今日はチーズの日。

2011-11-11 五賀 雅子

今年で何年目なのでしょうか?
会社近くのイベント会場で、「チーズフェスタ」をやるようになってから
毎年この日が楽しみ!
今年も、わくわくしながら、イベント会場に行って、
しこたまチーズを買ってきました。
以下が、一覧です。

●フランス産
キャステロブルー/150g/770円
ミモレット22カ月熟成/111g/1010円
リュスティックブリー/100g/300円

●スペイン産
イベリコチーズ/106g/296円

●ドイツ産
ゴールデンスモーク/100g/400円

●アメリカ産
ラズ★ダズ ブルージャック/100g /300円

ちょっと買いすぎ?

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「“萬画(マンガ)”〜石ノ森章太郎の世界〜」に行ってきました【追記あり】

2011-11-11 大田 洋輔

※石ノ森章太郎のアニメ作品の上映時間について追記しました。

2011年11月4日、兵庫県宝塚市、宝塚大劇場のすぐそばにある手塚治虫記念館に行ってきました。

目的は「“萬画(マンガ)”〜石ノ森章太郎の世界〜」と題した企画展です。2012年2月20日まで開催されているこの企画展ではマンガの王様・石ノ森章太郎の代表作の直筆原稿や、マンガ界の神様・手塚治虫とのゆかりの作品などが展示されており、まさに二大巨頭の揃い踏み。見逃す手はありません。
続きを読む…

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深沢英次さんによるDTP勉強会

2011-11-09 大原 真理子

日誌をとめていました。ごめんなさい。
今日は、タイトルのとおり、深沢さんをアドバイザーに迎えての「DTP勉強会」のレポートです。
なんて贅沢な企画なんでしょう。

わたしたちデザイン部は、日々デザインとDTPをしているわけですが、
ワークフローやソフトも日々変わっていくわけで。
ポットではPDF入稿やネイティブデータでのDTPオペレーションなど、
昔ながらのデザイン事務所とは違うであろうやり方を採用しています。
デザイン事務所に勤める友人たちの話を聞く限りでは、指定紙入稿をしているところもまだまだあるようですが。
その違いにも、メリット・デメリットがいろいろあるということでしょうか。クライアントや印刷所との関係とか。

「より良い環境や方法があったら知りたい、教えてください、深沢さん!」
ということで、沢辺社長が提案して下さって始まりました、DTP勉強会。

初回のために、日々の疑問をデザイン部であげていったのですが、
わたしは質問すら浮かばず…。質問って難しいですよね。

初回のメイン議題は「いま印刷所に依頼している画像変換補正のワークフローの見直し」でした。
ポットはほぼPDF入稿の方法を取っているので、いったん印刷所から上がってきた実画像をこちらでさしかえての入稿となるわけです。
深沢さんのアドバイスは、「印刷所でやってもらうほどの写真でなければ、デザイナーがレタッチをすればよい(デザイナーはレタッチをできるとよい)」でした。

深沢さんのお話は、技術的なことだけでなく、デザイン・編集にかかわるにあたって
大切なことがふんわりと含まれていて、初心にかえらなきゃな、と思いました。
まずは質問が出てくるようにならないと、です。
以下、簡単な箇条書きですが勉強会のレポートです。

—————–

深沢さんDTP勉強会
2011.11.01
【レタッチ】
◎印刷所に画像変換補正を依頼しなくてもいいレベルの写真は、
こちらでレタッチをすればよい
◎画像は、本文と同じくらい大切な要素なので、レタッチの基礎は出来た方がよい
◎自分マシンのモニターで、自分の目でレタッチして、それが印刷物になったら
どのように出るかを身体で覚えるとよい
◎写真画像をモニターで見る時は、50%、75%、100%など整数倍で見た方がよい
(整数倍以外で見ると、モニター上で画像が補完されてしまう)
【レタッチの手順】
◎jpeg画像などを、RGBのままレタッチして、psdで保存。
◎写真の傾き、トリミング→レベル補正→トーンカーブ(→バリエーション)
→最後にアンシャープマスクをかける
◎レタッチの途中でおかしくなってきたら元画像に戻ってやり直すこと
【カラーマネージメント】
◎ポジのときは、ポジの色味を基準に、カメラマン→編集者→デザイナー→印刷屋さ
んのプロセスのなかで一定の色を保つことが出来たが、データだと、カメラマン
の段階からモニターや出力などの環境の違いから色味の基準が狂ってくるので、
完全なカラーマネージメントは難しい。
なのでせめて印刷所のカラープロファイルと、デザイナーのカラープロファイル
を同じにするとよい。また、汎用性の高いカラープロファイル(Japan color
2001 coated)を使用して、それを印刷所に伝えるのもアリ。
---------
※カラーマネージメントの第一人者といわれている上原ゼンジさん
カラーマネージメントの講座を開いたりしている
http://www.zenji.info/cn16/pg130.html
深沢さんおすすめ本「カラーマネージメントの本」
http://gihyo.jp/book/2011/978-4-7741-4888-5
-----------
【カラー設定】
◎InDesign、Photoshop、Illustraterすべて「プリプレス用2」に設定すればok
◎作業スペース→RGBは「Adobe RGB」に、CMYKは「Japan color 2001 coated」でok
【PDF入稿】
◎画像の色味を印刷所の環境でいじれるので本当はInDesign入稿の方が好ましい
が、印刷所にないフォントを使ったりできるのでPDFのメリットもでかい
◎PDF X-1aは、透明機能が使えない(うまく表現されない)ので、キリヌキ画像
を配置している場合は、当然パスでのキリヌキが安心である(背景透明のキリヌ
キではなく)。ちなみに、PDF X-4から透明機能が使える。
◎POTでレタッチをしたRGB画像は、PDFに書き出す時に自動でCMYKに変換される。
【その他】
◎ブリッジ便利。
◎DTPオペレーションの行程で、自動処理などで効率化を計った方がいいところ
と、手間をかけた方がいいところがある。自分の目で見て感覚で覚えたほうがい
いところは、手でやることが大切。
ex.)字ツメ、レタッチなど

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デジクリ連載[16]アマゾンで電子書籍を売ってもらうとしたら

2011-11-08 沢辺 均

■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[16]アマゾンで電子書籍を売ってもらうとしたら/沢辺 均

アマゾンで電子書籍を売ってもらうとしたら、どんな契約をしたいんだろうか、オレ……。

ネットでは、アマゾンの契約内容が明らかにされたりしててにぎわってる。イチバン具体的なのは『「こんなの論外だ!」アマゾンの契約書に激怒する出版社員 国内130社に電子書籍化を迫る』かな?
< http://news.livedoor.com/article/detail/5977004/ >

それについて思うところを何点か書いておくことにする。

「共通の書面で契約を迫っている」って完全に狂ってるでしょう。ここまで予断をもって書くライターの気が知れない(安藤健二〈BLOGOS編集部〉っていう人らしいけどね)。

だって、郵送で、契約書と、契約して下さいって案内文くらいじゃないの? 送られたのは。郵便で送るなんてこと、取次だってするよ。たとえば、東北大地震の書店店頭にあって津波かぶった本の返品を、現物ないけど、マイナスで受け入れてってのも、郵送で来たよ(メール便だったかもしれないけどね)。それをよんでだれも「取次が書面でマイナス返品を迫っている」って書かないものね。

それとも案内状がついてなかったとかなのか?

「10月31日までに返答せよ」ってほんとうにそう書いてあったのかな? せめて「10月31日までに返答してください」くらいにはなってたんじゃないの?

いやもし本当にそう書いてあったのなら、この疑問は撤回するけど。
なんで、こういう話になっちゃうのかな?

契約なんだから、納得できなければ契約しなけりゃいいだけの話じゃない。その程度は、本当に各社の意思を自由に決められるんじゃない? アマゾンの書籍の市場占有率は(ボクの理解では)せいぜい10%前後じゃない?

