに対する僕の仮説からいきます。ただし、これ、ホントに仮説なんです。でも、この仮説にそれなりに確信が強まってます。確信度は74%くらいでしょうか。
そのくらいに確信度が高まって、日誌に書こうと思うようになれたのは、先日ある出版関係の雑誌の企画のためのダベリング(って古い言葉ですね、雑談という意味です)を徹夜でやったから。
参加したのは、松沢呉一さん(ライター)、石田豊さん(ライター)、中山亜弓さん(ライター・タコシェ店主)とその雑誌の担当編集者。夕方の6時に集合して、翌朝の7時まで雑談の連続でした。

それを通してたどり着いたり、確信が深まった「出版っていうのはこれからどうなるのか?」の仮説です。
●本の発行点数は増えて、一点あたりの発行部数は減っていく。

理由の第一は、データはそうなってる、ってことです。

それぞれの年の実売(推定)/新刊点数/一点の実売/実売率、は次のとおりです。
2001年 7億4,874万冊 /7万1,073点/1万0,535冊/58.14%
1997年 8億7,592万冊/6万2,336点/1万4,052 冊/58.07%
1988年 9億4,379万冊/3万8,297点 /2万4,644冊/65.24%
1980年 7億6,450万冊/2万7,891点/2万7,410冊/65.73%
1970年 4億7,159万冊/1万8,754点/2万5,146冊/77.70%

2001年は、手元にある最新のデータ。
1997年は実売が下降し始めた年。
1988年は実売がピークの年。
1980年と1970年はとりあえず区切りのいい年。
で、1970年はとりあえず「豊になった」ころだと思うってことでもあります。実売は1997年からこっちは、徐々にへって85.48%に下がっているのに対してて、実売数が74.97%にまでなってます。

本は総数として売れなくなっているけど、それに輪をかけて一点アタリの実売部数が減っている、ということだと思います。

理由の第二は、実感としても、もうちょっと前までは感じていた「MACのニューマシンが欲しいな」とかいう感覚が僕のなかにほとんどなくなってしまったという感じがするんです。今、欲しいモノはたとえば「最近足が冷えるからホットカーペットじゃなくて、電気こたつにしたいな」くらいのもん。
数年前から、本屋に行っても「こんなにイッパイ本があるんだから、ポットから出す本なんて必要とされないんじゃないか?」とか「もう死ぬまでに読み切れないな」とか思う。競争で値段が下がっても、飛びついて買うようなことはなくなってる。
つまり、あらゆる商品に対して満腹に近くなってること。
このことに関しては、最近読んだ佐伯啓思の『「欲望」と資本主義――終わりなき拡張の論理』(アマゾンへのリンクを貼っておきます)に多いに共感したってのがあるんです。

だから、ポット出版、2000〜3000部程度の初版を60〜90%売り切るような本づくりと値段設定、で必要な利益も出せるように、ってのを目標にしようと新年早々決意したのでした。

第三に、これほとんど第二の理由と重なるんだけど、世の中をみるとどうも、人の興味はより細かになっている、ってことです。
たとえば、松沢呉一さんがいってましたが、風俗のジャンル・セックスの嗜好って細分化してるそうです。ポニーフェチってサイトがあったりするそうです。馬に欲情するって。全国に200人くらいかもしれないけどね。とすると、読もうと思う本の内容も、さらに細分化すると考えるべきでしょう。第一に上げたデータもそのことを示しているんじゃないかと思うのです。

大ベストセラーはますます多くの部数を販売するでしょう。そうした集中はこれまで以上に集中すると思います。でも、その一方でますます細分化が進むってことです。

また続きを書く予定です。

データの出所は『本とコンピュータ』2期6号・2002年冬号です。

[2003-01-18(土)]
失望

コクボユミ
cotsubo@pot.co.jp

談話室滝沢。

そこは静かなクラシック音楽がBGMで流れ、薄暗い照明の下、淡い紫のグラデーションがかかった金縁眼鏡をかけた人生経験豊富で品の良い初老のママ(人生経験豊富で品の良い初老のマスターでも可)を囲み、そこで出会った見ず知らずの人同士が和やかに談話を交わす大人のスポット。
リストラされたことを家族に公表できず、でも行くアテもない50過ぎのお父さんや、仕事に、人間関係に疲れ、心の底では常に拠り所を求め彷徨っているサラリーマン…、そんな東京砂漠で生きている人達のオアシス、談話室滝沢。時間を忘れてめくるめく談話を楽しむ人間交差点(ジャンクション)、談話室滝沢。

