2006-04-24

尊敬するゲイ

islands.jpg「尊敬しているゲイは?」と問われたら、今なら間違いなくゲイバー、アイランドのラクちゃんの名前を挙げるだろう。どうしてかと言えば、ラクちゃんほど等身大の自分を十全に生きている人はいないからだ。伏見をはじめとして自分のことをsomebodyだと錯覚しているオカマは山ほどいて、自分のsomethingを承認させようと躍起になっている。そういう「スケベ心」は我ながら痛い。

一方、ラクちゃんは単調な毎日が何より楽しいと言うほど、生活者、消費者に徹している。自分のテリトリーを決めて、日々の何気ない発見を好物にして生きている様はお見事。ちょっとした街の変化や、普通の人々の欲望に触れる情報は何でもキャッチしている。それって当たり前のことのようで、意外と当たり前ではない。昨晩も、絶対にもう試しているだろうと思って話を振ってみたら、やっぱり秋葉原のおでん缶も食べていた! もう日常をカルト的に生きている、というべきか(笑)。

たぶん、そういうところに足場を置いているから、アベレージを維持した接客業を十年以上続けていられるのだろう。とりあえずどこかゲイバーに行ってみたいと思う初心者には、アイランドはいちばん安心してご紹介できる店だ。すっごく個性的なわけでもないし、カリスマママがいるタイプではないけれど、後味のいいバーであることは間違いない。べつに伏見は常連でもなければ(←年に数度伺う程度)、宣伝費をもらっているわけでもないんですが。

2006-04-22

くっせぇ、くっせぇ

kentei.jpg意味もなく新刊『男子のための恋愛検定』の写真を置いてみる。(宣伝→)

それとは関係なく、今日の話題は臭い。最近、伏見がやたら「更年期」を口にしているのには理由がある。鼻が明らかにこれまでとは違うのだ。前は臭いなどさして気になるほうではなかったのだが、このところ自分のオヤジ臭にゲンナリするばかりでなく、周囲のにおいに過敏になっている。家の中で納豆を食べれば窓を開けずにはいられないし、電車の中で人の体臭にやられてしまうこともしばしば。母にまで「あんた、この頃、猫みたいに鼻がきくね」と言われてしまう始末。

さまざま本を読んでみた感じでは、これ、たぶん更年期障害の一種ですな。ホルモンのバランスが変調をきたしているのだ。おかげでパチンコ店に赴いても、CR冬のソナタに群がるババアたちのマン汁臭さにクラクラするほど。っていうのはウソ。でも「おしろい」としか言いようがない安いファンデーションにノックアウト!

『男子のための恋愛検定』は嗅覚とはまったく関係ありません。いや、恋愛の嗅覚はきくようになるかな(笑)。

2006-04-21

エンスト

tea.jpgう”ーう”ー。

先週はイケイケで仕事をしていたのですが、週明けから気持ちが塞いできて、取材するどころか、取材申し込みのメールが出せない。人に依頼する、というのは結構パワーが必要な行為で、テンションが上がっていないと連絡さえできなくなる。しなければならない、とわかっているのにからだが動かないのだ。こういうのをエンスト状態と呼んでいるのだけど、立ち直るきっかけが難しい。はたから見れば何でもないことなのだが、気持ちを反転させるとっかかりがないとどうにもならない。エンジンがかかれば一ヶ月で一冊作ることだってできるのに……。

2006-04-19

博士論文

QJ5.jpg「クィア・ジャパン vol.5—夢見る老後!」でお世話になった社会学者の小倉康嗣さんに、博士論文(「高齢化社会と人間生成ー現代中年のライフストーリー調査にみるエイジング」)を製本したものをいただいた。電話帳くらいの厚さがある労作で、研究者にとって博士論文がいかに重要な仕事なのかがその重みからも伝わってきた。むろん、素人の伏見にはそこで展開されている議論について論評することなどできないのだが、研究者が人生を賭けて記したものであることは、行間からひしひしと感じ取れた。

