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真実・篠田博之の部屋9 | [2000年10月20日] |
真実・篠田博之の部屋9 | 篠田氏による「松沢呉一さんの攻撃について」「松沢呉一さんとの一件について4」(3は不在です)がUPされたわけですが、実は、これらとは別に、篠田氏からの申し入れ(というか提案というか何というか)がありました。せっかく過去の文書を公開して、第三者が判断を下せるようになったというのに、なんでまた新たに読者が見えないところで事を進めようとするのかと困惑してます。すべて公開でやっていただけることを改めて申し入れます。 私としては、公開された表現物に関してのやりとりは公開が原則と思っていて、今回の申し入れに対する回答を既に文書で送っており、篠田氏の方法についても、その内容についても、私は批判するに足ると考えているため、当方の文書は追って公開するつもりです。ただし、篠田氏は公開を前提で申し入れてきたわけではなく、かつ私の手元に文書が届いているわけでもなく、何をどこまでどう出していいのかもよくわからないため、一定の合意が出るまで、あるいは完全決裂が決定するまで、この事情を説明するのを控えます。 また、間に入っているポット出版の沢辺さんから新たな提案が私と篠田氏になされ、私はこれを受諾します。 このことによって、現在、読者が経緯を見られる部分と、そうではない部分との二重構造になってしまっていて、そのうち、篠田氏が公開で出してきた二つの文書については別途論ずべきであり、既にその文書もほぼ完成しているのですが、これ自体、今後の展開次第ではインターネットではない別の場に移してやっていくことになるかもしれないため、ともあれ様子を見るしかない状態ですので、11月に入るまでお待ちください。 * 今回は、まずこちらの謝りを認め、訂正文を出します。 |
謝罪と訂正 | 篠田氏が書いているように、篠田氏が「風俗ユニオン」について最初に触れたのは、連載終了の通告をしてきた文書でした。こちらの確認不足です。申し訳ない。今後はさらに確認をして文書を書くことをお約束し、該当箇所を以下のように訂正します。 まず原文です。 [「風俗ユニオン」について私が最初に書いた時点で、篠田氏はこんなことを言ってきてません。篠田氏が「風俗ユニオン」を取材したいと言い出したのは、1月26日の連載終了を通告するFAXでもなく、これは2月19日のことです。「朝日新聞」夕刊に「風俗ユニオン」が紹介されたのが2月16日のことですから、取材したくなったのは、「朝日新聞」がきっかけとしか思えないわけです。私の連載で一貫して一番やって欲しかったのなら、最初に私が紹介した時点で取材したいと言っていたはずであり、連載終了を通告してしばらくしてから言うことですか。実際にどうかは知りませんけど、ここで述べられた篠田氏の論理と、私が知る事実を照らし合わせると、それまで関心などなかったということになります] 以下、訂正済みの文章。 [「風俗ユニオン」について私が最初に書いた時点で、篠田氏はこんなことを言ってきてません。篠田氏が「風俗ユニオン」を取材したいと言い出したのは、1月26日の連載終了を通告するFAXです。私が篠田氏に「風俗ユニオン」のことを知らせたのは、昨年10月のことであり、その時点では、取材をしたいなどと言っておらず、実際にどうかは知りませんけど、ここで述べられた篠田氏の論理と、私が知る事実を照らし合わせると、連載終了決定まで「風俗ユニオン」に関心などなかったということになります] 「青山の集会」とやらについて問い合わせてきたのは、「風俗ユニオン」が「朝日新聞」に出る3カ月ほど前のことですけど、あのシンポは「風俗ユニオン」とは何ら関係がありません。たぶん、私が書いた文書から、篠田氏は誤解しているのでしょう(詳しくは10月21日付の文書をお読みください)。 * 続いて、以下に、これまでの私が書いてきたことに関わりがある篠田氏宛ての文書、および今後触れていくことになろう篠田氏宛ての文書を出しておきます。細かいものまでを全部出す意味はないでしょうから、昨年の7月までのものは、意味があると思われるものだけを出します。それ以外については、必要があったら適宜出すことにしましょう。 わかりにくものも多いため、それぞれの文章に簡単な解説をつけておきます。送った日がはっきりしているもの以外はデータとして残っていた日付で、実際に送った日付や篠田氏の手元に届いた日付とは、数日ズレているものがあるかもしれません。 また、名前は手書きで書くことが多いため、データとして保存されていませんが、すべて「松沢」または「松沢呉一」との署名が原文には入っていたはずです。伏せ字は×で表示します(特記ない限り、ここに出しているのは、その文書の全文であり、行替え、文字表記など、すべて原文ママで、誤字の類いもそのまま出しておきます)。 |
1997年9月10日付文書 |
篠田様
第一回目は予告編的な内容にしました。ちょうど十枚です。ビジュアルを入れるとすると、風俗情報誌がズラリと並んでいるようなものですかね。次号から具体的な話になるわけですが、どこかの店で、イメージ写真的なものを撮らせてもらいましょうか。写真協力として店名を入れないとならないかもしれませんが。 解説:連載一回目の原稿に添付したもので、篠田氏に対して最初に送ったFAXかもしれません。私自身、これまで、この時期の文書を確認していなかったのですが、写真の掲載について今後論じていく際の重要な資料になるでしょう。この時点で連載のヴィジュアルをどうするかまだ決まっていなかったようで、一回目から私がこのような提案をしているわけです。 |
1997年11月20日付文書 | 篠田様
