2008-06-30

お部屋1560/出版界崩壊は止められないがために 9

では、出版界の話に戻ります。

私としては、編集者とライターあるいは漫画家の関係が薄くなったところで、薄い関係を元にした仕事のやり方をやればいいのだから、そう困ることはないのではないかとの思いもありつつ、人間関係が薄くなってきたことによって、人間関係がフォローしていたことがフォローできなくなってきていることはたしかに問題かもしれない(それを含めて「しゃあない」とも思うし、「そうも人間関係は本当に薄くなってきてるのか」との疑問もあって、こういう時代だからこそ、今まで成立しにくかった新しい関係がでてきているようにも思うのですが、ひとまずここでは「両者がサラリーマン化している」「人間関係が薄くなっている」「それでは困る」という前提で話を進めておきます)。
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2008-06-29

お部屋1559/出版界崩壊は止められないがために 8

SM業界における、今の時代のもうひとつの問題は、教育がなされにくく、よってレベルの向上がなされにくいことです。

かつてはSMクラブという場がノウハウを伝達していました。ベテランから新人へ、店から女王様たちへ。本当にこの世界は奥が深いですから、1日2日の講習で教えられることは知れていて、それ以外のことは、実践によって身につける、あるいは店や先輩、同僚たちによって教えてもらうか、自分で盗むしかない。

法規制が強まって、クラブがプレイルームを持てなくなって、出張型が主流になってくると、部屋から部屋へ移動し、待機は車ということが増えてきます。同僚や店のマネージャーと一緒にいる時間が短くなれば、伝達される機会が減るのは当然です。
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2008-06-28

お部屋1558/出版界崩壊は止められないがために 7

ワシの食中毒はキャンピロバクター菌(カンピロバクター)が原因でした。もとは家畜の病気で、腐りかけのものを食べたかどうかではなく、ちゃんと火を通しているかどうかの問題です。

キャンピロバクター菌は潜伏期間が長いので(2日から7日)、何がいけなかったのか特定できないのですが、ちょっと気の利いた小料理屋で、地酒を飲みながら、中まで火の通っていない新鮮なササミを食したのがいけなかったのでしょう。そんなことをした記憶はないですけど。
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2008-06-27

お部屋1557/出版界崩壊は止められないがために 6

専属契約があれば、漫画家は他に行くこともできない。今何をしているか知らないですが、以前仕事を一緒にやっていた漫画家は飼い殺し状態になっていて、カットの仕事は他社でやることができても、漫画は描けない状態になってました。生活の保証はあるにせよ、あの状態は苦しいでしょう。

しかし、新條まゆさんによると、小学館では専属契約はないんでっすってね。だったら、なんで小学館以外で仕事をしないのでしょう。
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2008-06-26

お部屋1555/出版界崩壊は止められないがために 5

そもそもどうして、小学館において、こうも漫画家と編集者の関係がいびつになっている(ように思われる)のでありましょうか(他もそうなのかもしれないし、あるいは小学館の一部でしかなく、会社全体の問題として語るのは適切なのではないのかもしれないのですが)。

ここからは私なりのかなり特殊な見方が入ってきます。見方は特殊でも、そう大きくは外れていないのではなかろうか。

最近漫画を全く読まないので、どんな人か全然知らないですが、新條まゆさんという漫画家が読ませる長文を書いてます
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2008-06-25

お部屋1553/出版界崩壊は止められないがために 4

今私が仕事をしている範囲で言っても、編集者との関係はさまざまです。仕事と直接関係がなくても、ほとんど毎週のように会っているのもいれば、最初の顔合わせ以降会ったことのない編集者もいます。今現在は、会ったことのない担当編集者は一人もいないですが、連載が終わるまで一度も会わなかった編集者もいます(たいていは前任から引き継いだ編集者です)。

信頼関係がないまま仕事をすると、いざトラブルになった時に回復不能に陥りやすくはあるのですが、トラブルになりようのない原稿もありますから、一概に「薄い関係はよくない」とは言えない。
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2008-06-24

お部屋1552/G8とラブホ

レギュラーの更新とは別に告知を出しておきます。

間もなく洞爺湖サミットが始まります。それに対抗するイベントもさまざま開かれます。札幌がメイン会場ですが、東京でも以下のフォーラムがあります。

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G8対抗国際フォーラムの開催と、記者会見のお知らせ
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お部屋1551/出版界崩壊は止められないがために 3