よく、ある事象を誰かの理論を持ってきて記述し、「ほーら、俺ってすごいだろ?」と言いたげな論文を目にすることがある。あるいは、他人が作った議論の枝葉末節をけなすことで自分の論を成り立たせているような類いのもの。そういう仕事はちょっと小利口な人間なら簡単にできるのだが、小利口なやつにかぎって自分にオリジナルがないことを恥じていない。自分自身を投入していないことのみっともなさがわかっていない。

それに比べて小倉さんの博論は、身を削って、といった表現がぴったりの印象で、研究者としての覚悟を見せつけられた気がした。その気迫に、この人の言葉は信じられるなあ、と思った。

2006-04-16

デブは死ぬこともできない

hana.jpg先週からQJrの取材で毎日でいろんなところへ出向いているのだが、会う人ごとに体型について指摘される。待ち合わせ場所に立っていると、近づいて来るなり、「そんなにでかかったっけ?」と目を丸くした人もいれば、並んで歩いていて「2割増しになりましたね」とため息をもらした人もいる。振り向きざまに「山が動いた」と絶句した編集者もいる。あるゲイバーのママには腹部を10秒間だまって見つめられ(←同情)、別のゲイバーのママには「置物みたいですね!」とキラキラした目で言われた(←マニア)。

その上、福祉施設で働いている人に、「お願い、将来介護して」と頼んだら、「入所したらまず過激なダイエットをやってもらうよ。そんなデブをケアしたら、スタッフがからだを悪くするから」と吐き捨てるように忠告された(←鬼)。

みんなにいじめられて、よっぽど死んでしまおうかと……。でも、そんなふうに思った瞬間いつも目に浮かぶのは、葬式で伏見の遺体が入った棺桶を担ぎながら、エスムラルダはじめ若いオカマたちが、「クソ重たいよな」「ったく死んでまで嫌がらせしやがって」「この棺桶、特注かよ」と口々に悪口を言っている光景だ。

ううっ、痩せないと死ぬことも許されない。

2006-04-07

「ゲイ補完計画」投稿2

すっかり忘れ去られていた「ゲイ補完計画」。これも、当事者の中で被差別感や不満はあるにしろ、「まあ、こんなもんかなあ」という空気が強いことの表れだろうか? こういうときもっといろいろな意見が出て盛り上がると、日本でも社会運動への欲求が高まっている、と実感できるのだけど(まあ、熱い人は伏見サイトなんて読んでいない、ということもあるが……)。

でも久しぶりに一件、投稿がありました!

●米子さん企画
■企画名
「一斉アンケート そちらにゲイはいる?いない?」
■企画内容
諸団体に対し、「貴社にゲイはいると思いますか?」というアンケートを実施。アンケートは、団体名公表が前提。硬派な所では官公庁、企業(“就職したい企業ランキング”に入るような)、新聞社、大学、病院、……等々。軟派?な所ではクラブ等のお遊びスポット、ゲイ向け産業・ショップ……等々。

※アンケート送付にあたっては、以下の2点を同封する。
・アンケート回答のために、無理なゲイ発掘をしないようにという願書
・ゲイを含む性的マイノリティに関するガイドライン(QJでもOK?)

Q1.総職員数は何人ですか?(契約・派遣・バイト・パート含め)
A1.男○人/女○人/合計○人

Q2.ゲイの職員はいると思いますか?
A2.いる・いない・わからない

Q3.コメント等をどうぞ

この3点を質問し、集計、結果発表。

「社員6千人、自由な社風を謳う大企業A社のゲイはゼロ人らしい(本当?)」
「我がB社はゲイしか採用いたしません!」
「男女平等や人権擁護に声高らかなC新聞社は返事ナシだった」 ……等々。
集計の結果、「外資系はオープン」とか「○○産業はオープン」といった
傾向が出る!かもしれません。

