ベルリナーレ2日目。すでに初日で疲れてしまい、それでもまだめげるわけにはいかない! と思い、がんばって9時からのコンペ作品からスタートしました。青汁を飲んでレッツ・ゴー!!
「OM Jag Vaender Mig DM」より
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1本目は、「OM Jag Vaender Mig DM」(Bioern Runge監督)。
スウェーデンの作品で、かなりのローバジェット。3つの男女の話がコラージュのように混ざり合い、さまざまな人間模様をつむぎ出していました。あまりに現実的な男女の醜い姿が、私には気持ち悪いくらい感じられて、それゆえすごいのでしょうが、好きにはなれませんでしたね・・・。でも、途中で寝てしまうかな、と思ったけれども、寝なかったので、退屈はしなかったようです。会場のジャーナリストの反応は、昨日の「コールド・マウンテン」と同じく、拍手もブーイングもない、無視。静かなものでした。(ちなみに、オープニングを飾ったコールド・マウンテンは、大事な初日というのに主演男優と女優の二人が欠席。あの二人(ニッコール・キットマンとジュード・ロウ)は噂にもなったし、いろいろ都合が悪かったのでしょう。欠席ということで、新聞ではかなり皮肉が書かれていましたね。やはりオープニングは華やかに越したことはない、ということなのでしょう。でも、フェイ・ダナウェイが初日に招待されて来ていたようです。)
2本目もコンペ作品、注目のパトリス・ルコント監督作品!!!
かよちゃん、そしてパリからやって来たジャーナリスト+コーディネートをしている荒牧さんと3人で見ました。(かよちゃんは遠くの席だったけれども)荒牧さんは、フランス語と英語が堪能で、とっても明るく素敵な女性。さすがパリ在住だけあって、着こなしもバツグンです。真っ赤なコートが印象的。ベルリン子はファッショナブルじゃないので、なんだか荒牧さんを見ていると、はっとします。早速プレスセンターで、取材のクルーにインタビューをされていたほど!!(それと、身体にとても良いというフランスのお茶をお土産に持って来てくださって、大感激! 荒牧さ〜〜ん、ありがとう!! また明日会おうね〜〜。私信。)
あ、そういえば、毎年お会いする映画評論家のご夫妻、大久保健一さんと森山京子さんですが、大久保さんだけ会場にてお会いしました。森山さんは1日遅れてベルリン入り。今日はすでにいらしているけれども、取材が入っているので、プレス用のコンペ会場にはいらっしゃいませんでした。でも、そのうち必ず会えるでしょう!!
もう、お二人は日本ではかなり有名な映画評論家ですよね。ぜひ去年のように、このコラムにも登場していただきたいと思います!
「Confidences Trop intimes」より
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それはさておき、ルコント監督!「Confidences Trop intimes」(Patrice Leconte監督)心理カウンセラーと患者の、不思議な、そして官能的にしてコミカルな部分も忘れない、ルコント監督のセンスが光る作品。主演の患者役、Sandrine
Bonnaireが美しく、魅惑的な女性になりきっていたのが印象的。とっても良かったので、ジャーナリストから拍手があったほど。私も好きな作品だけれども、なんというか、少し途中でエピソードが多い感じで、もう少し短くても良かったのではないかしらん、とは思いましたが・・・。でも、よくあるストーリーが、ルコント監督にかかると、こんなふうに個性的に、そして芸術的に表現できるものなのか、と、あらためてフランス映画作品の底力を感じたのでした。
はい、どんどんいきます! (そうしないと睡眠時間がなくなる!!)
