スタジオ・ポット
| ▲部屋top | 部屋[番外26] | 部屋[番外25] | 部屋[番外24]| 部屋[番外23] | 部屋[番外22] | 部屋[番外21] | 部屋[番外20] | 部屋[番外19] | 部屋[番外18] | 部屋[番外17] | 部屋[番外16] | 部屋[番外15] | 部屋[番外14] | 部屋[番外13] | 部屋[番外12] | 部屋[番外11] | 部屋[番外10] | 部屋[番外9] | 部屋[番外8] | 部屋[番外7] | 部屋[番外6] | 部屋[番外5] | 部屋[番外4] | 部屋15 | 部屋14 | 部屋13 | 部屋12 | 部屋11 | 部屋10 | 部屋9 | 部屋[番外3] | 部屋8 | 部屋7 | 部屋[番外2] | 部屋[番外1] | 部屋6 | 部屋5 | 部屋4 | 部屋3 | 部屋2 | 部屋1 |怒り心頭の部屋 |
お部屋112/篠田博之の部屋6 [2000年08月03日]
お部屋112
篠田博之の部屋6
 今回より話は溯り、しばらくトラブルの前提になった、いわば前史を説明していきます。
            *
 篠田氏は「松沢呉一さんとの件について1」で、こう書いています。

[書き手が気持ちよく仕事ができる環境を作るというのが編集者の役目です]

 こういう言葉はせめてそれに向けて努力をしている人が言うべきです。篠田氏には、この言葉を語る資格などありはしないことをこれ以降数回にわたって明らかにしていきます。
 篠田氏はこうも書きます。

(私と篠田氏の対立点の)もうひとつは、双方がぎくしゃくするようになってから連載終了に至る手続きについてで、このところ松沢さんがもっぱら問題にしているのはこちらなのですが、そもそも双方の意思疎通がうまく機能しなくなってからのことなので、ことごとく認識のずれが生じているわけです]

 違います。私と篠田氏を含めた「創」編集部とは、もともと密な関係にはなく、双方の意思疎通がうまく機能していたことなど一度もありません。
 篠田氏は[連載というのは二人三脚]と書いてますが、一体なにをもってこんなことを言っているのか皆目わかりません。我が連載おいて、具体的に何を書くのかの打ち合わせがあるわけでなく、感想を言ってくれるわけでもなく、原稿をただ送り、あちらからゲラが送られてきて、直しを入れて戻すだけ。私はしばしば今後の予定などを書き添えてましたが、あちらからはそれに対するコメントがあった記憶もありません。連載の方向を変更するのもすべてこちらがやっていたことで、アドバイスめいたこともゼロでした。これがいけないというのでなく、事実としてそうだったのです。
 このあと説明していくように、やって欲しいといくら頼んでもやってくれないことが多々ありましたから、鼻糞ほじって地面に寝転んで、走ろうとする私を妨害するような二人三脚であったとは言えます。ホントに書き手のやる気をなくすという点では超一流の編集部だったのです。
 篠田氏は「松沢呉一さんとの件について1」でこんなことを言ってます。

[あなたの連載で一番やってほしかったのが風俗嬢の組合結成へ向けた動きといった事柄でした。これは一貫して変わっていません。あなたとゴタゴタした時期に、にもかかわらず青山での集会に参加したいとわざわざ問い合わせたのもそのためだし、連載終了について連絡した際のFAXに、そのことを書いたのもそのもためです。これらはむしろ、私が「売買春はもういいよ」とあなたが言うような発言をしていないことの証明なのですが、あなたは「今になってこのネタをやりたがっている」などと全くねじまげて書いているわけです]