「いくら大企業でも、ゲイ人数ゼロなんて言い切る会社にはやだなー」とか、
「これだけゲイウェルカムなコメントを寄せる所ならちょっとはマシかも」等、就活にも大役立ち!かもしれません。

また、「無回答」の数もチェックポイントです。「職員のプライベートにはお答えできません」と白票を投じるのならともかく、「音沙汰ナシの黙殺」とした所がどれだけあるか……ゲイ問題云々の前に、こういうアンケートに非協力的なツレナイ人たちとして実名公表しちゃいます。

■企画発案の経緯……私的なことも含めて
私が以前勤めていた某大企業・甲社(男女比は男7対女3程度?)には堂々たるオープン・ゲイがいました。いまは社員の大半が男性という中小企業・乙社に勤めていますが、ここにはそういう空気がないようです。「ホモくさくねー?」というヒソヒソ話はありますが、ゲイを含む性的少数者に対しては「気持ち悪い」とか「ありえない」という発言すらあります。甲社はパイが大きく、人権にも敏感な社風だったためかもしれません。乙社はパイが小さい分、閉鎖的なのかもしれません。本人の資質もあるでしょうし、ほかにも様々な要素はあると思いますが、この差はどこからくるのか……と考え、発案しました。(因みに私自身は♀・バイ・クローゼットでございます)

■企画内容を鑑みて……
自分で考えていても、正直、穴(またの名をデメリット)の多い企画案です。
アンケート自体が、とてもプライベートな部分に触れています。
職場等で自らの性志向をオープンにする妥当性があるのかどうか、
それが第三者に公表される必要性がどこにあるのか……。
何よりお堅い職場でクローゼットにしている人に迷惑がかかりかねません。

……あと、マジメすぎるかも!?

「企画者の実践は不問に伏す」、「無責任な企画でけっこう」という伏見さんのお言葉に依拠しての投稿ですので、平にご容赦を……。

2006-04-05

メイキング・ラブ

making_love.jpg映画『ブロークバック・マウンテン』に関しては、多くは語らず、いらだつので他人の批評は極力読まないようにしている。自分の心の聖域に確保しておきたい気分の作品なのだ。

昨日はロードショー公開で二度目の鑑賞。平日にしてはまあまあの入りの、新宿武蔵野館の前から3番目に座った瞬間、いまから二十数年前、浪人生をしているときに、ゲイ映画『メイキング・ラブ』を独り観ていた光景がフラッシュバックした。

帰ってきて大塚隆史さんにメールで問い合わせてみたところ、あの映画の公開も武蔵野館だった。やっぱり……。『メイキング・ラブ』のときは、場内はもっと閑散としていた気がするし、ドキドキしながら周囲を見回しても(←まだ二丁目デビュー前でどこか性的な出会いを期待していた)、ゲイらしき人は前のほうに座っていた怪しげなおじさんだけだった。今回は観客にゲイらしき若者、カップルがふつうにいた。

『メイキング・ラブ』も、女性と結婚していた男性が同性への欲望に目覚めて、自身に忠実に生きて行くことを選択するという物語で、まだ十代だったぼくに何か非常に大きなものを与えてくれた。当時、人気だったテレビドラマ『チャーリーズ・エンジェル』のサブリナ役、ケイト・ジャクソンが主演ということもあり、それなりに話題にはなっていたように思う。しかしヒットにはならなかったはずだ。出演者たちのその後もパッとしなかった。

あの日、19歳のぼくは、作品に深く打たれながらも映画館の暗闇でひどく孤独感に苛まれていた。その頃はまだ、恋人はおろかゲイの友達さえいなかったのだから、一筋の光は見えても、どこか途方に暮れるしかなかった。

あれから四半世紀近く経って、『ブロークバック・マウンテン』はアカデミー賞を(作品賞は逃したにせよ)受賞し、日本でもそれなりにヒットしている。ゲイ映画に出た俳優は干されると言われたハリウッドで、ヒース・レジャーの評価は逆に大いに高まった。