その程度の占有にアタマを押さえつけられるほど、不自由なのか? 日本の出版社。もし、10%前後でもアタマを押さえ込まれるんなら、日販やトーハンなんかにはすべて言いなりになるしかないじゃん。

で、じゃ我が社(ポット出版)はどういう契約がいいのかなー、って想像してみた。以下は、ほんとうにこれでアマゾンに契約を「迫る」なら、もう一度良く考え直すし、独禁法とかもちゃんと調べねばいかんけど。

まず基本は、アマゾンへの販売金額の考え方。希望小売価格×70%(実は80%がいいけどね)か、○○円という方式のどちらかがいいのかと思う、我が社的には。いずれにしても、販売金額は固定だな。

もし、販売価格をアマゾンが下げたとしても、まあしょうがないか? って思う。そのかわり、あまりに低すぎる販売価格で売るようなら、アマゾンへの販売は中止すればいい。いや、その前に、交渉はしますよ、もちろん。

値引き販売の話でなく、正味=45%という出版社の取り分の話がいいとか悪いとかになってるけど、こりゃ低すぎるだろ、って思う。

第一に、コンテンツそのものをつくるより、ダウンロード販売するほうが全然コスト安いでしょ、って思う。

第二に、これアメリカってのの基準のような気がしてならない。ポット出版の本で日本語の横にすべて英文を対訳にして並べたことがあって、それをアメリカの書店に売ろうとしたときのこと。「定価」の50%位のことを平気で言われた。でもアメリカって「定価」ってないでしょ。希望小売価格しか。

で、そのメーカーの希望小売価格に20%とかなんとかの割引して売るらしいから、50%って言っても書店からいえば、80%で売って、30%くらいの粗利を出したいって話なんだかからしょうがないか? って思ったんだ。日本の書店と取次って30%ちょいってのがその取り分だしね。

「カスタマー対応のために、データを返却しない」って話はちょっとすぐに解決不可能だな。なにせ、今の著者との契約って基本的に期限のある契約なんだ。これを実現させるとしたら、著作権(財産権のほう)を買い取るしか思いつかない。うーん、ただちにそういう契約にするのって、無理じゃないかな?

アマゾンは実際ポット出版に契約書を送ってきてないし、ネットに書かれてることが本当かもわからないけど、万一本当だとしたら、アマゾンが焦りすぎてるのか、日本の市場なんてどうでもいいと思っているのか、これを機会に日本の書籍市場に革命を起こそうとしてるか、くらいにちょっとクビをかしげる契約ではある。

ここ数年のアマゾンって、日本の書籍市場のありように対して、原則(考え方)を保ちつつも折り合えるポイントを探そうって感じに見えてたんだけど、それってオレの勘違いなのかな?

PS 出版デジタル機構(仮称)って株式会社を20社でつくることに合意。
ときどきサイトも見て下さい。
< http://www.shuppan-d.info/ >

【沢辺 均/ポット出版代表】twitterは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/ >(問合せフォームあります)

ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。おやじバンドでギター(年とってから始めた)。日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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ポット出版社長・沢辺均の日記 -137[2011.10.31〜2011.11.03]

2011-11-03 沢辺 均

●2011.10.31月
出版デジタル機構(仮称)の準備室へ。
午後に、翌日からオープンの事務所を見に行く。
それからある人とちょっと議論。いろいろ問題点も見えて来た。
想像してたことに近いかな?と
出版デジタル機構(仮称)事務所

●2011.11.01火
いやー、ちょっと体調不良で、休ませてもらう。
機構の準備室ミーティングも幹事会合同会議もサボる。
んだけど、ここんとこずっとやってなかった整体をうけたら、なんか良くなったような。
いや、これはやっぱり整体サボりだな。

●2011.11.02水
午前中から機構準備室へ。オレは事務所に初出勤。
午後は出版社の人が2人来て、機構の話を説明。
夕方ポットに戻って、ず・ぼん編集会議。
ついでに次号に載せようって、編集委員との鼎談も。
メシはオルガ。

●2011.11.03木祝
整体を受けてから事務所にでて、いろいろ雑用を片付ける。
祝日だというのに、スタッフが何人もでている。すまん、。
翌日の出版デジタル機構(仮称)の説明会の名簿整理とか、週報づくりとか。
・11/04 141人 101社 ほか取材が6名
・11/11 311人 244社 そろそろ締めきりかな?

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ポット出版社長・沢辺均の日記 -136[2011.10.24〜2011.10.30]

2011-10-31 沢辺 均

●2011.10.24月
午前中は出版デジタル機構(仮称)準備室勤め。
夜はいろいろお世話になっている人とワインとフランス料理(っても4人でなんと1万ちょっとだけどね)。
戻ってきてデジクリの原稿を書く。
デジクリ連載[15]日経のアマゾン報道はなんだったんだろうか?

●2011.10.25火
午前中、出版デジタル機構(仮称)の準備室勤め。
電子書籍を考える出版社の会」のシンポジウムへ。
ビジネスセッションとテクニカルセッション。
ビジネスセッションにでていた文化通信編集長・星野さんから、あまりしゃべらないようにといわれたのだけど、
始まったらいろいろ出しゃばってしまう。途中で反省して、おしゃべりをスローダウン。
終わってからパーティーがあって、eBPの人たちに出版デジタル機構(仮称)のことをしゃべったり。
Meetup 2011のまとめ
どうなる? どうする!? 日本の電子出版─「eBP Meetup 2011~電子出版2年目の課題と3年目への展望」レポート
EBPシンポEBPシンポ

●2011.10.26水
午前中、出版デジタル機構(仮称)の準備室へ
終わってから昼飯をロイホで食べながら、アタマとかノートとか整理。
そんでもって、流対協の会長 緑風出版・高須さんのところに、出版デジタル機構(仮称)の説明にいく。
柘植書房新社の上村さんもいる。数十万の電子書籍をつくって市場にインパクトを生んで活性化させよう、
って話。
事務所にもどって、太等さん(「日本語の文字と組版を考える会」時代によく行合ってたな)と打ち合わせ。
なんだか、映画の字幕のことをいろいろ調べてて、奇想天外な調査物語を聞いて笑う。
それらのものを本にできないかって話。
それから版元ドットコムの組合員会議。
飲み会に行って、ちょっと語りすぎた、昔話。

●2011.10.27木
出版デジタル機構(仮称)準備室つとめをサボって、個人的な借金の契約で銀行へ。
この年でよくやるは、。契約成功。
午後は月例版の出版会議。
月例版というのは、営業委託してる木下さんを交える会議。また前月までの月別売上げとかのデータの報告がある会議。
今月のデータ報告はうれしい数字。それに「要約 ケインズ一般理論」の事前注文が好調で600くらい。
それに加えて、紀伊國屋書店では、全国の店でおすすめとして取組みたいという連絡ももらったり。
本店では160冊、梅田100などなど。
本当に店頭で売れてくれるといいんだけど、。
15時から出版クラブで、JPOの電子出版コードの委員会。
このことはもう少し自分のアタマで考えなきゃ。

●2011.10.28金
午前中は出版デジタル機構(仮称)の準備室。
終わって渋谷へいって今度引っ越すマンションの契約へ。
もどってから、はりゅうウッドスタジオの(芳賀沼)整ちゃんと、木造仮設住宅の本の打ち合わせ。

●2011.10.29土
昼間事務所にでて、溜まった回覧を整理したり、雑用いろいろ。
夜は「マロンパーティ」というマロンちゃん(ヌードモデル)の写真展のオープニング。
佐藤、那須、みずきと一緒に。会場には大田、高橋、大原がきてた。
加藤ケンソウさん司会のもと、マロンちゃんと東村アキコさんのトーク。
第二部は山田広野監督の活弁映画「成人映画」と「成人映画パート2」の上映。それぞれ15分くらい。
パート2にはオレと鉄も出演してる。
終わって今時の寿司屋でメシ食って、家で新作映画をappleTVでダウンロードして見る。
マロンパーティ

●オマケ
すず鉄

●2011.10.30日
朝起きたら、目眩。一日中眠った。
そんでもって20時ころ目が覚めた。いろいろやりたかった出版デジタル機構(仮称)の仕事とか、
すこし深夜にやり始める。何時にねむれっかな?

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『要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論』入稿しました

2011-10-27 大田 洋輔

本日、『要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論』の再入稿が終わりました。
あのケインズの、あの『一般理論』。
すでに山形浩生さんのサイトで公開されている「要約」が本になります。
本には、サイトには出ていない山形さん自身の解説と、経済学者の飯田泰之さんによる解説がついています。
CIMG0611.JPG
写真は今日出てきた色校を切ったものです。シブいでしょう。
これまでで一番読みやすい『一般理論』になっていると思いますので、発売をお楽しみに。
本の発売は11月15日。まもなく予約を開始します。
来年1月には本に合わせたイベントも予定しています。
よろしくお願いします。

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デジクリ連載[15]日経のアマゾン報道はなんだったんだろうか?

