エフメゾ日記

いただいた雑誌「TOMARI-GI」

tomarigitomarigi.jpgHIVの啓発のために制作され、ゲイバーなどに配布されている季刊誌。発行しているのは、厚生労働科研「エイズ予防のための戦略研究MSM首都圏グループ」。エフメゾにもいつも、編集を担当している永易至文氏が持ってきてくれる。

HIVの問題はゲイバーでは表面上はトピックにはならないが、実際は水面下でお客さんとスタッフの間でいろんな情報が交わされている。なかなか自分のことを語れない感染者が、ふと思いを吐露してしまうのがゲイバーであることは珍しくない。ゲイバーはそうしたメンタルケアの場としても機能しているし、またHIVの情報やメッセージを伝える広報の役割りも担っている。そうした活動の「前線」にいるゲイバー・スタッフに向けた媒体がこの「TOMARI-GI」である。感染者の切実な手記、検査所などの情報、啓発に関わっている人たちのインタビュー等々が掲載されている。

費用対効果を考えれば、こうした冊子は「事業仕分け」の対象にならざるをえないかもしれないが、こうした啓発活動にはキメ玉はなく、「やらないよりはやったほうがまし」という行為を積み重ねていくしかない。本誌もその一端を担っていると言える。日本ではHIVの感染率数は増加しているとはいえ、こうした地道な活動によって、欧米に比べて感染者数自体はかなり少なくなっているのだと思う。啓発活動に関わってきた人たちの実績を低く見積もる必要はけっしてない。

が、感染者は日々増えている。年々増加している。先日もエフメゾで、ゲイでもありHIVの医療者でもある人が、その状況にとても危機感を抱いているとこぼしていた。そしてゲイであることと、医療者であることの狭間にいることの難しさを嘆いていた……。日本ではたぶん、HIVの問題もゲイ差別の問題も、これからが正念場になるのかもしれない。

縦と横のつながり

mfmap.gif横のつながり、同世代のつながりを得ることは、学校でも職場でも比較的容易にできるが、異なる世代同士で平場の関係、心地よい縦のつながりを得る機会はあまりない。まず、出会いの場がないことや、共通の関心を見つけることが難しいという問題。かつての二丁目では異世代間コミュニケーションはけっこうありえたが、昨今ではゲイの業界も生息域が傾向と対策別に分かれて、似たような人たちが似たような場で集まる傾向が強くなっているように思える。あるいは、多様化が進み、ゲイという共通項だけでは「仲間」だとは思えなくなって、集うモチベーション自体も希薄になってきているかもしれない。

そんななか先日、母校出身のゲイやレズビアンなどで集う会を立ち上げる、という話しを聞きつけ、面白そうなので参加してみた。50代から20代の現役学生までの、大学を同じにしているということと、性的少数者であることを共通項にした集まり。主催者がネットなどでは宣伝せず、口コミだけで情報が流れたにしては、けっこうな人数が集まり、会場はとても盛況で、みんな会話もはずんでいた。一次会だけでは時間が足りず二次会に流れた人たちもかなりいた。たまたま隣り合わせて座った者同士が同じ業種だったり、現役の学生と何十年も前に卒業した先輩が言葉を交わすことができたり……なかなか楽しい場であった。伏見が大学生の頃には、こんな集まりが将来ありうるなんて、想像もできなかった。

エフメゾでもときどき思うことだが、ゲイバーのよさは同じ性的嗜好の者同士が集えるということだけではなく、職場や学校では知り合えないようないろんな世代の、いろんな立場の人と同じ目線で話せることだと思う。そんな関係のなかで、会社での悩みを年配の人に聞いてもらいアドバイスをもらったり、おばさんが若い世代の新しい文化に触れたり、異なる業種の者同士が情報を交換したり……案外豊かなものが得られたりするのだ。だから、同世代の連れだけで盛り上がりたいときにはエフメゾは向かないかもしれないが、もっと人間関係の幅を広げたいという人には、きっと心地よい空間になるだろう。いや、そういう場になるべく努力をしていきたい。

3/10(水)は17:00(−19:00 カフェタイム)から営業をしています。おでんや、カレーやハヤシライスもありますので、お食事もできます。帰宅途中にふらりと寄ってください。04:00まで営業している予定ですが、深夜はお客様がいなくなり次第、看板を消してしまいます。

青山ブックセンターでトークイベント


以下、青山ブックセンターで行われるトークイベントのパブです。

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■『リハビリの夜』(医学書院)刊行記念
中村うさぎ×伏見憲明×熊谷晋一郎トークショー
「ままならない身体をかかえて生きていく、ことの官能」

熊谷晋一郎さんは東大医学部卒業のエリート医師にして脳性まひ当事者。幼少期から受け続けてきたリハビリ中に、身体に立ち上がってくる“めくるめく感覚”を克明に綴ったのが『リハビリの夜』です。
本書を読んだ中村うさぎさんは、女性としての自分も同様に「恥辱感と劣等感にがんじがらめに縛られつつも、奇妙なM的エロス妄想を育んできた」と語り、トレーナーの視線を意識するあまり身体が硬く縮こまって不自由になるという一文に、「ああ、セックスしているときに私と同じだ」と強い共感を示します。
伏見憲明さんは本書について「今後マイノリティを論じる上でも、セクシュアリティを論じる上でも、障害を論じる上でも、コミュニケーションを論じる上でも、本書を抜きには何も語れない。希有な思想書にして私小説だ」と評価します。
う〜ん。一体何がそんなにすごいのか!?
「ままならない身体をかかえて生きる」エキスパートたちによる、官能的トークバトル!!