二度目にもかかわらず、ぼくはまたしても涙が止まらなかったので、イニスが「I swear…」とシャツに語りかけエンドロールになるとすぐ、明かりを避けて席を立った。ふと、うしろで鑑賞していた若いゲイカップルの姿が目にとまった。彼らの手はしっかりと結ばれていた。それは四半世紀前には考えられない光景だった。

2006-04-03

ニクヨに感謝!

clubhouse.jpg
ここ数年オカマの日にちなんで開催されている、歌舞伎町の巨大キャバレー「クラブハイツ」を借り切ってのゲイイベント「せれぶれいしょん」。ドラァグクィーンショーあり、ダンスパフォーマンスあり、歌謡ショーありの豪華なパーティで、中でも人気ゴーゴーボーイたちを贅沢に使った下着のファッションショーは生唾もの!(笑) 近年、伏見はこれを見るのを人生の生き甲斐にしていた(←大袈裟じゃない)。

ところが、今年はチケットを入手することができず、あぁ、これじゃあ2006年は命の洗濯をすることができない、と悔しがっていた。しかし、前夜になって、「せれぶれいしょん」の出演者、スタッフである肉乃小路ニクヨちゃんから招待枠に入れてくれるという電話をもらったのだ(なんて心がけのよい後輩!)。もうホント、飛び上がるほと嬉しかった。それで、これほどのイベントは滅多に見れないと、仲良しの斎藤綾子さんを誘うことにし、伊勢丹の地下で花見用の弁当まで買って、二人いそいそと出かけていった。

そして、今年も本当に満喫した。ニクヨちゃんの目配りの効いた女主人っぷりやショーもすばらしかったし、注目のダンスチーム、nonochicの荘厳な男性舞踊も見事だった。そして、Underwear of fashion showにはなんというか感動さえあった。去年までのからだ自慢、股間に目が釘付けのパフォーマンスもそれだけで十分眼福だったが、今回は途中、ゴーゴーボーイたちがカップルに扮して登場し、海辺に遊びに来たふうのカジュアルな服装を脱がせ合って水着になる、という演出がなされていた。それがただモッコリを誇示するだけでない、とても幸福な気分に会場を酔わせるものだった。

考えてみたら、あんなにハッピィにゲイカップルを表現したものをライブで見たことはなかった。これまでクラブでも他のイベントでもなかったパフォーマンスではないか?

恒例の浦安ダンシングチームのディズニーばりの(笑)のショーも大盛り上がりだったし、ラストの会場を巻き込んでのダンスタイムも見ているだけで鳥肌が立った。みんな場の作法をよく心得ているし、いっしょに楽しもうという共感に溢れていた。このところ、ゲイコミュニティは元気がなかったり、悲しいニュースが多くて、伏見もやる気をなくしていたのだが、とてもいい氣をもらった。エンパワーメントされる、とはまさにこのこと。あの空間には愛の波動があった。

心からニクヨちゃんに感謝! そしてあれだけの舞台の裏を支えたスタッフの方々に惜しみない拍手! このイベントがどれだけ志の高いものかは、今回のNoblesse Obligeというテーマにもよく表れている(この宣言文がとてつもなく美しいので、ぜひ読んでみてください)。願わくば、来年もまた開催してもらいたい。

2006-03-31

DKNY

DKNY.jpgパチンコで数時間にン万円すってもまったく平気なくせに、他のものにはほとんどお金を使わない伏見である。パチンコに印税丸ごと持っていかれて余裕がないのもあるが、そもそも消費という行為に興味がわかない。物欲はほとんどなし。その上、服飾品を買いに行くのが何より嫌い、ときてる。だって、なかなか合うサイズがないし、似合う(と思える)ものを見つけるのがとにかく至難の業。試着室は恐怖の空間で、あそこの鏡を見ることくらいつらい瞬間はない。それで服は必要最小限しか持っていない。

息子のやることにめったに口を出さない老母にまで、
「あんた、人前に出る仕事してるんだから、もう少し着るものを買ったら?」
と言われるてしまうくらいだ。
「うっせんだよ、こちとら文士でモデルじゃないんだから、着てるもので見栄張る必要ないんだよ!」
と言い返すのだが、いつも同じ服を着てるのは、実は、洋品店で絶望の淵に立たされたくないからだ。世界中の鏡よ、全部割れておしまい!