留守電聞きました。前回渡した写真は何回分かのつもりだったのですが。もし、パソコンに既に取り込んでいたりするなら、前回の写真の中から使っていただけないでしょうか。 解説:10月の時点で、私が撮った写真を使用するということになって、何点か郵送したところ、11月になったら、また催促の電話があったために、何を言っているんだと、私は腹を立てているわけです(文面からすると、どうやら10月に送った写真はあちらから送り返してきたようです)。しかも、この時の口調が「写真はどうなっているの」みたいな、如何にもこっちに非があるかのような言い方だったために、少しばかり私はキレてます。今となってはこれも重要なことであり、篠田氏はこの時点で私が写真を用意するのだと認識していたことになります。 |
1997年12月18日付文書 | 篠田様
SPA!の連載も「ヤンナイ」の連載もなくなったたため、今年の年末進行は実に楽ちんです(書ける原稿はどんどん先に書いてしまうため、「創」を含め、連載のうち5本は来春入稿分以降まで既に書いてあり、改めて取材しなければならないもののみ締め切りに追われる)。そのため、竹子ちゃんにさらに話を聞いたりして、「創」の連載は再来年の6月入稿分まで出来てます。少なくともそれまでは連載を続けさせてください。 解説:伏せ字部分は竹子ちゃんの住所と名前です。ラスト部分で強く彼女の情報を守秘して欲しいと書いていることに注目しておいてください。 |
1998年3月9日付文書 | 篠田様
FAX拝見しました。そちらで出していただけるのなら、何の問題もありません。もとはと言えば、「創」の連載ですし。 解説:篠田氏からの『風俗バンザイ』の単行本を出さないかとの申し出についての返事です。「風俗バンザイ」としてあるのは、「ショー松」版「風俗バンザイ」のことです。篠田氏はこれで合意が成立したと思ったのかもしれませんが、これ以降しばらくは進展が何もなく、私は合意しているものとは思っていないことはこの次の文書を見ていただければおかわりになるでしょう。 |
1998年3月26日付文書 | 篠田様
写真は大丈夫でしたでしょうか。それと、昨日FAXした直しの箇所はわかりましたでしょうか。 解説:冒頭の写真の件は、郵送した写真が間に合ったかどうかを確認しているものです。 |
1998年4月7日付文書 | 篠田様
「ショー松」は発売1週間で完売し、保存用しか残ってませんので、先程、フロッピーディスクを送っておきました。これをプリントアウトしてください。量が多いので、大変かと思いますが。いつものことですが、「ショー松」は、一度もプリントアウトしての校正をやっていないため、非常に誤植が多く、意味が違ってしまっている間違いもあって、すでに原文には直しを入れてあります。ただし、加筆したり、前後を入れ替えたりしたところもあるため、新たな誤植が発生している可能性も大。 著作は以下の通り。 ○『エロ街道をゆく』(同文書院/1994) すべて中野タコシェに揃ってます。これ以外に編著が2冊ありますが、すでに絶版。また、さるすべりから、『魔羅の肖像』以外に2種フロッピーディスクが出ましたが、これも絶版。 解説:この前日、『風俗バンザイ』のミーティングをやることがようやく決まり、一カ月近く何も連絡がなかったのに、この時に急に「ショー松」をもう一部送って欲しい、過去の著作を教えて欲しいと、慌ただしく要望が届いたのです。このことが、それまで本気で出す気などなかったのだろうと判断する要因になっているわけです。そうじゃないというのなら、私は「はい、そうですか」というしかありませんが、だとしても、単行本の枚数指定さえしてくれなかった事実には何ら変化はありません。 |
1998年4月7日付文書 | 篠田様
今、「創」最新号を見ていたのですが、ゲラを見た段階では原文通りになっていたと記憶している箇所が何故か直されています。私の記憶違いで、ゲラの段階で直っていたのかもしれませんが。 解説:引用文内の「理会」と「理解」の下にアンダーラインがあります。 |
1998年4月24日付文書 | 篠田様&久保田様
原稿は大丈夫でしたでしょうか。南さんのインタビューは、もっとコンパクトにまとめた方がいいんでしょうが、もったいなくて言葉を削れず、長いものになってしまいました。彼女に十分語らせるメディアはさほどなく(やっぱり風俗嬢というところが障害になるんだと思いますが、そんじょそこらの風俗ライターよりもずっと冷徹に男や女のことは見抜いている人です)、今回のインタビューは彼女が言いたいことはおおよそ入れ込めたと思ってます。実は私の連載を読むために「創」を読んでくれている風俗嬢がけっこういて、南さんのインタビューは彼女らにも共感されるはずです。 『エロ街道五十三次』は原稿をまとめ終わりましたので、明日あたりから『風俗バンザイ』にとりかかるつもりなのですが、さて、どの程度削ればいいんでしょう。ざっと数えてみたところ、現段階でやはり700枚くらいあります。 解説:この文書の一部は前に出していますが、ここでは、写真の指定を私がしていることを見ておいてください。南さんの写真を編集部が撮っていたので、それを使って欲しい、つまりいつものようには、こちらからは送らないという確認をしているわけです。 |
1998年4月28日付文書 | 篠田様&久保田様
連絡をいただけなかったので、『風俗バンザイ』の削る作業にさっさと入っていて、章ごと削ったり、エピソードごと削ったりして、現在、550枚です(あとがきを除く)。「風俗嬢の性欲処理」「男子従業員と風俗嬢」「風俗嬢の支出」「本番できる店」「ヒモ」などの章を9章分すべて削り、風俗店の利益、風俗嬢に対する偏見、明治時代の妾の話なども丸ごと削ってしまいました。話としてはそれぞれ最も面白い部分のような気もするのですが、今回は、風俗嬢の「仕事」という部分のみに絞り、かつ例外的な話を除外することにし、また、偏見云々といった現在の「創」とダブル部分は、今後もっと詳しく連載でやっていくことにしました。 解説:以前全文を紹介してますが、見直す際にわかりやすいよう、ここにも出しておきます。 |