<プロフィール>
中村うさぎ
1958 年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文科卒業後、OL、コピーライターを経て、小説家に。数多くのエッセイ、ルポルタージュも発表。主な著書に『ショッピングの女王』(文藝春秋)『美人になりたい』(小学館)、『オンナという病』(新潮社)など。最新作に『こんな私が大嫌い!』(理論社、よりみちパン!セ)、『狂人失格』(太田出版)がある。

伏見憲明
1963 年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1991年に『プライベート・ゲイ・ライフ』にてゲイであることをカミングアウトし、90年代のゲイ・ムーブメントに大きな影響を与える。2003年に『魔女の息子』で第40回文藝賞を受賞して小説家としてもデビュー。最新作は『欲望問題』(ポット出版)。4月初めに『団地の女学生』(集英社)を刊行予定。

熊谷晋一郎
1977 年山口県生まれ。新生児仮死の後遺症で、脳性まひに。以後、車いす生活となる。東京大学医学部卒業後、埼玉医科大学小児心臓科などを経て、現在クリニックで小児科医として勤務。東京大学先端科学技術研究センター特任講師。綾屋紗月氏との共著に『発達障害当事者研究』(医学書院)がある。

<書籍紹介>
『リハビリの夜』
刊行:医学書院
A5/258頁/2,100円(税込)/2009月12月発売

現役の小児科医にして脳性まひ当事者である著者は、18歳のとき、それまで幼少期から毎日欠かさず行ってきたリハビリをやめた。「健常な動き」を目指すことを諦めたのだ。
都会で一人暮らしを始めた著者は、しかし意外なことを発見する。《他者》や《モノ》たちが、《私》の身体を突き動かすのだった。
女子との腹這い競争に負けたときに襲ってきた強烈な刺戟、リハビリキャンプでトレーナーからの授けられた快感と恐怖、初めて電動車いすに乗ったときのめくるめく感覚——。
身体接触をたよりに「官能的」に自らの運動を立ち上げるまでを、鮮烈な文体で語り尽くした驚愕の書。

■2010年3月26日(金)19:00〜20:30(開場18:30〜)
■会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山 

■定員:120名様
■入場料:700円(税込)
■参加方法:2010年3月3日(水)10:00より
 [1]青山ブックセンター本店店頭にてチケット引換券販売
[2]青山ブックセンターオンラインストアにて オンライン予約
(入場チケットは、イベント当日受付にてお渡しします。当日の入場は、先着順・自由席となります。)

http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201003/20100326_rehabilitation.html

いただいたご本『じりラブ』

● うたぐわ『じりラブ』(集英社) 1000円

多様化と拡散化が進行する0年代のゲイたちのリアリティをつかまえるのは難しい。ましてや「ゲイ」という言葉を使った途端、「アイデンティティなんて時代遅れだー!」と批判をされかねない昨今だ(←これも恐怖のワンパターンだけど)。世間一般で目につくのは、芸能界や繁華街に跋扈するオネエキャラだし、社会運動的には「ハートをつなごう」に見られるような「悩める同性愛者」像。あるいは、言説の場では、フーコーやバトラーに官能したポストモダニストがルサンチマンをはらしている。だけど、いちばんのボリュームゾーンであるところの、リーマンゲイの機微を掬った表現はこれまでほとんどなかった。

作者のうたぐわさんはサラリーマンとして長く働き、ゲイコミュニティのリーダーとしても活動してきた。そんな彼が、ゲイであること、ゲイの日常、会社生活、パートナーとの関係性、世間の偏見、友人との関係、差別の解消の仕方……などについてコミックにしたためたのがこの『じりラブ』だ。ゲイの入門書としても秀逸だが、一般の人が読んでも「これ、これ、わかるー!」というふうにエンターテイメントにしているところがすばらしい。

もちろん、オープンリーに生きるうたぐわさんのケースが、ゲイの一般的なサラリーマン像とは言い難いが、こうやって会社で生きることができるというモデルケースであることは間違いない。その秘訣を満載した本書は、きわめて実践的なゲイ本だといえる。やはり日本では、少数者にとって社会は敵だー!という世界観ではなく、友だちになって味方にしてしまったほうがお得、という戦略のほうが差別の解消には有効だろう。表現物や笑いにはそうした力があることを本書は教えてくれる。

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ゲイの学生さんにはママから二杯目をごちそうします!

木曜日のタックスノットを担当している永易至文さんが、先週からバーのコンセプトを「生活相談バー」というのにして営業しているらしい。彼は『同性パートナー生活読本』(緑風出版)の著者であるだけに、同性カップルが生活していく上での知識やアイディアならお手の物。それを売りにしてゲイバーをやるなんて、してやられたり! 

ネットはじめゲイ同士の出会いの場がたくさんあり、ゲイである意識すら希薄になってきた今日、漫然と二丁目で店を開けていても、誰も立ち寄ってはくれない。ましてやお金なんて落としちゃくれない。そこにわざわざ出掛けて行くスペシャルな理由が必要なのだ。しかしその看板を編み出すのは大変ー!

翻ってエフメゾのことを考えてみると、ママの色気が売りでないことはたしかだけど(笑)……いったい何が売りなのやら。考えてみたら、お客様がエフメゾをどういう場として捉えているのかもわからない。ということで、今週のパブ記事のために、一部お客様に「あなたにとってのエフメゾとは?」という質問をしてみた。ハンドルネーム、ジェンダー/セクシュアリティ、身長/体重/年齢、好きなタイプ、のあとに(ツイッターと同じ)140字以内で答えてもらった。まあ、皆様、けっこう気を遣って書いてくださったみたいだけど(笑)。まだご来店いただいていない方には以下を参考にしていただきたい、と。

あ! その前に。2/24、3/3(水)のエフメゾは、ゲイの学生さんにはママが二杯目をごちそういたします!(ただし、ソフトか焼酎割りにかぎる) 春休みの太っ腹企画なので、ぜひご来店ください。サービス、サービス!(葛城ミサト)

mfmap.gif● 名前 T
ジェンダー/セクシュアリティ 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 170/62/28
好きなタイプ ガッチリな年上

