ポット出版

吉澤夏子[社会学者]●「欲望問題」と「心の自由な空間」

 この本には、マイノリティとして在ることの痛み、生き難さを、「差別問題」ではなく「欲望問題」として主題化するまでの、生きられた理路そのものが、シンプルで力強い、しかし繊細で周到な議論によって示されている。伏見の強みは、自 [...]

浜野佐知[映画監督]●伏見さん少し優しすぎるなあ

 おこがましい話だが、私もまた伏見憲明さんと同じような軌跡を辿ってきたといえるのではないだろうか。先日、東京・下北沢のミニシアターで新作『こほろぎ嬢』(尾崎翠原作)のロードショーを終えたばかりだが、もともとピンク映画とい [...]

小浜逸郎[批評家]●私の「痛み」から出発し、社会思想的な地平に至るまで

2007/1/21
 自分は欲望のあり方についてこの世の「標準」と違ったところがある。その違ったところが自分をとても生きにくくさせている。しかもその違ったところはどう考えても変わりそうもない━━こういう感知は、生涯のある [...]

遙洋子[作家、タレント]●「現代のジェンダーにまつわる問題解説本」だ

 ジェンダーは私にとっては最近禁句になっている。その言葉を口にするなり、会場だったりスタジオだったりの空気がこう着するのを感じるからだ。なによりお客さんの、その言葉の意味の認知度が天と地ほどかけ離れている。ジェンダーにし [...]

松沢呉一[ライター]●欲望のためのジェンダーレス教育を!

『欲望問題』を読んで、やっとジェンダーフリー教育に対する私の立場が明確になりました。もともとそう考えてはいたのですが、整理し切れていなかったのです。伏見氏が意図するように、この本は議論の契機を作り出す力がありそうです。
[...]

黒川創[作家]●答えられなかったことを通して、その問いについてさらに考える

 ことの善し悪しは、法律に照らせば、確かめられるか。
 そのことが、まず、本書の冒頭に置かれる問いである。
 著者・伏見憲明のもとに、およそこんな内容の悩み相談のメールが届く。28歳の男性、同性愛者からのものである。
  [...]

橋爪大三郎[社会学者]●他者に通じる言葉で研ぎ出された欲望の相互承認への提案

 よく考え抜かれた本である。
 読んでいて感心するのは、著者・伏見さんが、自分はゲイであると周囲に宣言した当時のぎりぎり余裕のない状況から、さまざまな紆余曲折をへて、いまの考えに至るまでの道筋を、冷静に見つめ、正確な自分 [...]

中村うさぎ[作家]●小倉千加子さんは鳥で、私は犬だったのね!

 伏見氏の『欲望問題』は、今まで私の中ですごくモヤモヤしていた疑問を、一気に解明してくれた。「ああ、そうか」と、何か、胃の中に溜まっていたものがツルリと消化できた感じだ。こういうのを「腑に落ちる」というんですかね。
 ち [...]

欲望問題

『魔女の息子』で第40回文藝賞を受賞した作家であり、ゲイ・ムーブメントの先駆的役割を果たしてきた著者・伏見憲明が、「人間学アカデミー」(小浜逸郎氏主宰)で語りおろした講義録をもとに大幅に加筆・訂正し書き下ろした渾身の一冊 [...]

プロモーションビデオ no.1

ず・ぼん12

図書館とメディアの本、『ず・ぼん』の12号。偕成社・今村正樹社長による講演録「絵本・児童書出版の歴史と現在」。急速に進む図書館のIT化を担当者が語り合った「コンピュータシステムが変えていく図書館のかたち」。他に、地方・小 [...]

荻窪ルースター物語

ハコ貸しのライブハウスじゃない、ふらっと立ち寄れるライブハウスをつくりたかった──。
自動車工場の期間従業員などで資金を稼ぎ、ライブハウス『ルースター』を荻窪にオープンさせたオーナー兼店長の佐藤ヒロオが、ルースター顛末記 [...]

日本のゲイ・エロティック・アートVol.2

日本のアート史に埋もれる「ゲイ・エロティック・アーティスト」たちを丹念に掘り起こし再評価した「日本のゲイ・エロティック・アートVol.1」に続く第2弾。Vol.1は、ゲイ・エロティック・アートがいつ誕生し、どのように発足 [...]

クィア・ジャパン・リターンズ Vol.2

2006年の今を生きるゲイライフのリアルとは何か?
そしてわれわれは今をどうやって「生き残る」ことができるのか?
メガバンク、大手不動産、エンジニア、トレーダー、高校教員などといったさまざまな仕事の現場で働く13人のゲイ [...]

OYABAN 1

楽器を始めたい、バンドをやってみたい、そう思っている「おやじ」が一歩踏み出すときに読む本です。本書では、「ひとりでも奏りたい」人のために、ブルースセッションを開くライブハウスの店長のインタビューなどを掲載。また、「バンド [...]

マテリアル・ママ

新車のセールスのため夫人のもとを訪ねたディーラーは、車のメンテをくり返すうちに車のもつ謎にくるまれていく。車は、今は海外赴任している一人娘のものだと夫人は言うが彼女の娘への愛憎は、ディラーへの、そしてその妹への愛憎と重な [...]

「三人姉妹」を追放されしトゥーゼンバフの物語

ロシアで三人姉妹の末娘イリーナと婚約したが、その婚約者に自分の死を「私わかってた」と言われてしまった男、トゥーゼンバフ。1946年のアメリカで彼は自分の身の上話をするが誰も信じようとはしない……。チェーホフのドラマツルギ [...]

新世紀書店

書店の可能性を実験したイベント「新世紀書店」レポート。ヨーロッパの古本の町、イギリスのヘイ・オン・ワイとベルギーのルデュをレポート。
本・書店・出版を巡る対談、石橋毅史・出版業界紙「新文化」編集長、鎌垣英人・大阪屋EC事 [...]

方法としての子ども

エロス、労働、死という三つのキーワードから、子どものありようを大人との関係のなかに捉えていく本質的子ども論。たとえば絵本「こぶたのまーち」を手がかりに親子関係を、またサンタクロースを手がかりに、子どもにとっての孤独や死に [...]

カーミラvol.10

※『カーミラ』は2005年12月発売の10号(本号)をもって、廃刊します。
本邦初・「レズ検定」の誕生!
レズ検定を解く前のレズ能力を開発するドリルや練習問題をクリアして、レズ力を確かめる検定問題に挑戦してみて。レズをぼ [...]