2005-12-03
気分はもうマドンナ
左の写真はヴォルデモート卿ではありません。伏見のウォーキング中のシルエット。うーん、改めて見ると、我ながらおどろおどろしい影だ。だけど、自分のイメージの中では、伏見憲明42歳、ピンクのレオタードを身につけたマドンナ(右下写真)になっている今日この頃。
ここ数日、散歩時の脳内BGMは「hung up」。気分はもうマドンナ(47歳)の最新PVなのである。本日も早朝で人がいないのをいいことに、川辺で一人、かの曲を口ずさみ、腰をグラインドさせながら歩いていた。が、ふと気付くと、親子連れがかたまって視線をこちらに向けている。hung up !
娘をかばうような体勢の父親。そりゃ、今日び、幼子をめぐる凄惨な事件が続いていて、ご心配はわかりますが、あたいは超安全よ。女の子にも子供にも一切興味ないから。危ないのは、金持ちで見てくれのいい若者だけ! いや、最近、イーホームズの藤田社長に萌え萌えで、妄想の中で、あんなことやこんなことをして、被害者の代わりにおしおきしちゃってます!(←冗談にならない)

「美意識過剰スパイラル」という副題の本書は、人気作家、中村うさぎさんの最新エッセイ集。旧知の担当編集者が送ってくれた。どうもありがとう。伏見自身は以前、中村さんに『変態入門』(ちくま文庫)の解説を書いていただいたことがあったが、直接の面識はないのだが(何年か前の東京レズビアン&ゲイパレードで、出発前、先頭の横断幕の真ん中を岩井志麻子さんと中村さんの二人が陣取っていたので、「実行委員長に場所ゆずって」とおせっかいを言ったことがあったが……)。
松本侑子さんの勤勉な仕事ぶりを見ていると、いつも頭が下がる。とにかく熱心だし、探究心が旺盛。そしてフットワーが軽い。『赤毛のアン』の詳細な翻訳に見られるように、その仕事は単なる作家の枠を超えて、研究者の域にまで達している。日本の大学は、どうでもいい作家を教授に迎えていないで、彼女を招聘すべきである。それだけ価値のある文学研究を積んできた人だ。
相変わらず、散歩の日々だ。若い子風呂に浸かりながら、ぶりぶりとウォーキング。おかげで黒いサウナスーツは毎日洗濯してるのに、白いものがこびりついてなかなか落ちない。あんた、ヘンな想像しないでけれ、塩だよ、塩。ナトリウム。大きめのペットボトル1本分くらいの汗が流れ出るので、塩分も大量に排出されているらしい。これで高血圧への道は阻止したぜ! 糖尿、退散!!(←セーラーマーズの発声で)
ここは周囲4キロくらいのコースなんだけど、それが二周目くらいになると、もうトップにデブたちは抜かれていて、ながーーい列が出来てしまっている。ヨーイドン!で一斉に走り出しても、すぐに個人差が現れて、最後には1時間以上も間隔をあけて別々にゴールすることになる。人生を総集編で観ているようで切なくなる。何が人生の幸福なのかはわからないのだけど。
観てきました。「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」。日曜の最終回、21時からの回は恋人たちばかりで、映画館内はペッティング状態(妄想)。「オマエら映画なんか観に来ないで部屋でオマンコしてろよ!」と心で毒づきながら、一人寂しく鑑賞する伏見であった。
朝、目が覚めたら、とんでもない精神状態になっていた。覚えていないのだが、もしかしたら夢の中でキレてしまったのかもしれない。それが尾を引いて、午前中、怒りと空しさと悲しみがないまぜになって、ごく限られた身近な範囲にではあるが、大爆発してしまった。もうえぇかげんにせえよ、ってちゃぶ台をひっくり返したような有様。被害を受けた方々には申し訳ないことをしてしまったのだが(彼らはとくに悪いわけでもなく、ふだんからすごく支えてもらっている)、なんかもうアンコントロールな一日だった。
以前、部落解放同盟の講演会に呼ばれたときに(「糾弾」ではないわよ 笑)コーディネートを担当してくれた角岡伸彦さんの最新刊。角岡さんは『被差別部落の青春』(講談社文庫)を著わして世間の注目を浴びたノンフィクションライター。同い年で差別問題に対する考え方も共有するところが少なくないので、伏見はこの方の活動にはずっと関心を持ってきた。はたしてどんな書き手になろうとしているのか、反差別運動に何を付け加えようとしているのか。
カフェインに酔ってしまう体質で、コーヒーは滅多に飲まない。そんな伏見が最近ハマっているのが、このカフェラッテのノンシュガー(森永乳業)。すごく飲みやすくて、後味がいいのだ。そして何よりノンシュガー。QJr vol.1の大詰めの作業は、これで乗り切った。コンビニとかでも売っているので、夜のお供に、目覚めの一杯にいかが? 森永の回し者ではないんだけど(笑)。
朝、お勤めに出かけない、昼間からパチンコをしている、おかしな出で立ちで付近を徘徊している……どう考えても地域社会でキモがられている伏見である。たぶん、通報されないのは、子供の頃より長年ここで暮らしているからで、最近引っ越してきた男なら相当マズい(実際、僕と目を合わせない近所の主婦とかもいるのよ。見てはいけないもの、って感じで目をそむける!)。
遅ればせながら、現在「NANA」を熟読中。以前一度、まんが喫茶で挑戦したことがあったのだが、そのときは1巻で挫折。どうもピンとこなかった。今回、仕事の参考資料として読んでいるので、がんばって2巻の壁を乗り越えることができた。そうしたら、だんだんページを繰るのが楽しくなった。けれど、若者たちの希望の物語は、四十路のオカマにはまぶしすぎる。青春はそれだけでまばゆい。
単行本『百年の憂鬱』をポット出版から上梓
7年ぶりの小説集を集英社から刊行。『団地の女学生』。朝日新聞、共同通信、週刊朝日、サンデー毎日、AERA、クロワッサン、mixiニュース……など多くの紙誌で話題に。
アメリカで最初のゲイ政治家・ハーヴィー・ミルクの生涯を写真とインタビューでつづった『MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』(AC Books)の監修。