 何もかもをすべて記録し保存しているわけではないのですが、私が残している記録はまるで逆の証明になっています。「風俗ユニオン」について私が最初に書いた時点で、篠田氏はこんなことを言ってきてません。篠田氏が「風俗ユニオン」を取材したいと言い出したのは、1月26日の連載終了を通告するFAXでもなく、これは2月19日のことです。「朝日新聞」夕刊に「風俗ユニオン」が紹介されたのが2月16日のことですから、取材したくなったのは、「朝日新聞」がきっかけとしか思えないわけです。私の連載で一貫して一番やって欲しかったのなら、最初に私が紹介した時点で取材したいと言っていたはずであり、連載終了を通告してしばらくしてから言うことですか。実際にどうかは知りませんけど、ここで述べられた篠田氏の論理と、私が知る事実を照らし合わせると、それまで関心などなかったということになります。
 また、売買春を語る上で、「風俗ユニオン」よりも遥かに重要な団体であるUNIDOSについても同様の反応があってもいいはずですが、UNIDOSを取材したいなんてことを言ってきたことはまったくなく、それどころか、篠田氏は相当失礼なことをやらかして、UNIDOSへの無関心を露呈しています(これについては数回後に説明します)
 何ら私との関係が修復されたわけでないのに、篠田氏が連載の延長を申し出たのもこのあとのことです。篠田氏が私の連載終了を決定した時から何も事態は変わっておらず、関係はさらなる悪化を見ていたとさえ言えるにもかかわらずです。これらのことから考えても、「朝日新聞」が取り上げたことによって、急にネタとして「風俗ユニオン」に興味を持ち出したことは明らかです(篠田氏の論理からすると)
 連載についてのやりとりを頻繁にしていたかのように思われると、「売買春はもういい」という発言の意味合いも違ってきてしまいますので、ここははっきり否定しておくとします。このような問合せをしてきたことはたしかにありましたが、これは私の連載に対する評価や感想というものではなく、単なるネタとしての問い合わせです。「風俗ユニオン」についても「私の連載で取り上げてはどうか」という話ではありません。なにしろもう連載の終了が決定しているんですから。
 私の連載を評価していたようなことを繰り返すのは連載終了後のことであり、しかも私に反論する際に持ち出されているだけです。あくまでそうしておいた方が善意のかたまりみたいですからね。この戦略って、人によっては見え透いたものに見えるだけだと思うけどなあ。
 それにしたって、連載を続けていたのだから、評価していたのだろうという見方もありましょうけど、少なくとも方向転換以降、篠田氏は苦々しい思いをしていたんだと想像しています。そして、既に説明してきたような介入があり、あっけなく連載を終了させられたのですから、いったん始めた連載だったためにズルズルと続けていただけで、おそらく内容を評価してのことではありますまい。
 あるいは、「評価してなかったなら、単行本を出しはしなかったろう」という意見もあるでしょう。最低限の評価があったとしても、篠田氏が今になって書く私への積極的評価によって本を出したわけではないことは次回説明しましょう。また、この本は性労働の是非を直接取り上げたものではありません。トラブルが起きる以前に、路線変更をしてからの原稿は軽く単行本になる量が溜まってましたが、これに対しては本にしようという話はまったくありません。
 そもそも篠田氏は私が書いていることをどれだけ理解していたのかについては、大変いい素材がありますので、これもいずれ紹介します。
 誤解しないでいただきたいのですが、理解や評価を私は求めているのでなく、単に原稿を渡し、ギャラをもらう関係でもかまわず、しばしばそういう仕事のやり方を好んだりもします。ここで私が述べているのは、篠田氏が書いていることは事実に反しているということです。
