伏見 憲明

作家。 1963年生まれ。 著書に『魔女の息子』(第40回文藝賞受賞/河出書房新社)、『さびしさの授業』(理論社)、『ゲイという[経験]増補版』(ポット出版)ほか多数。 編集長として『クィア・ジャパン vol.1〜5』(勁草書房)、『クィア・ジャパン・リターンズ』(ポット出版)を刊行。 詳細なプロフィールへ→

『被差別部落のわが半生』

著者は60代も半ばになる部落解放運動の活動家。そういう方の半生っていったい……とそれこそ偏見まじりに読み始めたら、これがホント面白い。とりたてて特別な活動家の履歴書ではないのだけど、読ませる。それはきっと、山下力さんの人 [...]

ナマナマしい?

とある外国から旅行にいらした親日派のゲイの方が、目を丸くして驚いていました。「母国に比べて、日本のハッテン場はナマでやっている人がすごく多い!!」。その人、今回、関東と関西の現場をからだを張って取材して回ったそうです(ど [...]

急報!!

大変です! 信じられません! 本日の京都精華大学での講演で、『脱アイデンティティ』(勁草書房)の編者として、「アイデンティティ」概念の歴史化運動に取り組んでいらっしゃる上野千鶴子・東大教授が、こう発言されたそうです!
「 [...]

マッサージ

伏見は「マッサージ評論家」になれるほどマッサージを受けてきた。いままでそれにつぎ込んだお金は、マンションの頭金くらいには軽くなるだろう。日本各地ではもとより、北京ではカンフーっぽい兄貴に「アチョー」と構えられ、ニューヨー [...]

いただいたご本『カーミラ vol.10』

今号で廃刊とのこと。版元の意向ではなく、スタッフサイドの決断なので、残念としかいいようがない。「カーミラ」はレズビアン・カルチャーに、エロとエンターテイメントを持ち込んだ画期的な雑誌だった。「どーせエロでしょ」みたいな偏 [...]

再会

資料にする本を買うために大宮のジュンク堂書店まで出かけ(←ローカル)、その後、現在メルボルンで暮らす旧友(写真の手は彼のもの)とお茶をする。彼はお正月休みで久しぶりの日本だった。仕事が終わらない上に母が風邪で寝込んでいて [...]

真夜中のデニーズ

近所のデニーズでパン!セの担当編集者の清水檀さんと打ち合わせ。彼女は(六本木ヒルズが見える)都心に住んでいるのだけど、わざわざ埼玉くんだりまで車できてくれたのだ。大した物書きでもないのに、編集者を呼びつけるのもどうかと思 [...]

一生懸命

この頃めっきり涙もろくなった。年末の「女王の教室」の総集編を見て泣き、箱根駅伝を見て泣き、今日も高校サッカーの決勝戦を見て号泣。いったいどうしたんでしょう、伏見は。
どうも、一生懸命っていうことに涙腺が緩むようだ。”観客 [...]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

時間がなくて斜め読みもいいところだったのだが(ほとんどめくってるだけ)、とりあえず、最後までたどりつく。そうか、そういうことだったのか、とさまざまな謎が解かれて満足する。実は、本を読んだのはこれが初めてで、著者の豊穣とし [...]

誘惑

子供の頃から帽子が苦手だった。根っからの脂症のせいか、帽子をかぶると頭がすぐに蒸れてしまうので、夏でも冬でもこれまでいっさいかぶったことがない。ところが、今年の冬はさすがに寒さがこたえて、近くのロジャースボールでニットの [...]

舌の根も乾かぬうちに

舌の根も乾かぬうちに、たぁこのことさ! はいはい、やってしまいました、パチンコ初打ち。だって、大晦日も三が日もなくパン!セの原稿を書いていたんだから、とりあえず脱稿したご褒美にってことで、近所のパーラーへ。もうねえ、チン [...]

いただいたご本「理想の教室」

「みすずのシマハラです」
とお電話をいただいたとき、ん? どこのスナックからだ、と一瞬思った伏見は、本当に恩知らずである。
みすず書房の島原裕司さんは以前、勁草書房にいて、そのときクィア・ジャパンの企画を立ち上げてくれた [...]

お守り

大晦日から京都へデート旅行に行っていた母が、お土産を買って来てくれた。三十三間堂のお守り。相棒の分と二つ(←気遣う姑)。信心深いほうではないので、若い頃はこういうものをもらっても嬉しくもなかったが、いまは母心が身に染みる [...]

固有名詞の世界

僕は固有名詞が苦手だ。人や物の名前をなかなか覚えないし、テレビCMでもそれが何の商品をあつかっているものだかほとんど知らない。関心があまりないのだ。
物事を骨格で捉えるような思考が染み付いて、骨と骨の間にある肉の部分が視 [...]

賀春

明けましておめでとうございます
新年いかがお過ごしでしょうか
伏見はただいま、パン!セの第二弾を書き下ろすために、部屋にこもって原稿を書いております。正月明けには書き上げる約束なので、もう必死です。そのあともすぐに人間学 [...]

大入り御礼!

『同性愛入門』PDF版の公開から一週間、このサイトのカウント数が(16884.7/日)に跳ね上がっていることが判明しました! これ、一日の平均だからね。前の週の4倍以上。今回の企画で5000くらいは超えると予想していまし [...]

いただいたご本『死ぬのは、こわい?』

よりみちパン!セの最新刊は徳永進さんの『死ぬのは、こわい?』。「にんげんは なにかをしなくては いけないのか はなは ただ さいているだけなのに それだけで いきているのに」。なんとも言霊のあるコピーに惹かれる。イラスト [...]

いただいたご本『脱アイデンティティ』

「人はアイデンティティなしでは生きられないのか? 一貫性のある自己とは誰にとって必要なのか? 賞味期限切れの概念に問題提起」と帯に書かれている。装丁といい、コピーといい、読者の興味をそそる上手い本作りだ。さすが上野千鶴子 [...]

過去供養

無精の伏見がなんで散歩を続けられているかというと、コースの途中に猫たちの家があって、彼らに会うのが楽しみだからだ。たぶん、そこにいるのは心ない人々が捨てていった捨て猫たちだと思われ、数匹でいっしょに暮らしている。道からち [...]

いただいたご本『甘茶日記』

中野翠さんとは10年以上も前「思想の科学」誌上で対談して以来の、細くて長いお付き合いである。本を送っていただいたり、たまに試写会場などでパッタリ会ってお話しする程度のことだから、お付き合いというほどの関係ではないかもしれ [...]