「「出会い酒場」とにかく色んな人がやってきます。(よくも悪くも)。ボックス席だと会話せざるをえません(よくも悪くも)。でも、そんな状況だから思わぬ発見が多いです。面白い考え方に巡りあったり、意外な人がタイプだったり。初対面の人とこんなに話ができる雰囲気の店って、少ないと思います。ただタイプの男は少ないですw」

● 名前 イカロス
セクシュアリティ/ジェンダー 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 166/58/29
好きなタイプ 童顔でガッチリ〜ポッチャリな人(例:松阪大輔)

「刺激をもらえる場であると同時に安心感を得られる場所。いろいろな職業、年齢、価値観の人に出会えて話ができるので、刺激を受けるし、自分の話もきちんと聞いてくれるので、安心感を得られるから。あと、意外と(?)タイプの人に出会うことが多いので、そういう期待も抱かせてくれる場所かな」

● しゅ
セクシュアリティ/ジェンダー 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 170/55/25
好きなタイプ ガタイが良くて笑顔が魅力的な人

「エフメゾは僕が1年前にゲイバーデビューした場所です。エロトークから勉強になる話しまでみんなで盛り上がれていつも時間が過ぎるのが早い!普段隠している自分をこんなに曝け出せる所が今まで無かったのでホントに楽しいです。学生なので金銭的に厳しいですが(笑)、毎週行きたいお店です♪ 」

● 司
セクシュアリティ/ジェンダー 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 168/75/24
好きな相手のタイプ 年上の男性。絶倫歓迎。

「脱法なドラッグをお供に連れて、都内の発展場を巡り、果てやホテルで乱交とそんな汁まみれの自分が快楽を求めてたどり着いた場所。お客様とのお喋りは、そこらでセックスするよりも断然気持ちいいです。ただ店子のクセに色気もなく、若さも後輩にお株をとられ、そろそろ暇を出されそうです。」

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バンパイヤとして生きてます

1407775569_251s.jpg先週のエフメゾはパーティだったので、BGMは、四十六歳の伏見ママとしては目一杯若ぶってみました。エスム先生にも「よくがんばりました」と褒められた。テヘッ。という話しを夜中、あるお客様の前でしたら、「でもなんでカイリー・ミノーグがかかってるんですか?」と驚かれた。三十代半ばの彼にしたら、「Step Back In Time」は大学時代に好きだった懐メロらしい。一方、ママにしたら、その曲はとっても今風で「なんか先端っぽくてカッケェ!」という感じで iPODにセレクトしたのであった。

ママだって若いときには全米トップ40(←これも古いけど)を欠かさずチェックするようなチャートマニアで、時代のいちばん新しいところに官能する感性をちゃんと持っていた。それがいつから更新されなくなったのか……。たぶん、そういうのって、過去のポップナンバーのどこまでを「いま」として感じるかでわかるのだと思う。ということで振り返ってみたら、ママは、マドンナを例に挙げれば、「Papa Don’t Preach」(1986)はちょっと古い気がするけど、「Vogue」(1990)なら全然新しい感じがするのだ。つまり、ママの感性は二十年前から更新されていませんでした! あーん。

そんなふうに大方、人の感性とかリアリティってある時代で更新をやめてしまうものなのだ。まあ、音楽とかなら趣味の問題として済ませられるが、これが価値観とか時代性へのシンクロ率となると弊害も出てくる。とくにママの場合、物書き業もやっていたりするので、時代の感性=リアリティを思考に繰り込むことは職業上重要になってくる(べつに、“いま”がすべて正しいわけでも、なんでも新しいものが優れているわけではないけど)。それで、これまでも、なるべく若い世代に取材したり、感性的に豊かな子たちに接したりするように努力してきた。ブルボンヌ先生やエスム先生などは、ママのそういう戦略ゆえこちらから接近していった方々だ(ごちそうさま!)。その彼らが三十代になると、ママのターゲットはたなべね先生やぼせ先生の世代になり、この子たちが社会人になると(子供だった彼らもいっぱしの社会人!)今度は……と続き、現在は、アンジェラ世代がママの“チューチュー行為”の草狩り場になっている。←なんだか自分がバンパイヤに思えてくる

1407775569_215s.jpgママは別に謙虚な性格ではないのだけど、いや、本質的には傲慢な性格にもかかわらず、年を重ねれば重ねるほど、若い人たちに「教わっている気分」になってきて、「先輩感」というのは失っていったような気がする。自分としては三十代半ばくらいがいちばん“偉そう人格”だったように思うんだけど。これ、ほんとなんです。だって、多少へ理屈をこねることにはたけていても、パソコンについてまったくわからないし、ネットはちゃんと使えないし、ポップカルチャーには遅れているし……。それに実際、貯金も身分もないから、若い人に自慢できるものもないしね(←それは痛い)。

なので、いまは若い人たちに疎まれないように少しでも老化を食い止めることが至上命題。そういう意味で、エフメゾをはじめたのは本当によかった。新しい感受性が向こうからやってきてくれる! いやあ、おかげで少しは時代を更新することができる(はず)。でもそれに甘えず、こちらも加齢臭をできるだけ抑えなければならない。

ということで、今週2/10(水)のエフメゾの音楽特集はママ的には未来音楽! Lady GAGAさんやPINKさんをガンガンかけちゃうもんね。つか、早速レンタルしてきたんだけど、すでにどっちがどっちだかわからない(汗)。でもママは努力家、あの苦手だったビヨンセ様のイキどころさえ最近体得したので、きっと大丈夫! 10日は休日前の夜なので、週末気分でゆっくり遊びに来てください。もしかしたらいつもとちょっと客層も違うかもしれないので、愛が生まれたりして……。ちゅーか、先週はノンケカップルが見事、誕生したエフメゾでございました(笑)。

