2009-08-03
沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・6
『懺悔録』ができるまでの日々を振り返っていきます。
収録するエッセイを決定し、早速文字起こし(残っているのは雑誌のコピーのみなので、テキスト化しなくてはなりませんでした)を依頼しました。
でも、エッセイだけでは弱い。
『懺悔録』は『家畜人ヤプー』の作者沼正三が、「その死の直前まで執筆していた、最期のエッセイ集」ということを強調したかったのです。
「トーキングヘッズ叢書」という雑誌が、2006年5月、沼正三にインタビューを行なっていました(特集・奴隷の詩学「沼正三、マゾヒズムを語る」)。
亡くなる2年半前です。おそらく、これが沼正三の最後のインタビューです。
ここでは、沼正三が、戦後のカストリ雑誌で多くのペンネームを使ってマゾヒズムに関する原稿を書きまくっていたころのこと、そして『家畜人ヤプー』を完全匿名で執筆していたころのことを、包み隠さず、語っています。
版元である「アトリエサード」に連絡し、インタビュー記事を執筆した志賀信夫氏に再収録の許諾をとりました。
マゾヒスト沼正三の、最期の肉声です。