2011-10-25 沢辺 均

ということで毎度のデジクリ連載の転載です。
デジクリサイトはコチラ

■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[15]日経のアマゾン報道はなんだったんだろうか?/沢辺 均

10月20日(木)の日経新聞の1面に「アマゾン、日本で電子書籍 年内にも 市場拡大に弾み」という記事がでた。

年内にも日本語の電子書籍購入サイトを開設。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、講談社、新潮社などとも交渉。PHPとは合意、PHPは約1000点の書籍を電子化して提供。だいたいこんなところが記事のポイントだった。

これはあくまでボク個人の想像だけど、アマゾンが出版社に「まわりの出版社は着々と契約しているのだから、早くしないと乗り遅れますよ」というメッセージを発したものに見えてしょうがない。

そう思うのは(自分でも参加してるのだからちょっと自意識過剰かもしれないけど)新会社=出版デジタル機構(仮称)が動き出したからだ。

出版デジタル機構(仮称)は、大手はもとより、小零細出版社の電子書籍制作をサポートして、短期間で数10万のタイトルを読者に提供しよう、というのが目的。これによって、電子書籍市場にインパクトを与えて、拡大させようって考えているのだ。

で、その電子化したタイトルは、それぞれの出版社の意思にもとづいて、電子書籍書店に提供する。出版社の多くは、アマゾンをふくめた電子書籍書店すべてに提供することになると思う。

これまでの紙の本の販売に際して出版社は、特定の書店本屋に商品提供しないなどという習慣はなかった。売ってくれる書店ならば、どこにでも提供するのだ(もちろん返品が予想される過剰な注文への警戒はあった)。この状態をみれば、○○書店にだけに提供しようとか、○○書店には提供しないとかもありえない。

一方、アマゾンの狙いは、国内で(ダントツ)トップの品揃えでスタートしたいと考えるているんじゃないだろうか、というのがボクの想像。ならば、たんにさまざまな電子書籍書店と同様の品揃えではダメ。

電子書籍書店のどこにでも提供する出版デジタル機構(仮称)が、多くの出版社との契約をすませるまえに、トップの位置を確保したいとおもっているのじゃないだろうか? と思うのだ。

では実際のところはどうなんだろうか? ボクが業界の友人たちに聞いたうわさ話や、情報を総合すると、出版社との契約はあんまりうまく進んでいないんじゃないかと思える。

日経新聞にしても、合意したと名前が出せたのはPHPだけだ。まあ、ポット出版の名前じゃ日経もそもそも記事にはしないだろう(笑)。ボクが記者なら、正直もうすこしインパクトのある出版社名が欲しいと思う。「詰めの交渉に入っている」ってのも、うーん、ボクの聞いたうわさ話とは隔たりが大きい。

ポット出版は「ぜひ提供してね」みたいなことを、たまたま行き会わせたときに一言言われただけで、本気で営業されたことはない(笑)。けども、交渉内容の機密保持契約を求められるという噂だし、もっとも安い価格を求められたりと、アマゾンとの契約はキビシイといううわさだ。業界の友人の四方山話では、アマゾンへの警戒感が強いように思う。

ビットウエイやモバイルブックジェイピーなどとの契約とは、緊張感が違うのだ。ポット出版だって、ビットウエイやモバイルブックジェイピーとは契約してるんたけど、今、アマゾンが本気で交渉してきたら(ってそもそも相手にされてないって)今すぐ契約する気にはならないと思うな。

いや、アマゾンがキライなんじゃないんです、よ。余談だけど、そもそもアマゾンが上陸した2000年。周りの出版社が「黒船が来た」扱いしてるときに、いや「白い猫も黒い猫も本を売る猫はいい猫だ」(笑)、って言って回ってたはず。アマゾンが求めていた、在庫情報のデータでの提供にも熱心にとりくんだしね。

で、今は、アマゾンの電子書籍書店に受動的に出品する体制をつくるより、その手前の電子書籍の市場を拡大することに主体的に取組むことが、結果的にアマゾン電子書籍書店の活性化にもつながるんだと思ってる。

多くのタイトルを電子化すること、そのためには講談社や小学館の最大手はもちろん、中堅から小零細までのタイトルが必要なんだ。だから出版デジタル機構(仮称)が飛び立つための活動に時間を裂いている。

ボランティアのつもりは全然ないですよ。だってそうした活動の過程で仕入れる情報は膨大で、ポット出版自身のためにとっても役に立つんですよ。

注1:出版デジタル機構(仮称)の目的はすこしボクの言葉に変えてある。責任はボクにある。あとで機構のメンバーに叱られたら素直に謝るし、デジクリにもお詫びを書きます。

注2:アマゾン電子書籍書店がほんとうに年内に出発して、ダントツの品揃えを実現していたら、この話はいい笑いモノだね。

【沢辺 均/ポット出版代表】twitterは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/ >(問合せフォームあります)

ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。おやじバンドでギター(年とってから始めた)。日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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回転寿司報告

2011-10-25 上野 絵美

自宅の意外と近くにスシローがあることが判明し
先日行ってきました。

◯人気と客層
休日とはいえ21時過ぎに着いたのに、30分待ちという盛況っぷり。
回転寿司=家族連れのイメージがありましたが
意外とそう若くないカップルも多かったです。

◯味
105円なのに普通においしい。

◯注文方式
タッチパネルです。
サビ抜きじゃないと食べられない私には、気軽に注文できるありがたいシステムです。

◯うどん
一番驚いたのがこれです。「誰が頼むんだろう?」と言ってたら
ちょうど左隣の女性がうどんをすすってました。
香川のうどん屋ではおでんがあるのが常識ですが
最近の回転寿司屋はうどんが常識なのか? スシローが関西の会社だから?

◯結果
15皿目標だったのに、10皿しか食べられませんでした。

日誌のネタが思いつかず、くだらない報告ですみません。
別にスシローの回し者ではありませんが
また行きたいです。

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ポット出版社長・沢辺均の日記 -135[2011.10.20〜2011.10.23]

2011-10-23 沢辺 均

●2011.10.20木
出版デジタル機構の準備室へ。
ところで、この準備室は、毎朝10:30に集合してミーティングをしている。
ミーティングはだいぶ具体的な議論になり始めた。でその具体性に、回答をだすようなレポートまでは手が回らず。
午後から機構幹事会。15時近くに終わって、慶應大学図書館へ。植村くんと、Kさんと三人でタクシーで移動。
入江さんのほか、田村館長も来ていた。東大出版会の橋元さんとかもね。
国立・公立・私立の図書館の協議体?と、和書の電子図書館システムをつくれないかって話。
いろいろ勉強になった。機構の課題だしね。

●2011.10.21金
ポット会議は佐藤/那須などにまかせて、機構準備室。
終わってからN紙の記者に取材。アマゾンの日経の記事についてや、機構の意味などを話す。
そんでもって、いろんなところの情報を総合すると、講談社・小学館・新潮社・光文社のアマゾン取引合意は、まだ先が長そうだ。
PHPが1000タイトルを提供ってのも、データは渡したけど、販売合意はまだできてないというPHPの人が言っている
って話も出て来る。PHPのひとがメディアの問合せに、アレはデタラメだって話してるって情報もあり。
まあ、すくなくとも、あそこにPHPの名前がのるのは、逆に言えば、PHPくらいしか合意のメドがたってないってことじゃないかな?
あるいはほかの出版社が名前をだすのを嫌がったか?
だけど「年内にもオープン」なら、いまどき名前をだすのをいやがるのだろうか?
あと1ヶ月半でわかっちゃんうんだから?
アマゾンがメディアに流して、オープン→出版社はすでにイッパイタイトルを提供するってムードをつくって、
迷ったりしてる出版社を煽ろうとしたんじゃないのかな?
日経の記者はアマゾンからの情報っての否定してたけどね。
山形浩生・翻訳+要約『ケインズ 一般理論』の入稿直前作業とか、JUN-4の色校正戻しとかバタバタしてて、
行くつもりだった21:15からのギター教室をサボってしまう。気がついたのが22:00ちょいまえで無断欠席。
あせって連絡したけど、先生、ゴメン。

●2011.10.22土
夕方から目黒雅叙園での義理の弟の結婚記念パーティーへ。
親族顔合わせに大遅刻。iPhoneも忘れて、ドタバタ。

●2011.10.23日
事務所で雑用。この日誌も書く。
後やっておきたいこととかもあり、。
と思ったら昨日の日経・文化欄にもアマゾンやら出版デジタル機構の記事があった。
赤塚記者って、ロフトプラスワンのときに取材にきて挨拶してくれた記者だな?
電子書籍の販売サイトが複雑でどこで変えるかわからない、って話だけど、
いや、タイトルがアット的に不足してるってのがオイラの認識。オイラとはズレてるゼ、赤塚記者。
まあ、規格の乱立が電子書籍市場の確立を妨げるってのよりは、まだ当たってる面があるけどね。
規格の乱立って、.book (ドットブック)とXMDF(エックス・エム・ディー・エフ)くらいしかないじゃん。
あとはせいぜいPDF。乱立なんてしてないよ。
よくきく「ガラパゴス」批判って分かりやす物語りにノッカてる底の浅い認識だろう。

