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[第13章●本の買い方読み方しまい方] 25… Cコード |
[2005.08.20登録] |
石田豊 |
ISBNコードの構造は前回までで述べてきた通りだが、本の裏表紙にはISBNと並んで「C1195 ¥857E」といったような形式のコードが並んでいる。これを(本稿では)「Cコード」という。 たとえば下の図(図1)のような感じ。 わざわざカッコ書きで「本稿では」なんていう注釈をつけたのは、実のところ、ホントに「Cコード」と言っていいのかどうかしらないからである。「Cコード」の「C」はおそらく「classification」のCであって、分類コードである。たしかに「C1195」の部分は分類を表わすが(だからCコードで間違いはないが)、「¥857E」の部分は価格を表わしているので、はたしてこの部分まで「Cコード」の一部とみなしていいのか、正確なところをしらないのだ。しかし、ま、とりあえず、ここではぜんぶひっくるめてCコードとしておく。 このCコードはISBNとあわせて表記される(のがルールになっている)が、ISBNではない。これは国内だけのコードである。 いまも述べたように、この「C」から始まる4桁はその本の分類をあらわす。4桁のうち、最初の1桁は「販売の対象」、2桁目が「形態」、あと2桁が「内容」である。 最初の1桁は
という分類になっている。 4は従来は空き番であったが2002年から教科書にもISBNコードを振ることになり、4が「教科書・非課税品」に割り当てられた。小中高校で使われる学校教科書は非課税なのである。 コミックスは「雑誌扱い」となっている。 2桁目は
3-4桁目 これは手元に詳細を記した資料がないので企画 本 独楽やCyberLibrarianに記載の情報を参考にさせてもらいながら記すと、
となっている。このCコードもまた、何度も述べている「ある種のあいまいさ」を含んでいる。例えば拙著「MySQL入門以前」は、タイトル通りプログラムって何よ、という人を対象に書いたものだが、Cドードは「C3055」、つまり、専門−単行本−情報通信ということになる。なんだかむちゃむちゃ恥ずかしい。 この分類コードの後ろにくるのは価格のコードである。上の図の例では税別で857円ということになる。ここの部分について、本箱をみると別パターンの本がたくさんあるよとおっしゃる方もあるだろう。それはこういった感じである(図2)。 図1では「857E」となっていた部分が、図2では「P450E」となっている。Pの方は「消費税3%を含んだ金額」だ。 1997年に消費税率が3%から5%に引き上げられた。それまではCコードの価格部分はこのように税込金額を表示していたのである。当時、ぼくはあほなことするなあ、と思っていた。消費税率が変わったらどうするんだろう、と。案の定、消費税は上がった。で、今度はやはり前車の轍を踏まず、外税方式の表示に変わった。この際に「P」が「¥」になったのである。 だから実務的には、価格コードのところに「P」があれば、その後ろの数字を1.03で割ったものが本体価格になり、「¥」のものはそのまま本体価格と見なせばよい。 なお、2003年に総額表示が義務づけられたが、書籍はその例外ということになっており、いまでも上の図を見てもあきらかなように「+税」と書かれているだけだ。 ISBNおよびCコードは日本では裏表紙にOCR-Bという名前のフォントを使って印刷するように定められている(市販される書籍に限るが)。後述する(予定)が、2007年の13桁化にともない、このフォントの規定は撤廃される。つまり13桁化移行以後はOCR-Bを使わなくてもよくなる。 このフォントがらみで付記すると、コードの中の「¥」は円マークではなく、横棒が1本のものでなくてはならないと言い張る人がよくいるが、それは誤り。たしかに裏表紙に記載されているコードの中では、横棒が1本になっているが、これは単にOCR-Bというフォントののデザイン(字体)がそうなっているだけのことだ。大文字の「I」が1本棒のフォントもあれば、「エ」に似た形になっているフォントがあったりするのと同じことで、ま、このフォントの「書き癖」であるに過ぎない。文字コードとしてはあくまで「¥」 で、コードの最後の文字。価格の最後のところは、橋本総理以前も以降も、すべて「E」で終わっている。これは「コードの終わり」を意味する。なぜ「終わり」を宣言しなければならないかといえば、価格コードの桁が決まっていないからである。上に載せた図はどちらも文庫本のものであり、1000円以下のものだから、「¥857E」「P450E」であるが、1000円を超える本なら「¥1280E」、1万円を超える本の場合は「¥15000E」という具合に記載されている(10万円を超える本がどうなっているかは、ぼくは知らない。そんな本、持っていないからである)。 このように価格によって桁数が変わってしまう。そのため、ここが最後ですよということを明示的に宣言しないと読み取りミスが発生する可能性が出てくる。そこでコードの最後に「E」を置きましょうというルールになっているのだ。 ただ、教科書に関してはおもしろい現象が見られる。教科書の価格コードは0になっているのだ。図3は数研出版の「高等学校 物理II」(平成17年)のコードである。Cコードの1桁目が「4」と、「教科書・非課税品」であることを示している。「」以降はとみると「¥00000E」となっている。ちなみにこの教科書にはどこにも価格記載がない。よって書店の棚(大きな書店の一部で教科書は普通に市販されている。ぼくもそうして買った)から抜いてきて、レジで、ホラ、コードも0になっているし、価格の記載もないから、これはタダだと強弁してもだめだ。ちゃんとお金を取られる。 これはいわゆる「実務上の方便」ってやつで、ここに価格をコード化しておくと、機械読み取りで誤って消費税を加算して請求してしまうことがあるだろうから、わざと「非課税品の価格はコード上には記載しない」ということにしてあるのだろう。POSレジが「0」を返してきたら、注意して人力で入力しなさいということだと思う。 以上でISBNコードの部分は完了だ。次回からはその隣に印刷してある書籍JANコードと、13桁への移行の話題になる。 |
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