            *
 原稿を一方的に送るだけだったのでよくは覚えておらず、もしかすっと最初は篠田氏が直接担当していたかもしれませんが、少なくとも『風俗バンザイ』を出すことになって以降、担当は久保田敦子氏でした。時折、別の人の名前でゲラが送られてくることがあって、途中から担当が変わったのかもしれませんが、私は何も聞いていません。いちいちこんなことを教えなくてもおかしくはないくらいに「創」と私は薄い関係しかなかったのですが、原稿は最後まで久保田氏宛てに送ってました。以下、担当編集者は久保田氏だったということで話を進めます。
 『風俗バンザイ』のあとがきに書いたように、ワニマガジンのムックに書いた原稿を見た篠田氏が「うちで続きを書かないか」と言ってくれて、連載「魔境の迷路」が始まったのですが、この時も内容に対する具体的指示はなく、おそらく篠田氏は、あのムックに書いたような取材のこぼれ話的なことを毎回脈絡なく書いていく典型的なコラム連載を考えていたのだと思います。篠田氏のことですから、何も考えてなかった可能性も大ですけど、何にしても、もし私がそういったものを書いたところで文句は言わなかったでしょう。
 しかし、私は『風俗バンザイ』として完成した原稿そのままに、風俗産業全体を見渡せるようにするための構成を頭の中に描いていました。他誌の取材のこぼれ話を書いていたのなら、こんなトラブルも起きなかったわけですから、「創」では手を抜くのが一番だと学び、[売買春はもういいよ]という発言によって、込み入った話を放棄して、屁をひりながら読める軽い内容にリニューアルすることに決めたのでした(街娼の話はちょいとヘヴィですし、もうひとつ候補として考えていた歴史ものも、知識のない人が読めるものではないので、いずれも諦めました)
 連載を始めた頃も今同様に、自分の文章力に自信をなくしていたため(今よりひどかったな)、私がただ綴っていくだけで面白いものになるとは思えず、そこで急遽知り合いの風俗嬢の言葉を毎回使おうと思い、竹子ちゃんという存在を作り出しました(本に書いたように、もともとは何人かの風俗嬢を合体させた存在のつもりでしたが、結局、特定の人物の名称となりました)。それによって、淡々と事実を述べるだけでなく、より娯楽として成立させようとも考えました。これは連載一回目を書いてから急遽考えついたことだったと記憶しますが、すべて執筆者である私が勝手に考えて実践したことです。
 竹子ちゃんの言葉が挟まれるとは言え、具体的な誰かを取り上げるわけではないので、写真はイメージカットっぽいものが中心になり、あちらでカメラマンを用意するみたいな話があったのですが、聞いたら女性カメラマンで、しかも風俗取材は一切したことがない人だと言います。一緒に風俗店の取材をやったことのある知り合いのカメラマンが私にはいるのに、なんで篠田氏がそんな人に頼みたがるのかの事情は知りませんけど、風俗産業にまるで素人の、しかも女性カメラマンは使いにくい。
 女性の風俗カメラマンや風俗ライターもいますけど、元風俗嬢が多いですよね。というのも、そういう人達なら店の事情や女のコの事情もわかっていて、店にも女のコにも信頼してもらいやすい。しかし、そうじゃないと、女性はしばしば疎んじられます。風俗嬢は同性ですから、いい気持ちがしないということもあるのでしょうし、客として体験することもない女性はうっかり失礼なことを言いかねない。「サンデー毎日」の記者が書いていたようなことを口にしたら激怒でしょ。「よくこんな狭い部屋でやってますね」なんてさ。かといっていちいち私が立ち会っていたんじゃ、キリがない。
 篠田氏は「松沢さんが取材に行く時に、彼女を一緒に連れていけばいい」などと言いましたが、取材に行く際に彼女に連絡をとり、店だけじゃなくカメラマンにまで気を使い、私が教育までしていかなければならないのは面倒です。だったら、気心が知れ、風俗取材もやったことのあるカメラマンを使った方がずっといいじゃないですか。
