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[2004-02-10(火)] ベルリナーレ(ベルリン国際映画祭)6日目
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朝、青汁を飲んで少し早めに出発。今日はつよ子と待ち合わせて、1本目のコンペを見るからでした。でも、つよ子は8時半からオープンする、ジャーナリスト用のチケットセンターに8時から並び、今日と翌日の必要なチケットをもらおうと頑張っていました。携帯SMSにて連絡を取り合い、結局私が上映会場に先に行って彼の席を確保することに。 ということで、1本目。「Samaria」(Kim Ki-Duk監督)。韓国の作品です。 2本目は、「Before sunset」(Richrd Linklater監督)で、アメリカ作品。ジェネレーションXの監督で、95年にすでにベルリナーレで、「Before
sunrise」で銀熊賞を受賞している実力派。凄くうまく作られていました。観客を引き込む魅力もたっぷりあり、特に驚いたのはカメラワーク。会話中の二人を自然に捕らえるカメラが、とても心地よかったです。 3本目は、「Feux Rouges」(Cedric Kahn監督)、フランスの作品です。主演女優が私の好きなキャロル・ブーケというだけで、もう嬉しくてウキウキ状態で見たのですが、あれれ、途中で眠ってしまった〜〜〜!! 夫と、仕事でも成功しているキャロルが、車でキャンプから戻って来る二人の子供達を迎えに行くことから始まるのですが、二人の間には始終諍いがあり、かみ合わない。車に同乗していたのは、確かにキャロルだったのに、ちょっと眠ってしまって、はっと気づいた時には、もう別のむさくるしい青年が代わりに同乗しておりました・・・・。どうして〜〜!? 失敗!! でも、その後気を取り直して最後までしっかり見ましたけれども・・・・。結局、キャロルは夫との喧嘩がエスカレートしたため、途中下車して電車で目的地に向かうことになり、夫は代わりに知らない男性を同乗させたようですね。その男性と、車を運転しているのにスコッチをあおる様に浴びる夫のやりとりの怖さ・・・。そして最後に以外などんでん返しが用意されていて・・・・。あのぉ、でも、なんと言うかその〜〜〜、あまり面白くなかったです。夫がスコッチばかり飲んでいて、車を運転するものですから、危なっかしいだけでなく、幻想と現実が交差して、おかしな雰囲気に包まれます。でも、それが観客を驚かす仕掛けの域を出ていないような演出なので、ちょっと乗れなかったですねぇ。拍手は・・・・まばらでした・・・というか、ほとんどなかったです・・・。 でも、その3本目でいい情報をキャッチすることができました! ということで、さぁ2日ぶりに帰って来た「つよ子」さん!! 相変わらずテンション高いまま、イケイケドンドンの文章ではじけております。また倒れないでよね〜〜、つよ子ちゃん! |
text: つよこ・フォン・ブランデンブルク | みなさま、ご心配をおかけしました。つよこは、不死鳥のごとく蘇りました。転んでもタダでは起きない物体(もはや人間ではない?)を自認するわたくし。倒れた事実さえもネタとして淑子さんを通して使わせていただいております。つよこという存在は、まるで各人のイメージのなすがまま、サービス精神をふりまきながら独り歩きするので、もはやそれが自分自身なのか、ああ、わたしは自我のアウトラインがかげろうのように妖しくゆらめく蜃気楼(とドラマチックにマダム岸なんぞしてみる)。メディアという媒体による公共の存在=春を売る商売のようなものかもしれません。 ちょっと(かなり?)もっていき方が辛かったけど、今日の1本目、韓国の監督KimKi-Dukの『Samaria
/ Samaritan Girl』は彼の最近の3本の作品に共通する「売春婦」がテーマ。キム・キドックの2000年の作品『Seom /
The Isle』には本当ぶったまげただ。フランスのヌーベルバーグを彷佛させる斬新なカメラワーク。すんごい監督が韓国から出たわぁ〜と思っていたら、去年のコンペの出展作品『Na-Bbun-Nam-Ja
/Bad Guy』でおおこけ。あまりにもおそまつな出来に我慢ができず途中で出てきた。こんな極端な作品を作る人っていったい二重人格?それとももしやフジコフジオみたいな二人羽織り監督?などと妄想を逞しくした今回の作品。3度目の正直は、やっぱ「ブ〜」!わたしゃ、今回でこの男(監督)にみきりをつけましたよ。 次は、いかにもパノラマ的な作品。南アフリカとカナダの合作で、John GreysonとJack Lewis競作の『Proteus』。きゃ〜!これがまぁったく期待していなかったけど良かったのよ!今まで見た中で文句なくNo.1。 最後が、アメリカ人女性Angela Robinsonの『D.E.B.S.』。これはおそらくベルリナーレで一番おバカさんな映画だと思う。いってみればレズビアン・コメディー。SaraFoster,
Jordana Brewster, Meagan Good, Devon Aokiの扮する女子高生が、実はスペシャル・エージェンシーのアカデミー学校の生徒で悪役を成敗しちゃう?というもの。ピーター・グリーナウェイのひねった英国式ジョークじゃなくて、アメリカンな単純明解ストレートなギャグが面白くてついつい笑ってしまう。会場もはじめっからノリノリのムードで女性同士のキスシーンがある度に「イエ〜!」っていうレズビアンのグループがいた。(ダイク?恐くて近寄れなかった。ドイツ人のレズビアンは男を飛び越してオヤジ系が多いわ〜。おおコワ〜。人のこと言えないだろっていうのはだぁ〜れぇ〜?)お口直しのデザートにこんな映画をみるもの悪くないかも。映画祭はどっちかっていうとテーマが重くなりがちだから。 そうそう、パノラマ部門に出展されている作品は映画館に入る前にアンケート用紙を渡される。見終った後投票をして、映画祭の後、観客から一番人気があった作品に『観客賞』が授与されます。こういったベルリンの観客が一緒になってワイワイ楽しめる雰囲気がパノラマのよさなんでございますのよ。映画祭に来たら絶対パノラマをみてね〜。(っておまえはパノラマの回しもんか?) |
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text: 青木淑子 aoki@pot.co.jp |
・・・・ということで、元気になったつよ子ちゃんのレポートでございました!! ということで、また明日・・・・。 |
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