20090219国会図書館研修で話したレジュメ
2009-02-20 沢辺 均
02/19木に、国立国会図書館で話させてもらいました。
1部・2部の2回戦。
1部が、納本制度調査班・意見聴取会「納入率調査の方法と納入律向上のための方策について」で、
2部が、収集書誌部部内研修/館内公開座談会「日本における出版情報の作成過程とその流通の現状について」
ポットの著者である、湯浅さんに講師としてお声がかかったところ、湯浅さんが「沢辺にも喋らせろ」といって、
話をする機会をもらいました。
版元ドットコムなどで書誌情報の出版社からの発信に取り組んだり、
JPOで、商品基本情報=出版界が書誌データベースを作る事に取り組んだりしていて、
国会図書館にやってもらいたい事が、山ほどあったので、嬉しい機会でした。
そん時のレジュメと、チャート・資料を置いておきます。
レジュメは下に直接貼っておきます。
チャートと資料はPDFにして、ダウンロードできるようにしました。
●チャート・資料は→ 20090219_ndl_sawabe.pdf 14.7MB
レジュメは、ここから■■■■■■■■■■■■■■■
第1部●レジュメ
納本制度調査班・意見聴取会「納入率調査の方法と納入律向上のための方策について」
2009.02.19木 13時30分〜15時00分
沢辺均(ポット出版/版元ドットコム)
■ 納入率向上のための方策
●課題は
○出版者(出版社/官庁/個人、、、)のインセンティブアップ
納本(データ提供)するいいことがある
図書館で選書の対象になりやすいのではないか/一人前の出版物のように思われる(自費出版)
pdf化が楽である(官庁)/だれもが見る事のできるデータベースに登録される(官庁)
○一足飛びに現物の収集を目的にするのではなく、まず存在データ(書誌データなど)の収集が有効だと思う
・収集率調査の基礎数字になる(これが調査の最大の難しさのように思える)
●インセンティブ向上ということ 出版社の書誌データ+在庫情報の意識は、知らんぷり→自らつくるに変わってきた
○アマゾン 在庫情報を「見える化」/事前も事後も 業界をめぐったアマゾン抗議のメール
○版元ドットコム137社(2000年=34/35/43/43/52/72/93/117/137)
○VAN 約250社→約400社弱
○商品基本情報センター 承諾書859社 2009.01
→自分の利益は最大化する→インセンティブ
●存在データの収集
○情報・データの収集の基本的な考え方
・体系的に集めるのはむずかしい(上意下達型)
・カオスのように、ともかく集めて、一つの入れ物にいれ、検索で活用
Google/OSのファイル管理(ディレクトリ整理式から、検索式)/メール管理(フォルダ振り分けから、検索)
・公開が重要(アマゾンの例)
○存在することのデータがあれば、自動的に納入依頼リストをつくれるのでは?
○存在することのデータが公開されていれば、国会図書館が求めている事を日常的に告知できる
●インセンティブ/存在データ収集(=納入率向上)のためのいくつかのアイディア
○出版社・出版業界との書誌情報の共同制作
○官庁出版物 納本に気付くキッカケ
・ISBNをつける/ISBN管理・登録データベース/できればバーコードダウンロードサービスなども
PDFアップロード、データ保存データベースとかはできないか?
スキャニングサービス
○図書館業界全体で役割分担ができないか?
・国会+都道府県は網羅的な収集と保存を
・市区町村は、地域資料(自費出版なども)・行政資料
・これらをデータベースサイト(国会設置)にネットワークから登録(版元ドットコム書誌データ登録のように)
○カタログやデータを買えないか?
『雑誌新聞総カタログ』『日本の古本屋さん』のデータ/タコシェ(中野ブロードウエィのミニコミ書店)のデータベース
行政情報センターのデータ JASRACにはないか?
○「出版物に当たらないとう認識」「流通している雑誌と当館の雑誌定義がことなる』
・いったん、すべてを収集対象にする
対象に絞ると、対象であるかないかのジャッジが先にくる。すべてを対象にして収集してから廃棄(書誌データはのこす)+PDF化
・データ収集を優先する
・現物がある(書誌データもある)>書誌データはある現物ない>現物も書誌データもない
●おまけ
納本・納入率という「表現」=言葉に抵抗がある
第2部●レジュメ
部内研修/館内公開座談会「日本における出版情報の作成過程とその流通の現状について」
2009.02.19木 15時30分〜17時30分 人事課新館3階会議室/関西館第一研修室
沢辺均(ポット出版/版元ドットコム)
★いただいたお題
■01■ 日本の出版情報の作られた方──どこで誰が何のためにどのように作成しているのか
(海外と比較して日本の特徴があればそれも)
■02■ 日本の出版情報の流通状況──どこでどのように使われているか
(海外と比較して日本の特徴があればそれも)
■03■ 国立国会図書館がはたす役割とは
★今回のレジュメ
■01■ ポット出版○新刊発行時の営業活動──書誌情報を中心に
→別紙、チャート/資料を参照してください。
■02■ 書誌情報のつくられていると思われる場所
(JPO大江常任理事に協力していただきました)
1.現状
○出版社ないし出版社団体
・各出版社HP メールニュース
・各出版社 新刊案内(読者向け・書店向け・図書館向け) PR誌 等
・出版社団体のHP 版元ドットコム・ブックメール倶楽部・梓会・人文会・歴懇 等
・出版社団体の新刊案内 梓会・大学出版部協会・歴懇・工学書協会 ほか
・目録刊行会(事務局トーハン、工学書は日販、辞典目録は日教販)
・書協(JPO) データベース
○取次
・週報・速報 ほか書店への新刊案内
・配本用データ(仕入部作成)→流通用データ(注文対応)→Web用データ←図書館用データ(マーク) 書店用データ
・書籍データセンター(書協・取協・日書連・図書館協会共同出資でスタート) トーハン・TRC・日書連が使用
・神田村のいくつかは大阪屋から、中央社はトーハンから提供を受ける
○BookPage(BookPlus) 紀伊國屋・日外アソシエーツ・トーハン・日販
○書店
・大書店 トーハン・日販のデータ プラス 書協データ・独自仕入データ等をミックス
・Web書店 基本は取次から 他に出版社から独自に入手
・日書連 書協データを購入
○図書館納入業者
・TRC 日販 大阪屋 日書連
○図書館
・国会図書館
・NII WebCat
■03■ 国立国会図書館がはたす役割とは
○全国民(全国の図書館含む)に発行後直ちにマークを提供(←一般国道並のスピード)
・書店発売日数日以内に
・書名/ISBN、、、、など、最低限受け入れ・貸し出しのできるデータを
(完成版はその後ゆっくり)
・無料で
○書誌情報の制作を出版社/出版業界と共同して制作を(←高速道路)
・国会図書館との心理的な垣根の打破・信頼関係づくりを、共同作業から
・公共機関などは第一部のレジュメ参照
○著作権者データベースはできないか?(←徐行)
・著者探しの困難
・供託制度ではなく、著作者データベースへの著者の登録で、著作権(財産権)の確定
・著作権は、無断で使わせない権利(もちろんこれは必要だが)でなく、より多く使うための権利では(もちろん対価は必要だが)
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