飯野由里子『レズビアンである〈わたしたち〉のストーリー』
*マイミク募集中! http://mixi.jp/show_friend.pl?id=3837974
* ↓↓現在、ブログ布教中につきご協力を。踏んだ数だけご利益がある!?
ずっとベスト10前後を行ったり来たりなので、もう少しのご助力を!(笑)
● 飯野由里子『レズビアンである〈わたしたち〉のストーリー』(生活書院)
★★★★ 著者には現在のレズビアンたちの感性を掬う仕事をしてほしい
どんな人でも経験することであろうが、人はいま自分がどんな時代を、どんな流れのなかで生きているのか、その時点ではわからないものである。筆者は九十年代以降、性的少数者のムーブメントを生きてきたが、その活動をはじめた当初、自分がどんな道を歩んでいるのか見えていたわけではなかった。なので個人的にも、本書の第一章、レズビアン&ゲイの運動や思想の歴史についての概観は興味深かった。
そこで明らかにされているが、現在の性的少数者をめぐる理論研究の主流は、アイデンティティをもとにした政治を批判する社会構築主義やクィア理論である。かつては、「ゲイ」とか「レズビアン」という抑圧された人たちが存在し、その人たちが解放されることが目標とされる「解放の政治学」が運動の中心だった。が、フーコー以降のアカデミズムでは、「ゲイ」「レズビアン」といったアイデンティティ自体が権力の産物であり、その土俵を踏襲することは、近代の「同性愛/異性愛」の二項対立的な構造を再生産することになってしまう、という議論が支配的になっていて、この本の著者もその思潮に乗っている。 続きを読む…