ていうイメージをずっと抱いていて、いつか私が談話室滝沢にふさわしい大人になったらあの扉を開けてみようと目論んでいたのですが、先日、沢辺・佐藤の悪のタッグ(?)により夢を粉々にぶちこわされました(てゆーか、真実を教えもらっただけなんですけど…)。

「サンタクロースは本当はいないんだよ」と、無神経な同級生から突然聞かされてショックを隠しきれない小学2年生ケンタ、て感じのキモチです。今。

[2003-01-17(金)]
DVD

岡2
ok@pot.co.jp

物欲を抑えきれず、年末、ついにDVDプレーヤーを買ってしまいました。これでやっと、小久保さんから借りっぱなしになっているインドネシアのアクション映画DVDが観れます。よかった。で昨晩、アマゾンに行ってつらつらとDVDを探していたんですが、アダルトも売ってるんですね。ジャンル分けもされてるし。伸びていきそうな感じです(まだ品揃えが薄そうですが)。結局買ったのは「情無用のジャンゴ」「サルタナがやって来る 虐殺の一匹狼」。マカロニウェスタンな気分だったので。「サルタナ〜」は未見。楽しみ!

[2003-01-16(木)]
100円本

山田信也
yama@pot.co.jp

25になったが、全然20代が折り返した感じも大人な感じもいたしません。というような気分で、ブックオフの文庫100円コーナーにふらりと寄ってみたら、松尾スズキの「大人失格」っていう本があって、気分にまかせて買ってみたら、これがおもしろくて、行き帰りの電車とかで読んでたらうっかり笑ってしまうので、困りました。

[2003-01-15(水)]
1.18GB

日高 崇
hidaka@pot.co.jp

年も明けたので、去年から秘かに計画していたメールの整理をはじめました。メールボックスをまるごとコピーしてバックアップとし、基本的に2001年以前のメールはすべて消去、というポリシーです。で、メールの入っているフォルダ容量をみたら、なんと1.18GB。添付ファイルをガンガン社内で同報しているので、そのせいもあると思うのですが、3年間で1G超とは。
社内の同報メールは基本的にすべてとっておいてあるし、ウィルスが蔓延を始めた頃はいいフィルタが書けないか、と思ってしばらく保存しておいたりして、要は「捨てない」というポリシーを貫いた結果なんですが、こんな私でもスパム系とウイルス、システムが動作報告時に出すメールは読んだら捨てています。この中で一番いらないのがスパム系。一日に数十通ペースで来るので、こいつをブロックできればかなりウレシイのですが、ヤツらはいろんなパターンで来るので判別がつけられないんですよねー。できればサーバレベルで弾いてしまいたいんですが、何かいい方法はないものか。思案中です。

[2003-01-14(火)]
消費税の総額表示

沢辺 均
kin@pot.co.jp

消費税の総額表示を義務化しようという案が、政府与党が2002年12月にまとめた「平成15年度税制改正大綱」にもられたそうだ。アタマにくる。

消費税という税金を徴収している事実を「見えなく」しようとしていることにだ。必要な費用をみんなで負担するのが税なんだと思う。この総額表示は「気づかないうちに税をとる」ってやりかた。日頃、社員の給料から源泉徴収して、社員にかわって納付してってことを政府にかわって、ポットの人手で(手間賃がかかってる)やってることにも納得できないと思ってる。源泉徴収も、税を徴収してるって事実を「見えなく」するやりかた。

もちろん、出版社としては、カバーに入れてある【定価●2000円+税】という表示を、【定価●2000円+税100円】とか【定価●2100円(本体2000円+税100円】といった表示に変えなければならないってこともある。
すべてのカバーを印刷し直すか、シールを貼らなければならない。その作業にかかわる人件費を含めて、膨大な費用だ。
ただ、もしそうしたシールはりが、なにか今後の税システムなどに役だったり、みんなが便利になることなら積極的にやるつもり。たとえば、本にICタグをいれるとかなら、費用がかかってもやろうと思える。

