松沢呉一新刊『クズが世界を豊かにする』プレビューその1

2009-12-07 高橋 大輔

12月18日発売の、松沢呉一氏の新刊『クズが世界を豊かにする』では、「YouTubeから何が見えるのか」、「YouTubeは何を変えたのか」ということがメインで語られます。
YouTube上の75本の動画を紹介していますが、動画の裏を深読む本、とでも言いましょうか。

第一章の「YouTube依存を強めるテレビ」では以下の動画を紹介し、

・テレビが今、どのようにYouTubeを利用しているか
・CMがどのように変わってきているか
までを論じます。

ちなみに、僕は本の元となるインタビューで松沢さんにこの動画を見せてもらい「おお! すごい! へー、こんなことできるんですね!」とアホを代表する言葉を残しただけでした。
ボーッと胸チラ動画やエロサイトへの誘導動画ばかり観ていては、一生涯気づかないことばかり。『クズが世界を豊かにする』は、スリリングな一冊です。
発売までの間、少しずつ紹介している動画を紹介していきます。

※近日中に、『クズが世界を豊かにする』で紹介している、すべての動画にリンクを張ったページをアップします。ぜひ本と合わせてお楽しみください!!

※12.11 紹介動画一覧のページを作成しました。

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松沢呉一新刊『クズが世界を豊かにする』入稿前

2009-11-26 高橋 大輔

松沢呉一さんと、新刊『クズが世界を豊かにする』の、入稿前の最後の打ち合わせをしました。
カバー、表紙のデザインをチェックしてもらったのですが、
僕が本のねらいを完全に勘違いしていて……再度、作り直しです。
デザイナーの山田さん、すみませんです。

また、今日の打ち合わせでは、『クズが世界を豊かにする』の、本の序文にあたる文章に、以下の文章を掲載することになりました。

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●著者名、書名、出版社名を明記し、出版社ないしはネット書店での本書紹介ページへのリンクをしていただければ、本書の内容の1000字以内をインターネット上でご自由に利用いただけます。(※打ち消し線、「本書の内容の」は11月27日追記)

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是非、ブログ、ツイッターなどで、『クズが世界を豊かにする』をご自由に利用してください。

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『クズが世界を豊かにする』なべやかん、元氣安と謎の美女登場!

2009-11-24 高橋 大輔

昨日は松沢呉一さんの新刊『クズが世界を豊かにする』のカバー撮影をしました。

出演してもらったのは、なべやかんさん(オフィス北野)、元氣安さん(ワハハ本舗)、と、紅一点、ミコさんです。

著者である松沢呉一さんのディレクションのもと、YouTubeのある動画をみんなで観て、三者三様のリアクションをとっている、という画を撮影しました。

彼ら3人が何の動画を観ているかは、本の表4側を見てみてください。

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左から元氣安さん、なべやかんさん、ミコさん。

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さすが芸人さん。表情がめちゃくちゃ豊かです。写真はポットの隣に事務所がある福さんにお願いしました。

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なべやかんさん。似合いすぎる学ランはビートたけし師匠にプレゼントしてもらったものだそうです。

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「おいおい教」教祖元氣安さん。やかんさんには「『変態の』元氣安って呼んであげて」と言われました。

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ミコさん。可愛い。お付き合いしたい。。。

入稿は明後日26日というギリギリのスケジュールですが、なんとか間に合わせて、『クズが世界を豊かにする』年内発売します!!

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進行中・松沢呉一新刊『クズが世界を豊かにする』日誌

2009-11-18 高橋 大輔

年内の発行に向け、着々と進行しています。
今日は松沢さんに再校ゲラを渡し、サブタイトルを決めました。
タイトルが「クズが世界を豊かにする」で、サブタイトルは直球で「YouTubeから見るインターネット論」としました。

ここまで、たぶん15分くらい。
で、その後はお説教、です。
おっかしいな、松沢さん「黒子の部屋」では「11月は調子が悪い」って書いてあるんだけど、早口で「いかに高橋は考えていないか」を論理的に説かれました。
沢辺も同席していたのですが、もちろん松沢さんサイドにまわり、お説教(生き生きしてた)、です。

