2005-11-27
いただいたご本『かけがえのない、大したことのない私』
元祖ウーマンリブ、田中美津さんの最新刊。比較的新しい対談やら座談やら、書き下ろしのエッセイなどが収録されている他に、彼女が70年代にリブ活動の中で上演した「ミューズカル〈女の解放〉」の脚本のおまけ付き。ファンにはたまらない美津エッセンスが詰まった一冊だ。
伏見も美津さんとは仕事やプライベートで何度もお目にかかったことがあって、その特異なキャラクター(笑)のファンの一人。個人的にも大好きな人だ!
そしてなんと言っても、伏見にとってのフェミニズム本のNO.1は、彼女と上野千鶴子さんの『美津と千鶴子のこんとんとんからり』(木犀社)。これはもう一般読者にもお薦め。もちろんフェミニズムについてのためになるお話しも満載なのだが、読後に残るのは、覇を争う女の闘い! 70年代の美津か、80年代の千鶴子か! まるで北政所と淀君の仁義なき闘いのよう。たしか美津さんは、本の中で自分を美空ひばりになぞらえ、上野さんを松田聖子だと揶揄している……のように、「大奥」ファンなら同じノリで楽しめること間違いなし(北政所と淀君は大奥じゃないけどね)。
今回の本のタイトルにある「大したことのない私」というのは反語か。まあ、彼女がよく語る言葉一つなんだけど、伏見と同様、美津さんも一生、自分のことを「大したことない」とは思えないたぐいの人間だと思うのだが(笑)。
●田中美津著『かけがえのない、大したことのない私』(インパクト出版会)1800円+税