しかし本日、いつも着回しているラガーシャツ(オカマの戦闘服)がクリーニングに出してあって一枚もないということが判明。外に着ていく服がまったくない。もう清水の舞台から飛び降りる覚悟(本当にそんな気分なの)で、電車で少し離れたところにあるエディーバウアー(サイズの大きいものがある)に出向いた。次にショッピングする勇気が出るのはいつになるのかわからないので、まとめ買い。でも結局買ったのは、ラガーシャツ(オカマの戦闘服)とチェックのシャツ(デブの戦闘服)などなど。

そんなんで帰ってきてクローゼットの整理をしていたら、老母が、
「このダウンはまだ着るの? 捨てるんだったらクリーニングには出さないけど」
と毎年着ているDNKYのダウンを指差した。以前フライトアテンダントをしていた相棒がシドニーで買って一冬着たものを、譲り受け、気づいたら十年も愛用していた。その間、寒くなるとどんなときでもぼくの傍らにいてくれたものだ。捨てるのは忍びなくて来年も、と思うのだが、もうさすがにいろんなところにほころびがあって、羽毛が出てきてしまうようになっていた。

なんだか寂しいけれど、お別れすることにした。十年も温かく寄り添ってくれて本当にありがとう。

2006-03-29

sakura.jpg先週は人の生死について考えさせられる一週間だった。知人が相次いで亡くなったり、大病をしている恩人をお見舞いしたり、海外で働いていた親友が、あわや半身不随かといった大けがで成田に搬送されてきたり、なんだか慌ただしかった。

単調な日常にときとしてポッカリ現れる向こう側の世界。満開になった桜がやけに切なくて、来年はどんな気持ちでその花びらを見上げているのだろうかと、思わずにはいられなかった。

「ゲイ補完計画」はまだ投稿が少ないので、もう少し応募を待ってみます。やっぱりみんな、状況に満足してるってことなのかな? 投稿はこちらのフォームから。

2006-03-22

ご冥福をお祈りします

aeraq.jpgフォトグラファーの早坂ヒロイチ氏(他のお名前でもお仕事なさっていたのですが、伏見とはこのお名前だったので)が急逝されました。早坂氏には、もう十年近く前、ぼくがAERAの「現代の肖像」に取り上げられたときに、数ヶ月にわたって取材していただきました。(若き日の)エスムラルダや肉乃小路ニクヨとの二丁目での撮影、唐十郎氏などとのシンポジウム、名古屋でのゲイたちとの会議などに同行してくださった姿が、いまでも目に浮かびます。

個人的なお付き合いはなかったのですが、その後はどこかですれ違ってご挨拶する度に、ニコニコと応えてくださいました。右の写真は、うちの近所の河原で相棒と二人で撮影をしてもらったときの、ポラロイドの一枚です。なにかあの頃のぼくらが写し込まれているようなショットで、ぼくはこれがとても気に入って大切に手元に置いていました。

心よりご冥福をお祈りします。

2006-03-20

週末は新潟

niigata.jpg週末は新潟へ行ってまいりました。新潟女性財団主催の講演会で、聴衆はおもに中年のおばさまたち。用意していった講演原稿が少々難しすぎることに途中で気づき、「ジェンダーフリーはなぜ駄目なのか」というテーマから、「なぜ「同性愛者」はいるのに「潮吹き者」がいないのか」といった古いネタに方向転換(笑)。みなさんと楽しい一時を過ごすことができました。講演の後は、しばし新潟日報のインタビューを受けて、ホテルへ。