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女装、褌、巨根でごくり…

fmfjoso___05.jpg先日のエフメゾの「女装祭り!」は大盛況でした。まあ、ああいうイベントはお客様は入っても、人件費や諸経費がかかるので、そんなに儲けにはならないのだけど、ちょっと前にママが「CR遠山の金さん」で勝ったあぶく銭を太っ腹にも全投入し、いつものご愛顧にお応えした次第です。←かなり恩着せがましい←そしてただのパチンコ依存症(笑)

とにかくエスムラルダ先生のショーは素晴らしかった。ずいぶん長い間、先生のショーを観てきたママですが、今回のは着替えの間に「華原朋美のPV のパロディ」を挟んだ演出も含めて、なにか新境地に達しておりました。黒柳徹子のショーは犯罪ギリギリ、というかまさに犯罪(笑)。会場も拍手喝采、ノンケが多かったのにノリノリの盛り上がり。先生の場末な芸風がメゾという空間に見事にマッチしておりました。

エフメゾのスタッフも女装とは言い難いながら頑張ってコスプレしました。アンジェラはペネロペにはほど遠く、結局、ライザ・ミネリかペギー葉山(古い)という評価しか得られず。チーママの「顔だけ女装の赤鬼」も節分の余興といった中途半端なものでしたが、予想外に司の女装の破壊力はすさまじく、あまりの気持ち悪さに、カウンターのなかでチーママが「そばによるな!」とマジギレしたほど。司は女装になると勝間和代(!)クリソツになることが判明して、これからはそっち方面で売っていこうかと(色売りができないので使いようがなく、そろそろ首にしようと思っていたのですが、「司カツマー」として再デビュー)。

そしてママはハンズでうさぎの着ぐるみを買ってきました。女装は大学生のときにシャンソン歌手としてずいぶんやったのでもう卒業なの。というか、体調がよくなかったので化粧をするのが面倒くさかった。だけど、太ももも露なうさぎ姿で二丁目を闊歩するとは思いも寄らず……。

nonkeいやね、女装に対抗して?褌を締めたお客様がいて、そうだ! ノンケの体育会学生が遊びに来ていたので、どうせなら彼にも褌姿になってもらおう、と思い立った。彼も「まったく問題なし」とノンケらしく堂々引き受けてくれた。それでスタッフの誰かにルミエールまで買いに行ってもらおうと思ったのですが、みんな手が空いておらず……仕方ないので、自らうさぎとして外出しました(笑)。どうせかぶりもので誰だかわかんないだろうからいいや、と。そうしてルミエールのレジに褌を差し出したら、店長のゆう子さんが顔を引き攣らせてレジの子に「二割りおまけしてあげて」。

とまあ、そんな具合にスケベなゲイのお客様のためにママは二丁目をうさぎ姿で疾走したのです。そして店に戻ってきて、ノンケ君に着替えてもらい、見事なますらおぶりを披露してもらいました。しかし声も高らかに彼を紹介したのですが、なぜだか拍手や歓声が起こらない。ん? 受けなかったのかしら。褌なんてもう珍しくない? と周囲を見渡すと……みんな生唾ごっくんでガン見して拍手も忘れていたみたい……あぁ。それにしても、二十歳そこそこのアスリートの身体の美しさときたら! 天然ものは後ろ姿が違う(つまり背筋←中途半端なジム釜は鏡ばかり見て鍛えるから、大胸筋に意識がいって背筋がしょぼい)。ちなみに、彼は学校1の巨根だそうです(笑)。

エフメゾはそんな、ゲイもノンケも入り混じっての渾沌としたゲイバーです(水曜日だけ営業)。

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『二人で生きる技術』をめぐるトークライブ!(後編)

● パートナーは誰でもいい?

伏見 ご著書を読んでいて、大塚さんってやっぱりマニアっていうか、変態だなって思ったのは(笑)、あまりいい別れ方をしなかった恋人の後に、次々にいろんな男性と付き合おうとした「激動の4カ月」がありましたよね。こういうと何だけど、相手を選ばずといった展開で。あれを読んでいて、この人は付き合えるなら相手は誰でもいいのかなっていう印象を受けた。多分、他の読者も同じように感じると思うんですよ。大塚さんのいっている「トゥマン」の中のトゥマっていう存在は、ある意味で誰でもいいっていう話なんですか。

大塚 そうです。

伏見 ちょっとそこのところは聞きたいです。 続きを読む…

『二人で生きる技術』をめぐるトークライブ!(前編)


大塚隆史著『二人で生きる技術』をめぐるトークライブ!
司会/伏見憲明 
ゲスト/大塚隆史 造形作家。ゲイバー「タックスノット」のマスター。著書に『二人で生きる技術』(ポット出版)、『二丁目からウロコ』ほか
コメンテータ/広瀬桂子 元伏見担当のマガジンハウス編集者。二丁目で出会った夫は現在市長。

*12/23(水)エフメゾにて行われたトークイベントをまとめたものです

● 関係性を開示することの困難

伏見 こんにちは、伏見です。よろしくお願いします。今日は大塚隆史さんを迎えて、最近出版されたご著書『二人で生きる技術』についてお伺いするトークイベントを設けました。助っ人にも来ていただきました。広瀬桂子さんです。

広瀬 こんにちは。(拍手)

伏見 広瀬さんはマガジンハウスの編集者にして市長夫人(笑)でいらっしゃいます。そもそも、なぜ市長夫人になったかというと。僕が『スーパーラヴ!』という本をマガジンハウスで出版したときの担当編集者が広瀬さんで、その出版パーティに、僕の大学時代の同級生がたまたま来ていました。パーティでは、その2人以外は全部ホモとレズだったんです(笑)。で、余ったその2人が何か発情しちゃって、結婚して子供までつくって、もう十数年がたちました。そういうカップルなので、ちょうど対比的にも面白いかと思って、今日は広瀬さんにも混ざってもらおうと思いました。
 そして、皆さん、よくご存じだと思いますけれども、行間に60うん年のすべてがこもっている、濃密な本をお書きになられました大塚隆史さんです。(拍手) 続きを読む…