1998年4月30日付文書 | 篠田様&久保田様
意図したわけではないのに、ものの見事に面白いところを狙い撃ちして削ってしまうことになってしまいました。直接仕事と関係のない部分(「風俗嬢の下半身」「男子従業員と風俗嬢」「ヒモ」「風俗嬢の支出」など)、ここ最近の一部風俗嬢の現象(「本番できる店」「本番事情」など)、私個人の倫理観が色濃く出ている箇所(「風俗嬢その後」「いつでも戻っておいで」など)がなくなって、どう見ても原文より、つまらなくなってしまったようです。こうならないように、アドバイスをいただきたかったんですけど。 解説:原稿をまとめたフロッピーに添付した文章です。実際に送ったのは、5月に入ってからだと記憶します。「篠田博之の部屋8」で[私は約束どおりゴールデンウィーク明けに、自分の判断で500枚程度に削って、フロッピーで郵送しました]とありますが、「ゴールデンウィーク明けに届くように」と訂正します。特に論点になっているわけではないので、謝罪するほどの間違いではないでしょう。 |
1998年7月24日付文書 | 久保田様
中森明夫とはまるっきり仲良くありません。仲良くないので、いやがらせに書いてみたわけです。もともとは特に好きでも嫌いでもない存在だったのですが、一連のSPA!をめぐる騒動の中で嫌いになりました。さらに、ライターの金井覚に対する藤井良樹、中森明夫らによる抗議を通して、いよいよ嫌いになりました。 解説:唐突な印象の文章で始まるのは、久保田氏の文章を受けたためです。 |
1998年9月30日付文書 | 篠田様
昨日、久々に竹子ちゃんと話したのですが、これまで創出版からは一度も振り込まれたことがないとのことでした。謝礼って払わなくていいということになっていたんでしたっけ? 本の印税に含まれているということでもかまわないとは思いますが。 次号とその次は、以下に送ってください。 ××区××××××××××× ×××× ゆいちゃんです。謝礼振り込み先はまた聞いておきます。 解説:伏せ字の部分は住所と本名です。私の記憶では、連載に関しては、謝礼と常識的範囲内の取材経費は支払ってもらえるということでした。連載が始まって間もなく、一回のみ領収書を送ったことがあると思うのですが、端数のある振り込みがないため、経費は払われないらしいと判断して、以降はたぶん一度も送っていないのではないかと思います。 |
1998年11月17日付文書 | 久保田様
ゆいちゃんから掲載誌が届いていないとの電話がありました。前回同様、二冊送ってください。雑誌に出ることを楽しみにしている人もいますので、掲載誌は忘れずに送ってください。 解説:ここで再度郵送先を書いています。小さいことですけど、こういう蓄積がずっとあったことを理解しておいてください。 |
1999年3月14日付文書 | 篠田様
×さんの件ですが、篠田さんも私もすっ飛ばして、そのパーティを主催しているグループのメンバーから、直接、彼女に連絡させるという形にしたいのですが。まだ、そのグループの実質代表をやっている人物と連絡をとっていないのですが、会う以上は、×さんに事情をあれこれ説明しなければならず、そこに部外者がいることはまずいと判断すると思われます。たぶん×さんには、すぐに関与してもらうというよりも、次のパーティに来てもらって、様子を見てもらうということになるでしょうが、すべて両者にお任せということが一番いいかと。 解説:この文書は、いずれ詳しく取り上げる予定です。伏せ字にしてあるのは、篠田氏のところにコンタクトしてきたストリッパーの名前です。以来、篠田氏は彼女と何度か飲みに行っていて、面白い人物なので、性労働者たちのネットワークに紹介したい、ついては篠田氏と私も加わって、そういった性労働者グループと彼女を引き合わせたいと言ってきます。私は篠田氏が信用できる人と思っていなかったので、篠田氏や私が間に入る必要はなく、彼女らが直接やりとりすればいいだろうと申し入れたわけです。篠田氏自身を私が警戒していることをやんわり伝え、再度彼女らの事情を認識するよう促したつもりの文章です。 |
1994年5月3日付文書 | 篠田様
昨日、UNIDOSのメンバー(佐藤君ではない)に会っていたのですが、宮台さんのホームページに今度のロフトプラスワンの告知が出ていて、そこに「他風俗嬢多数出演」みたいなことが書かれていたそうで、「どういうイベントなのか、一体誰が出るのか」と聞かれました。「こっちは何も知らないし、風俗嬢との出演交渉も一切していない。編集部から送られてきた告知にもそんなことは一行も書かれていなかった。そもそも今回はそういう場だと認識さえしていない」と答えておきました。で、本日、送られてきた「創」のロフトプラスワンの広告にそういうことが書かれていて、私としては、南さんが代弁し切れない男の性労働者を代表する意味で、売り専ボーイの知り合いを呼んで発言してもらうつもりはありましたが、なんでこうなるのかなというところです。 解説:まず訂正。[グループ名すら公言しないことになっているのは]の部分を「中にはグループ名すら公言しないグループがあるのは」に直してください。UNIDOSは堂々名前を出してます。 |
