ベルリン映画祭現地レポート スタジオ・ポット

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[2003-2-6(木)]

シカゴ
リチャード・ギアのタップシーンでは会場から拍手が

五賀雅子
ambient@kt.rim.or.jp

ベルリナーレのメイン会場「ベルリナーレ・パラスト」

記者会見のすさまじい光景

記者会見でのリチャード・ギア

 

 

 

 

 

さあ、いよいよ今日から開幕だー!
ベルリン国際映画祭は、地元では「ベルリナーレ」の愛称で親しまれている。メイン会場のあるポツダム広場は、ベルリンの壁があった頃は西でも東でもないグレーゾーンだったところで、壁越えを取り締まるものだけが常駐するという、いわばデッドゾーンだった。しかし、壁が崩れて十数年が過ぎた今、ソニーやダイムラーベンツのビルが林立し、話題のニュースポットが次々とオープンする繁華街へと生まれ変わった。

ここにメイン会場となるベルリナーレ・パラストがある。普段はミュージカルやオペラを上演する劇場だが、期間中は朝9時から夜12時過ぎまで、さまざまな映画が上映される。このすぐ目の前には来日スターが泊まるハイアットホテルがあり、隣には何とカジノがあるのだ!

オープニングの今日は、上映映画は『シカゴ』のみ。しかし、リチャード・ギアほか主演女優2人が来日するとあって、午前中から会場周辺はあわただしい雰囲気に包まれていた。もちろん、私と青木さんも朝から気合い充分で、13時からの開演にもかかわらず、12時には並んで準備。そう、13時からの上映はプレスのみの公開だが、何しろ世界各国から2千人以上の取材陣が殺到しているので、おちおちしてはいられないのだ。上映後は向かいのハイアット・ホテルですぐにも記者会見があるので、エンドロールがでたらすぐ走れるよう、1階の通路に近い席をゲットした。

『シカゴ』は、あのボブ・フォッシーのあまりにも有名なミュージカル舞台を、ブロードウェイ版「キャバレー」のロブ・マーシャルが完全映画化した作品で、1920年代のシカゴが描かれる。殺人容疑で窮地におちいった2人の女たちが、金で動くやり手弁護士を味方につけ、かなりエゲつない方法でのし上がるというストーリー。刑務所の現実シーンにクロスして、彼女たちの置かれた状況や内面がミュージカルナンバーで語られていく。この二重構造がなんとも上手くミックスしている。女のすごさをかなりシニカルに描いているが、会場内は随所で笑いが渦巻く盛り上がりぶり。リチャード・ギアのタップシーンでは拍手が起こったほど…。ヴァルマ役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは迫力あるダンスシーンで今までとは違った魅力を見せ、ロキシー役、レニー・ゼルウィガーの可愛い顔した性悪女ぶりもはまっていた。


記者会見はやはり大物スターが顔をそろえたとあって、会場は各国の取材記者でいっぱいになった(写真参照)。私たちは終映後すぐに走ったことが幸いして、わりあい前のほうの席をゲット! 気になった発言をひとつ上げると、日本好きと言われるリチャード・ギアが自分たちの仕事ぶりを説明するのに日本のことわざを引用したこと。青木さんによると何でも「木の下にいるものたちによそ者はいない」というような意味だったそうだが、それに当てはまることわざが常識知らずの私にはどうにも思い浮かばない。だれか、知っている人がいたら教えて!

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