スパゲッティ祭り→女装祭り

二丁目はこの時期いつもの冬枯れの上、未曾有の不況のダブルパンチで、とってもヤバい状況。すでに閉店したバーも何軒かあるとかないとか。エフメゾだって、そこそこお客様が入っているとはいえ、けっして良い売り上げではない。ということで、てこ入れ策を講ずるママです。

● 1月27日(水) 「スパゲッティ祭り!」

ってなんのことだか。いや、クリスマスのときに特大のミートソース缶が丸ごと残ったので、学生さんにそれを無料でサービス。貧乏学生のためにパスタを食事として振る舞います。太っ腹じゃないの! 

joso_1_mesen.jpgむかし、「クロノス」のマスター(故人)に言われた。
「ゲイバーっていうのは、金持ちだけくればいいってもんじゃないの。アンタのような貧乏学生がいて、金払いのいい大人もいるっていうのが、店を活気づかせるのよ。若い人がいるから大人も下心を抱いて遊びに来るし、反対に、若い人だって同じような世代の連中ばかり集まっていてもつまらないでしょ?」

エフメゾをやりながらよくクロちゃんのこの言葉を思い出す。たしかにそのとおりだと思う。単なる色気売りのバーでなければ、いろんなお客さんが集まったほうがパワーが漲る。なので、貧乏でも伏見ママに会いたいって学生は1/27はお得だよー!

● 2月3日(水) 「女装祭り!」

金曜のキャンピーバーがやけにはぶりがいいって聞きつけたので(笑)、エフメゾも女装接待を企画。写真は店子のアンジェラの試作。本人はペネロペ・クルスのつもりの本気女装(笑)。さて、目線を取るとどうなっているのか。当日はママも女装をしているかも?(←それは謎) そしてお客様でも女装してきた男子にはママから一杯おごります!

加えて、ショータイムもご用意しています。あの大御所ドラァグクイーンのエスムラルダ先生が、このくそ寒い季節にさらに血も凍るような怖いショーをしてくださるとのこと。料金いっしょでこの企画はお安いでしょ! こちらも来なくては損ですよ。隣り三軒両隣、お誘い合わせの上、お越しください。お仕事の接待にもご利用してください。

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Perfume DVD をプレゼント!

41azeHhxLHL._SL160_AA115_.jpgアイドルとは何か? ある社会学者の方からもらった年賀状のなかに、年末にアイドルのコンサートへ出かけて、そこには社会学的に考察すべき事柄がたくさんあったと記されていた。たしかにジャニーズをはじめ日本のアイドルってもっと論じられるべき、まさにジェンダーとセクシュアリティの交叉する現象だと思った。

考えてみれば、これまでエフメゾの音楽特集でアイドルというのはやったことがなかった。伏見ママはもともとそんなにそっち方面が好きではなかったのと、やはり音楽としてバカにしているところがあったので考えもしなかった。なので、1/20(水)のエフメゾはひばりから Perfume まで日本の歌謡史を飾ったアイドルたちの音源を集めて、勉強してみることに。

だけど、iPODにそれを入れている間、「でもこの人ってアイドルかなあ」とその線引きに首を傾げることしばし。例えばグループサウンズ。タイガースとかテンプターズ(←古い)っていまでいうところのジャニーズみたいなものだろうか、とか、初期の和田アキ子や竹内まりあはアイドル枠だったのかとか、尾崎豊は社会派ヤンキーのアイドルだったのかもとか、あるいは高峰秀子(←知っている人自体いないかも)などは当時どうだったのか……とか。

伏見はあまり歌謡曲や芸能界に興味を持たずに生きてきたので、謎がいっぱいで関心が尽きない。最近のPerfumeもなんであんなに若いゲイたちに人気なのかよくわからなくて、昨日なんか寒い中、新宿の街頭で上映されていたライブDVDを30分を見て過ごしてしまった(笑)。あとで若い子に聞いたら、彼女たちのライブってもう口パクであることは織り込み済みで楽しみに行くんだってね。つまり観客も「アイドル現象」の一部になることを再帰的に楽しむ空間なのだと。うーん、すごい、そういう時代なのか!

mfmap.gifここ数日聴いていてわかったのは、アイドルが数年で消費されてしまう存在であることはたしかだが、時代を超える大スターは大抵、若いときにアイドル的な存在でもあったという事実。石原裕次郎しかり美空ひばりしかり、ビートルズしかり。アイドルって奥が相当深い……。みなさんのご意見もお店で伺いたいです。

というわけで、1/20(水)のエフメゾのアイドル特集をお楽しみに! そして、今回、伏見の研究用に購入したPerfumeのライブDVD『直角二等辺三角形TOUR』を一名にプレゼントします(太っ腹!←ただのデブではない伏見ママ)。終電前までのどこかで、お客様とママのジャンケン大会で決めますー。

営業はカフェタイム(17:00-19:00)からです。今週もハヤシライス、カレー、おでんを用意してお待ちしております!

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すっごいパワーをもらいました!

fmfxmas4.jpgエフメゾのクリスマスイベントはおかげさまで大盛況のうちに終わりました! 17:00-の大塚隆史さんを招いたトークイベントは、ご著書「二人で生きる技術」の内容を中心に、パートナーシップと性愛との関係、関係性の「技術」とは何か?……といったテーマに話しが展開しました。コメンテータのノンケ女子、広瀬桂子さんのぼけっぷりもよく、ほどよい緊張感と、暖かい共感の空気のなかで、09年のエフメゾのトークイベントを終えることができました。けっこう「通」の方からも面白かったと感想をいただいて、忙しくてテンぱりながら司会をしていたママとしてはちょっとホッとしました。

19:00-のパーティはもう立錐の余地もない店内のなか、ブルボンヌ先生(写真)の伝家の宝刀、「ナウシカ」「メーテル」「三田佳子」の3本出てのショーで大盛り上がり。初めて見るノンケ客や学生ゲイらも大爆笑で、みんな口々に「面白かったー!」と帰っていきました。ブル先生さすがです。ドラァグクィーンショーもあそこまで行くと名人芸ですね(笑)。場末のバーに来てくださったブル先生に感謝!