1999年5月13日付文書 | 5/13(木) ロフトプラスワンへ。集合時間は聞いてなかったが、打合せくらいやるのだろうと思って6時前に行く。まだ誰も来ていない。 (直接関係のないロフトプラスワンをめぐる話や風俗店の話を約700字削除) いろいろありまして、この日記ではおなじみのうらんちゃんを急遽ロフトプラスワンに呼んで、彼女がやっているネットワーク「うらん組」について語ってもらう予定になっていたのに全然連絡が取れない。うらんちゃんは、待合せの類いがとことん苦手で、遅刻は当たり前、すっぽかしも当たり前。今日もどこかまで迎えに行こうとも思っていたが、ダメかもしれない(結局連絡もないまま来なかった)。 出演者が皆さん揃ったのは7時過ぎ。7時過ぎでいいと「創」の篠田編集長が伝えたそうで、当日の打合せさえなしで本番突入ということらしい。宮台さんは私に「今日はどういう進行で」と聞いてくる。私の仕切りじゃないんだけどな。皆さんに本日使う資料を事前に目を通してもらいたかったのだが、それも叶わず。 会場は超満員。話が込み入ることが予想され、売防法くらいは目を通しておいてもらわないとついていけなくなるため、開演前に、売防法を読んだことのない人はUNIDOSの「資料集」を買うように壇上から勧める。そのため、あっという間に30冊ほどあったパンフが売り切れになる。この様子だと50冊あってもまだ足りなかったかもしれない。 売買春否定派の文章を見せながら、それぞれが否定するというやり方をするつもりで準備をしていて、話が始まってすぐに資料をプロジェクターで映したら、司会の篠田さんが「最初に一通り資料を見せた方がいいんじゃないか」などと言うものだからブチ切れる。こちらは話がどう流れてもいいように大量の資料をもってきていて、それを全部説明していたのでは議論する時間がなくなる。そもそも打合せすらないために、こういう資料を私が用意せざるを得なくなったのであって、本番が始まってから一体何を言っているのか。だったらせめて1時間前に集まって、進行を決めて、皆で資料に目を通せばよかったではないか。 「だから打合せをしようと言ったじゃないですか」と壇上で篠田さんに怒ってしまう。実は去年の出版イベントの際にも篠田さんの無神経な発言に怒ったことがある。 しかし、さすがに宮台さんはどんなテーマでも敏速に対応でき、論理的なのはもちろん、自分が実際に体験をしているだけに発言に説得力がある。笑いも豊富で、たいした人である。司会がいなくても私と宮台さんで十分進行できる。その宮台さんは休憩時に「松沢さんは本当に原稿をたくさん書きますよね。今、一番書いているライターじゃないですか」などと言うが、まさか膨大な未発表原稿があるとは知るまい。 後半は売り専ボーイのアキラ君とニューハーフヘルスをやっている、とまとちゃんにも壇上で発言してもらう。会場には、私がわかった範囲でも、ヘルス嬢、イメクラ嬢、SM嬢、ストリッパー、ヌードダンサー、AV男優らが来ていて、各種性労働者たちに集まって発言してもらう会をやっても面白そう。宮淑子さんを筆頭にフェミニストもチラホラいたし、レズビアンAV監督の吹雪あんなさん、斎藤綾子、伏見憲明、麻姑仙女らもいて、セクシャリティやジャンダーもいろいろ。なんちゅう豪華な客席か。 まあまあ、ぼちぼち、言うべきことは言ったが、話がとっちらかってしまい、いくつかの重要な指摘を忘れてしまったのが悔やまれる。いずれも、『熟女の旅』『日本街娼史』、「ボツ劇場」で発表する予定の原稿で触れている話なので、まあいいや。 トークのあとで、会場に来ていた2名の単行本編集者が声をかけてくれる。資料に裏付けられた、売防法の意味についての分析に興味を抱いてくれたよう。『日本街娼史』『エロの系譜』が遅れているため、そういえばここまでほとんど資料に基づいた歴史的分析を発表しておらず、ようやく「この男、マンコをなめているだけじゃないんだな」と理解してもらえたよう。マンコをなめながらも、売買春の歴史や意義についての思考を続けているのである。 でも、本日一番皆さんが驚いたのは、宮台さんにあげるために持ってきた「援助交際大はやり」という見出しが出ている1953年(昭和28年)の新聞記事じゃないでしょうかね。かつて私は「援助交際」という言葉は70年代から出ていた「交際新聞」が始まりなのではないかと雑誌「フラッシュ」でコメントしたことがあって、これが別のところにも引用されて定説になりつつあるようなのだが、全くの間違いであった。この記事は、2カ月ほど前に、膨大な新聞の切り抜きの中から発見したもので、私自身、これには驚いた。宮台さんは「売春を楽しむのは昔からいた。今の時代の特性はそれが家庭の中に入ってきたことだ」と今日も指摘していて、今出ている「ダ・カーポ」で私も同様の指摘をしており、まさにそれを裏付けるものだろう(なお、この新聞記事は『熟女の旅』でも紹介しております)。 会場にいた人達に感想を聞く。概ね好評のようだが、一部内容が難しすぎたという意見や、売買春と言っても範囲が広すぎ、また、話の展開が早く、ついていけなかったとの意見もあった。売買春の問題は、性全体、男と女のあらゆる関係に及ぶため、語れば語るほど話が野放図に広がることはやむを得ない。売買春のうちのある部分にテーマを絞ったところで、どうしても話は拡大するのだ。また、それこそ多くの売買春否定派がそうであるように、自己のモラルを信じ切り、それのみで判断できると思い込んでいるため、知識を広げないまま、わかった気になっている傾向がある。基礎体力がなく、売防法のなんたるかさえわかっていない人にとっては、「非犯罪化」と言われてもピンと来ないわな。議論に入る前に、講義をやる必要があるのかもしれない。 それともうひとつ、篠田さんの司会に対する不満の声が非常に多く、この問題に関しては篠田さんが話をコントロールできず、悪気がないまま話の流れを分断してしまったり、いまさら壇上で聞くべきではないことを聞いたりで、茶々を入れているように見えたよう。ただでさえ篠田さんは誤解を招きがちな話し方をするところがありますからね。 