書評『セックス格差社会』
『世界の下半身経済が儲かる理由』で性と経済の問題を斬新に論じた著者であるが、今回は性と格差社会を数値から分析しようと挑んでいる。「もしかすると、近年の所得格差の拡大と恋愛経験の有無には、なんらかの因果関係があるのではないか?」
実際、著者の調査によると、「年収別にみた交際女性のいない独身男性の割合」では、年収が少ない男性ほど彼女がいないことが現れている。年収200万未満だと73.9%が彼女がおらず、年収が上がるごとに「彼女いない率」は減少していく。これは18〜34歳の独身男性のアンケート調査であるが、「年収別にみた性風俗に行ったことのない独身男性の割合」でも、「年収別にみた1月あたりのセックス回数がゼロの独身男性の割合」でも、年収が低くなればなるほど性愛も貧困になる。 続きを読む…