2009-07-23

いただいたご本『中学生からの哲学「超」入門』

● 竹田青嗣『中学生からの哲学「超」入門』(筑摩書房) 800円+税

ちくまプリマー新書から竹田青嗣氏が10代以上の読者に向けた哲学入門書を出した。竹田氏はこれまでもたくさんの「入門書」を書いているが、そのなかでもいちばん言葉をくだいて著わした一冊ではないだろうか。しかも内容は大人でも十分学ぶに値する水準のもので(当然なのだが)、竹田現象学の初学者にとってはとても良い入り口となるはずだ。

個人的には、竹田氏自身が哲学と出会うまでの遍歴が語られている1章が印象的で、哲学的思考というのが単に学習によって可能になるのではなくて、自身の体験との深い邂逅がないと深まらないことが理解できて興味深かった。些末なことではあるが、彼の若かりし日の「金縛り体験」が自分のものとうりふたつで、金縛りの解除の仕方までいっしょだったことが妙に面白かった!

人がなぜ考えようとするのか、なぜ哲学をせざるをえないのかを知りたい人にはうってつけの本である。