おかげで終電逃してしまった。ビール飲んじゃえ。

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松沢呉一新刊『クズが世界を豊かにする』

2009-11-16 高橋 大輔

『エロスの原風景』に続く、松沢呉一さんの今年二冊目の新刊は、YouTubeを中心に、インターネットは世界をどう変えたかを検証するメディア論です。

YouTubeにアップされている動画を75本紹介し、「深読みの松」こと松沢さんが既存メディアの現状、インターネットの現状を読み解きます。

発行は12月半ばを予定。ポット出版のサイトでは、紹介するYouTubeの動画へのリンク集をアップする予定です。

今週は小浜逸郎さんの新刊『子供問題』の入稿も控えているし、禁酒して頑張らなくてはだな、これは。。

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「米沢嘉博記念図書館」の開館記念シンポジウム

2009-11-07 高橋 大輔

『ず・ぼん』15号で取材をさせてもらった「米沢嘉博記念図書館」の開館記念シンポジウム、「マンガ・アニメ・ゲーム・フィギュアの博物館学」に行ってきた。

4時間の長丁場だったのですが、司会の森川嘉一郎さん、話が上手というか、人をいじるのがすごく上手い。いや、楽しかったです。

中でも、明治大学国際日本学部准教授 藤本由香里さんの「マンガの国際・学際的状況」という話が面白かった。
「へー」と思うことの多い話だったので、箇条書きで記しておきます。

・日本はマンガ大国
出版業界全体のうち、マンガの売上が占める割合
日本→25%(5000億円)
フランス(世界第二位のマンガ国)→7%

・フランスのマンガ
ハードカバー、大判、オールカラーで高価。大体2000円くらいする。

・アメリカのマンガ
ペラペラのフリーペーパーみたいな形が多い。オールカラー、広告ページが多い。書店ではあまり流通していなくて、日本でいうキオスクみたいなところで売られている。
マンガは完全分業制で作られている。脚本家、線を引くペンシラー、インクを入れるインカー、とか。映画と同様。著作権は発行会社に属する。

・海外でうける日本のマンガ
忍者、サムライものが受けている。『ONE PIECE』も人気はあるが、「NARUTO -ナルト-」の方が圧倒的な人気。ドイツでは少女マンガ、そしてなぜか「ふたりエッチ」が人気。
「ドラえもん」はアジアのみで人気。日本でいう「ガロ系」マンガは欧米で評価が高い。特に辰巳ヨシヒロ、丸尾末広など。

・右綴じ、左綴じ問題
以前は英語などに翻訳するさい、右綴じの日本のマンガを左綴じ用に作りなおしていたが、最近は右綴じのまま出版する傾向がある。その方が安上がり。

その他、マンガを研究する意義、世界から見た日本文化とは、などの話題。

「ず・ぼん」15号でインタビューさせてもらった森川嘉一郎さんにも挨拶できてよかった。

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スクリーンショットのファイル名を一括変換

2009-10-28 高橋 大輔

年内発行予定の新刊の作業で、YouTubeの動画を大量にキャプチャ(フルサイズ動画再生→メニュー+シフト+3キーで、スクリーンショット)しています。

キャプチャされた画像は自動的に「ピクチャ 1」「ピクチャ 2」「ピクチャ 3」……とデスクトップに保存され、
動画が一本終了するたびにフォルダにまとめて整理。

ただ、次の新刊には何本も動画の画像を入れるので、動画ごとに合い番をふり直さなくてはいけない(そうしないと、ファイル名がかぶるので同じフォルダに入れて一括変換とかができない)。

mac用の、ファイル名一括変換ソフトはないかと検索したら、すぐ出てきました。Name Manglerというソフトです。使い方は、このブログを参照しました。

これで「動画001」の「ピクチャ 1」「ピクチャ 2」を一発で「001-001」「001-002」……と変換できます。

次に、スクリーンショットの保存先をデスクトップではなく、指定したフォルダに保存できるようにしたいのだけれど、これは分からなかったです。要調査です。

10年くらい前までは、動画の静止画を誌面に使う際は、カメラに三脚をセットして、ビデオを再生するテレビ画面を複写していたそうです。便利になりました。

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ず・ぼん15予告/米沢嘉博記念図書館

2009-09-14 高橋 大輔

『ず・ぼん15』(今秋発売予定、です)の取材で、オープン前の米沢嘉博記念図書館に取材に行ってきました。

米沢嘉博氏は、1975年にコミックマーケット(コミケ)を立ち上げたメンバーの一人で、1980年から2006年までコミックマーケット準備会代表を務めた方です(2006年に死去)。その膨大な蔵書を保管しているのが、米沢嘉博記念図書館です。