また、会場からの質問に対して身元を明らかにするよう求めたりと、性労働者に対してのデリカシーがなさすぎ、「怒鳴ろうと思った」と強い怒りを口にする人もいた。篠田さんがこの発言をした時に、私とサトサトがほぼ同時に「そんなの言わなくていいよ」と反発し、篠田さんは「言いたくない人はどこの誰か言わなくていい」とも付け加えていたが、だったら最初から何も身分を求める必要はないのだし、あんな言い方をしたのでは、あえて身分を言わないことによって、いらぬ憶測をされてしまうのだから、性労働者たちは発言を控えることになる。性労働者たちがストーカーにつきまとわれたり、身元を調べられて脅迫されたり、親バレのために実家に引き戻されたり、就職ができなくなったり、といった出来事が頻繁に起きていることを篠田さんは実感していないフシがあると以前から感じていたが、篠田さん向けの学習会もやる必要がありそう。 なお、以上の例は、すべて私の知っている範囲で実際に起きていて、中には、頭のいかれた客に駅のホームから突き落とされ、それがきっかけで本職の勤め先にバレてクビになったソープ嬢までいる。だからこそ性労働は非犯罪化されなければいけないという主張が出てきているのだ。 ポット出版の沢辺社長、UNIDOSとも近いところにいるノイズミージシャンであり、現役性労働者でもある日野繭子さん、UNIDOSの要ちゃんと麻姑仙女、サトサトらと反省会。というよりも、今後、何をどうすべきかを話し合う。売買春の討論を「創」主催で今後も継続してやって欲しいのだが、このままのやり方ではストレスが溜まる一方。我々自身で主催してもいいのだが、雑誌で告知してくれ、トークの内容を採録して、より広く読めるようにした方がいいので、どこかの雑誌が共催してくれないものか。条件は最低一回の打合せをやらせてくれることのみ。 しかし、よくよく考えてみれば、こんだけ世の中には雑誌があるのに、あのような連載をやらせてくれているのは「創」のみであり、まして、こんなイベントを共催する雑誌などありはしまい。性労働についての討論を誌面でやろうという話を某月刊誌に提案したが、反応ゼロ。「週刊金曜日」はやる気ゼロ。 関心もあって、やる気もあって、能力もあってなんてことを現況の出版界に望むのが無理ってことなのだろう。中に入れず帰った人がいるほど関心が高まっているが、それを感じ取れるほど敏感な編集者っていないってことさね。いたとしても面倒なことはやらないってことさね。 その点、敏感であり、面倒を厭わないことだけでも「創」は評価されてしかるべき、私は感謝してしかるべきであって、やっぱり篠田さんを教育して、今後も一緒にやっていくのが最善なんだろうなあ。 また、以前から計画のある性労働者対象のセミナーも早急にやりたい。あらゆる局面に対抗できるよう、我々自身もっともっと体力をつけないとね。そして、UNIDOS名義の本を早急に出すべきではないかという話にもなる。我が陣営、切れ者はたくさんいるのだが、やりたいこと、やらねばならぬことの量に比すと、人の数があまりに少なすぎる。もっともっと人材が欲しい。かといって、単に風俗嬢と仲良くなりたいというだけの人が来てもトラブルが増えるばかりなので、募集するわけにもいかず、人との接点の中で見いだしていくしかない。 解説:訂正。「吹雪あんな」は「風吹曇名」の間違い。 |
1999年7月13日付文書 | 篠田様
遅くなりました。 解説:篠田氏の「99年7月11日付文書」に対して送ったものです。ここから、いわば「第二部」に入っていきます。 |
1999年7月14日付文書 | 篠田様
もう一点ありました。 解説:この前の文書を夜中に送り、こちらを書いた時には日付が変わってしまっただけで、続けてFAXしたものだったと思います。 |
1999月8月15日付文書 | 篠田様
バタバタしていて、返事が遅くなりました。アキラ君や謝礼のことなどはおおよそ了解しました(了解していない点もありますが、別にもうどうでもいいです)。しかし、連載については、先日のFAXを読んでも、結局のところ、私はどうすればいいのかよくわかりません。「売買春はもういい」と言った言わないという話ではなく、今回のFAXだけを取り出してもやっぱりわからないのです。 解説:バタバタしていたのは父親の危篤状態が続いていたためです。 |
1999年10月6日付文書 | 篠田様
手紙をいただきました。食事をする意味は感じませんので、申し訳ありませんが、お断りします。 なお、『風俗バンザイ』は、在庫がなくなるのを待っているといつになるかわからないため、早ければ来年2月に文庫を出そうという話になってきました。まだ在庫があるため、パーセンテージを払うように編集者には伝えてありますが、実際に払われるかどうか私は知りません。間もなく徳間から連絡があるかと思います。 解説:文章のトーンが変わったことにお気づきでしょう。はっきり感情的に篠田氏を許せなくなったのは、2カ月以上返事を寄越さず、唐突に届いた手紙で食事を誘ってきたことにあります(これはなぜか郵送でした)。篠田氏は、私が「懐柔」だとして、これを拒否したと書いていますが、私が拒否したのは、ここにある通りで、ここまでやりとりをしてきたことがまるでなかったかのように[ちょっとした行き違い]の問題として食事をして済ませようとする態度、つまり懐柔でなく、人をバカにした態度に腹を立てたのです。 |
1999月10月6日付文書 | どうも今まで送った文書をまったく理解していただけていないようなので、これまで私が書いたことを再度繰り返します。まず今回のFAXに書かれていた点です。