3本目は、かよちゃんと二人で見た、「Something's gotta give」(Nancy Meyers監督)。主演がジャック・ニコルソン、ダイアン・キートンで、キアヌ・リーブスも助演していて、とっても豪華! スターが出演しているというだけで、娯楽作品としてみれば楽しめる内容だと思いました。いつもはかなり専門的なマイナー映画ばかりを見ているかよちゃんと、アジア+ヨーロッパ映画が好きな、やはりマイナー映画好きな私としては、このようなハリウッド系映画を見る機会はあまりなく、そういう意味でもベルリナーレは貴重。かよちゃんも、「いやー楽しかったわ。ただ見ていていいだけだったら。」と喜んでいたのだけれど、やっぱりちょっと一言あり。かよちゃんも私も、どうしてもベルリナーレでは「新しい何か」を求めてしまうのです。
「Something's gotta give」より
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だから、この作品の落ちがとってもイヤ!ダイアン・キートン演じる母と、彼女の娘。娘には、父親くらいの年齢のBFがいて、それがニコルソン。キートンはすでに離婚して、作家としての仕事も順調。
そこに若きドクターのキアヌ・リーブス(彼女の作品を読んでいて、ファンだったという設定!!20歳年下)が絡み、恋のドラマがいろいろ展開されるのだけれど、そこまではいいものの、何故にあのような落ちにするのか!?
アメリカは、ここ数年の世界的な出来事以来、何だかちょっと保守的になったような気がするのですが・・・。
「恋なんて、不毛だし幻想なのにねぇ・・・」などと言って、冷め切っている私にとって、せめて素敵なファンタジーをエンディングに持って来て欲しかったです・・・。監督はそのつもりなのでしょうが、あれって、私にはファンタジーには見えないなぁ。あまりに古い終わり方のように思えるのですが・・・。かよちゃんは、この映画のカメラが、故ファスビンダー監督と一緒に仕事をしていたカメラマンで、とても良いって褒めていました。(彼女は、日本の大学の卒論で、ファスビンダーについて書いたものだから、ものすごく詳しいのですー)あ、でも特に、ダイアン・キートンの、年をとっても魅力的な女性の姿と、初々しくて素直、その上生き方がまっすぐで優しく、肝心なところで本質をつかんだ発言をするかっこいい若い青年、キアヌ・リーブスは素敵でした。昨日のジュード・ロウといい、キアヌ・リーブスといい、やはり若手の美青年の俳優を拝ませていただくのは、女性の観客にとっては最高かも・・・・。(いや、私は基本的には、監督で映画を見るタイプなので、あまり俳優で映画を選んで見るということはないのですが、いかんせん、コンペは楽しい作品は少ないので、どうしても俳優の美しさなどで、お楽しみを増やす努力をしてしまいます・・・・。)
そして、今日はがんばって4本目! これはコンペ部門ではなく、パノラマ部門の日本作品。ベルリナーレ期間中に1本くらいは日本映画を見たいと思って、息子が冬休み中の今のうちにトライ! 本当は2本見る予定でしたが、それはやっぱり無理だった・・・そう、この映画のコメントは、そんなわけでパノラマなので、つよ子ちゃんにお任せします!! ひとつだけ、日本の映画賞で、寺島しのぶは女優賞を沢山受賞していましたね、この作品で? 確かそうだったと思うのですけれど、う〜〜ん、この女優で見せていったというより、作品全体に流れる深い闇のようなものが、うまくこの映画を芸術の世界にまで高めたように私には感じられます。でも、いつもは日本映画は、コミカルなものは受けているものの、それ以外は席を立ってしまう観客が多いのですが、この作品はけっこうみんなが見入っていたので、世界のジャーナリストにも受け入れられていたかも。日本作品は、内容が薄くていつも無視されているだけに、これは異彩を放っているかもしれないですね。
さて、昨日のお約束通り、タレント・キャンパスに参加される、ハンブルク在住のアーティスト、畑中正人さんと奥様にお会いしました! もう、本当に素敵な若いご夫妻! 息もぴったり合っていて、奥様はマネージャーという感じです。
でも、とてもお二人とも自然体で、お互いを立てていて(参加できて良かったですね、おめでとうと言ったら、畑中さんはすぐに、「いえ、妻のおかげです」っておっしゃったのには感激しました!!)