新潟県は、幼少の頃、家族で鯨波海岸に海水浴へ行ったことはあるけど、新潟市は初めてだったので、一泊して夜は現地のゲイバーに繰り出すことに。「視察」というのは言い訳で、こしひかりな男子との出会いを股間に期待していたわけっス。夜まで時間があったので、講演のモードを転換するために駅前のパチンコ店でエヴァを打ち(←病気)、部屋で「女王の教室」を見ていたら(←夢中)、いつのまにか深夜に。「弐号機出撃!」。プロ臭カットで臨んだナイトライフは、テニスサークルのイケメンくんたちの輪にまんまと潜入することができ、眼福、眼福。

翌朝は、某新聞の新潟支局に転勤した旧知の記者とブランチ。竃家というおむすび屋さんで(写真)名物の焼きおにぎりや、味噌のブレンドされたソフトクリーム(美味!)をご馳走になりながら、近況を語り合う。記者の運転で信濃川沿いをドライブし、越後を満喫。遊び過ぎで帰りの新幹線ではすぐに眠りに落ちたのだけど、熊谷を越えた辺りで目覚めると、関東平野一面が砂塵に覆われていた。そんな光景は生まれて初めてで、愕然とした。

2006-03-15

ヨン様に愛されました

doll.jpg単行本3冊一挙書き下ろしの反動で、このところパチンコに走っています。っていうか、書き下ろしの最中もストレス解消を言い訳にやっていたわけですが、先週あたりから病的に打っています。おもにエヴァだけど、新宿のエスパスでは水戸黄門で大フィーバー! やっぱオカマの聖地ではコウモン様でしょ(ベタ)。渡辺恒三はごめんだけど。

で、近所のパチンコ店にCR冬のソナタが入って、二日目狙いで(最近プロは初日よりも二日目のほうが台が熱くなっていると読む傾向)朝から台に向かったわけです。冬ソナは観たこともなく、ヨン様に興味を抱いたこともなったのですが、どうも相性抜群の模様。2千円を突っ込んだあたりで、5連ちゃんが来たので、ん?好調台? それから1箱呑まれて、また3連ちゃん。さらに1箱呑まれて、今度はなんと17連ちゃん!と笑いが止まらないとはこのことでした。

朝からヨン様に「愛してる」だの「きみを離さない」だの「ごめんね」だの言われ続けて、すっかりメロメロ。おばさまたちのお気持ちがちょっとわかりました。あんなまっすぐな目で見つめられたら、そりゃ、黒柳徹子じゃなくても錯覚します!(笑)

*写真は、ホールに飾られた本日の成果の一部!←自慢

2006-03-08

自分の問題?

deni.jpg続けざまに、古くからつき合いのある親友たちにこんなことを言われた。

「あんたって周りにちょっと頭がヘンな人を招いちゃうところない? あんたから離れて生活していると、ホント、ああいう人たちに遭わないんだよね」(←海外で暮らしているR子嬢)

「伏見は、心に不安やら不全感を持っている連中を引き寄せちゃうんだよ。それって本を出してるからとかじゃなくて。だって学生時代からそうだったから(笑)」(←地方で暮らす同窓生)

う−ん、そうなんでしょうか? 自分から抜け出て生きたことがないので、よくわからないのだけど……。でも、たしかに、ネガティブな氣を向けてくる連中はあとを断たない。講演とかでも、「なんか文句つけたろ!」みたいな人はよくやって来る。自分の頭の中で勝手に伏見を仮想敵に仕立てて、怒りをぶつけてくる人もいる。でも、それは、多少なりとも目につくところで発言していれば仕方ないだろう、と思っていた。とくにゲイ関係では、とりあえず伏見につっかかれば、何かを言った気になれる人たちもいるみたいだし。

でも振り返ってみると、たしかにそれだけでなく、少し壊れた人たちが寄ってくる傾向がないとは言えない。なんでこんな非常識なことが……とか、どうしていい大人がこんなことするの!? というケースはこれまで珍しくなかった。最近も、これってある種のストーカーだよなあ、と思える件があった。でもそれは自分に問題があったってこと? 「いらっしゃいませオーラ」を出してるってこと?!