パーティにあんなにたくさんの人、それも若い人から大人までが集まってくださり、水曜日だけとはいえ、幸せなゲイバーのママ生活だと心温まりました。不愉快なこともたくさんある毎日だけど、すっごいパワーをもらいました!

エフメゾの年内の営業は来週12/30(水)を残すだけになりました。09年を振り返りながら、年末のひとときを楽しんでください。カフェタイム(17:00-19:00)から店を開けています。地味営業ですが、スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

「東のエデン」事務所にて

eden.jpg本日はエフメゾの「エヴァ部」の「東のエデン」分科会! 

副部長の企画で、一部メンバーで豊洲ららぽーとまで出かけて映画版「東のエデン」を鑑賞。その後、実際にららぽーと内にある、映画版「東のエデン」の事務所モデルとなったカフェのVIPルームを借り切って(といっても安かったけど)会食&会議。窓からはレインボーブリッジなどが見え、沈んでいく夕日に感激しました。豊洲なんて初めて行ったけど、意外とロマンティックなところなんですね。

映画は、おばさんには情報量が多過ぎてついていくことができなかった……。でも会食時に副部長などから講義を受けて、なるほど!

(写真は、「エヴァ部」名誉顧問の中村うさぎ先生と、部活の若者たち)

09年は学生らに大いに触発された!

min.jpg年末なんで、一瞬、09年のエフメゾを振り返ってみる。

総じて、今年は、若い人たちのエネルギーに触発された、という感じでしょうか。先々週も大学生が大挙して朝まで店を占拠し、チンコマンコと口角泡を飛ばして明け方まで某作家らと盛り上がっていたし、8月には、有志が企画してピンクベア長谷川さんを講師に迎えて、エイズや性感染症についての勉強会をしたり(店が埋まるほど学生らが集まった!)、あるいは、錚々たる?顔ぶれが集まった「朝までリブ飲み」のときにも、怖いもの知らずの学生がベテランたちに物怖じせずに自己主張していた。そして、エフメゾが誇る「エヴァ部」の精鋭たちは、某オタク系評論家が来店したときも、エヴァ談義で見事に迎撃し、ママもビックリ仰天!

そういう賢くて元気のいい子たちに囲まれていると、数十年くらい人生経験があることなんて、いかほどの優位にもならないと痛感しますね。もうほんと、教わることばかりです。明日もエヴァ部の活動で『東のエデン』を鑑賞しに行くのだけど、ママは彼らの後をついていくだけです……(笑)。

そして、もちろん、若くない人もエフメゾではいい味を出してくれていて、先日も文学が好きな若い人が経験豊かなご年配のゲイに、折口信夫がどうの、稲垣足穂がどうの、中井英夫がどうの、寺山修司がどうの……と滅多に聞けないエピソードを伺って、その面白さに興奮していました。あるいは、エフメゾはゲイバーとはいえ、ゲイ以外にも門戸を開いているので、ジェンダー/セクシュアリティ、年齢、職種……とさまざまな属性の人たちが集まってきて、気取らない異業種交流会、というか混沌とした異文化交流の渦が生まれます。それが面白い! エロから政治まで、みなさん、ほんと関心が広いこと。お客様は概してフレンドリーで、知らない人に話し掛けられてムッとするような方には、たぶん向かない店だと思うけど、人と言葉を交わすのが好きなタイプとは相性いいかも。

そんな若い人たちのエネルギーの中から来年あたり、新しい「運動」の潮流も生まれるような気がしますが、ママはもう半隠居なので、誘われるなら若い世代の後をえっちらおっちらついていくくらいかな(笑)。ということで、エフメゾ営業も09年は残り23、30日(水曜)の2日! パーティで弾けたい方は23日、まったりと年の瀬を味わいたい方は30日、ぜひともお越しください。もちろん両方でも大歓迎。スタッフ一同、心からお待ちしております!

クィア、リブ飲み、美男時計、同窓、ロック

クィア学会についての記事を昨日アップしたら、けっこうな反響でビックリ! こんなに一度に励ましをもらったのは、91年に『プライベート・ゲイ・ライフ』を上梓したとき以来かもしれない。友人知人、面識のない人、運動や学術に関係のない人や、海外在住の人までほんとにたくさんの人からメールが届いた。みなさん、今回の件には大いに疑問を持たれたようだ。当事者の伏見よりもよほど怒っている文面も少なくなく、「まっとう」な感覚を持った性的少数者もたくさんいることにちょっとホッとした。

だけど、伏見はクィア学会のことを攻撃したいのではなくて、むしろ応援をしたいのだ。正直、最初は「ムカつく!」と激していただけだが(笑)、ある尊敬するご仁に、「学会というのは1トピック、1学会という不文律があるので、今回のようなことでクィア学会が駄目になってしまうと、クィアという分野自体が学術として育たなくなってしまう」と指摘されて、ちょっと反省もした。96年に『クィア・スタディーズ』という本などもいち早く出し、一貫してそうした動きを応援してきた立ち場としては、やはり良識ある学会になってほしい。だからこそ、ああした官僚的な言辞を弄してやり過ごそうとする態度は看過できないと思う。そんなのちっともクィアじゃないしね!