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初めての丁髷

2011-10-21 和田 悠里

10月の3連休に、友達7人で京都旅行に行ってきました。
全員忙しいデザイナーなので、ホントにみんな行けるの……??と思っていましたが、
なんとかねじこめるものですね。
当日は7人中4人が完徹で集合し、げっそりした顔をしながらも無事に旅立つことができました。

今回の旅の主目的は、太秦映画村で本格的な時代劇の扮装をすること。
誘われて初めて知りましたが、太秦映画村には1万円くらいで
プロにカツラからメイクから衣装からやってもらえるコスプレコースがあるのです。
旅行前から事前に予約を入れ、何の衣装を着るかで打ち合わせまでして挑んできました。

殿様、姫、忍者など7人の大所帯でばっちりコスプレして村内を練り歩き、
バカ写真をいっぱい撮り、コスプレしていられる1時間を十分満喫しました。
私は同心の衣装を着て初めて丁髷を結ったのですが、あまりにしっくりきていて自分でも驚愕。
知らない観光客のおばちゃんにイケメンと言われ、キメ顔の写真を撮られたりしました。
赤面症なので普段ならば赤面するシーンですが、コスプレしている最中の写真ではひとつも赤面していませんでした。
浮かれて調子ぶっこいていたんでしょうか……。

旅の直前までいろいろ煮詰まっていたのですが、
盛大にバカバカしいことをして東京にもどってきたら元気になっていました。
コスプレ様々です。

このエントリに写真がないのはどうかという意見を頂いたので写真を追加しました。(10/26)
wada_kyoto

2 件のコメント »

出版デジタル機構(仮称)の説明会・版元ドットコムMLに送ったメール

2011-10-20 沢辺 均

出版デジタル機構(仮称)の説明会をひらくことになった。

版元ドットコム会員社にも積極的に参加してもらおうと、MLにメールを書いた。
そのメールを掲載しておきますね。
オイラがなぜ、これに参加しているのかってことも書いたんです。

ココから────────────────────
版元ドットコム会員社のみなさん

版元ドットコムも積極的に参加した出版デジタル機構(仮称・株式会社を準備中)の説明会を開きます。
出版社対象ですので、出版社の方はぜひご参加ください。

沢辺が考えている機構の「意味」は
・電子書籍市場を活性化させるために、ジュンク堂なみの品揃え=数十万タイトルを電子書籍化して起爆材とする。
・そのためには、機構で資金をかき集めて、電子化費用の出版社負担なし(売れたときには回収させてもらうけど)で制作する体制をつくる
 機構(株)は制作費を回収するためにも、必死に販売活動をし、売り先もみつける
・数十万タイトルを早急に用意するために、既刊本をまとめて電子化
・コストを抑えるためにも当面スキャン画像PDF+OCR付きからはじめる。
 千円代を目標としているけど、30万タイトルを電子化するためには3億円もかかります。

今回の説明会では、具体的な数字(販売金額の想定や、総費用のメドなど)までは示せませんが、
プレスリリースの方向性を説明させてもらう計画です。

ジュンク堂の多様性を実現するためには、中小零細出版社の多様な出版物も必要です。
また、中小零細出版社の電子書籍のためのインフラづくりのためでもあると考えています。
出版業が机と電話ひとつで創業できると言われるのは、全国の1万数千店の書店、そこに輸送して代金を回収などをになう取次、
印刷所の製作体制などのインフラが存在するからだと思います。
電子書籍におけるこうしたインフラをつくることが、この機構(仮称)の目的でもあります。
さらに、こうした取組みが、ほんとうに中小零細出版社に役に立つものにするために、版元ドットコム組合員は設立に参加することにしました。

版元ドットコムの会員出版社のみなさまもぜひこの機構(仮称)に合流していただきたいと思います。
まずは、説明会へのご参加をお願いします。

申込→ https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dHI5aGl2YllRWmF4N3F4YUwwemFYZEE6MQ
機構のウエブサイト要項→ http://www.shuppan-d.info/2011/10/00154.html
機構のウエブサイト→ http://www.shuppan-d.info/

メディアの方は参加いただけます。同様に申込フォームからお願いします。

↓に案内文を貼っておきます。

ココから案内文────────────────────
出版デジタル機構(仮称)説明会のご案内

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 出版デジタル機構設立の発表に際しまして、多大なるご関心と応援のお言葉を頂戴し、心より御礼申し上げます。

さて、本機構の設立趣旨、今後の設立計画、出資募集、利活用の方法など、現在確定している事柄や私たちが乗り越えていくテーマについて、更にご理解ご支援賜りたく、下記説明会を開催致したくご案内申し上げます。

 本機構の目的および目標

・国内における電子出版ビジネスの公共的インフラを整備することで、市場拡大する。
・日本の電子出版物の国際競争力を強化する。
・研究・教育・教養分野における電子出版物利用環境を整備する。
・現在または将来の利益逸失を防ぎ、出版界全体の成長に貢献する。
・国内で出版されたあらゆる出版物の全文検索を可能にする。
・本機構は各出版社等からの出資を受け、収益化を目指す。
基本業務内容等は、10月7日にオープンした本機構サイトに掲出しておりますが、皆さま方のご理解がより深まりますよう、詳細のご説明を致します。電子事業統轄責任者様のご出席を頂きたく、宜しくお願い申し上げます。会場の都合で1社2名様までとさせて頂きます。

敬具

●第1回
日時:11月4日(金) 15:00~16:30
場所:日本出版会館4F 
   〒162-0828 東京都新宿区袋町6番地 日本出版会館
   TEL 03-3268-1302
   地図

●第2回
日時:11月11日(金) 15:00~16:30
場所:一ツ橋センタービル12F (小学館本社ビル裏)
   〒101-8001 東京都千代田区一ツ橋2-3-1
   TEL03‐3230‐9173
   地図

● お申し込み こちらのフォームから
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dHI5aGl2YllRWmF4N3F4YUwwemFYZEE6MQ

・会場等の都合で、ご希望回の変更など設立準備室からご相談する場合があります。
・第1回と第2回では、説明会場が異なりますのでご注意ください。

◇本機構問い合わせ:11月1日(火)より下記に事務所を開設致しました。
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5 開拓社ビル8F
「出版デジタル機構(仮称)」設立準備室

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ポット出版社長・沢辺均の日記 -134[2011.10.11〜2011.10.19]

2011-10-20 沢辺 均

●2011.10.11火
連休明け、出版デジタル機構の準備室オープン。これから当面朝の10時半に小学館会議室に「出勤」。
その初日。
昼に飯田泰之さんのゲラ引き取りを大田にかわってもらう。ゴメンナサイ、飯田さん。
山形浩生さんの「要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論」の解説を書いてもらって、校正の引き取りだった。
午後は出版デジタル機構の普及促進の会議。
深沢さんと日高に来てもらって、ウエブサイトや、メール体制などの相談。

●2011.10.12水
午前中、準備室。
午後に出版会議。そのご借金のことで銀行がくる(これ、個人の借金ですよ)。
夜は4回目の書誌・書評情報整備利用研究会2011。設定したテーマは、
・国会図書館のラボの計画とか、今後の国会の書誌などをめぐるシステム開発ほ方向性
・ISBNがついてない本、NDLでは発行時についてなかったんだけど、その後販売を続けた出版社がISBNをつけた例と、それがNDLに反映してないこととかってことの話
書評サイト近刊情報βのサイト
・電子書籍IDのJPOの取組み
ほかにも青空文庫の富田さんがいつものとおり、いい突っ込み。で、激論?
終わってから神保町の中華屋で飲み会。

●2011.10.13木
げんきな図書館の受託館の館内整理の日。できるだけこの日は図書館にいこうと思っているんだけど、この日は欠席。
準備室へ。
午後は引き続き出版デジタル機構幹事会。
夕方事務所に戻って、深沢さん、菅原くん(ゼロメガ)、日高と、機構のためのスキャン電子書籍のOCR正答率調査などを頼む。

●2011.10.14金
昼前からビラセレーナ祭というポットのあるマンションのお祭り。
昼はフリーマーケット、5時から飲み会。「実行委員長」みたいなことやってるんだけど、午前中から準備室。
午後は出版クラブへJPO近刊情報センター管理委員会。
戻ってきて、やっとビラセレーナ祭。炭を起こして七輪の準備したり。
飲み会は、また菊ちゃん(ギターの名手)のうたや伴奏、ミルクさんのうたなどなどで盛り上がった。
2011ビラセレーナ祭2011ビラセレーナ祭

