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[第15章●その他よしなしごと]
14… 昼寝
[2005.06.28登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

シゴトで睡眠を研究している学者にインタビューすることになった。そのインタビューそのものはその先生の研究の内容に立ち入るものではない。分量も1ページと短かかったのだが、それでもやはり下調べはしておかなければならない。こちらからインタビューを申し込んでおいて、先様のお仕事の内容をまったく知らないのでは話にならない。仁義として著書(があれば)の数冊には目を通しておく必要があるだろう。

そんな感じでその先生の著作を図書館で借りて読み始めたのだが、これがやけに面白い。それが契機となって、その方の著作以外でも「睡眠」に関する本を読み続けている。とてもおもしろい。

機械と生命を区別する指標としては、まずは生殖が挙げられるだろう。機械は(今のところ)自分で繁殖したりはしない。それに次ぐポイントが睡眠(あるいはその原型)である。機械は眠らない。

生殖については一般の関心も高く、学術的にも昔から研究が進んでいる。医学の分野でも生物学の分野でも多くの研究がある。だいいち、高校の生物の教科書にもひとつの章として載っている。しかし、睡眠の自然科学的研究はあまりされてこなかったのだそうだ。生物の教科書をみると、たしかに載っていない。

俗に食欲・性欲・睡眠欲を人間の三大欲望というが、愚見では、どうみても睡眠欲が最も重要かつ根深い欲望であるかのように思う(少なくとも、ぼく自身はそうだ。トシいったってこと?)。快楽という点でも、眠りに陥る寸前の甘美な感覚は、ほかでそう味わえるものではない。甘美さ度数×回数という計算をするなら、ほとんどの人が睡眠のそれがもっとも大きくなるのではなかろうか。

にもかかわらず、ぼくは睡眠のことに関して、深く考えてこなかったなあ、と反省してしまう。

睡眠に関する本、とくにガクジュツ的な研究の本はすこぶるおもしろい。快眠に関する実用書系のはあまりおもしろくない。快眠術みたいな本は概して内容が既知の事柄であることが多く、コーフンできないのだが、睡眠そのものを扱った科学書は、まったく知らなかったことのオンパレードで、実に面白い。

面白かったことはさまざまあるが、シゴトの技術的なものをひとつあげるとすれば、「昼寝」の有効性であろうか。

ヒトをはじめ動物は体内時計のリズムにより行動が支配されていることは周知だが、眠りのリズム(いいかえれば「眠気」のリズム)は、日に2回のピークがあるという。ひとつは言うまでもなく夜。もうひとつは昼食後あたりの時間帯。

これは子どもの頃から体験的に知っている。午後1の授業はとてつもなく眠かった。オトナになってからは、ぼくの場合、そうした昼過ぎの眠気というものがほとんどなくなった。シゴト中に居眠りしている同僚を見ても「なんだかタルんどるなあ」という印象しか持たなかった。電車の中でもほとんど居眠りしない。ま、昼間に眠気を感じない体質であったわけだ。

しかし、最近、なぜか午後2時頃、あたまがすっきりしない場合が多い。ぐだぐだと過ごしてしまう。眠気があるわけではないが、覚醒感は著しく低下している。なんとかしなくっちゃと思っていた。

昼寝も考えないではないんだが、ベッドに入って即座に眠れるものではないし、また、どばっと寝てしまうことに対する恐怖感もあった。そんなことをしたら、翌日からの生活リズムがむちゃくちゃになってしまう。それがいちばん怖い。夜更けまでシゴトをしたり、読書したり、はたまた夜を徹してお酒を飲んでしまったりした場合、その翌日は当然むちゃくちゃ眠いのだが、頑張って起きていることにしている。必要以上に大声をだしたり、体を動かしたりして、−−要するにテンションを挙げるわけですな−−頑張って起きるのだ。そうしないで欲望のままヘンな時間に寝てしまうと翌日以降の生活リズムがむちゃくちゃになる。これは経験的に知っている。

だから、昼寝をするってことには恐怖感があったのですね。

でも、最近の研究では、昼寝の有効性だけではなく、昼寝のテクニック的な側面もあきらかになってきているようだ。

まず、昼寝をするべき時間は午後2時あたりがもっとも好ましいという(就寝・起床時間がさまざまなのに、なんで一律午後2時やねん、との疑念はある)。

つぎに、昼寝しようとしても初日はすんなり眠りにつけるわけではないが、4日間継続すれば、ちゃんと昼寝ができるカラダになるという。

昼寝は20分程度を目安にするといいらしい。それ以上眠ると、深いノンレム睡眠に入ってしまい、起きた後がかえってつらくなるという。20分で起こされたら、かえって不愉快じゃないかなあと思うのだが、これも4日程度のトライアルで慣れるそうだ。

つまり、しんぼうして4日間「昼寝トレーニング」をおこなうと、まっとうな昼寝が可能になるわけだ。

これ、ちょっと魅力的。試してみようかと思う。

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ただのシロートさんより
ご意見いただきました

[2005-06-29]

必殺の5分昼寝

私もやってます。昼寝。
眠くなったらそのまま机で5分(または一瞬)。大体14時から15時の間が多いです、やっぱり。これでそれから夜中まで仕事はばっちり。
つくづく「個人事業主」で良かったと思うのですが、お付き合いの会社に行くと、皆さんお昼休みに上手に5〜10分ほど寝てるんですね。
よかった。

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