図書館は、明治大学の裏手にある7階建ての建物で、3階〜5階までが蔵書であるマンガ雑誌、雑誌、単行本、そしてカストリ雑誌などの性風俗誌で埋め尽くされていました。
マンガ図書館ということで、貴重な初版本などがたくさんあるのかな、などと勝手な思い込みをしていましたが、全然、違っていて、週刊少年誌黄金時代の『ジャンプ』、『サンデー』をはじめ、『マーガレット』(少女マンガ誌)やレディコミ(女性向けのHなマンガ誌)など、とにかく、幅広いジャンルのマンガ雑誌が書架に陳列されていました。

『エロスの原風景』の著者である松沢呉一さんが「今の時代に生きている我々が今の時代について判断できる部分はほんのちょっとしかない。100年後、200年後に価値観が変わることを我々は読み切れない。だから、とにかく残すしかない」とインタビューで言っていましたが、米沢嘉博氏も、そう考えていたのだと思います。レディコミや600万部時代の少年マンガ誌も、その時代を映す、貴重な資料だ、と。

その数、なんと14万冊超!! どこにどうやってそんなに保存していたのか……など、詳しいお話も入れ込んだインタビュー記事に頑張ってまとめますぞ。

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「低炭素革命と地球の未来」本日発売です

2009-09-10 高橋 大輔

竹田青嗣さん(哲学者)と橋爪大三郎さん(社会学者)の新刊『低炭素革命と地球の未来』が、本日発売です。

昨年末からじわりじわりと、すこしずつ作業を進めていた本なので、本になると……やっぱり嬉しい。
書店さんからの事前注文も多く、週末は書店を何軒か巡るつもりです。

これが、担当した4冊目の本。
『懺悔録』(マゾ文学)
『エロスの原風景』(エロ本の歴史)
『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』(出版)

そしてこの『低炭素革命と地球の未来』(哲学、思想)、です。
みごとにジャンルが、バラバラですね。

今年中に発行しようと、今進行している本は、

『「二人で生きる」の教科書(仮)」

『劇画家畜人ヤプー』(復刊)

佐藤秀峰ブログ本(仮)』
などです。

あっちへ行ったり、こっちに目移りしたり、尻軽っぽくて、うん、いい感じだ。好みだ。

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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・6

2009-08-03 高橋 大輔

『懺悔録』ができるまでの日々を振り返っていきます。

収録するエッセイを決定し、早速文字起こし(残っているのは雑誌のコピーのみなので、テキスト化しなくてはなりませんでした)を依頼しました。
でも、エッセイだけでは弱い。
『懺悔録』『家畜人ヤプー』の作者沼正三が、「その死の直前まで執筆していた、最期のエッセイ集」ということを強調したかったのです。

「トーキングヘッズ叢書」という雑誌が、2006年5月、沼正三にインタビューを行なっていました(特集・奴隷の詩学「沼正三、マゾヒズムを語る」)。
亡くなる2年半前です。おそらく、これが沼正三の最後のインタビューです。
ここでは、沼正三が、戦後のカストリ雑誌で多くのペンネームを使ってマゾヒズムに関する原稿を書きまくっていたころのこと、そして『家畜人ヤプー』を完全匿名で執筆していたころのことを、包み隠さず、語っています。

版元である「アトリエサード」に連絡し、インタビュー記事を執筆した志賀信夫氏に再収録の許諾をとりました。
マゾヒスト沼正三の、最期の肉声です。

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『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』『懺悔録』『エロスの原風景』●紹介されました

2009-07-28 高橋 大輔

ブログ「本屋のほんね」で『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』を、雑誌『スーパー写真塾』(2009年9月号/コアマガジン刊)で『懺悔録』を、ブログ「赤尾晃一の知的排泄物処理場(わかば日記)」で『エロスの原風景』を紹介していただきました。

ありがとうございます。

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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・5

2009-07-24 高橋 大輔

『懺悔録』ができるまでの日々を振り返っていきます。

年明けから、収録する原稿をセレクトするために120回分のエッセイを、じっくり読んでいきました。
2004年以降からは、明らかに沼さんのテンションが落ちているのですが、
その分をざっくり切り取っても約90回分。