思春期以上の人々に向けたエッセイ集『さびしさの授業』(理論社/よりみちパン!セ)を発表。
『ゲイという[経験]』にバディで連載したエッセイ「曲がり角を過ぎても」と、野口勝三氏(現・京都精華大学助教授)との取り下ろし対談を加えて、『ゲイという[経験]増補版』(ポット出版)を刊行。

初の本格小説『魔女の息子』(河出書房新社)で第40回文藝賞を受賞。
ゲイライターとしての仕事を総括した『ゲイという[経験]』(ポット出版)を発表。単行本未収録原稿とともに代表作『プライベート・ゲイ・ライフ』、エッセイ集『キャンピィ感覚』も再録。

『クィア・ジャパン vol.4-友達いますか?』『クィア・ジャパン vol.5
『クィア・ジャパン vol.3-魅惑のブス』『クィア・ジャパン vol.2-変態するサラリーマン』(勁草書房)を刊行。「魅惑のブス」はメディアで話題となり、版を重ねる。
クィアな視点からジェンダ−/セクシュアリティ文化をとらえ直す『クィア・ジャパン』シリーズを創刊。vol.1は『メイル・ボディ』(勁草書房)。

『Hの革命』(太田出版)を編著。

講談社現代新書から『〈性〉のミステリー』(講談社)が刊行。
AERAの「現代の肖像」で取り上げられる。
トランスジェンダー、インターセックスなど多様なジェンダー/セクシュアリティとの対話集『クィア・パラダイス』(翔泳社)を発表。
エッセイ集『キャンピィ感覚』(マガジンハウス)を発表。
ゲイ雑誌アドンが誌面の脱ポルノ化を図り、表紙をイラストから人物写真に切り替える。なぜか伏見のインタビュー時の顔アップ写真が無断使用される(ゲイ雑誌初のカミングアウトモデル!)。そのことによって売り上げが落ちてアドンは休刊に追い込まれた、というのが業界の伝説に(笑)。
レズビアンライターの掛札悠子氏とともに各地の市民団体と協力して、札幌から福岡まで全国9カ所を講演で回る「LOGキャラバン」を実施。レズビアン&ゲイの地方イベントの先駆けとしてメディアでも多く取り上げられ、延べ1500人を動員した。
当時まだ公で語られることのなかったセックスライフを、斎藤綾子氏と語り尽くした『快楽の技術』(学陽書房)を発表。
ゲイライフの名著として英語圏で広く読まれていた『ニュー・ジョイ・オブ・ゲイ・セックス』(白夜書房)を翻訳監修。版元主催のエイズの啓蒙イベントが六本木イエローで開催され、来日した著者のフェリス・ピカーノらとシンポジウムを行う。
編著『別冊宝島 ゲイの贈り物』を刊行。
単行本デビュー作『プライベート・ゲイ・ライフ』(学陽書房)を発表し、各方面で話題となる。
『ニュー・フェミニズム・レビュー vol.1』(学陽書房)に、のちに『プライベート・ゲイ・ライフ』の核となる小論「愛されぬ理由」を寄稿。物書きとしての第一歩を踏み出す。