やっぱ形式が出来上がっていくと、実質がなくなっていく面もあるのかもしれない。それに比べて、先週のエフメゾの夜中の討論は超面白かったー! 酔いの戯れ言という建前で、集まった活動家や政治家や学者や学生や社会人の連中十数人が、マイノリティの運動について侃々諤々の「リブ飲み」(笑)。オカマ版「朝まで生テレビ」という様相で、平日ただ中だというのに結局明け方まで白熱していた。みなさん言葉が尽きないので、伏見ママですらほとんど口を挟めないくらいくらい。昨今、学会とかシンポジウムというと、みんな言質を取られないように、自分が傷つかないようにディフェンシブになってしまい、内容がなかったり、議論にもならなかったりする傾向がある。もしかして、これからは飲み屋話のほうが実質があるかもしれない!←自画自賛

なんていうと、エフメゾが「リブバー」のように誤解されてしまうかもしれない。いや、ふだんはエロあり笑いありのふつうのバーです(笑)。ただとにかくいろんな人が集まるので、ママとしても厭きない。

mfmap.gif最近ブレイクしている「美人時計」というアプリを出しているノンケ社長もよく来てくれるのだが(←この人、元吉本で面白い!)、その彼が今度は「美男時計」というのを作ったという。見てみたら、1分ごと異なるインが画面に現われるという優れもの。そこに登場するイケメンがゲイ的に受けるかどうかは……みなさん、見てのお楽しみ(笑)。やはりノンケが作ったものだなあと思った点は、脇に掲示されている男子のプロフィールに、身長はあっても体重の項目がないところ。ノンケにとってのイケメンってきっと痩せているのが前提だから、体重を記す必要がないんだよね。それに比べて、ゲイにとってのイケメンはスジ筋からガチムチまで幅がある!

http://www.bijint.com/binan/

エフメゾはそんな仕事をしている人も来れば、伏見の大学のノンケ同窓生も来たりする。先日来店した彼はパリダカールなどにも出場したことがある元バイクレーサー。十数年前、二丁目のディライト(現在のアーチ)で伏見が開いたパーティで、当時伏見の担当編集者だった女子と結ばれて結婚し、現在は一児を得て、市長さんをやっている。ゲイとレズビアンばかりのパーティで唯一のノンケだった二人が結ばれて、今どんな家庭を築いているのか知りたい人は、発売中のAERAをご覧ください。「はたらく夫婦カンケイ」のページで、なれそめを語っています。タイトルは「ゲイバーで出会ったダイアモンド」(笑)

ゲイバーって一夜の劇場みたいでほんとに楽しい。大変なこともあるにはあるが、それ以上にいろんな出会いと刺激があってやめられない。学生さんからご年配の人までがいっしょに飲める空間が嬉しい。伏見は今ちょっとアグレッシグな気分なので、11/11(水)のBGMはロック。伏見がロックの名曲だと思うものを集めてiPODに入れました。ツェッペリンもストーンズもイエスもELPもブルース・スプリングスティーンもELOもドゥービーもかかります。お暇な方はカフェタイムから営業していますので、ぜひ遊びに来てください。カフェタイムは17:00−19:00、バータイムは19:00−04:00です。

うたぐわさんインタビュー(後編)

1237339026786.jpgインタビュー「人気ブログの著者、うたぐわさんってどんな人?」(09.9.23 エフメゾにて)

うたぐわさん/人気漫画ブログ「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」の著者。
1966年生まれ。B型。フランス(パリ)が苦手。

インタビュアー/伏見憲明(エフメゾママ)
 
 

● 女子ともエッチができた!?

伏見 うたぐさんがゲイの部分でどうしてオープンリーな社会人になれたのか聞きたいのですが。思春期の頃には悩んでいたんですか。ゲイだというのにはいつ気づいたの?

うたぐわ ゲイだということは、かなり子どものときに気がついていました。いろいろなコンプレックスがあって、ゲイだということもそうだったし、肥満児だったし、家庭環境が複雑だったということもあって、思春期まではそれらと闘っていたという感じ。性格の過激さ、過剰さも相まって、自分のコンプレックスみたいなものを掘り始めちゃうと、今度はどこまでも掘っちゃうというのはあって、わりと思春期から20代いっぱいまでは、そういうのに結構囚われていたようなところがあったと思います。 続きを読む…

うたぐわさんインタビュー(前編)

1237339026786.jpgインタビュー「人気ブログの著者、うたぐわさんってどんな人?」(09.9.23 エフメゾにて)

うたぐわさん/人気漫画ブログ「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」の著者。
1966年生まれ。B型。フランス(パリ)が苦手。

インタビュアー/伏見憲明(エフメゾママ)
 
 

● 伏見憲明はうたぐわさんの赤木春恵?

伏見 今日はゲイバーの片隅で地味にインタビューするつもりだったのですが、こんなにたくさんのお客さんが集まって、さすが人気ブロガーはすごいですね。若いゲイのお客さんは漫画のファンなのか、うたぐわさんの体を求めてきたのか、よくわからないのですが(笑)。それでは改めまして、うたぐわさんです! 

うたぐわ あ、体のほうはいつでも応じますので。みなさん、うたぐわです。ありがとうございます。 続きを読む…

10/14(水)のエフメゾはアニソン特集!

今週のエフメゾのBGMはアニソン特集ということで音源を集めてセレクトしていたのですが(音源をくださったお客様、ありがとうございました!)、なかなか興味深い体験でした。そのアニメを見ていた時代の気分が甦ってきたり、子供の頃すでに自分に芽生えていた性愛の萌芽を思い出したり。

そう、「サイボーグ009」の主題歌を聴いていてフラッシュバックしたのですが、幼稚園とかそのくらいだと思うけど、伏見はたしかに009に恋していたと思う! 三つ子の魂百までと申しますが、思春期になる前に明らかに男が好きだった。009を見てものすごく切なくなったことをぼんやりと憶えている。「バビル二世」なんかもそういう対象だったような。「デビルマン」はその股間のモッコリに当時から目が釘付けだったしね(笑)。