『懺悔録』には沼さんの実体験に関するエッセイをメインに収録することにしたので、
観念的なマゾヒズム論、テーマが似通っているものをカット。

すると、50回分くらいの原稿が残りました。
どれも捨てがたい……。

例えば、『懺悔録』の第一話には沼さんが女の足を舐めたい一心であんま屋を開業する話を収録したのですが、
その一つ前、沼さんが隣人である女性にあんまのプロのフリをして、全身をマッサージしたあげくに足の土踏まずに吸い付き、足指をやわ噛みしたときの話(この技を沼さんは『足舐め足噛術』と命名)。
これで味をしめたから、あんま屋を開業したわけです。

また、何回も沼さんがテーマに上げている「犬ボーイ体験記」。
「犬ボーイ健康正直不問年」という求人を新聞で見つけた沼さんが、
欧米人夫婦の家に、住み込みで犬の世話をする、使用人になる話。
「美しい婦人に、使い捨ての消耗品として扱ってほしい」という願望が見事に実現されています。

分量とテーマのバランスを考え、最終的にエッセイ28本と、最後の連載となった未完小説「化粧台の秘密」を収録することにしました。

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七海なな×殿村任香

2009-07-17 高橋 大輔

友人のカメラマン、殿村任香が明日ワークショップをやります。

彼女は、自分の母親が不倫している、つまり他の男とやりまくっている真っ最中を写真に撮り、赤々舎というところから『母恋 ハハ・ラブ』という写真集を出した。

ははは、すげー。
変な人です。
明日のワークショップでは、七海ななというAV女優を撮影するそうです。
以下、詳細です。

殿村任香ワークショップ「女体撮り」その一
七海なな×殿村任香
2009年7月18日(土)20時半開始
AKAAKAギャラリー 清澄白河 定員30名(先着順) 参加費2000円
・当日はデジタルカメラをご持参下さい。
また、撮影された写真はスライド形式で合評されたのち、ワークショップ終了後、撮影した画像はすべて消去させていただきます。
・ご予約はメール、またはお電話で(03-5620-1475)。タイトルに「殿村ワークショップ」と御付け下さい。

ぎりぎりの告知となってしまいましたが……。

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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・4

2009-07-16 高橋 大輔

『懺悔録』ができるまでの日々を振り返っていきます。

現在、沼さんの全権代理人である康芳夫さんは、1970年に『家畜人ヤプー』を初めて出版した都市出版社の一員でした。

出版当時、都市出版社には『家畜人ヤプー』を読んだ右翼が殴り込みに来たそうです。
それだけ不謹慎極まりない、小説だったのです(ちなみに日本人=白人女性の家畜、という設定です)。

康さんは、快く『懺悔録』の出版を了承してくれました。

ここからが大変だったのですが、まず、以前務めていたワイレア出版に行き、「S&Mスナイパー」のバックナンバーから沼さんの連載「ある異常者の体当たり随想録」(連載時は天野哲夫名義)をすべてコピーしてきました。
連載は約20年。240回分の原稿です。

過去、第三書館で既にまとめられたもの(『女主人の鞍』『三者関係の罠』)を省いても、100回分以上。全部を収録したら、四六判であれば800頁超の本になります。

収録する原稿をセレクトしなくてはなりません。年明けから、沼イズムにどっぷり浸かりました。

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『エロスの原風景』●紹介していただきました! その2

2009-07-16 高橋 大輔

7月の新刊、『エロスの原風景』を紹介しているウェブサイトを紹介します。

マガジンひとり

日刊サイゾー

皆様、ありがとうございます。

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『エロスの原風景』●紹介していただきました!

2009-07-06 高橋 大輔

『エロスの原風景』を、紹介しているウェブサイトを紹介します。

田亀源五郎’s Blog

ポットから『日本のゲイ・エロティック・アートvol.1』、『vol.2』、『君よ知るや南の獄』、『田亀源五郎【禁断】作品集』を発行している田亀源五郎先生のウェブサイトです。
田亀先生のSM描写、特に快楽責めの描写が大好きです。ノンケでもぐっとくる男は多いと思う。

イラストのクレジットの件……担当は、僕です。読んで、血の気が引くのが分かりました。イラストに入っていた「小田利美」という手書きの署名を「山田利美」と読んでしまいました……。勉強不足です! すみません!!