●2011.10.15土
義理の弟(笑)夫婦が新婚旅行のお土産を持ってきたので、一緒に夕飯。
それが終わって、ベラミライブ(セッションで遊ぶ)。人数少なし、もそれもまた良し。
ビラセレーナ祭で見つけたビートルズフリークの住人を誘い込む。
ベラミナイトベラミナイト

●2011.10.16日
いろいろ溜まった雑用や、考えを整理したり。

●2011.10.17月
午前中、準備室。昼飯を準備室メンバーと一緒して、hon.jp落合さんに、電子書籍の書誌情報のことを教えてもらいにいく。
事務所で仕事したり打ち合わせしたりして、20時水道橋で、版元ドットコムのプレトークイベント<石橋毅史『「本屋」は死なない』(新潮社刊)への想い>へ。
帰りの石橋さんたちと飲み屋へ。プレジデント社の石井さんも一緒。
石井さんは95年あたりにはじめてMacを買ったときの師匠。システムの再インストールの仕方を電話中継でおしえてもらったりしたのだ。C社の編集者からは、いろいろ仕事のやり方等を聞いてとっても知恵がついた? ぞ。
石橋講演会

●2011.10.18火
午前中、準備室。
もどって、石川輝吉さんと、ポットサイトでの連載→単行本の相談。
それからあるトラブルをめぐって、ちょっとバタバタ。

●2011.10.19水
午前中準備室。スキャン電子書籍OCRのレポートを提出。
ほかいろいろあった。
携帯に電話してって伝言したのだけど、電話なし。どうせオレなんてとすねてみる。

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『自費出版年鑑2011』に書いた ■紙の本と電子書籍と出版

2011-10-19 沢辺 均

以下は10月下旬に発行される『自費出版年鑑2011』に書いたものです。
原稿料をくれるという話だったんだけど、オイラの原稿なぞそうそうカネになるとも思えなかったので、
原稿料はいらんけど自由にネットに公開させて、とたのんでこころよく了解してもらったものです。

余談ですけど、原稿(著作物)の独占利用権は一部の文藝など以外にあまり意味がないんじゃないか?と思うのです、最近。
ってことで公開しますね。

なお、紙の『自費出版年鑑2011』を買ってみようじゃないかという方は↓でお願いします。
出版元のサンライズ出版サイトの紹介ページはコチラ
版元ドットコムサイトの紹介ページはコチラ

■紙の本と電子書籍と出版
沢辺 均〈ポット出版〉

本は電子書籍になるのだろうか?

 2010年の「電子書籍元年」ブームはおさまってしまったようだ。
 しかし、アマゾンが出版社を個別に廻って既刊本の電子書籍での提供を口説いている噂とか、「すべての出版物を電子書籍に」という目標を掲げた出版デジタル機構という株式会社の設立準備会が発表(2011年9月15日)されたりと、電子書籍にどう取り組むかが出版界の今の課題であることに変わりはない。
 ポット出版は、出版デジタル機構に版元ドットコムの仲間と参加しているし、2010年1月から新刊本発行と同時に電子書籍での販売をはじめている。
 まあ、電子書籍に、前向きなのだ。
 なぜ前向きなのかと問われたときには「多くの本は、電子書籍でも利用されるようになるから」だと答えてきた。
 だけど、そう答えること、に少々違和感もある。
 ボクのなかに「それでも紙の本、も、残る」と思っているところが確実にある。「多くの本」と言っているのだけれど、それはすべてではない、という意味を込めているつもりだ。「電子書籍でも利用される」と言うのは、電子書籍も紙の本も両方ある世界が当面つづくという考えがあるからだ。
 出版業界が電子書籍に対して後ろ向きだと思われているフシがあるので、ついつい、電子書籍が増えていくことを強調するくせがある(これはホントにそうも思っている)。
 なので、紙の本か電子書籍かを今一度冷静に書いてみよう。

○紙の本にはまだまだ魅力がある

 野村総研の電子書籍市場予測では、4年後の2015年に2800億円。
 これは、今出ている市場予測のなかでは真ん中くらいの金額だ。
 現在の書籍と雑誌の売上は1兆9000万円程度だから、15%程度。
 これは大きいといえば大きいけれども、まだまだ紙の本の利用が多くをしめるということでもある。
 まあ、10年後、20年後はほとんどの読みものが電子になっている可能性もあるのだけれど、こうした市場予測でも、紙の本はまだまだ残るということなのだと思う。
 ボクは商売ガラもあって時々電子書籍を買う。パソコンは使っているし、iPhoneもiPadも発売当初からの利用者だ。でも、まだ電子書籍で読み通したのは1冊だけ。もっぱら読んでいるのは紙の本だ。
 一方で、最近大きく紙の本から電子にシフトしたのは、アプリのマニュアル。以前は紙の本のマニュアルを買っておいて、調べることが多かったんだけれど、最近はグーグルで検索して、いろんな人が書いた「マニュアル」を見ることの便利さに目覚めてしまった。
 でも、本ということでいえば、圧倒的に紙なのだ。
 自費出版にしたって、本を書きたい人、出したい人は、電子書籍で満足できるのだろうか?
 紙の本でこそ、自費出版の意欲が高まるんじゃないか? 電子書籍なら、ワードファイルを配ればいいわけだけど、それじゃ出版した気にならないんだと思う。
 こんなふうにボクの身の回りの「感じ」から言えば、紙の本にはまだ
まだ魅力があると思うのだ。

○それでも電子書籍に意義がある

 にもかかわらず、ボクは電子書籍に前向きに取り組んでもいる。
 受動的な理由で言えば、やはり電子書籍が広がっていく方向にあるので、それに早く対応するのが良いと考えているからだ。
 電子的な技術は、ボクたちの生活を劇的に変えて来たことは間違いない。
 文章を書くという行為のほとんどが電子で行われているのではないだろうか?
 写真もアナログからデジタルに変わった。
 特に生活を大きくかえたのはネットワーク。
 ボクたちの周りに張り巡らされて、電子でつくった意思表示(文章だとか、映像だとか)なら、ネットワークを通じてほとんど世界中に瞬時に送り届けることができるようになった。
 この便利さを考えれば、電子に置き換えられて、ネットワークで送ることは拡大すると考えるべきだと思うのだ。
 また、出版社の者として、積極的に考えるのは本の物理的な量のことだ。
 本棚にある本が、ネットワーク上に電子で保管されていて、部分的に見るだけなら、いつでも見ることができるようになったら、紙の本をとっておく必要は圧倒的に少なくなる。
 一度買ったことのある本を、少額で電子書籍に交換できれば、本棚の本はどんどん処分されるだろう。そうなるとどの本を「買ったことがあるか」「読んだことがあるか」という記録くらいが手元にあればいい。
 こうして空いた本棚に、また新しい紙の本が買われていくことに可能性を見ているのだ。

○本の新しいセンバツの方法が求められている

 しかし、電子書籍が広がっても残る課題がある。
 本を選ぶための、センバツのシステムがどうしても必要なのだ。
 ボクは、小説を読むのが結構好きだ。
 東野圭吾、宮部みゆき、大沢在昌の新作がでて本屋に並んでいると迷わずに買う。
 これまで読んできてそう外れなかったからだ。でも、本屋に並ぶ、読んだことのない作家の本を自分で読んでみて見つけたわけではない。無駄な時間を使いたくないし、ハズれたら面倒だ。最初は誰かに評判を聞いたとか、書評とか広告がきっかけだったんだろう。
 哲学なら竹田青嗣、社会学なら橋爪大三郎のものは読むことが多い。これももちろん自分で読んでみてファンになったのだけど、最初はやっぱり誰かのススメや書評がキッカケ。
 一年に8万冊も出ている本のなかから、自分で読んでみて良し悪しを決めることなどだれもできはしない。ボクに代わって第一次選考をしてくれる人やシステムが必要。それがセンバツだ。
 以前は新聞の書評欄でもみておけば、読むべき本にたどり着けたのに、今はそれだけじゃたりない。狭い嗜好を満たすために自分にあうセンバツのシステムにたどり着かなければならないけど、なかなか大変だ。
 こうしたセンバツシステムはメディアの権威に裏付けられていた。
 しかし、この権威もどんどん威力が下がっている。◯◯新聞くらい読んでおかなけりゃもないし、テレビの言っていることを真に受けることも減っている。
 これらに替るのは多分「人」だと思うし、ネットワークを活用したものだと思うのだけれども、それがどういう形に落ち着くのか、まだよくわからない。