(1)路線変更を指示したか否か、原稿を否定したか否か (2)説明の有無 (3)批判対象への気遣いなのかどうか (1)『風俗バンザイ』としてまとめた時期の連載では、仕事としての性労働を淡々と紹介するというやり方をとっていましたが、篠田さんは今の路線になってからの方が[オヤジ的な居直りととられる]と考えておられるようです。[本来のテーマに戻す]と書いていることからもこれは伺えます。この意図を理解しないと、安心して連載を続けることはできません。 (2)ある程度の分量で丁寧に論じないと[通して読んでいる読者でないと全体の真意が伝わりにくい]というのなら、最初から私の原稿は真意が伝わりにくいものでしかなく、少なくとも路線変更してからずっと真意が伝わっていないということになりますから、この路線になってかれこれ1年半も経ってから言うべきではないでしょう。なぜ今になって急に真意が伝わりにくくなったのでしょうか。それとも「真意が伝わらない」と感じつつ、今まで言う機会がなかっただけなのでしょうか。また、ここでも[本来のテーマに戻す]ことで、どうして真意が伝わるようにできるのでしょうか。 (3)確かに、私は篠田さんに真意が伝わっていないと感じる点が多々あります。しかし、その一方、読者の反応を見ている限り、篠田さんよりは真意を理解してくれている人たちがいると感じてもいます。真意を理解していない篠田さんの意見を優先すべきとも思えませんが、いかがでしょう。 (4)二度目のFAXで[同じことを畳み掛けるように続ける]とありますが、「接待はどこまで許されるか」「昭和20年代に西村伊作が売春の自由を提唱していたこと」「松井やよりらによる買春男性調査の問題点」「弁護士会主催のシンポジウムにおける女性弁護士の質問の愚劣さ」「婦人相談所の数字が如何に売春否定に利用されているか」というテーマがどうして「同じこと」でしょうか。これらが同じだというなら、何を書いても同じことになるでしょう。私の原稿のどこをもって「同じこと」とするのか、また、『風俗バンザイ』のような内容はどうして「同じこと」でないのか教えてください。 (5)このあと風俗嬢のインタビューをやることを知っていたなら、わざわざ電話であのようなことを言う必要がなかったそうですが、風俗嬢のインタビューなり、街娼のインタビューを異論がないとする篠田さんは、そういったものだとオヤジの居直りと思われず、真意が伝わるものになり、同じものにもならないと判断していることになります。どうしてインタビューだとそうなるのでしょうか。 (6)どうして、そうも相手の反論がないことを気にするのでしょうか。「反論する価値なし」と相手が判断している可能性もありますが、篠田さんは現にそうではないと想像しておられます。だったら、あちらの問題でしかなく、なのに、どうして私が原稿の内容を変更しなければならないのでしょうか。 解説:食事お断りの文書を10月6日の朝に出し、その日のうちに篠田氏からの文書が届きます(篠田氏は保存していないようですが)。これに対して、私はもう一度論点をまとめ直して、同日の夜にFAXしてます。 |
1999月10月21日付文書 | 篠田様
半分くらいは理解しました。しかし、半分は納得してません。全部説明すると、また長くなってしまうので、編集長が書き手に意見をすることのみについて触れておきます。 解説:食事するなんて話ではなくなって、再度議論ができるらしき状態になったため、いくらか冷静さを取り戻して、これを送っています。わっかりやすく言えば、これ以上、やりとりをしても獲得できるものはなさそうで、連載を一本失うのも惜しいため、何事もなかったように、誰もがニヤニヤしながら読み飛ばせるものを書いていれば、篠田氏も文句はないだろうと考えて、このような提案をしました。 |
2000年1月27日付文書 | 篠田様
内容変更の話は10月に伝えていたはずです。ここまで返事がなかったため、今回から新規の内容にしようと決めて、原稿もできていたのですが、これまでの流れで説明しておきたいことがあり、また、『売る売ら』にも触れないわけにもいかず、内容変更の事情も説明したかったため、今回のようなものになりました。 解説:ここから「第三部」に突入です。連載の終了と、文章を削除について書いたFAXを見て、すぐにこれを送りました。 |
2000年2月19日付文書 | 篠田様
先日の朝日新聞に「風俗ユニオン」のことが出て、予想以上の反響のため、本人たちが動揺しまくってます。あの記事が出ることを私は知らず、なんて拙速なことをしたのだろうと半ば腹を立てています。××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××。取材は一切拒否しているのですが、このまま黙っていると、あの新聞記事のイメージが拡大して、店を闘争対象にしているかのように思われ、その店のみならず、風俗産業の経営者全体から目をつけられることにもなるため、どこかに、その実態を正直に書いた原稿を出した方がいいと話しています。 解説:内部事情を書いているため一部伏せ字にしました。 |
2000年3月26日UP文書 | 特に普段、取材を受けていない風俗嬢は、ガードができていない分、こういう人たちに会わせるのがすごく怖い。「この人は大丈夫」という判断をしてなかったので、「創」の篠田編集長には『風俗バンザイ』の竹子ちゃんを紹介しておらず、連絡先も教えてませんでした。ところが、「創」の掲載誌を竹子ちゃんに送ってくれるように頼み、住所を教えたところ、篠田編集長は非常に丁寧な手紙をこれに添えて、そこに「近くに来たら編集部に遊びに来てください」みたいなことを書いていたものだから、竹子ちゃんはいつもの軽快さで、好奇心から編集部に遊びに行ってしまったんですね。 私が電話したついでに連載内容に口出しするようないい加減なことをするのでなく、私にも、あんな丁寧な手紙を出して、考えていることをこちらにしっかり伝えていくれたなら、篠田氏と私は、こうもミゾが深まりはしなかったろうに。