いやん、もう、お願いだから、僕につきまとわないで! 伏見なんかをターゲットにするのはやめて、もっと大物に挑んだり、根本的に自分の人生を充実させることに専心してくれよ。……と祈りながら、深夜のファミレスでまた過食をしてしまった。結局、食いじの言い訳なんだけど(笑)。

2006-03-04

入試問題

atomi.jpg今年、跡見学園など何校かの国語の受験問題に、拙著『さびしさの授業』の一部が使用されたとのことで、権利問題を扱っている団体から事後承諾を求める通知が届いた。一瞬、「なにぃ、無断使用かよ!」とムカつくものの、著作権問題に詳しいポット出版のサワベ社長に相談すると、教材に著者の許可なく使用することは教育基本法でOKされていると教わり、不本意ながら納得。事後報告なのは、受験問題に使用することを事前に連絡したら、情報が漏洩するかもしれないので、そうするしかないだろう、と(たしかに、おしゃべりの伏見だったら、絶対にぺらぺら話すに違いない)。まあ、国語の題材に、自分のヘタな文章を取り上げていただけたのだから、嬉しくないでもないので、素直に印税振込の口座番号を記入し、返信することにした。

それで、せっかくなので、その問題を自分で解いてみることに……。ところが、これが難しい! 漢字の書き取りができないのは当然のこと(←ワープロ時代からもう漢字力はなきに等しい)、著者は読者に何を伝えたいのか、という選択問題も、いったいどれが正解なんだー!? と自分でも首を傾げる始末(←情けない著者)。むかし塾講師をしていた時には、そんなの簡単に解答できたはずなんだけど、実際に、自分が文章を書いていると、そう明確に言いたいことなんて示せなくなるもんっすね。

例えば、こんな問題。

問七 ー−部4「『私』と世界の裂け目に、どんな橋を架けることができるのか」とありますが、「橋を架ける」とはどうすることですか。書き出しを「世界に」とし、「『私』」という言葉を用いて書きなさい。

……うーん、なんて書きゃ正解なんだ?

2006-03-01

お笑いネタ

tubaki.jpg仕事先の電話の対応でときどき面白いのがある。これまでの爆笑ベストワンは、某ゲイ雑誌の編集部にかけたときのこと。

「伏見と申しますが、○○さんお願いします」
「すみません、いま伏見は外出しております」

一瞬、なんのことやらわからなかったが、先方がいい間違えていることに気づいて心の中で吹き出した。しかし向こうは切るまで間違いを自覚していないようだった。

今朝は、某事務所にかけてこんなことが。

「伏見と申しますが、○○さんお願いします」
「すみません、○○はまだ届けられていません」

……いったいどこから届けられるの!?(笑)

*写真は本文とまったく関係ありません。

2006-02-23

ヒ…日高さん?!

badi.gifヒ…日高さん?! と思わず目を疑った。今月のバディのおまけDVDの中でズコズコと腰を振っている兄貴の顔が、ポットの日高さんによく似ているのだ。いやだ、こんなところで、アルバイト? などとスケベに凝視してみると、兄貴は大胸筋が厚く張っていて、ガリっぽい日高さん(失礼)であるはずがない。他人のそら似か。(*右の表紙モデルさんのことではありません)

あの男優さん、今月ジーメンのDVDにも出演していて、こちらではバコバコと掘られまくっている。バディではタチ、ジーメンではウケという両面使用は、からだを丸ごとゲイコミュニティに捧げているようでアッパレ! その潔さに、伏見、ファンになりました。っていうかいやらしくファン。でも、今度、日高さんに会うときに、あの男優さんの腰つきが重なって見えたら、どうしよう。日高さんも、あんな……(ポッ)。

