いただいた雑誌「TOMARI-GI」
HIVの啓発のために制作され、ゲイバーなどに配布されている季刊誌。発行しているのは、厚生労働科研「エイズ予防のための戦略研究MSM首都圏グループ」。エフメゾにもいつも、編集を担当している永易至文氏が持ってきてくれる。
HIVの問題はゲイバーでは表面上はトピックにはならないが、実際は水面下でお客さんとスタッフの間でいろんな情報が交わされている。なかなか自分のことを語れない感染者が、ふと思いを吐露してしまうのがゲイバーであることは珍しくない。ゲイバーはそうしたメンタルケアの場としても機能しているし、またHIVの情報やメッセージを伝える広報の役割りも担っている。そうした活動の「前線」にいるゲイバー・スタッフに向けた媒体がこの「TOMARI-GI」である。感染者の切実な手記、検査所などの情報、啓発に関わっている人たちのインタビュー等々が掲載されている。
費用対効果を考えれば、こうした冊子は「事業仕分け」の対象にならざるをえないかもしれないが、こうした啓発活動にはキメ玉はなく、「やらないよりはやったほうがまし」という行為を積み重ねていくしかない。本誌もその一端を担っていると言える。日本ではHIVの感染率数は増加しているとはいえ、こうした地道な活動によって、欧米に比べて感染者数自体はかなり少なくなっているのだと思う。啓発活動に関わってきた人たちの実績を低く見積もる必要はけっしてない。
が、感染者は日々増えている。年々増加している。先日もエフメゾで、ゲイでもありHIVの医療者でもある人が、その状況にとても危機感を抱いているとこぼしていた。そしてゲイであることと、医療者であることの狭間にいることの難しさを嘆いていた……。日本ではたぶん、HIVの問題もゲイ差別の問題も、これからが正念場になるのかもしれない。

横のつながり、同世代のつながりを得ることは、学校でも職場でも比較的容易にできるが、異なる世代同士で平場の関係、心地よい縦のつながりを得る機会はあまりない。まず、出会いの場がないことや、共通の関心を見つけることが難しいという問題。かつての二丁目では異世代間コミュニケーションはけっこうありえたが、昨今ではゲイの業界も生息域が傾向と対策別に分かれて、似たような人たちが似たような場で集まる傾向が強くなっているように思える。あるいは、多様化が進み、ゲイという共通項だけでは「仲間」だとは思えなくなって、集うモチベーション自体も希薄になってきているかもしれない。
先週のエフメゾはパーティだったので、BGMは、四十六歳の伏見ママとしては目一杯若ぶってみました。エスム先生にも「よくがんばりました」と褒められた。テヘッ。という話しを夜中、あるお客様の前でしたら、「でもなんでカイリー・ミノーグがかかってるんですか?」と驚かれた。三十代半ばの彼にしたら、「Step Back In Time」は大学時代に好きだった懐メロらしい。一方、ママにしたら、その曲はとっても今風で「なんか先端っぽくてカッケェ!」という感じで iPODにセレクトしたのであった。
ママは別に謙虚な性格ではないのだけど、いや、本質的には傲慢な性格にもかかわらず、年を重ねれば重ねるほど、若い人たちに「教わっている気分」になってきて、「先輩感」というのは失っていったような気がする。自分としては三十代半ばくらいがいちばん“偉そう人格”だったように思うんだけど。これ、ほんとなんです。だって、多少へ理屈をこねることにはたけていても、パソコンについてまったくわからないし、ネットはちゃんと使えないし、ポップカルチャーには遅れているし……。それに実際、貯金も身分もないから、若い人に自慢できるものもないしね(←それは痛い)。
先日のエフメゾの「女装祭り!」は大盛況でした。まあ、ああいうイベントはお客様は入っても、人件費や諸経費がかかるので、そんなに儲けにはならないのだけど、ちょっと前にママが「CR遠山の金さん」で勝ったあぶく銭を太っ腹にも全投入し、いつものご愛顧にお応えした次第です。←かなり恩着せがましい←そしてただのパチンコ依存症(笑)
むかし、「クロノス」のマスター(故人)に言われた。
アイドルとは何か? ある社会学者の方からもらった年賀状のなかに、年末にアイドルのコンサートへ出かけて、そこには社会学的に考察すべき事柄がたくさんあったと記されていた。たしかにジャニーズをはじめ日本のアイドルってもっと論じられるべき、まさにジェンダーとセクシュアリティの交叉する現象だと思った。
エフメゾのクリスマスイベントはおかげさまで大盛況のうちに終わりました! 17:00-の大塚隆史さんを招いたトークイベントは、ご著書「二人で生きる技術」の内容を中心に、パートナーシップと性愛との関係、関係性の「技術」とは何か?……といったテーマに話しが展開しました。コメンテータのノンケ女子、広瀬桂子さんのぼけっぷりもよく、ほどよい緊張感と、暖かい共感の空気のなかで、09年のエフメゾのトークイベントを終えることができました。けっこう「通」の方からも面白かったと感想をいただいて、忙しくてテンぱりながら司会をしていたママとしてはちょっとホッとしました。
本日はエフメゾの「エヴァ部」の「東のエデン」分科会!
年末なんで、一瞬、09年のエフメゾを振り返ってみる。
インタビュー「人気ブログの著者、うたぐわさんってどんな人?」(09.9.23 エフメゾにて)
10月からエフメゾではおでんをメニューに入れることにしました。それで練習をしていたのですが、おでんって料理はなかなか奥深く、味付けがむずかしいですね。まあ、値の張る具材を買ってくれば単純に美味しくなるだろうけど、採算を考えるとそういうわけにもいかず(カレーはじめエフメゾの食べ物は採算度外視ではあるにせよ)、老母と二人で試行錯誤の一週間。結局、たいして上達はしませんでしたが(笑)、明日(9/30)は試食会というのを催し、お客様にご意見をお伺いすることにしました。具材にかぎりがありますので、なくなり次第終了になりますが、無料提供ですので、ぜひ感想をお聞かせください。