 「松沢さんが知っている店を紹介してくれれば、彼女に写真をまとめて撮ってきてもらう」みたいなことも篠田氏は言ってましたが、こんな簡単な話じゃないことは、風俗取材をしたことのある人ならご存じの通り。あっちが勝手にどこかの店と交渉して撮ってきてくれるというのならともかく、こっちが店を紹介しなければならないのは怖い。この世界のルールを何も知らない人を送り込んでトラブったら終わりじゃないですか。そのカメラマンは二度とその店に行かなければいいのでしょうけど、こっちはそうはいきません。
 何で私がそんなリスクまで負って、そんな女性カメラマンと仕事をしなければならないのかわからず、繰り返しの申し出を私はきっぱりお断りしました。篠田氏自身、風俗業界のことは全然わかってませんので、その際に私は念入りに事情を説明しました。
 風俗嬢がタダで写真を撮らせてくれるのは、宣伝効果を期待してのことです。さもなければ、どうしてリスクがあるのに出るもんですか。「きれいに撮ってくれるなら、なんでもいいよ」みたいな風俗嬢もいますし、そううるさいことを言わない店もありますけど、女の子に取材費を払い、時間も空けなければならないのですから、店としては、「汚い写真でもかまわないので宣伝になればいい」ということでしかありません。となれば誌面に店名や電話番号まで入れることが必須でしょう。また、いくら部数が少ないとは言え、「創」は全国売りの一般誌でありますから、出られる風俗嬢は限られます(彼氏が見る風俗誌はNG、「創」なら大丈夫というケースもありましょうが)。まして、「いつ掲載されるかもわからない」なんて話じゃ、風俗嬢なり店なりと相当の信頼がないと無理です。
 「風俗嬢はタダで使える」というイヤな風潮が出版界の一部にありますが、あくまで宣伝になることが前提で、ここを勘違いしているヤツらがいるという話をワニマガのムックに書いていたはずなんですけど、篠田氏のあまりに安直な発想は、まさにこの勘違いによるもののようで、私の原稿をちゃんと読んでくれたのかどうか疑問を抱かないではいられませんでした。
 「だったら、仲のいい風俗嬢の体の一部を店の許可なく撮らせてもらったり、個室の備品だったり、注意書きだったり、料金表だったり、歓楽街の風景を適当に撮っておけばいいでしょう」ということになって、結局私が写真も撮ることになりました。ありがちなイメージっぽいヌードよりは、そっちの方が私の連載には合うと思います。
 以上のような経緯で、「だったらオレがやった方が早いし、面倒がない」ということで、ここも私がやることになっていたわけです。これ自体はよくある話であって、今現在、「Dr.ピカソ」や「BUBKA」「問題小説」の連載も同様の方法でやっています。これらの連載においては、文章と写真はいわばワンパックでひとつの表現となっていて、時には編集部が撮った写真や編集部に頼んで風俗店から借りた写真を掲載することもありますが、だからといって、私が送った写真を使用しないことはありません。特集記事などと違って、こういう連載における写真は、あくまで判断は著者にあるものです。
            *
 売買春論争路線に変わってからは、そういったイメージっぽい写真がそぐわなくなってきたので、本の表紙写真や人物写真、イベントの会場風景といったものも増えていきます。こういう写真は私が送ったこともありますし、あちらが撮影したものもありますが、だいたいの場合、私が「今回はこれを使ってください」「今回はこの本の表紙を撮ってください」と指定してまして、2度ほど、特に出すものがないので、「歌舞伎町の写真でも適当に撮っておいてください」と指定をしたことがあります。こっちが送った写真を外されたのは、最終回の一回だけなのです。
 この経緯を知らぬはずがないのに、篠田氏はこんなことを「松沢呉一さんとの件2」で書いてます。