あと、「アタックNO1」の鮎原こずえへの思いは明らかに同性への憧れのようなものだったし、「巨人の星」の星飛雄馬は異性文化を体現していてちょっと遠かった。でもだからといって、いまの伏見がトランスジェンダーの指向が強いかと言えばそうでもなく、いや、あるいは、ジェンダー的には一周回って男に戻ったトランスジェンダーとも言えるかもしれないけど。性愛を通じて合理的に男制を取り込んだというか。なんかこういう話しって90年代っぽいですね。←ちょっと気恥ずかしい

それから子供の時分から性格の方向は決まっているようで、伏見は「キャンディ・キャンディ」を見ても、主人公のキャンディには最後までほとんと共感せず、意地悪役のイライザにアガっていたのも、いま思えばさもありなんという感じ。「魔法使いサリー」では親友のよし子ちゃんのブスっぷりがよかったし(笑)。

……のような話しなどしながら今週も盛り上がりたいものです。みなさんの幼少体験をお聞かせください。営業はいつもの通りカフェタイム(17:00−19:00)から−4:00まで。深夜はお客様がいなくなり次第看板を消してしまいます。カレーやおでんもあります。釜飯は学生さんにかぎり無料です!

ちなみに、こんな音源を集めてます。

ナデシコ/Go Tight!(創聖のアクエリオン)/ムーンライト伝説/ペガサス幻想 -PEGASUS FANTASY-/Get Wild/TOUGH BOY(北斗の拳 )/愛をとりもどせ!!/ルパン三世/はじめてのチュウ(あんしんパパ )/銀河鉄道999/ゲッターロボ!/宇宙戦艦ヤマト/Beautiful World/CHA-LA HEAD-CHA-LA/カランコロンのうた(ゲゲゲの鬼太郎)/タッチ/オープニング〜風の谷のナウシカ/天空の城ラピュタ/キン肉マン Go Fight! 308/28 18:22/ゲゲゲの鬼太郎/EVANGELION/キューティーハニー/ガッチャマンの歌/およげ!たいやきくん/おれはグレートマジンガー/コン・バトラーVのテーマ/誰がために/山口さんちのツトム君/ゲゲゲの鬼太郎 (泉谷しげる)/魔女っ子メグちゃん/オバQ音頭/魔法使いサリー/崖の上のポニョ/キャンディ キャンディ/ひみつのアッコちゃん/アクビ娘/もののけ姫(米良美一)/ロマンティックあげるよ/CAT’S EY/うしろゆびさされ組/となりのトトロ/風の谷のナウシカ(安田成美)/少女革命ウテナ/ガンダム/マクロス……

気むずかしいママ?

mfmap.gif明日は雨というか台風みたいですね。あんまりエフメゾの営業日が悪天候というのはないのだけど、はてさてどうなるのでしょう。まあ、そういう夜はカウンターでじっくりと言葉を交わしたいものですね。

でも「話す」ってむずしい。伏見は好奇心というのがほぼないので、話しの引き出しが少ないし、よほど自分の問題意識に触れることがないと、正直さしたる意見もない。だからほとんどのことは「そういう世界観もあるなあ」と受け止めたり感心するだけで、とくに反論しようとも思わない。ちょっとくらいの考え方の違いは気にならないし、感情も揺れない。

けれども、それが自分が積極的に関わってきたテーマにかぶれば、まったく違う。それなりにはっきりとした価値観を持っているし、自分なりに一貫した意見があるので、中途半端にはできない。だから、かえって店では話しができなかったりもする。譲れないことに関しては「ママ喋り」では流せないんだよね(笑)。

そんなわけで、お店での会話っていつまでたっても慣れないし、得意ではない。考えてみれば、大抵のことに「どっちでもいなあ」と思ってしまう伏見は、話しの盛り上げ役には合わないのかもしれない。そしてつくづくメディア仕事にも向かない。うさぎさんなどを見ていてよく思うが、ひとつひとつの事柄に気持ちが引っ掛かるようなタイプじゃないと、エッセイストとかコメンテータには絶対になれない。「へえ、そうなんだあ」じゃ駄目なのだ。

ただ、まあ、「聞く」という意味では、伏見もできるかもしれない。とくに自分の意見を押しつけようとは思わないが、相手の言っていることの別の側面に光を当てたり、そこそこ論理的にも思考するので、その辺りの矛盾を指摘することもできる(←それ、ちょっと嫌だね)。そして背中をさすったり、背中を押すことは誠実にしているつもりだ。自分でいうのも何だが、本当はやさしかったりもするのだ。

あ、でも、価値観や世界観みたいなものには寛容でも、なにか生きることの美学みたいなこところには敏感かなあ。基本的な礼儀とか仁義とか、こだわるのは「義」関係でしょうか(笑)。けっこう日本人なのだよね。伏見が腹を立てることは大抵、そっちだと思い返す。

そんな気むずかしいママですが、よかったら秋の夜長をいっしょに過ごしましょう。

カフェタイム(17:00−19:00)から、カレーを準備しおでんを炊きながら、皆様のお越しをお待ちしております。学生さんは(バータイムから)釜飯無料です。

9/30(水)はおでん試食会

oden.jpg10月からエフメゾではおでんをメニューに入れることにしました。それで練習をしていたのですが、おでんって料理はなかなか奥深く、味付けがむずかしいですね。まあ、値の張る具材を買ってくれば単純に美味しくなるだろうけど、採算を考えるとそういうわけにもいかず(カレーはじめエフメゾの食べ物は採算度外視ではあるにせよ)、老母と二人で試行錯誤の一週間。結局、たいして上達はしませんでしたが(笑)、明日(9/30)は試食会というのを催し、お客様にご意見をお伺いすることにしました。具材にかぎりがありますので、なくなり次第終了になりますが、無料提供ですので、ぜひ感想をお聞かせください。

営業はカフェタイム(17:00−19:00)からで、食べ物はバータイムから提供します。釜飯の学生無料サービスは継続です! 04:00まで営業している予定ですが、深夜お客様が少なくなってきた時点で、看板を消してしまいます。