個人的には、消費税にも、その増税そのもにも賛成って気分。当然、所得税とか法人税とかを減らすんだってこととセットにしてもらわなけりゃ、だけど。
できるだけ、税率とか徴収方法とかは簡単にして、それにかかる費用を減らしたいからだし、税を逃れたり・逃れられなかったりすることを防げると思うから。
で、ともかくこの件には徹底抗戦したいと思ってる。

[2003-01-10(金)]
写真の補正

佐藤智砂
sato@pot.co.jp

社内で、各自が写真のデータ補正をして、印画紙出力をしてみることになった。デザイナーは必須課題で、編集者はやってもやらなくてもいい。私は、写真のデータ補正ってほとんどわからないので、どんなことをするとどうなるのか知る、ということを目的にトライしてみることにした。
トーンカーブは、こうするとこうなるのねってのがわかったが、アンシャープマスクはお手上げ。印画紙出力してもらうのが申し訳ないような出来だ。
いやあ、難しいっす。

[2003-01-09(木)]
今年の目標

コクボユミ
cotsubo@pot.co.jp

正月休みは主に爆睡したり飲酒したり、ライブで騒いで筋肉痛になったり飲酒したり、猪木祭りを観たり飲酒したり、実家に帰って父と忠臣蔵をフルで観たり飲酒したり、弟と夜な夜な北斗の拳のDVDを鑑賞したり飲酒したり、という感じでした。
で、元旦に友人と池尻の大江戸東山温泉に行ったとき、ちょっと怖いモノ見たさで着替え場に置いてあった体重計に乗っかってみたんですが、もう今までに見たことのない数値をマークしてまして、「この目盛り、ちゃんとゼロに合ってるんか?」と、一度体重計をおりて再び搭乗してみたのですが、どうやら私はあり得ないほど増量してたって事が発覚。記録を大幅に更新してしまいました。
確かに、毎年バーゲンで安さに釣られてジャストより1サイズ上のモノを買ってしまっても、次のシーズンにはジャストサイズになっているとか、1カ月に1回程度の周期で会う友人に「会う度に育ってる」と言われたりなどして、ある程度自覚はしていたのですが、目の前にはっきり数値を出されると、タイソンにボディブロー喰らったみたいなショックを受けてしまいいました。
そんなわけで、今年はダイエットというモノに挑戦してみようと思っています。私は忙しいとストレスで大食いになってしまう質なので、それをどう乗り切るかがキィになるのではと思っています。過食症経験者なので、また過食になったらヤダなというのもあって、無理なことはやらないつもりですが、このダイエットは効くという情報をお持ちの方はゼヒ教えてください。

[2003-01-08(水)]
あけましておめでとう!

岡田
ok@pot.co.jp

連休が終わって、実はまだ3日しか経っていないという事実に呆然としている今日この頃。昨年末はとある仕事のため4連泊し、ふらふらになりながら新年を迎えました。部屋の掃除を気合い入れてやったぐらいで、例年とさほど変化のない正月、唯一の収穫は、深夜映画でジャン・クロード・バンダムの『サイボーグ』を見れたこと(でもない)。サイボーグなんかちらっとしか出てこない上に、何故か生身の人間のジャンが、サイボーグを守る立場だったりする(普通逆だろ…)とぼけた映画だ。ストーリーは無いも同然、ただアクションシーンが延々と続く(それもスローモーション多様していてかなりチープでぬるい…)。この映画、パート3ぐらいまであって、『サイボーグ3』では、なっなんとサイボーグが妊娠するのだ(と誰かから聞いた)。でも今年の年末年始の深夜映画はバカっぽいのが少なくて淋しかったっす。

