2009-06-22

沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌

5月21日に発行された、『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

何度も書きましたが、以前SM雑誌の編集部に在籍していました。2004年から2008年までのことです。
その雑誌で『ある異常者の体当たり随想録』という、エッセイを連載していたのが、あの『家畜人ヤプー』の著者、沼正三(連載時は天野哲夫名義)です。
毎月毎月、素っ気ない封筒に入れられた、原稿用紙が編集長宛てに送られてきました。
毎月毎月、自身の赤裸々なマゾヒズム体験が綴られていました。

手書きの原稿に、赤鉛筆で校正記号を記し、印刷所に入稿します。ゲラが上がってきたら、イラストレーターさんにFAXし、レイアウトの調整をして再入稿。
毎月、機械的に行なう作業でした。

ある日、午前中に編集部に一人でいると、沼さんから編集長宛てに電話がかかってきました。
編集長はだいたい2時頃にならないと出社しません。
「もう、連載を辞めさせてほしい」
突然伝えられました。多分、2005年くらいのことです。