畑中正人さんについては、またゆっくりとアンビエントのサイトに書かせていただく予定ですが(「ベルリン アート&エコロジーのサイトです。)、
http://www.ambient-systems.com/
もちろんこのポットさんのコラムでも、ご紹介させていただきます!
さて畑中正人さん。彼はとっても読みごたえのあるウェブサイトを持っていて、これさえ見れば、彼の全てのワークがわかるようになっています。音源も聞くことができます。
http://www.hatanakamasato.net/
写真は畑中さん。才能がきらきらと光って放出されている感じの好青年。すぐにマックのコンピュータで、映像と音楽を見せていただきました。音楽が畑中さんなので、うるさいカフェの中で、かよちゃんと私は一生懸命耳を澄まして聞いてみたのだけれども、あれ〜〜、これは音が小さすぎてあまり聞こえない!!でも、うっすらと感じることはできました。どのジャンルにも属していない、新しい音作りを、気負いなくさらりとしていらっしゃる印象。違うかな? これは、7日から始まる「タレント・キャンパス」に行って(会場:Haus
der Kulturen der Welt)、しっかりと聞いてみたい感じ・・・・。時間との戦いになるかも!!
畑中さん、現在は7割がコラボレーションで、3割が自己のサウンドを追求していらっしゃるのだそう。「コラボレートは、主にハンブルクのバレエダンサー達とのものが多いですが、そうした時、まずビジュアルがあるわけですね。仕事としては、そこに音をつけてゆく。でも、大変だとか、自分を殺すとか、そういうのじゃないんです。そうじゃなくて、ひとつの作品を創る時、コラボレーションにおいて、個だけを強調するのはダメなんですね。その辺のバランスを考えて創ると、どんなに自分を強く押しださずに表現しても、自然と自分らしさが作品ににじみ出てくるものなんです。そこが面白い。また自己のサウンドを追求している時は、ほとんどバンドではなく、自分ひとりで全ての音を重ねて創るので、とことん自分と対峙し、集中して自分を見つめる作業ができます。僕は両方好きなので、今はこのままでいきたいと思っています。」とおっしゃっていました。
なるほど!! 14−5歳くらいから、もう自分の将来は音楽で身を立てることになるな、と思っていたと言う畑中さん。タレント・キャンパスに選ばれて、とても光栄です、と微笑んでいました。「この機会を活用し、多くの才能ある世界の人と知り合いたいです。僕は今、とっても映画音楽に興味があるんです。だから、そういうことが実現できる可能性のある出会いに期待しています。」
1998年にソロライブでハンブルクを訪れ、何か感じるものがあり、1999年にダンサー達と知り合い意気投合、それ以来交流を続け、2年前からはハンブルクで暮らし、活動を続けていた畑中さん。けれども、今年の3月からは、(つまりもうすぐですね!)東京に活動拠点を移動し、創造のフィールドを広げてますますアクティブに音作りをしていくとのこと。とっても楽しみなアーティストです。商業ベースの音楽もウェルカムだそうで、「テレビCMなどの音楽にも挑戦していきたいです。
音に関われるのだったら、何でもやってみたい。音楽が大好きですから!」ぜひがんばってくださいね!応援していますよ〜〜!! コンタクトご希望の方は、ぜひ畑中さんのサイトをご覧ください!!
明日は、グリーナウェイ監督作品が、たった一度だけベルリナーレ・スペシャルと題して上映されます。それは私達のパスではスルーで見ることができないので、私もかよちゃんもチケットを手に入れようと、けっこう朝早くプレスセンターへ行ったのですが、残念ながら超人気ですでになくなっていました。でも、つよしくんがゲットしたので、つよしくんに見てもらうことにします。(グリーナウェイ監督の記者会見もあるらしい)あ、つよ子でだよね、たぶん!!
ということで、ここからはつよ子ちゃんの登場です〜〜! (みなさんごめんなさい。私達はそれぞれの自宅で別々に書いているので、こうして別の読み物になってしまっていますが、最後はつよ子とのトークを予定していますので、お楽しみに!!)
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