○だれもが出版できるというなかで

 センバツの役割は、出版社も果たしてきたのだと思う。
 中公新書なら学問的な裏付けがあるはずだ、といった信頼などだ(これが権威だと思う)。
 でもこの権威の威力も下がってきているし、下がり続けるだろう。
 これらの権威の半分は、出版するというシステムに参加することの困難が大きくて、その困難を超えられたことに、信用の理由があったのだと思う。もちろんもう半分は、その信用に応えるものを出してきたという実績も当然あったはずだ。
 ただ、出版するというシステムに参加することは、もうだれもができる方向に向かってる。
 電子書籍の拡大はそれを加速するはずだ。
 だからこそ、電子書籍は、あらためてのその信用の根拠を厳しく問うターニングポイントなのだと思う。
 出版社が、出版が、その根拠を問われている。
 そこに、出版の困難さがあるし、もう一方、変化の可能性という途轍もない面白さもあるのだと感じている。

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「フリー入帖」とはどういう意味か

2011-10-19 尹 良浩

ここ二回、日誌当番が回るたびに返品のことを書いてきました。
機械仕分けでも謎の逆送がなぜ起こるのか考えてみた(追記あり)
トーハンの返品可否登録
今回は「機械仕分け〜」の記事で予告していた
「フリー入帖」という言葉について書きたいと思います。

出版営業であれば、一度は体験してそうな会話に以下のようなものがあります。

書店「御社はフリー入帖ですか?」

営業「ふ、ふりぃ?」

私は最初解りもせずに「そうです」と答えたような気がします。ダメですね。

書店が「フリー入帖ですか?」と聞いてくるときは、
十中八九「いつでも返品できますか?」の意味と考えていいと思っています。
細かいこと抜きに返品できるかどうかが書店にとって大切だからです。

しかし、出版は委託商品(新刊、長期)をのぞいては、
注文品=買切が原則と言うか、建前です。
とはいえ、買切と言うことは、
注文した分は売れないまま死に在庫になれば損になります。
そうなると、書店は冒険してドーンと展開するとか、
ちょっと置いてみようかという様子見の仕入が出来なくなるので、
確実に売れるもの以外には慎重になってしまいますよね。

というわけで、ポットもそうですが、
結構多くの版元が「委託・注文問わずいつでも返品を受け付ける」わけです。
売れ残っても返せるわけですから、ちょっと置いてみようとか、
長く置いてみようとか、販売する書店の自由度はかなり大きくなります。
出版社としてもじっくり売って欲しいと思いますから、いつでも返品を受けるとするわけですね。

ではポットは書店に聞かれていることのとおり、
いつでも返品を受け付けているのだから「フリー入帖」なのでしょうか。

私は「フリー入帖ではない」と考えています。
その理由は書店と出版社の間には取次がいるということです。

過去2回で書いたように、返品逆送は
・取次は返品不可品は書店に逆送する
・だが、その基準はよくわからない
・しかも取次によっても違う
ということがあります。

書店と出版社は直接契約しているわけではなく、
それぞれが取次と契約することによって、
本を流通させているわけです。
その契約の中で、少なくとも出版社と取次の契約上は注文品は買切扱いです。
トーハン(出版メディアパル)が出している「よくわかる出版流通のしくみ」にもはっきり書いてあります。

なので、注文品で入ってきたものは逆送するのが契約上は「正常」です。
また、取次はこれまた建前上「いつでも返品を受け付けている」ということは
ないことになっているはずです(だって契約と違うし)。

要するに、出版社がいくら「いつでも返品を受け付けている」と言っても、
取次にとっては契約上の筋として逆送することが正しいということです。
事実ポットの本は逆送されることがあります。

すると、書店が言う「フリー入帖ですか?」=「いつでも返品できますか?」に対して、
まっすぐ「フリー入帖です」と答えると、バッチリ逆送されました!
ということが起こりうるわけです。

なので、私はフリー入帖かどうか聞かれたときは
「いつでも返品・入帖承りますが、取次判断で逆送されることがあります。
なので、もし可能であれば返品の際は尹の名前で返品了解としてお返し下さい」
と答えるようにしています。

最後にタイトルにある「フリー入帖」の本来の意味は結局何かについて、推測。
先にポットは「フリー入帖ではない」と考えていると書きました。
それは、「フリー入帖」という仕組みそのものが別個存在していると考えているからです。

例えば一定以上大手の出版社の場合、点数も部数も膨大な数になりますし、
仕掛け販売は毎月のようにあるでしょう。
そうなると、店頭で毎月自社の本を山積して欲しいわけです。
ルール通りだとその度に膨大な逆送が起こります。
そうすると取次にとって大きな利益が上がるものの、
逆送そのものが大きなロスになります。
そこで、きちんと取次に話を通した上でいつでも返品できる仕組みが、
昔から存在したのではないかと考えています。

つまるところ、書店側から見れば、
「フリー入帖」=「いついかなる時でも返品が可能」
取次、出版社から見れば
「フリー入帖」=「いついかなる時でも返品が可能なように両者の間で納得したもの」
というものであり、大元の意味としては同じ言葉で微妙にニュアンスが変わっているのではないか、と。

そうした中で、出版社はどこでも「フリー入帖」にできるわけではないですが、
書店は「フリー入帖」の本に大抵触れるわけですから、
圧倒的に書店の方が言葉に馴染みがあります。
そうしていくうちに「いついかなる時でも返品が可能」という意味が独り歩きしたのではないか、
というのが私の推測です。

あくまで推測なので、業界の生き字引のような方がいたら、
フリー入帖の謎を教えて欲しいですね。

というわけで「フリー入帖」の謎を考えてみました。
出版関係の方以外どうでもよすぎる話ですが、なんかの参考になれば。

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Indesignに貼り込んだ画像の上にファイル名をつける

2011-10-18 山田 信也

日誌に書くことがないので、Indesignに貼り込んだ画像の上にファイル名をつけるスクリプトを書いてみました。

参考書 『組版時間を半減する! InDesign自動処理実例集』

var docObj = app.activeDocument;
var pagecount = docObj.pages.length;
var f = app.fonts.item("小塚ゴシック Pro");
var c = app.activeDocument.swatches.item("C=0 M=0 Y=100 K=0");

app.activeDocument.layers.add();

for (var i=0; i < pagecount; i++){
for (var j=0; j < docObj.pages[i].allGraphics.length; j++){
var imgObj = docObj.pages[i].allGraphics[j];
var imgName = imgObj.itemLink.name;
var y1 = imgObj.parent.visibleBounds[0];
var x1 = imgObj.parent.visibleBounds[1];
var y2 = imgObj.parent.visibleBounds[2];
var x2 = imgObj.parent.visibleBounds[3];
var tfObj = app.activeDocument.pages[i].textFrames.add();
tfObj.visibleBounds = [y1, x1,y2,x2];
tfObj.contents = imgName;
tfObj.paragraphs[0].appliedFont = f;
tfObj.paragraphs[0].fontStyle = "H";
tfObj.fit(FitOptions.frameToContent);
tfObj.fillColor = c;
}
}

このようなIndesignのレイアウトがあって、
before.png
スクリプトを実行すると
after.png
このように画像の上にファイル名がはいります。

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『僕に生きる力をくれた犬』(「プリズン・ドッグ」)いよいよ発売

2011-10-12 那須 ゆかり

「プリズン・ドッグ」の本、正式名は『僕に生きる力をくれた犬』の見本ができあがってきました。
書店発売、今週末から来週にかけてです。

できあがって「バカバカバカー」とあたまをポカスカなぐりました。
ああ、タイトルをなんで「プリズン・ドッグ」にしなかったのか〜。
最初はプリズン・ドッグにしていたんです。でもそれじゃあ意味がわかんないよって何人かに言われて
そうかもしれない……と思ってしまったわけで。
もとのNHK BSで放送された番組名は「プリズン・ドッグ」で、
その番組を見た人が本を買おうと思っても探せないじゃん!
『僕に〜』じゃまどろっこしいし、覚えにくいタイトルじゃないか!
ああ、なんてバカ。
でももう世に出てしまう本です。とにかく『僕に生きる力をくれた犬』というタイトルを
覚えてもらうべく努力せねば。

たとえば、覚えやすくするために『ぼくいぬ』と略すのはどうだろう?
「ぼくいぬ、読んだ〜?」
「まだなんだけど、ぼくいぬ、読みたいんだよね〜」
そんな会話が世間でかわされる事を願います。