編集者と書き手は、互いに深く理解しあい、仕事以外でも、飯を食ったり、酒を飲んだり、議論したりするような関係が望ましいと言われがちです。私としても、こういう関係であるからこそ成立する仕事があることは否定しないし、こういう関係があるからこそスムーズになる部分があることも否定しません。

多くの仕事は、編集者から「これこれこういう原稿を書いてくれませんか」という形で依頼が来ます。「それよりも、こういう内容はどうか」とこっちから修正案を出すことはありますが、ひとたび会議を通った企画は修正できる範囲が限られて、「その話はまた次の機会に」ということになるのがオチです。

それよりも、編集者と「ああでもない、こうでもない」と練り合ったものを編集者が企画会議に出してくれたものの方が自分のやりたいことをできやすい。
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2008-06-23

お部屋1550/病み上がり

さすがに初日は気を失ってましたが、食中毒ってそんなに持続はしないです。まだ腹は痛いし、トイレに行くことも多いのですが、4日目にして、生活にはほとんど支障なし。

今腐りかけのものを食うと、体に入っている薬が勝つのか。あるいは抗生物質で善玉菌が死滅し、かつ体力が落ちているせいで、また食中毒になるのか。どっちなのか気になって実験してみたら、なんの異状もなし。最初から腹が痛いし、下痢なので、わからないだけかもしれませんが、今なら腐ったものを食い放題です。
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2008-06-22

お部屋1548/病欠

すでに原稿は書いてあるのですが、まとめなおす気力がないため、「出版界崩壊は止められないがために」はお休みです。昨日は鴨沢祐仁の「偲ぶ会」だったのですが、こちらも欠席してしまいました。

というのも、ここ数日、ひどい下痢と腹痛に苦しみまして、昨日、病院に行ったら、食中毒だったみたい(検査結果は数日後に出ます)。生まれて初めて点滴を打ってもらいました。

病院に行くと病人の気分になります。病人ですから、「正しい気分」なのですが、もっと症状のひどかった木曜日も金曜日も「黒子の部屋」を更新していたのに、今は何も出来ないです。と言いながら、こんなもんを書いてますけど。
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2008-06-21

お部屋1547/出版界崩壊は止められないがために 2

私自身、ブログ「雷句誠の今日この頃」を読んで、裁判の争点である「原画紛失」よりも、「漫画家と編集者の関係」に強い興味を抱いたのですが、これについて発言している人たちの多くも、そちらに力点があります。そちらが先にあって、原画紛失問題がこじれたのですから、当然ではあります。

編集者は時に表現をともに守る立場である一方で、時に表現を規制する主体にもなります。つまりは味方であったり、敵であったり。

無断で写真を外された、無断で文章を削除されたといった体験もありますが(月刊「創」です)、私の場合、もっとも揉めるのは言葉の規制です。
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2008-06-20

お部屋1546/出版界崩壊は止められないがために 1

数日前、「マツワル」「直しの基準」という原稿を配信していて、その話の枕に、雷句誠氏が小学館を訴えた件に触れたところ、一昨日、購読者から、「雷句誠が小学館を提訴まとめ」サイトがあると教えられました。

ムチャクチャ面白いです。人の喧嘩は面白いってだけじゃなくて、これほどまでに出版界のさまざまを考えさせるところの多い素材はなかなかないでしょう。これについて、自分の体験談を書いている漫画家たちのブログがいちいち面白くて、読み耽ってしまいました。
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2008-06-18

お部屋1543/コミュニティFMの闇 7

2006年、JASRACが練馬区のバーを刑事告訴した事件が話題になりました。メディアは店側に同情的で、JASRACを非難する意見がネットにも溢れてましたが、私はJASRACの告訴は当然とする内容の記事を何度か「マツワル」で配信しています。積極的に支持はしなくても、非難できる要素が見当たりませんので。

いくらマスターが年寄りだからって、人の曲をタダで使っていいということはない。しかも、儲かっていなかったわけではなく、ピアノを弾く音大の学生に時給1万円も支払っていたと言います。それだけの金があって、なお月に2万円かそこらの音楽使用料を払っておらず、15年間も踏み倒してきたのですから、大変悪質な店です。
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2008-06-17

お部屋1542/コミュニティFMの闇 6

佐藤まさたか市議が「草の根」の2名と多摩レイクサイドFMの代表(書類に登録された本物の代表)を訴えたことに関し、薄井政美市議がブログで大変的確な指摘をしています。
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2008-06-16