2006-02-15

ろくでなし

eva.jpg血圧が上がって死んでもかまわない。終わらない原稿なんかほっぽってもいい。俺様は今日は朝も早よから、パチンコ屋の新装開店に並んだのだ。なんたってなじみの店舗にCRエヴァンゲリオン2が新台導入されたのだから。午前8時半には地元のろくでなしどもが100人は列を作っていたよ。ちなみに俺様は前から3番目。すっごい気合いだろう? 

でも、結果は訊かないでくれ……。

このところジェンダーだの反差別だのといった本を山ほど読んででいたんだけど、あまりのバカらしさというか、人をバカにしたお話しに、もうストレスの塊になっていたのだ。パチンコくらいせずにはおれない。

オマエら、あの手の本をちゃんと読んだことあるかい? 論理を追ってみなさい。めんどくさいだけで案外簡単だから。そうしたら、ジェンダーフリーが保守派からバッシングされたり、世界日報でジェンダーがやり玉に上げられたりするのだって、そりゃ一理あるって思うさ。

ったく、なーんで俺様が世界日報なんかの肩もつようなこと言わなきゃならんのだよ! 

2006-02-05

あさがお

azabu.jpg昨日は「人間学アカデミー」の第1回目の講演だった。会場の麻布学園に行ってみて初めて、そこがあの東大進学の名門、麻布中学・高校であることを知った(笑)。元塾講師としては(大昔)、これがあの御三家の一角かあと、感慨ひとしお。伝統を感じさせる古めかしい厠を借りながら、そういえば、憧れの宮台真司先生もここで思春期を過ごされたんだよなあ、とあさがおに顔を赤らめる(←どんな)。

今回の話しのテーマは、わが転向の歴史(笑)。転向っつーか、まあ、自分の中で抱えていた矛盾を整理してきた過程を語った。3回の講演で話したものを元にして本にする予定なので、伏見にしては珍しくまじめに講演原稿を書いていって、すごく大変だった。1回が原稿紙にして80枚。今年になってパン!セを書き下ろして、それからすぐにこれの執筆に入るというスケジュールで、いったいどこにこんな生産力があったのか、と自分に驚いている。

この執筆→講演のパターンがこれから一ヶ月であと2回! もう死んじゃうかもしれない。今日はリセット日にしなければ。ということで、パチンコに行ってもいいかなあ。行っちゃうよなあ。

2006-01-31

キスだけじゃイヤッ!

kiss.jpg島田紳介が司会の恋愛トーク番組「キスイヤ」に、素人ゲイカップルが出演していた。伏見はこういうのが大好き! つい仕事をさぼって見てしまった。彼らは24と25歳のなかなかのイケメンで、少し前、ゲイのパーティで知り合ったのだという。

もはやかつてのように男同士が登場しても会場はさしてどよめかない。「あぁ、ゲイなんだ」って空気が印象的だった。ゲストの薬丸くんがわざとらしく目を丸くしていたけど、オマエそんなの元事務所はじめ、周りにたくさんいるだろって突っ込みたかった(笑)。

今回の趣向は同性愛で驚かすのではなく、片方が実は過去付き合った女性との間に一女をもうけていて、その子供が実家の養子になっていることを告白をする、というもの。その事実を知らされた彼氏のほうは、初めビックリしていたが、自分は子煩悩で、好きな人に子供がいるのはとても嬉しい、と応じた。すごく感動的!

絶対、彼らに子育てカップルになってほしい。将来、日本のゲイに養子縁組が認められるためには、やはり実際にそれをやった人たちの経験の蓄積が必要だ。彼らがパートナーシップを深め、そんな家族を作っていってくれたら、とオバチャマ、願わずにはいられなかった(←久々登場、オバチャマキャラ)。