10月は、「ぼくいぬ」のほか、ポット大型企画、石ノ森章太郎先生の「ジュン」シリーズの第二弾、
2巻3巻を発売しています。
こちらはもう書店に並んでいるはず。
少年ジュンが寓話の世界へ誘います。

ポットの鉄、すず、そしてサク(おまけにテンも)、みんな「ぼくいぬ」の発売を
心待ちにしてくれている…はず。

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デジクリ連載[14]情報公開は何より大切なんだ

2011-10-12 沢辺 均

< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20111011140100.html >

2011年ももう10月だ。デジクリの連載もあとちょっとで1年か?
でも、ネタにつまったぞ。しょうがないので、今二番目に時間をつかってる出版デジタル機構のことでも書いてみることにしよう。でも、まだまだ大きな方向性を出すところまでになってないから、コネタでご勘弁。

まず、出版デジタル機構ってなんだって話。前回も書いたはずだけど、ようは「すべての出版物のデジタル化をめざして」ってことを目標にして、これから作ろうという「株式会社」。そうだ、前回はこの「株式会社」に意味があるって書いたんだ。

で、この株式会社を出資してつくろうってことに合意したのが、インプレスホールディングス・勁草書房・講談社・光文社・集英社・小学館・新潮社・筑摩書房・東京大学出版会・東京電機大学出版局・版元ドットコム(代表:ポット出版・ほか6社)・文藝春秋・平凡社・有斐閣の出版社20社(50音順)。

版元ドットコムの「ほか6社」ってのは、語研、スタイルノート、青弓社、第三書館、太郎次郎社エディタス、トランスビュー。これって版元ドットコムの組合員社(有限責任事業組合なので組合員という表現。株主であったり役員会社でもある)

この出版デジタル機構の連絡会議長の植村八潮さん=東京電機大学出版局も、版元ドットコムの組合員社なので、参加した組合員社は合計8社ってことになる。つまり、システムを担当しているスタジオ・ポットSD(出版社ではないのだ)以外は、全組合員社が参加してることになる。

この出版デジタル機構の会議のなかで印象に残ったエピソード。
9月15日(木)15時に「設立のお知らせ」をメディアに送った。木曜15時にしたのは、平日の新聞に載って欲しいなって理由。その日のうちに取材ができれば翌日の朝刊にまにあうだろうって考えた。

この20社以外にも株式会社設立に参加するってところが何社かあって、でも役員会とかのスケジュールで15日発表には間に合わないよって報告もあり、翌週に延ばそうかって話も出たりした。

そのときに「自炊業者に質問状を送っている。電子書籍への取組みを進めるって意思表示も早くしたい」みたいな意見が出て、15日発表になった。この発言は、質問状を送った7社の1社の人。

このデジクリなんかで「自炊が読者に支持されているのは出版社の電子化への怠慢の結果でもある」みたいなことを書いてきたけど、基本的な認識は質問状を送った出版社も近いんだな、って思ったのだ。

ある種の「怠慢」という自認はある。でも、だけど自炊代行をこのままにしておけない、なのか、だから自炊代行をあれこれする前に電子化を進めようって判断の違い。ズレはホントに紙一重なんだな、って。だって、自炊代行への読者の支持は出版社の怠慢という言い続けているポット出版だって、同じ席に招き入れてるんだから。

さて、この出版デジタル機構はいまどんな進捗状況にあるのか?
先週、最後の連絡会を開いて、発起人会に改組。幹事会(講談社と小学館ね)をおいて、出版社への参加のお願いをすべく、分担して取組みましょうってのを始めることになった。

とはいえ、膨大な準備作業があるので、設立準備室をほぼ常駐体制でつくるところまできている。今週から、設立準備室は仮・仮事務所で毎日集合。11月には神保町に仮事務所をひらく準備も同時並行で進めてる。

あ、そうだ。出版界ってメディアであるくせに(メディアであるから?)情報公開が下手だね。「出版デジタル機構」ってググっても、出てくるのは新聞や、ネットニュースと、ポット出版と版元ドットコムのサイトばっかり。

いや講談社や小学館のサイトをキチッと見ているわけじゃないけど、あの「設立のお知らせ」は掲載されてないんじゃないかな? 出てるとしても、Googleでヒットしないもんね。報道されることには努力してるけど、まず自分で情報公開しなきゃいけないじゃないの? って思わずにはいられない。

これって出版界に限ったことじゃないかもしれないけどね。日本社会では、まだまだ情報公開の重要性が共有されていないじゃないか?

版元ドットコムって、最初は会員30数社で2000年に始めたのだけど、数年は会員社が増えなかった。現在171社だけど、増えたキッカケはアマゾンのおかげだと思っている。

版元ドットコムは書誌情報や本の在庫があるかどうかを、出版社自身で公開していこうって取組み。しかし、その当時、在庫情報を公開する意味って全然共感されなかった。同じ2000年にアマゾンが開業して、在庫があるかどうかわからない(システム化されていない)出版社の本には「在庫ありません」みたいな表示をしたわけ。

そんなふうに表示された出版社は怒った。倉庫に在庫がイッパイあるのに在庫がないと表示するのは何事か! って。ところがアマゾンは、ただ小売店としてウチには在庫がないと書いただけなんだと思う。そりゃヨドバシカメラに行ってMACBOOK Airありますか? って聞いたら、店員さんは「在庫がないんです」って言うでしょう(ホントになけりゃだけど)。アップルストアにはおいてあっても。

でも、ここんとこ誤解した出版社は多かった。そうこうするうちに、なんとか在庫なしって表示を在庫ありってことに直せないか? って思う出版社が増えた。版元ドットコムはもともと、そういう在庫情報とかをできるだけ公開して、書店の店頭で調べられるようにしよう、って目的だったから、当然アマゾンに在庫情報を送る方法を知っていたし、システムもつくってた。

そこで版元ドットコムへの関心が高まって、入会社がどんどん増えたってワケだ(まあ、ほかの理由で入会してくれた出版社もイッパイいるんで、あくまでひとつの要因ですけど)。

アマゾンが、これまでブラックボックスにおかれていた出版社の在庫情報を公開してくれたことが、在庫情報整備への(主に中小の)出版社の認識を変えてくれた。そのなかには著者の果たした役割も大きかった。著者ってアマゾンで順位とか在庫状況を見て、出版社に連絡してくる人も結構いるらしい。「オレの本は売り切れなのか? ならなんで増刷しない」とかね。

こうしたことがあって、情報公開は何より大切なんだってあらためて思い知らされた。ということで、まずは出版デジタル機構のウエブサイトを立ち上げた。つくってくれたはデジクリ読者ならよく知ってるんじゃないか? 深沢英次さん。彼にもこの出版デジタル機構への協力をしてもらってる。

ただし、つくったはつくってけど、情報はスカスカ。なによりも参加出版社の間での情報共有のためのメーリングリストづくりとか、優先してやってるところなんで。
http://www.shuppan-d.info/

【沢辺 均/ポット出版代表】twitterは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/ >(問合せフォームあります)

ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。おやじバンドでギター(年とってから始めた)。日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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ポット出版社長・沢辺均の日記 -133[2011.009.28〜2011.10.10]

2011-10-11 沢辺 均

●2011.09.28水
昼前から出版会議。
夜は月に一度の版元ドットコム組合員会議。
この日、出版デジタル機構への版元ドットコムとしての対処を相談するなど。
終わってからは東洋食堂でイッパイ。
ベランダで仕事

●2011.09.29木
事務所と自宅のあるこのマンションに空き部屋がでた。
売買を担当する不動産屋とひょんなことから連絡がついたので、見学させてもらう。
日当りがいいな。
午後は丸の内へ。山形浩生さんの『要約 ケインズ一般理論』再校をもっていく。
これで山形さんから再校が帰ってきたら一気に入稿へ、というわけだ。
あしかけ何年だっただろう、やっとココまでだ。
山形さん、と解説を書いてもらった飯田泰之さんとのトークショーを計画。
また山形さんのえらんだ「デフレ克服と、経済学を今さらやる直すためのブックフェア」の選書も依頼。
山形さん選書によるフェアをいろんな書店にお願いするつもり。
ある大出版社の権威ある文庫に、山形さんの「全訳 ケインズ一般理論」が企画会議に上がってると。
後日、企画が決定したらしいって連絡をもらう。
ポット出版の「要約」にはウレシイ知らせだ。
トイレから下の階に漏水。原因調査を依頼。便器をはずした。
便器をハズして