『エロスの原風景』p141上段のイラストは、「小田利美」氏の作品です。

大変失礼致しました。

WEBスナイパー

ライターの安田理央さんがレビューを書いています。

ofellabuta

関西で売れ行きがいいのはこの人のおかげかも……!
皆様、ありがとうございます。

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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・3

2009-07-06 高橋 大輔

週刊文春の書評に取り上げられたり、WEBで取り上げられたりで、順調に動いています、『懺悔録』

2008年の11月30日、沼さんは亡くなりました。
そのころ、僕はワイレア出版を退社したばかりで、毎日朝からビールを飲み、風呂に2時間浸かったり、昼寝したり、1日1日をうっちゃっていました。

ポット出版に入ったのは、12月のはじめです。
沼さんのスナイパーでの連載は、「多分、このままだとどこからも出ないまま雲散してしまう」と思っていたので、企画を出したら、通りました。

まず、沼さんの奥さんに手紙を書きました。
一度、是非お伺いして焼香させてほしい、という旨です。

翌日、編集部に奥さんから電話がかかってきて、「気持ちは嬉しいけど、本人の意向で、どなたもご焼香はお断わりしています」と伝えられました。
連載のことを聞いてみると、「私は彼の文章には一切関与していないので、そういう問い合わせは康芳夫さんに相談していただけますか」と言いました。

康さんは、『家畜人ヤプー』を1970年、最初に出版した、伝説のプロデューサーです。

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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・2

2009-06-24 高橋 大輔

『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

「もう、疲れた。今月で連載を終わりにさせてほしい。渡邊編集長に伝えていただけませんか」
と沼さんは言い、電話を切りました。

沼さんとお話をしたのは、これが最初で最後になりました。
以前は、雑誌の忘年会に出席し、「化粧品を作るために動物が犠牲になっているのを知っていますか? 女性の美のために命を失うなんて……僕にとっては本望です!!」とか、年末にどっぷり疲れる素敵な話をしていたそうです。

沼さんは、エッセイ「ある異常者の体当たり随想録」を1988年2月号から連載していました。
連載は、雑誌がDVD付きにリニューアルする2007年11月号まで続きました。

編集長に電話のことを伝えると、「沼さんは、屈強なマゾヒストだから、大丈夫だろう」とのことでした。
翌月も、何もなかったように原稿が届きました。
さすが、『家畜人ヤプー』の作者です。屈強なマゾヒストです。

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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌

2009-06-22 高橋 大輔

5月21日に発行された、『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

何度も書きましたが、以前SM雑誌の編集部に在籍していました。2004年から2008年までのことです。
その雑誌で『ある異常者の体当たり随想録』という、エッセイを連載していたのが、あの『家畜人ヤプー』の著者、沼正三(連載時は天野哲夫名義)です。
毎月毎月、素っ気ない封筒に入れられた、原稿用紙が編集長宛てに送られてきました。
毎月毎月、自身の赤裸々なマゾヒズム体験が綴られていました。

手書きの原稿に、赤鉛筆で校正記号を記し、印刷所に入稿します。ゲラが上がってきたら、イラストレーターさんにFAXし、レイアウトの調整をして再入稿。
毎月、機械的に行なう作業でした。

ある日、午前中に編集部に一人でいると、沼さんから編集長宛てに電話がかかってきました。
編集長はだいたい2時頃にならないと出社しません。
「もう、連載を辞めさせてほしい」
突然伝えられました。多分、2005年くらいのことです。

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松沢呉一『エロスの原風景』完成しました!!

2009-06-19 高橋 大輔

稀代のエロ本蒐集家、松沢呉一による『エロスの原風景』がついに完成しました。
ものすごくざっくり言うと、江戸時代に発行された風俗誌の原型『吉原細見』〜戦後のカストリ誌〜昭和50年代後半の自販機本まで、「日本のエロ出版史」を概観する資料性の高い一冊です。

昨年末から足かけ7ヶ月、やーっと完成にこぎつけました。

松沢さんに罵倒されたり、函のことで大失敗ぶっこいたりしましたが、ともかく完成、です。
お待たせした皆様、すみませんでした。月末には書店に並ぶ予定です。ポット出版に直接ご注文いただければ、すぐに発送いたします。
アマゾンでの販売は、こちら

写真は函に入った状態のものです。向きが合っているのを確認し、心底ほっとしました。

※7月12日の15時50分から、TIBFの版元ドットコムブースでは、松沢呉一によるトークショー「戦前、戦後のエロ本」を開催します。こちらも、是非!!

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