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[第15章●その他よしなしごと] 1… 夫婦のサイフ |
[2004.11.10登録] |
石田豊 |
「夫婦のサイフ」に関心がある。みなさん、どのようになさっているのだろうか、ということ。 ウチの場合は両者の収入のすべてをツマが管理し、ぼくはそのなかから随時「お小遣い」をもらって私的な支出をまかなっている。だもんで、自分の稼ぎとか我が家の資金繰りなどのこともほとんど知らず、時として窮状とその対策を相談されたりするとたいへん驚くってことになる。我ながらどうも情けない。 ぼくの母は専業主婦であるが、夫(つまりぼくの父ですね)の収入がいくらあるかをまったくもって認知していない。家計費として渡される範囲内でヤリクリしてきた。なんだかなーと思わないでもない。 友人FはいわゆるところのDINKSである。夫は会社員で妻は自営。双方が自分の収入を管理しており、ローンの支払いは夫、食費は妻、外食も妻、しかし友人などと会食する場合は「交際費扱い」で夫という具合に「費目」単位で分担者が決まっているそうだ。電化製品を買うのは夫だが、それを修理修繕するための費用は家計費であるから妻となっている。だもんで常に散発的な局地戦が繰り広げられている。夫は直せばまだまだ使えるというし、妻は新製品は機能も高いと主張するわけだ。スーパーで買い物しても、その中の何々はそっちの分担だから2350円、という具合に夫から逐次徴収するという徹底ぶりだ。 おなじくMのウチでは、冷蔵庫も夫のもの妻のものと2つあり、それぞれが自分の食べたいものを自分のサイフから買って保存してある。よって食事は「各自持ちより形式」のような様相になる。もろもろの雑貨や家具なども、買いたい方が買う。クルマなどの高額品については、欲しい側がプレゼンを行って、かかる費用の分担を相手に訴える。交渉するわけですな。であるから、家の中を見渡してみても、個々のモノがどちらの所有なのかが判然としていることになっていた。 この夫婦は離婚した。双方から離婚の原因とか経緯とかを聞いたが、ぼくはそのサイフのあり方に本当の原因があるような気がしてならない。子どもができたからだ。子どもにはオムツはじめいろいろと金がかかる。それが全部妻のサイフからの支出になる。DINKS時代の「買いたいものがあれば自分で買う」という支出構造が変化してしまった。その構造変化にふたりのサイフのあり方がちゃんと対応していけなかったというところに不和の種があったのではないか、とニラんでいる。 K家はウチのケースと少し似ている。両者の収入を妻がすべて管理している。夫は酒タバコはもちろん、週刊誌も買わずパチンコもしないという「ほとんど金を使わない」男なのだが、衣類はじめ些細なものまで「買ってもらう」という感覚だ。妻のほうとは長い付き合いだが、夫のことはあまり知らない。何かのときに本屋でこの夫婦と待ち合わせをした。というよりK(妻)と打ち合わせをしていて、「このあと夫と待ち合わせをしているから、イシダさんも一緒に食事でもしましょう」ということになった。我々が本屋で夫を見つけた時、彼は一冊の本を立ち読みしていた。 「欲しいの? だったら買ってあげるわよ」とKは夫からその本を受け取り、レジに向かった。 勘定をすませたその本を受け取った時、夫は満足げな微笑を浮かべていた。千円そこそこの本である。小学生みたいなやっちゃな、とぼくは思った。 Sさんとこでは夫婦で4つのサイフを持っている。両方とも自分のサイフと共用のサイフを「物理的に」毎日持ち歩いている。家計にあたる出費は共用のサイフから支払い、趣味や楽しみ、衣服などの出費は自分のサイフから。時々両者の管理する共用のサイフ間で紙幣の再分配が行われている。 夫婦で収入差がけっこうある(と思う)のだが、共用のサイフへの出資は収入に応じて拠出するようになっているらしい。 ぼくは付き合いの範囲の狭い人間だから、夫婦のサイフのあり方をたくさん知っているわけではない。付き合いがあっても、なかなか聞きにくい事柄でもある。それでもいろんなバリエーションを見聞きしている。世の中にはもっとさまざまなやり方があるのだろう。 みなさんどうなさっているんだろう。気になる。そしてもっとうまくやる方法ってないんだろうか。とても気になる。 |
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鈴木雄介さんより [2004-11-12] |
どう分けたって、、、 前のニョーボ殿(専業主婦)のときは給料全額敵が管理、営業インセンティブなど裏金は自分管理でしたが、いざ離婚となるとそこはお互い所詮他人、非常にヤヤコシくなることを学習しました。爾来家計の管理は自分でやっておりますが、面倒くさいです。 今の家内は職業を持っていますが、専ら彼女の息子達の学費捻出用なので、生活費用は基本的にこっち持ち。それでも洋服やら靴やら幾らか浮いたお金で彼女なりに自分の嗜好品は賄おうとして健気感を出してみたり、こっちはこっちでおもちゃをあれこれ買い込んでは後ろめたい気分と開き直りの間で揺れてみたり。お互い少しずつ遠慮しつつ「でも私の俺の欲しいもんは買うけんね、そこんとこは放っておいてね」というビミョーな不可侵条約関係でございます。 友人Sは同棲していた彼女と「これは俺のもの、これはお前のもの」とあたかも家財道具に名札をつけるような契約をしており、いざ別れる段になって、彼女の泣き声を背中で聞きつつ彼の所有物を搬出するという非常にいやーな仕事を請け負ったこともありました。結局結婚して離婚しちまったけどね、、、その二人。 どうせ修羅場になればヤヤコシくなるんだから、金にせよ物にせよ、一つ屋根下で暮らす二人の間では余り厳密に線引きをせず、少しの自己主張と遠慮のビミョーなバランスを楽しんじゃうというのが、今んとこの鈴木式夫婦関係維持法でございます。 |
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