ベルリナーレ開催時は、ポツダム広場が別の顔になる。ベルリン市の主役の顔だ。では、普段はどうかというと、実はベルリン子には人気がない。観光客で賑わうけれども、高層ビル、未来的建築・・・。そもそもベルリンには高層ビルはあまりない。人間味のある、古き良きアルトバウ(旧建築構造で、アパートメントも世帯を少なく、低く建てられている住宅が多く、また部屋の天井は高く、装飾がほどこされていたりする。)を好むのである。そういう私も、映画を見るという理由がなければあまり足を運ぶ場所ではない。
そう、このベルリナーレの期間だけ、私はせっせとポツダム広場に通うのだ。毎回困るのは食事。いろんなレストラン、カフェがあるが、他のベルリンのエリアに比べたら、美味しいものが私にとっては少ない。しかも映画を毎日何本も見るから、移動ばかりでまとまった時間が取れないし、くつろげない。仕方がないので、サンドイッチなどを作って持ってゆく。
飲み物は、ベルリナーレのスポンサーだったエビアンが、ジャーナリストのために常にミニ・ペットボトルのエビアン水を用意してくれていた。これは非常にありがたかった! けれども今回はエビアンは撤退したらしい。代わってフェスラウアー社の飲料水が登場した。この会社は日本では知られていないそうだが、ヨーロッパでは名の通ったオーストリアの会社だ。
ミネラルウォーターには、ドイツの場合はほとんど炭酸が入っている。ドイツ人に言わせると、炭酸抜きの水はつまらないそうだが、刺激的な舌触りは、慣れてくると快感に変わる(こともある・・・)。今回提供されている水は、何種類かあるようだ。私が見ただけでも、炭酸水、バランスボディ(グレープ・フルーツとレモングラスの味、ハーブの味、ローズとアップルの味の3種)があった。他にもあるらしいが、なんだかものすごい勢いでなくなってゆくので、おちおちウォッチングもできない。とっても可愛いのは、ビンにベルリナーレのシンボルマークの熊が印刷されていること。なかなかレアなドリンクです♪
さて、映画の方だが、100本ほど減っておよそ300本が上映されるベルリナーレ。それでも雰囲気は活気に溢れていてる。2年目のディレクターを務めるドイツ人のディーター・コスリックの手腕だろう。例えば今までは、コンペ作品はほとんどメイン会場でプレス用上映を行い、その際にショート・フィルムのコンペ作品も長編の前に上映する、というシステムだった。それはそれで、予期せぬ拾い物をした気分になる時もあり、なかなか楽しいこともあるが、やはり雰囲気が違うし、おまけで見るという気分は否めなかった。けれども今年からは、コンペもメイン会場以外でプレス上映する場合もあり、ショート・フィルムに至っては一度に10本ほどを集めて一挙に上映するシステムになった。これはナイスなアイデアだと思う! なので、私たちは一度、ショート・フィルム上映に行ってみるつもりです! |