ポット出版

おかべよしひろ[東京レズビアン&ゲイパレード2005・2006実行委員長]●自分と重ね合わせてみて

 大阪生まれで大阪育ちの自分が、仕事の都合で東京に移り住んだのが1992年の春。あれからもう15年になりますが、その間に我々同性愛者をとりまく状況は大きく様変わりをしました。東京に来た頃は、まだゲイムーブメントとかゲイリ [...]

◎オンラインマガジン「SEXUAL SCIENCE」で伏見氏がインタビューを受けました。[『欲望問題』の評判]

◎オンラインマガジン「SEXUAL SCIENCE」で伏見氏がインタビューを受けました。
http://www.medical-tribune.co.jp/ss/2007-3/ss0703-1.htm

川西由樹子[ライター]●絶妙なパラフレーズに、汁まみれの感謝を

《どうしよう……あたし、すっかり熱くなってる。このままなにもかも、溶けて流れていっちゃいそう……》
『欲望問題』のプルーフ版を握り締めたわたしの手は、絶頂を迎える直前のように強張り、震えきっておりました。全身の汗腺という [...]

田辺貴久[ライター]●強く生きる自分を応援する優しい本

 いつだったか、運動会の徒競走で、順位を付けるのをやめて、みんなで手を繋ぎ合って一斉にゴールする映像を見たことがありました。かけっこが苦手な児童への配慮ということなのですが、なんだかその光景が妙に気持ち悪く映ったことをよ [...]

ホーキング青山[芸人]●伏見さんが提示した本質を芸人として庶民の目線で伝えていく

この本を読ませていただき、まず最初に感じたのは「なんて重い本だ」ということ(笑)。
正直読み始めたときは「これは重いし堅苦しいし、読みづらい本だなあ」と思ったが、読み進むうちに「ここまで書かないと伏見さんの考えは伝わり切 [...]

竹下真一郎[大学生]●他者と繋がろうとする切実さ

私の不勉強と読書内容の偏向のためであるが、本書は、伏見氏の論考、特に2000年以降の雑誌『クィア・ジャパン』やゲイ雑誌『Badi』への連載記事などの内容から外れるものではないように感じられた。私は、過去の著作からは、「正 [...]

大原まり子[小説家]●『欲望問題』を読んで感じた、3つのメモ

 この本を読んで、いろんなことを考えさせられました。
 メモのようなものですが、少し書かせていただきたいと思います。
(1)少年について 〜『鎮魂歌(レクイエム)』(グレアム・ジョイス)
 大人になる前の少年が好きだとい [...]

片岡義博[記者]●伏見さんへの手紙

編集部から●これは、伏見氏宛に届いた私信メールです。本人の了解を得たうえでここに紹介します。

こんにちは、伏見さん。片岡です。
このたびは、新著「欲望問題」を送っていただき、ありがとうございました。さっそく読みました。 [...]

野口勝三vs沢辺均ロング対談・最終回

最後に
『欲望問題』を勧める理由
沢辺●さて長い時間話して来たんですが、いままで議論したことの他に『欲望問題』をめぐって野口さんから言っておきたいことってありますか?
野口●繰り返しになりますが、自分自身の信念や理念が社 [...]

北原みのり[LOVE PIECE CLUB代表]●読後、もやもやした気分が続いている。

 「欲望問題」、むちゃくちゃ「絶妙」なタイミングで手にした。というのも、私、ちょうど、「差別問題って、ものすごーくめんどーだー!」な事態に直面していたものだったから。
 ラブピースクラブ(私が運営しているマンコ持ちのバイ [...]

野口勝三vs沢辺均ロング対談・第七話

共同性の意味をもう一度再考してみよう
━━『欲望問題』第三章「X-men」のエピソードから
沢辺●振り返って考えると僕はいま50歳だけど、10歳代から「家族帝国主義」という言葉も含めて、家族や共同性にからめとられるのにす [...]

野口勝三vs沢辺均ロング対談・第六話

それは社会に承認される可能性を持った主張か
━━これからの社会運動の命題
野口●僕の感じでいうと、人が社会性を獲得していくための前提条件は、沢辺さんが言われたように、自分の考えや意見を受け止めてもらえて、違和感も含めて率 [...]

尾辻かな子[大阪府議会議員]●声も出せない人がいることを忘れてはいけないと思う

伏見さんは、私がまだ自分のレズビアンとしての自分に正面から向き合えていない頃から、ゲイとして社会的な発信を続けてこられた大先輩にあたります。この度はその伏見さんの書評を書く機会を頂けて、非常に光栄です。しかし、私が伏見さ [...]

加藤 司◎柔らかい文体の中に仕掛けられた毒針が二十一歳の僕の胸をじくりと刺す

 二十一の私は、同性愛者による社会運動が活発だった九十年代を知らない。
 ゲイであると自覚した頃には、周囲の抑圧から苦しんでいる姿をそう見ることはなかった。例え過去の文献に触れ、当時を生きてきた人から話を聞いても、どこか [...]

伊藤菜子[フリーライター]●細くなくったって若くなくったってパンクスなのだ

伏見憲明さんが自身をパンクスだと表明した本だと思いました。「中野サンプラザまでクラッシュのコンサートに行ったこともあるのよー」と、以前聞いたことがあったので、へえ、伏見さんはパンクロックも好きなのねえと、漠然と思ってはい [...]

池田清彦[生物学者]●他人の恣意性の権利を侵食しない限り、人は何をするのも自由である。

最近、中島義道の『醜い日本の私』(新潮選書)と題する本を読んだ。中島は明大前や秋葉原の商店街が限りなく醜いと感じ、これに腹を立てない大半の日本人をなじっている。本のカバーには<この国には騒音が怖ろしいほど溢れかえり、都市 [...]

菅沼勝彦[メルボルン大学大学院生]●コミュニティと学問言説構築の架け橋となる

 一読し終えてのぼくの感想は、エキサイティングなほどにリアルな、そして現場からの響きを直接感じ取れるほどのプラクティカルな声を発する書ということであった。90年代初頭より日本ゲイ文化(またはクィア文化)の言説形成の担い手 [...]

野口勝三vs沢辺均ロング対談・第五話

相互の「自由」を実現させるには?
━━『欲望問題』のその先にあるもの
沢辺●それ、大変だよね。相互の自由をうまく調和させましょう、折り合わせましょうというところに立つこと自体がけっこう大変だよね。
野口●具体的に政治の決 [...]

山元大輔[生物学者]●欲望の価値

伏見憲明は、日本のゲイ・コミュニティーを代表する評論家・作家である。そして『欲望問題』。とくれば、ゲイ・レズビアン=被差別者・マイノリティーからの社会批判ないし告発、しかもどことなく爆笑問題を連想させるタイトルからは、伏 [...]

野口勝三vs沢辺均ロング対談・第四話

対話から問いを立て直していく
━━『欲望問題』の面白さ
野口●今言われたように、反権力をスローガンにした社会運動はよく普通の生活者の中に生きている「常識」や「普通」に対して、過剰に反応して「常識」って一体なんだ、「普通」 [...]