[2003-01-07(火)]
今年の目標

山田
yama@pot.co.jp

去年は厄年だった(らしい)ということを年末になって知ったのですが、振り返ってみても、これといって悪いことは起こってないし、それどころかポットにいれてもらえてむしろ良い年でした。
今年は、今までにすっかりとん挫しているやってみよう項目にこっそりチャレンジしていこうとひそかに目論んでいます。
・indesignに慣れ親しむ
・アップルスクリプトとかパールをかじって日々の作業に使ってみる。
・リナックスもさわってみよう
・3Dでズゴッグ
などが、自分のなかで項目としてあがっていますが、インストールだけは3回も4回もやったけど結局眠ったままのリナックスマシンとか、いきなりザクは無理そうなので最近ズゴッグにしてみようと思った3Dとか、思い返してみると結構何年か越しの項目ばかりで、例年のごとくやってみようのまま終わるかもしれません。

[2003-01-06(月)]
猪木祭りで今年を(無理繰り)
占ってみる

日高 崇
hidaka@pot.co.jp

年末年始は驚異の9連休でしたが、人に会ったり、会わずに寝たり、モノ(古いノートPCとか、デジカメとか、PCカードとか)をもらったり、モノをあげたり(お年玉とか)、モノを買ったり(MSX MAGAZINE 永久保存版とか)、情報をもらったり(メールヘッダのReferenceの処理とか、クリックカウントによる広告の評価とか)、実家や自宅のマシン環境をメンテしたりしているうちに終わってしまいました。年末年始らしいことと言えば猪木祭りをみっちり観たことくらいでしょうか。PRIDE 23とかSmack GirlとかK-1 World Max GPとか、個人的にはなかなかいい興行が多かったのですが、年の終わりを佐竹とか安田とかで締めなくちゃいけないなんてしょっぱすぎです。(塩)
今年も格闘技関連から目を離すな、という神様のイジワルに違いありません。

[2003-01-04(土)]
あけまして……。

沢辺 均
kin@pot.co.jp

新年、第一発目の日誌当番が偶然まわって来ました。
あけましておめでとう、です。

この日誌コーナーをはじめてから、もう1年と5カ月になりました。
1日とか2日とか間をあけてしまったことはありますが、とぎれることなく続いています。ほんとにメンバーみんなに感謝、です。
ウェブサイトを見て回ることは少ないんですが、それでもこの種の「編集者のひとこと」とか「スタッフの日誌」があると覗きます。で、僕が見るのは最終更新がいつか、どのくらいの頻度で更新されてるか、です(もちろん内容も読みますよ、ナナメに)。ポットの日誌ほどの頻度で、一年半も、何人かのメンバーの持ち回りで続いているのを、僕は見た記憶が残ってません。
一人の人の日誌に、続いているのはありますよ。ときどき見に行くサイトもあります。一人ならその人のがんばりでできるけど、何人かのメンバーだととぎれがちになってることが多いようです。
そこそこの頻度で、更新されてることってとっとも重要だと思ってます。なので、ホントに感謝してるんです、ポットのメンバーにはね(ときどき「おい、日誌忘れてるぞ」などとコゴトをいいますけどね)。

    ●    ●    ●

この日誌に登場する仕事の話って、出版の話が多いのですが、実際にポットの仕事における出版の割合って、半分以下です。
多いのは編集プロダクションの仕事であり、デザインの仕事です。
でも、そうした仕事ってお客さんがいるもんで、「どこまで書いてもいいかな」って迷うし、そもそも了解を得た方がいいこともあるんじゃないかって感じで、書きにくい。なので、この日誌って、仕事のことに関してはすこし実情とズレテルって気がしてます。そのへんご理解を、お願いしますね。

    ●    ●    ●

京都にある三月書房という本屋さんが出版者むけに「三月書房 販売速報(仮題)」というメールを送ってくれてます。これは、出版者むけに三月書房の販売情報を提供して、仕入れ・注文の際に必要部数を送品してもらえるようにする工夫からはじめたようです。以前は紙のコピーを郵送してくれてました(本屋さんは仕入れたいと思う本を注文しても、部数を減らされたり無視されたりすることがあるようです。このアタリの事情は機会があったら書きますね)。
1月1日に送ってくれた「販売速報」の「勝手に広告」で面白そうな本が紹介されてました。
―――(勝手に転載 沢辺が)――――――――――――――――――――
★戴き本 勝手に広告★
  柴田敬三著「売れない本にもドラマがある:ある小出版社の16年
             1200円 ほんの木  
  