『風俗バンザイ』の写真のモデル料を払ってくれと何度か請求したのですが無視されて自腹を切り、読者からの手紙が何カ月もしてから転送されてきたり、今回のゴタゴタでも全然返事をくれなかったり、といったことがあの会社はよくあります。「忙しいからしょうがないか」と納得したいんですけど、「竹子ちゃんに掲載誌を送ってくれ」と頼んだだけで、わざわざそんな手紙を添える暇があるわけですから、「おいおい、オッサン、たいがいにしろよ」という感情があるわけです。 竹子ちゃんとは、トラブルにはならなかったのでいいのですけど、篠田編集長は無神経発言をよくする人なので、あとで竹子ちゃんから話を聞いてドキドキしてしまいました。 それとですね、私も前々から噂は聞いていたのですけど、篠田編集長は、女性に対しての言動に、ちょいと問題がありましてね。私が複数の人からその話を聞いていたように、ただでさえこういう噂が広がっているのですから、今の時代、気をつけた方がいいのに、ものすごく無防備です。こういう噂は「創」にとっては相当マイナスになっていると思いますぜ。この話は、間もなくこのHPでやる予定の「出版社の研究/創出版編」で詳しくご説明いたしましょう。原稿を勝手に書き換えるようなことをすると、どんな仕返しが待っているか、篠田編集長には学んでいただかないとな。 竹子ちゃんは、取材を受けたことがほとんどありませんから、マスコミとの接点がなく、私にマスコミを代表させてしまって気が緩んだのかもしれず、念のため、「慎重になった方がいい」と注意しておきました。 このことがあって以来、掲載誌さえ送ってもらうことが怖くなって、ギャラは自分のギャラから支払ったり、掲載誌も直接手渡すようになりました。 竹子ちゃんを別の場所に連れていった時も、ちょっとしたトラブルになってます。外で会った場合は店のガードが働かず、マスコミ側も図々しい態度をとりがちなので、ホント怖い。たとえば知り合いのコを風俗嬢としてじゃなく、どこかに連れて行っても、何のトラブルも起きないのに、風俗嬢として登場した途端にトラブル連発。風俗嬢という肩書は、何か特別の作用をもたらすもののようです。 解説:「黒子の部屋/49」の抜粋です。これについて、篠田氏は「松沢呉一さんとの一件・1」で触れていて、私はここまで回答していないので、この機会にざっと書いておきます。 「黒子の部屋/48」とこの回で、私は売買春論争において、こちら側の陣営は特に男の人材が不足しており、そう易々と、こちら側に引っ張り込むこともできないという話を書いてます。例えばそれは、ノンケの男らが「風俗嬢だからすぐやらせる」といった思い込みを捨てきれずに無神経な行動をしてみたり、マスコミ関係者が、彼女らの置かれた場を考慮庫せずに無神経な行動をしがちという話です。 顔出しを普通にしていて、しっかり自分の判断で行動できる風俗嬢がいる一方で、取材は一切受けない多数派の風俗嬢がいて、前者はガードの仕方も知っているために、こちらも気楽に人に紹介することができるという話もこの前の回で書いています。南智子ちゃんを「創」編集部に連れていったことがあるようにです。それに対して、竹子ちゃんのように取材慣れしていない風俗嬢は、いざそういう場に連れ出すと、本人のガードが甘く、いらぬトラブルに巻き込まれることがあるため、いよいよ警戒してしまうのです。そのことのいい例として篠田氏のことを持ち出したわけです。 連れていった私も悪いのかもしれませんが、ここに書いたように、竹子ちゃんをめぐり、「ちょっとしたトラブル」が現に起きています。これはロフトプラスワンで客に会ってしまったというのとはまた別の話で、公開の場ではないところでの出来事なので、正確に記載できないのですが、「どうしてこの場でそういうことをやるんだよ」ということを竹子ちゃんにやった女性がいたのです。これは彼女に迫ったというのでなく、マスコミ人の無思慮という話です。 ポット出版の沢辺さんなら大丈夫と判断して、UNIDOSのメンバーやゆっこちゃんを紹介する時も、あることについて沢辺さんに強く意見をしたことがあります。会社に連れていく以上、沢辺さん一人が理解して済む問題でもなく、ポット出版全体が一定の理解をしていてもらわなければいけません。このことは沢辺さんに証言していただければおわかりになると思いますが、ポット出版に彼らを連れていくまでに、相当の準備と配慮をしていたつもりです。それでも、ある社員の言動について、風俗嬢自身からの申し入れもありました(これはセクハラめいた話ではまったくありません)。 風俗誌やテレビで笑顔をふりまく風俗嬢の姿だけを見て風俗嬢という存在を理解していると、雑誌やテレビに絶対に出ない多数派の風俗嬢の存在が見えなくなってしまいます。接点がない人にそのリアリティはわかりにくくて、言わなければわからず、言えばいいというもんなのですが、言えばわかりそうな人と、言っても無駄な人がいますから、後者には最初から接点を持たせないことが賢明と私は判断してます。 ロフトプラスワンでの発言や「風俗嬢多数」と平気で告知することなど、篠田氏は風俗嬢のリスクに無頓着であり、「言っても無駄な人」と後に判断することになり、編集部自体がルーズと感じるようになりますが、どう判断していいのかわからない段階でも、当然ガードせざるを得ず、竹子ちゃんがどこの誰なのか一切編集部に教えていませんでした。 ルーズな編集部では、問合せに対して書き手の電話番号を簡単に教えてしまうことがあって、私自身、読者から電話がかかってきて閉口し、「電話番号を外の人に教えないで欲しい」とある出版社に申し入れたことがあって、電話番号ひとつ教えるにも注意してしまいます。 篠田氏に対して私がどう思っていて、どう変化したかを確かめておこうと思って、古い日記を確認して、笑ってしまいました。