沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・4
2009-07-16 高橋 大輔
『懺悔録』ができるまでの日々を振り返っていきます。
現在、沼さんの全権代理人である康芳夫さんは、1970年に『家畜人ヤプー』を初めて出版した都市出版社の一員でした。
出版当時、都市出版社には『家畜人ヤプー』を読んだ右翼が殴り込みに来たそうです。
それだけ不謹慎極まりない、小説だったのです(ちなみに日本人=白人女性の家畜、という設定です)。
康さんは、快く『懺悔録』の出版を了承してくれました。
ここからが大変だったのですが、まず、以前務めていたワイレア出版に行き、「S&Mスナイパー」のバックナンバーから沼さんの連載「ある異常者の体当たり随想録」(連載時は天野哲夫名義)をすべてコピーしてきました。
連載は約20年。240回分の原稿です。
過去、第三書館で既にまとめられたもの(『女主人の鞍』『三者関係の罠』)を省いても、100回分以上。全部を収録したら、四六判であれば800頁超の本になります。
収録する原稿をセレクトしなくてはなりません。年明けから、沼イズムにどっぷり浸かりました。
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