2008-06-15

お部屋1540/コミュニティFMの闇 4

コミュニティFM局がJASRACとの契約をしないという判断はあっていい。JASRACに登録していない曲を使用すればいいだけです。

地元のインディーズバンド、中学や高校のブラスバンド、合唱部、老人会の邦楽サークルに非登録曲や著作権切れの曲を演奏してもらえば、隣接権も同時にクリアできます。あるいはそういう人たちにオリジナル曲の製作を依頼してもいいでしょう。

そうした方がかえってコミュニティFMらしい放送が可能になって、既存のラジオ局との差別化も図れるってものです。確認できなかったのですが、JCBAに加盟していない局の中には、こういう方針の局も存在しているかもしれません(他局や制作会社が提供する番組の利用ができにくくなるので、おそらくないとは思いますが)。

しかし、このNPOコミュニティ放送全国協議会の代表世話人をやっている多摩レイクサイドFMっちゅう局はそんな番組作りはやっていません。JASRAC登録曲を垂れ流しです。

なのに、契約をごねるとはいったいどういうことでしょう。それがNPOの特権でもいうのでしょうか。

もしJASRACが提示する条件に納得できないというのであれば、JASRACが管理する曲の使用をすぐさまやめるべきです。店にあった商品を勝手に使い、「お客さん、料金を払ってくださいよ」と言ったら、「いや、料金が決まってないから」となおも使い続け、「じゃあ、いくらにするか話し合いましょう」と言っても、のらりくらりなんてことは許されない。

JCBAに加盟する局は、原則として、放送開始時には、JASRACの契約を済ませているようです。当たり前です。現に音楽を使用するわけですから。

のちに詳しく説明するように、通常、放送局は放送収入のロイヤリティによる包括契約なので、収入のメドが立たないと正確な計算ができず、最低基準の月割りによって仮の金額を算定し、放送1ヶ月目から使用料を支払います。JCBAに加盟していなくても、こうするってもんでしょう。

ところが、NPOコミュニティ放送全国協議会に加盟している複数の局、あるいは全局は、開局から何年間もこれを無視して、金を払わず音楽を使用し続けてます。「音楽は無断で使う、でも、金は払わない」という方針のようです。団地の管理費や選挙ポスターの印刷代までを払わない人たちが深く関与する局が代表だけのことはあります。

市議にもかかわらず、この局の代表と詐称している矢野穂積という人物は、アダルトサイトの映像を無断でコピーした上で公開して抗議され、「読売新聞」の記事を捏造するなど、著作権についての知識がまったくない、あるいはあっても完全に無視といういわくつきの人物です。

この人物がやってきたことから、また、各局、開局から何年も経っているのに、まだ契約を締結していないことから、「払う気がない」と判断されても仕方がない。

JCBAはすでにNPO法人に門戸を開いている以上、また、どこにも加盟しない選択がある以上、この局を代表としている団体にわざわざ加盟しているのは、「あわよくば踏み倒せる」と各局が期待しているってこと以外には考えにくいのです。

NPOコミュニティ放送全国協議会の規約の中にこうあります。

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第4条(事業) 
この会は、前条の目的を達成するため、次の事業をおこなう。
(1) 会員間の交流、情報交換
(2) 著作権関係機関(JASRAC等)との協定締結等

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「どこが最初のNPO法人によるコミュニティ放送か」ということで、本家、元祖争いをしているくらいで、「会員間の交流」は必ずしもうまくいっていないことがわかり、それでも同じ団体を組織しているのは、JASRACとの交渉を有利にしようとの一点にあることが窺えます。

この規約を読んだ3羽の雀さんも以下のように指摘してます。

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まあ、NPOコミュニティ放送全国協議会の副代表世話人になっている(らしい)京都コミュニティ放送(京都三条ラジオカフェ)や長崎市民エフエム放送、会計を担当している(らしい)たんなん夢レディオ、監事を務める(らしい)カシオペア市民情報ネットワーク(カシオペアFM)は、いずれも日本コミュニティ放送協会には未加盟です。強制加盟団体でもありませんから、加盟していないからといってどうこういうことはありません。

しかし、「コミュニティ」放送を名乗るならいっそう、放送倫理の問題は考慮しなければならないのではないでしょうか。なんだかJASRACとの交渉を有利にするためだけに結成された協議会のような印象さえあります。

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規約を読むだけで、その邪な設立意図を見抜ける団体です。

ゼニをまけさせる交渉をするのはいいとしても、それ相応の根拠というものが必要です。

では、彼らはどんな主張をしているのでしょうか。

続く。