   ちかごろはシュタイナー関係書が多く、うちも「シュタイナーを学
   ぶ本のカタログ」ではとてもお世話になった出版社の社長の本です。
   帯には「雑誌、単行本 編集と出版16年 ただいま50勝80敗」
   とあります。そして1冊づつの本の出版経緯や内容の説明などがあ
   り、初版5000部実売400部というようなデータがついてます。
   こういうのを他の出版社、あるいは編集者も正直に発表してくれる
   と面白いでしょう。
   
   (うちの店のことも少し出てきますが、「三月書房に立ち寄り、シュ
   タイナー書の棚を数えてみた。が、棚にして約2段、数にして約1
   00冊であった。」とありますが、これは間違いで、氏が来店され
   た当時でも4段以上200冊以上はありました。今はさらに増えて
   5段以上になっています)
___(ここまで)_________________________
僕はもともと金のこと考えるのが好きなようです。
たまに芝居を見に行来ます。たとえば、下北のスズナリ劇場。劇場ってどっかに「定員000人」といった消防署からのお墨付きの看板があるんです。それとか座席の数を勘定したりして、入場料×来てる客の数×公演日数で総収入を推測。劇場の借り賃とか大道具の費用とかをアタマで推測。なんてことをしてしまいます。
そんな僕ですから、「あの本は何部初版で、印刷費にいくら、印税にいくら」とか「定価が1,200円で、256ページあるから、5,000部くらい刷ってるんじゃないか?」などという推測も好きです。だから、この本は僕にぴったり。
早速(凄く早く読みたかったんで)紀伊國屋のどの店にあるか情報をサイトで見て、さっき買いに行ってきました。ホントに、初版何部で、増刷したかどうか、実売は何部か、なんてその本ごとに書いてあります。読むのが楽しみです。

    ●    ●    ●

で、この本を買ってから考えてしまいました。こんなにも僕にぴったりの本を僕が知ったのは、かなりの偶然で、三月書房からのメールに載ってたから。
逆に考えると、ポット出版でだした本にぴったりの読者がいたとして、その人にどうやってその本をポット出版からだしたことを知らせることができるのだろうか?と。
そもそもぴったりの読者って、あらかじめいるんだろうか。これまで「興味ないな」なんて思ってた書き手の本を、誰かに勧められて読んだらハマッタってことが僕にはあります。
必要なお金のことなんか考えずに広告を出したとしても、見る人は日本人の何パーセント、あるいはコンマ以下にすぎないだろうし。
意識的に本の情報をチェックするひとですら 出版物の、なおかつ一定のジャンルに限ってそのすべての情報(とか広告)を見るようにするなんてことも無理。まして、その人の興味にしても本だけじゃないだろうし。

よく、本はそれを必要とする読者に届けられていないってな言い方がされるけど(たとえば佐野眞一さんとかね)、それを実現するシステムなんてあるわけないよな、と思ってしまいます。だって情報ばっかり増えて、それに目をとうしてたら肝心の本を読む時間もなくなるもん。
bk1ってサイトで、興味のあるジャンルを指定しておけば、そのジャンルの本の新刊情報をメールでおくるってサービスがあって、それを申し込んだことあるけど、すぐやめた。だってとても読み切れないんですから。
版元ドットコムでやってる「本の内容情報から検索できる」っていうデータベースを作っても、はたして有効に機能して、「読みたい本」ってヤツに絞った結果を、検索してくれた人に返すことができるのか? そもそも版元ドットコムサイトに来なきゃその可能性にすらないし(って、いつかはそういう機能にまで到達したくって、版元ドットコムをやってますが)。
さてさて、別な考え方をすれば、「所詮、読みたい本を見つけるのは偶然でしかない。だけど、その偶然をつくるのはその本の力で、また、広告やチラシやメールなどで伝えてその偶然の確率を増やす」ってことを積み上げるしかないのかな、と思ったりもします。
「出版にはマーケッティングという考えがない」という人もいますが、あまりに少量多品種で、一つ買えば同じモノは二度と買わない、っていう本で一般的なマーケティングは成立しないかなとも思ったり……。
でも何とかほしがってる人に情報を届ける方法・システムを考え出せないか?
そんなことを新年早々夢想してます。あの本を買ってそんなことを考えました。

ポットの「年賀状」はこれからだしますから。

ではでは

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