[これもアンフェアだと思うのですが、松沢さんは5月号で掲載予定の写真を「外された」と書いていますが、そもそも掲載するという約束がなされていたわけではありません。松沢さんが非難しているので改めて担当者に確認したところ、確かに写真は送ってきたけれど、その件で松沢さんとも話をしていないし、掲載を約束したこともない、とのことでした。そもそも本文中の写真をどうするのかは通常編集部で判断する領域ですし、実際にその前の号だって松沢さんの写真を使ったわけでなく、何をどうするか編集部で決めているわけです。/もちろん松沢さんとすれば掲載してほしいという意味で送ってきたわけですから、それを採用しなかったのがけしからんという言い方もできます。それについてはお詫びするしかありません。ただ、掲載を約束した後でそれを一方的に反故にした場合と、送られてきた後でそれを一方的に反故にした場合とでは、天と地ほどの違いがあります。送った写真が掲載されなかったケースを普通は「写真を外された」とは言わないでしょう。それが松沢さんの文章では「外された」と表現されるわけで、これは意図的なものだと思わざるを得ません(誤解でなく、曲解と書いたのは例えばこういうケースです)。/松沢さんの文章には事実とかけ離れた思い込みが、あたかも事実であるかのように書かれている部分が他にもいろいろあります]

 よくもまあこんな面白いことを書いてくれたものですぜ。出るかどうかもわからない写真を私は延々と撮って延々と送っていたんだってさ。
 このことをもって、私の投稿を載せない理由としているわけです。ねえ、皆さん、以上の経緯を見て、「アンファア」「事実誤認」だと篠田氏が断定し、投稿を掲載しない理由として挙げていることをどう思います? 私の言っていることが絶対だとは言いませんよ。そこに理解のズレがあるかもしれませんが、そのズレがあるからこそ議論になるわけで、そのズレを根拠として、反論の掲載を拒否する雑誌なのですよ、「創」は。さらには、これもまた篠田氏が言う名誉毀損の根拠になっているとも思われ、この裁判官、デタラメすぎます。
 では、篠田氏に質問です。ミーティングで、写真は私が撮るという合意がなされたと記憶していますが、こんな話はなかった、あったとしても使うかどうかもわからない写真を私に撮らせようとしていたということなのですね(○)。
 単行本でも契約書を交わさない出版社ですから、ここにおいても契約書が交わされたわけではなく、口約束でしかありません。今現在同様の方法でやっている雑誌もすべて口約束です。このことをもって、この話し合いがなかった、ここでの合意が無効だったというんじゃないでしょうな。だったら私は、原稿掲載も、単行本の出版も合意してませんよ。
 仮に百歩譲って、連載を始めるに当たり、話し合いによる合意がなされていなかったとしても、私は写真を繰り返し撮って送っています。そして現に掲載されています。何ら関係のない記事の写真を送っていたのでなく、自分の連載の写真でずぜ。しかも、最終回はインタビューであり、顔を隠しているとは言え、当人の写真ですよ。
 ここまでの経緯からして、当然、私の写真は掲載されるものと推認でき、その前提で撮影をし、被写体に許諾をもらい、自腹で経費を出しているのです(この時はフィルム代と現像代です。取材そのものを入れるなら、飲食代とタクシー代も自腹を切ってます)。どこのバカが、出るかどうかもわからない写真のために自腹を切ってまで写真を撮るんだよ。事実、こういう方法の連載を数々こなしてきましたが、写真そのもののトラブルがあった時以外、一度として写真を使用されなかったことはないと思います。
 篠田氏は、私に対して「松沢さんと女の子が一緒に写っている写真を撮ってくれ」と言ってきたことがありましたよね。これはなんだったんですか(○)。出るかどうかもわからない写真を何で依頼するのさ。いくら説明しても、風俗産業の事情がわからず、どんなところに彼女らが置かれているかも理解しようとしなかった篠田氏ですから(これもいずれ説明します)、こんなことを気楽に言えるのでしょう。私は「出るかどうかわからないけど、写真を撮らせてくれ」と頼むことになります。店は出るかどうかもわからない取材を承諾して、ギャラを彼女に出すわけです。そんなバカな話がありますかって。しかし、現に篠田氏はこんなバカな要求を私に平然としていたということになるのです。百回死ね!
 もう一度引用します。