●2011.09.30金
昼前からポット会議と掃除大会。
午後、中公の営業の人が来て、販促ツール類のデザインの打ち合わせ。
夜は国会図書館で勉強会の講師兼司会。弁護士の村瀬さんと、福井さんと一緒に、
出版社の「権利」について。
福井さんはチョーマジメなひとなのかな? 初対面だったけど。レジュメを書いてきていた。
あのレジュメ公開してほしいな、いいレジュメだったんだ。
終わってカレー屋へ10数人で。たのしいおしゃべり。

●2011.10.01土
ヌードモデル=マロンちゃんの写真展のイベントでの公開を目指す、
山田広野監督の新作の撮影。山田監督だから当然無声映画。
オレは出ずっぱりの役。
この日に予定してた久しぶりの我がバンドの練習は、メンバー欠席がちょっと多くて中止。
那須の娘=みずき嬢がドイツ語教室の帰りに事務所に来る。
那須と、佐藤と4人で近くのフレンチ(大衆料金ね)でメシをくう。
マスターが気を利かせて、デザートにちょいと細工してくれた。
M嬢と食事M嬢と食事

●2011.10.02日
思い出せないな。イヤ、3日のロフトイベントのレジュメの準備とか、画像の準備とかやってた。

●2011.010.03月
朝イチ、スルガ銀行へ。
夜は「出版社が電子書籍に取組む方法(実務編)──中小出版社の電子書籍戦略と出版デジタル機構」
というイベントを、版元ドットコムで開催。場所はロフトプラスワン!! 似つかわしくないけど。
有料入場者数101名。スタッフ(出演者含む)の飲み代2万まで無料って言われたんだけど、3万近く飲み食いしてた(笑)。
USTREAMで中継。記録してるので、今でも見れます。
前半 http://bit.ly/qAW3OH
後半 http://bit.ly/oeAjuE

版元ドットコムの勉強会版元ドットコムの勉強会

●2011.10.04火
午後から出版デジタル機構の設立準備室の初会議。
11日(火)から毎日10:30集合ミーティング→分かれて各自仕事、って体制を決める。
ほかに次回連絡準備会の議題の調整とか。
神保町のキッチン南海で、カツカレー玉子入りを食べて、神保町の「本と街の案内所」をノゾイて帰る。
案内所には顔見知りの千代田図書館のコンシェルジュもいた。
もどって、守秘義務の厳しいある書店の人と情報交換。出版デジタル機構のことや、電子書籍のIDのことなんか。
神保町

この週は、毎日のように、本の制作をめぐるトラブルとかが続出。
まあ、この程度のことなら何とかなるのはわかっているのだけど、
ほら、ダムも小さな穴から決壊するっていうでしょう。なので、ついつい、怒鳴って説教とか。

●2011.10.05水
出版会議。
横芝光図書館の元職員と、あの貸出し数などの「水増し」問題のことを聞くために会う約束をしていたのだけど、
ゴメンのメール。
夜はず・ぼん編集会議。相変わらず、ダラダラとおしゃべりなんだけど、まあ、これが大切なのだ。
(ある種の)図書館の気分を自分のカラダに入れるために。

●2011.10.06木
午前中は近刊情報センターの普及促進委員会。
あ、ちょっと会議のすすめ方に「?」。普及の方法を見つけなきゃいけない、難しいところにはあるのだが、、。
終わりかけのところ、出版デジタル機構の連絡会の会議。ざっと40人とか50人とか。
この日で、連絡会は終了。以降、出資する社で「発起人会」、そのなかから当面の役員として機能する「幹事会」、
参加賛同出版社を増やすためのチームと、設立準備室への切替を決める。
そして出版デジタル機構のウエブサイトをとりあえず公開。これからいろいろ体制を整えて、
内容濃くしないと、大々的にお知らせはできないんだけど。
サイト制作は深沢英次さん。ご協力感謝!
http://www.shuppan-d.info/

●2011.10.07金
愛知大学の図書館情報学専攻の時実さんが来て、図書館大会での講演のための取材。
出版デジタル機構のこと。
ポット会議、掃除大会。そのあいだにも、あらたなミニトラブルが。
昼飯は、ベラミのオムライス。
夜21:15から代々木サウンドタワーのギター教室。大河内先生(たぶん30代)。
時間は1時間。ブルースのアドリブのおさらいや、クロスロードのイントロ、ワンダフルトゥナイトのリードの練習とか。帰ってきて、メールをちょこっとチェックして、この日は上がる。

●2011.010.08土
広尾の不動産屋にちょっと用事をすませて。
事務所で雑用とかいろいろ。

●2011.10.09日
ぐたぐたしたり、ヨドバシカメラで無線WiFiを買いにいったりしたぞ。
9月が決算で10月からポットの新年度になるので、請求書システムの更新とか日報システムの更新とか、
そのほかいろんな雑用。

●2011.10.10月祝
午後から事務所にでる。
NPOげんきな図書館のスタッフと話したり、責任者と話したり。
そして今、ためてしまった日記を書いている。
このあと、書誌書評情報研究会のレジュメとか、明日の出版デジタル機構設立準備室で協議することを、
整理したり、なによりデジクリの連載を書かねばならない。ネタはなんにしようか?

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石ノ森章太郎「ジュン」シリーズ復刻で思い知ったこと

2011-10-07 高橋 大輔

2011年9月より、石ノ森章太郎の代表作の一つである「ジュン」シリーズを完全復刻を開始しました。2011年11月まで『ジュン0』〜『ジュン4』の計5冊を発行します。

ジュン0 石ノ森章太郎とジュン』は、「COM」連載終了後以降に複数の雑誌で発表された「ジュン」の短編マンガ、イラストをほぼすべて収集した「ジュン小品集」と、「ジュン」の作品解説、および石ノ森章太郎自身による「ジュン」解説マンガ、また自伝マンガ、そして石ノ森章太郎へのインタビュー記事などから、石ノ森章太郎にとって「ジュン」とは何だったのかを窺い知る関連作品を収集した「ジュンを知る」の二部で構成されています。
シリーズの主人公であるマンガ家を志すナイーブな少年、ジュンは石ノ森章太郎にとって自己を投影するキャラクターであり続けました。
1967年に「COM」で発表されたジュンは、30年後、短編「ファンタジー・ワールド ジュン 雪の女は愛で死ぬ」(1997年発表)まで続きました。

ジュン1 章太郎のファンタジーワールド ジュン』は1967年〜1971年に「COM」(虫プロ商事)にて連載され、前衛的なマンガ表現の方法から高い評価を受け、第13回(1967年)小学館漫画賞を受賞した作品です。「ぼくはこの作品で“詩”をかきたい」と石ノ森章太郎は「COM」誌上で発言したことは当時のマンガ少年たちの間で広く話題となりました。石ノ森の代表作品の一つとして名前が上がる作品です。

ジュン2 魔法世界のジュン〔アパッチ版〕』は、大人向け総合誌「アパッチ」(講談社)に、1977年6月号〜1978年1月号まで、『ジュン3 魔法世界のジュン〔リリカ版〕』は、少女向け雑誌「月刊リリカ」(サンリオ)に、1978年5月号〜1979年1月号まで連載された作品です。
どちらの作品も、継母とその姉に邪魔者扱いされ、孤独な現実世界を生きるジュンが、想像の世界「魔法世界」へと旅立ち、仲間とともに闘う姿が描かれており、少年の心を持ち続けたと言われる石ノ森章太郎の、想像力ゆたかな世界観を存分に堪能できます。
イヌの「チビ」、アヒルの娘「ルー」、ロボット「ガランドウ」、竜の「ドラコン」、妖精の「ドリーン」とともにお伽話の世界を旅する本作品は、石ノ森章太郎版「オズの魔法世界」と評価されています。ちなみに『ジュン3』は、今回が初のフルカラー単行本化です。

現在は『ジュン4 石ノ森章太郎のFANTASY JUN』(アニメ情報誌「マイアニメ」(秋田書店)に、1981年4月号〜1984年9月号まで連載)の編集作業中です。

いやはや。
それにしてもそれにしても!「原本」に立ち返る重要さを思い知りました。せっかくの「完全復刻」です。連載当時の発表誌や、過去に刊行された「ジュン」の単行本を探しに国会図書館に数回通ったのですが、!!!!!!!!!な体験が何度もありました。過去の資料を確認する際、意識は「確認」だったのですが、いざ現物に当たってみると「発見」の方が全然多かったです。また、現物の関連書籍から「こんなのあったのか!」的な情報がずるっと出てきたり。(瞬間、「あっ」と情けない声が漏れました。)ごにょごにょ想像して検索するより、やっぱ体動かさなくちゃいけないなぁなんて当たり前のことを身をもって体験中です。

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