1997年9月4日に篠田氏と、連載についての最初の打ち合わせをしているのですが、この日の日記に既に不信感を抱いていることを書いてます。連載の話を電話でもらった時には喜んでいるのに、会った途端にこうなっています(私自身、このことを全然覚えていなかったのですけど、今回のいざこざと無関係ではないので、なりゆきではこの日記も公開しましょう)。 次に篠田氏が日記に登場するのは9月22日のことです。 [篠田さんから今頃になって、タイトルについての説明を本文に入れてくれとの留守電。あんなに早く原稿を入れているのだから、もっと早く言ってくれればいいのに。ただでさえ月末は忙しいんだから。いくら原稿を早く入れても、結局編集者がギリギリにならないと動いてくれず、締め切りを守るのがバカバカしくなる] 二度目の登場にして、早くもこれです。9月10日に私は一回目の原稿を送っているのですから、原稿を直して欲しいというのなら、もっと早く言うべきです。 これに加えて、とっくに送っていたのに、締め切り直前になって写真に対する催促があるなど、97年のうちに、篠田氏のルーズさ、アバウトさ、傲慢さに対しては、半ば呆れていたわけですから、警戒するのは当然でしょう。もちろん、篠田氏は「言えばわかる人」とどこかで判断したのなら、南さんを紹介したように、竹子ちゃんも私の方から紹介したことでしょうが、そう判断したことは今に至るまで一度もありません。 で、掲載誌の送付のための住所を注意書きを添えて篠田氏に教えたことは既に紹介した通り。案の定、上のようなことになりました。ここでは、篠田氏の一文によって、すぐに出掛けていく彼女の行動がまず私は怖かったという話です。 それと同時に、ここでは、篠田氏に対しての評価も加えていますから、もう少し詳しく説明しておきます。1998年1月5日のことです。竹子ちゃんと会っている時に、掲載誌に篠田氏からの手紙が添えられていることを教えられ、彼女はその手紙を「ほらほら」と広げました。連載しているライターの取材元であり、面識もない相手に編集者が出した、あくまで事務的な手紙のはずですから、私に見せた行為、私が見た行為は責められるべきではないでしょう。 私にとっての篠田氏は「ギリギリにならないと動かない」「そのくせ高圧的に催促してくる」「こちらが何か要請したり、提案したりしてもなかなか返事を寄越さない」「直接会って話をしても電話をしても、いたって素っ気ない態度をとる」「何かこちらに聞いてきて、それを一所懸命説明してあげているのに、“まあまあ、それはいいんだけど”などと話の腰を折る(だったら、聞くなよ)」という人であり、「篠田さんたら、相手によっては、こんな丁寧で低姿勢の手紙を書くのか」というのが偽らざる私の感想です。 また、竹子ちゃんがこの手紙通りに編集部に行ったことを知り、せっかくここまでガードしていたのに、それがあっけなく水泡に帰してしまい、「おいおい、勘弁してくれよ。何のために注意書きを添えたんだよ。会社に気楽に呼べるほど、篠田氏は社員に対する教育をしっかりやっているのかよ。どこの誰かわからないようにして欲しいというこちらの要請がわかんないのかよ」という気分だったわけです。だって、会社なんですから、篠田氏以外に、社員やバイト、外部の人だっているかもしれないわけじゃないですか。もちろん、配慮できる人なら、彼女が風俗嬢であることは他の人に隠すようにするでしょうが、篠田氏だと、他の人にまで「これが松沢さんの連載に出ている竹子ちゃん」と紹介しかねない。 篠田氏にしてみると、私が竹子ちゃんを篠田氏からガードしていたことに気づかず、また、そう易々と風俗嬢を人に紹介するわけにはいかない事情をそもそも理解していないのですから、あのような手紙を書いたのはしょうがないってことでもあるのかもしれません。となると、私としてはこれ以降いよいよ強いガードをしていくしかないと判断するしかない。ここで篠田氏を警戒するのは、特にセクハラオヤジということじゃなく、無神経発言をするということだけでも十分です。 その時はその程度の話ですよ。しかし、のちには、「だったらどうして執筆者に対しては、ついでの電話なわけ?」「だったらどうして執筆者に対しては、あれやこれやルーズなわけ?」という思いが出てきてしまうのも当然です。さらに、打ち合わせひとつやらず、出す約束だった進行表も出さず、UNIDOSの佐藤君の出演はなかなか決めず、そのくせ他の人の出演の話を勝手に決めているという、相手によってひどく対応の違う篠田氏のこれまでの行動を思い出すのも当然です。 さらに私は[篠田編集長は、女性に対しての言動に、ちょいと問題がありましてね]と書いていますが、私が聞いている話からすると、篠田氏は女性に対して無神経な人であり、その無神経さを私は警戒しているということなのです。篠田氏は私がここで篠田氏のセクハラ行為について書いているのだと見ているようですけど、例えば「女は仕事ができない」といったような女性蔑視発言をするような人だったり、女性に暴力をふるうような人であってもいいわけです(篠田氏がこういう人だと言っているのではなく、あくまで例ですよ)。少なくともここに挙げたの文章では、人によって対応がまるで違うということと、女性に対して問題のある言動をするらしいという以上のことは言ってません。 この話の出所が「噂の真相」の岡留編集長と推測なさっておられますが、私は岡留氏に二回くらいしか会ったことがなく、篠田氏のことを話したことなんて一度としてない。篠田氏自身、論ずべきテーマと感じておられるようですし、どうも私が何をほのめかしているのかおわかりになっていないようなので、これもいずれ詳しく見ていくこととしましょう。 |
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