[書き手が気持ちよく仕事ができる環境を作るというのが編集者の役目です]

 二度とこんなことを言わせまい。篠田氏は書き手に無駄な労力をさせてまで自分らが仕事をしないで済む環境を作りたい人なのでしょう。
 さすが書き手の環境を悪化させても楽することを考える怠惰極まりない編集長の元で働くだけあって、久保田氏は、写真の郵送が遅れた際に、「写真はどうしましょう」と催促をしてきたことがありました。私がやるべきものでもないのに、なんで催促なんてするのかな(○)。どうしたらいいのかくらい自分で考え、自分で撮るべきでしょう。いくら仕事が嫌いだとしても、自分がやるべき仕事を何の保証も約束もないのに、人にやらせるんですか、久保田さんよ。
 ここでひとつの可能性が思い浮かびます。なにしろ意思疎通のない編集部ですから、編集長は、編集部がどうするかを決めていたと思い込んでいただけで、その思いを担当編集者が実践していなかったのかもしれません。なにしろ、どうするかは私が決めていたのです。篠田さん、ちゃんと編集者がやるべき仕事をやらせてくださいよ。でも、現実に、久保田氏がこの仕事をほとんど毎回やっていなかった以上、私の写真はやはり「外された」のです。
 あるいは逆に、久保田氏の発言を、いいように篠田氏がねじ曲げている可能性があるので、久保田さん自身にここは回答することを要求しますが、今まで写真を掲載する際に、一度でも掲載すると約束したことがありましたか?(○) 私が写真を郵送して、それを掲載する際に「今回の写真は掲載します」と確認をしてきたことが、たったの一度でもありましたか?(○)
 彼らのことですから、「催促した時は掲載の合意がなされていた。しかし、最終回はなされていなかった」と強弁するかもしれません。
 「お部屋87」で紹介したように、私は最終回の原稿にこう書き添えています。

[長い間お世話になりました。残念ながら、今回の篠田編集長の対応によって、気持ちよくすっきり終わるわけにはいかなくなったため、文章を変更しました。(略)/写真は数日中に送っておきます]

 ここに書いた通りに私は郵送したのですが、掲載する気がないのなら、なんで写真を送らなくていいと言わないわけ?(○) やることやってくれない久保田氏でしたが(これについては次回参照)、そんくらいの仕事やってよ。写真を掲載する約束がいちいち交わされていなかったことをもって掲載しなくていいと主張するのなら、写真を送ると書いていたことについて何も言ってこなかったことは、掲載する合意があった十分な証拠になるでしょう。
 篠田氏は3月号で私の原稿を削除したことに対してこう書きます。

[連絡がなかったのは了解してもらえたのだろうと勝手に思い込んでしまったのでした]

