2009-09-09
いただいたご本『低炭素革命と地球の未来』
● 竹田青嗣・橋爪大三郎『低炭素革命と地球の未来』(ポット出版) 1800円+税
ポット出版から竹田青嗣氏と、橋爪大三郎氏の対談『低炭素革命と地球の未来』が上梓された。
ポットさんが以前に出版した『自由は人間を幸福にするのか』もシンポジウムを収録したものだったけど、本としてはやや食い足りない感じがあったが、今回の対談本『低炭素革命と地球の未来』はかなりの満腹感を得られる。二人の思想家の基本的な考え方がわかりやすく語られているし、意見の異なるところにも突っ込んでいる。
橋爪氏の言う通り、地球環境の問題を考えれば、「大きな物語の終焉」ではなく、いまこそ我々が「大きな物語」を生きているこを認識し、その課題への取り組みが必要なのだろう。そして竹田氏と橋爪氏の共通の前提である、資本主義と国家を諸悪の根源として否定する批判思想、マルクス主義やポストモダン思想にピリオドを打って、とっととやるべきことをしないと時間切れになっちゃうよー!という主張にはまったくもって大賛成。強迫的な無根拠性の指摘や、ありがちな権力批判に終始していなくて、ちゃんと代案、アイディアを用意しているところが、この二人の思想家の素晴らしいところですね。