お部屋1541/コミュニティFMの闇 5

NPOコミュニティ放送全国協議会に加盟していないコミュニティFM局は、どのような条件でJASRACに音楽著作権使用料を支払っているのでしょうか。それを京都三条ラジオカフェに聞きたかったのですが、相手を間違っていたわけです。

JCBAは、発足時からJASRACと支払い条件を締結し、以降、定期的に条件の見直しをしており、現在の条件は平成18年11月に見直されたもので、以下のようになっています。

当年度の放送収入×1.2%+消費税(上記の計算結果が12万円以下の場合の最低使用料は12万円)

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2008-06-15

お部屋1540/コミュニティFMの闇 4

コミュニティFM局がJASRACとの契約をしないという判断はあっていい。JASRACに登録していない曲を使用すればいいだけです。

地元のインディーズバンド、中学や高校のブラスバンド、合唱部、老人会の邦楽サークルに非登録曲や著作権切れの曲を演奏してもらえば、隣接権も同時にクリアできます。あるいはそういう人たちにオリジナル曲の製作を依頼してもいいでしょう。

そうした方がかえってコミュニティFMらしい放送が可能になって、既存のラジオ局との差別化も図れるってものです。確認できなかったのですが、JCBAに加盟していない局の中には、こういう方針の局も存在しているかもしれません(他局や制作会社が提供する番組の利用ができにくくなるので、おそらくないとは思いますが)。
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2008-06-14

お部屋1539/コミュニティFMの闇 3

5月19日現在、全国には217局のコミュニティFMがあります。その最大の団体がJCBA(日本コミュニティ放送協会)であり、会員数は192局です。

この日本コミュニティ放送協会の前身である全国コミュニティ放送協議会が設立されたのは1994年のことです。これが2002年に有限責任中間法人・日本コミュニティ放送協会に。

この団体のサイトによると、NPO法人による10局は非加盟ということになっています。NPO法人による放送は想定されていませんでしたから、当初、JCBAはNPO法人によるコミュニティFMの参加を認めていませんでした(その後、定款を改正して、現在はNPO法人も加盟でき、事実、NPO法人で加盟している局もある)。
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2008-06-13

お部屋1538/コミュニティFMの闇 2

朝までミーティングをやっていました。燃えないゴミと本日更新分を出して寝るざんす。

まどろっこしいでしょうが、京都三条ラジオカフェについて書く前に、コミュニティFM一般の説明です。長いですけど、一回で終わらせます。

なべやかんが番組をもっていて、私も時々お呼ばれしているFM茶笛(チャッピー)は入間市にあるコミュニティFMです。トップページの写真を見てください。本当にお茶畑の中にあるんですよ。

でも、ここはとても頑張っていて感心します。周辺地域での公開録音、入間市で開かれるコンサートの中継、地元の細やかな渋滞情報の提供など、地元に密着した番組作りをやりながら、なべやかんの番組のように、全国に配信できる番組も製作しています。
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2008-06-12

お部屋1537/コミュニティFMの闇 1

では、新シリーズのスタートです。最初にお断りしておきますが、今回の批判対象は「草の根」だけではありません。多摩レイクサイドFMだけでもありません。お仲間をまとめて批判します。

もちろん、ここでの「お仲間」はコミュニティFMのすべてというわけではなく、ある団体のみです。次回具体名が出てくるように、「お仲間」以外でも問題のある局はありますけど、このシリーズの批判対象ではありません。

この問題は、今年の頭から調べていたのですが、なかなか調べが進まず、あっさり中座してました。こんなことをしたって生活できるわけでもなく、東村山市市民でもない私としては、そうも労力や時間を費やせないですから。
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2008-06-11

お部屋1535/コミュニティFMの闇・予告編

TBS「ニュースの森」がりんごっこ保育園の開園をバックアップしたのか。

これほどまでに偏向した報道をやったのは、「反創価学会効果」かもしれない。創価学会と敵対する市議が関与しているのに保育園の許が下りないのは創価学会の妨害に違いないと。

だとしたら頭が悪すぎですが、すでに多数見てきたように、「反創価学会」というだけで「正しい」と思い込む頭の悪いメディアがこの世の中にはいっぱいあるのです。これだから、「草の根」はのさばり、乙骨さんは商売ができている。

TBSがやったことは、政治家が保育園を私物化することに協力して公共の電波を提供したに等しい。
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