 これによれば、久保田氏は私の写真の掲載を了承していたのです。しかも、原稿を削除するという、篠田氏自身が重大な問題であると認識していることでさえ、連絡がないことでこう思い込んでいるのですから、ここまで当然なされてきたことが最終回でもなされると私が判断するのは当然です。それでも合意がなかったというのなら、いよいよ合意なんてないことをわかっていながら、篠田氏はやってはならない削除をやったことになります。言い訳の余地など一切ないでしょう。
 最終回掲載号について、「本人用にもう一冊掲載誌を送って欲しい」と頼んであったのに掲載誌を送ってくれなかったのは、久保田氏が単にいい加減、単に仕事嫌いということじゃなく、写真を掲載しなかったことのマズさを認識していたためかもしれません。実は私も約束破りをしてしまったため、掲載誌を本人に見せてません。こんなことを説明するなんて、私にはできませんよ。
 [実際にその前の号だって松沢さんの写真を使ったわけでなく]と篠田氏が書いているのは、上に書いたように、写真を送らず、「適当に何か出しておいて欲しい」と依頼したためです。連載終了が決定して、こんな編集部のために自腹を切ってまで写真を撮るのがバカバカしくなったためです。篠田氏はこう書くことで、今までも送った写真を使用しなかったことがあったと思わせたいのでしょうけど、それとこれとは話が全く違います。
 篠田氏が例示すべきは、明らかにある回のために送った写真を掲載しなかったことがあったという事実ですが、現実こんなことは一度もありませんでした。その上、最終回は現に写真を事前に通告した上で郵送しているのですよ。
            *
 篠田氏は本当に面白い。あのさ、篠田さん、こんな言い訳する前に、著作権のことを勉強した方がいいって。相談するならこういうところで相談した方がいいって。大変なことを書いてしまったことをわかってんのかな。
 「創」編集部は私の写真を合意なきままに延々と無断複製をしていたことを公言したのです。こちらが郵送する旨を告げてもなお合意がなかったとするのですから、篠田氏が写真の指定をしてきていても、久保田氏が催促していても、「必ず載せます」という確認がない限りは合意があったとは認められませんので、私の撮った写真を掲載した号はすべて無断複製をしていたことになります。
 写真のギャラが払われていないのではないかとの疑いを私は抱きつつ、特にこれについて問い合わせをしないできたのですが、このことも問題にするしかない。無断である上に、無料で私の写真を使用していたのです。なんちゅうひどい編集部でしょう。「創」は、気持ちの悪い仕事の環境しか作ってくれなかったのだから、せめて払うべきものを払って気持ちよくしてくれよ。
 彼らのことですから、「合意がなくてもギャラは込みで払っていた」というかもしれませんが、私の写真を使用した回もそうではない回も同じ金額が「原稿料」として支払われていることでも、未払いであることは間違いないでしょう。また、そこで払われたギャラは、合意があったことを前提にした程度のものでしかなく、無断複製をやっていたことに対しては別途支払うべきです。
 そこで、以上の行為に対し、私が撮影した写真一点につき5万円の著作権使用料をこれをUPした日から1カ月以内にお支払いいただけることを要求します。通常の写真使用料より高いのは当然です。合意がないのですから、こちらの言い値で払うべきです。しかも、このようなことがなければ、ギャラを踏み倒すつもりだったわけです。呆れたもんだ。
 なお、期限内に支払いがなく、これに対する弁明もなかった場合は、払っていただくべく新たな手段を講じることにします。さあ、いよいよ面白くなっていきますよ、皆さん。

追記:篠田氏ってヘンでしょ。どうやら、目先の言い逃れをすぐにやらかし、そのことがどういう効果を生み出すかについて非常に無頓着な人と思われます。
 「売買春はもういい」と言い、その言い分けをしたがために話が広がる。全文公開をしない理由として、文書が[どこに保存されているのかわからない]と言ってしまい、確認行為をやってなかったことを自らバラす。如何に私の文章が悪質だったかを強調するためにその文章で連載打ち切りを決定したことを書き、「創」は批判を許さない雑誌であることを晒す。
 こういうこととしか私には思えず、写真についてもおそらく同様でしょうが、言ったことの責任はとってもらうしかないですね。
 篠田氏からの反論がなければ、次回は10日後くらいにUPします。

真実・篠田博之の部屋topへもどる page top

ポット出版図書館での出来事・考え事ず・ぼん全文記事レズビアン&ゲイブックガイド2002
石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺ちんまん単語DBデジタル時代の出版メディア・考
書店員・高倉美恵パレード写真「伝説のオカマ」は差別か黒子の部屋
真実・篠田博之の部屋篠田博之のコーナー風俗嬢意識調査ゲル自慢S-MAP
ポットの気文ポットの日誌バリアフリーな芝居と映画MOJもじくみ仮名

▲home▲


このサイトはどなたでも自由にリンクしていただいてかまいません。
このサイトに掲載されている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
ポットメンバーのもの、上記以外のものの著作権は株式会社スタジオ・ポットにあります。
お問い合せ→top@pot.co.jp/本の注文→books@pot.co.jp

カウンター入る