2009-12-18
全国公共図書館研究集会(サービス部門 総合・経営部門)での講演レジュメ
来年=2010年1月14日(木)〜1月15日(金)に新潟で開かれる「全国公共図書館研究集会(サービス部門 総合・経営部門)」で話をさせてもらうのですが、そのレジュメを書きました。今日が締切だったもんで。
事前に公開しておきます。レジュメだけじゃなにがなんだかわからんでしょうし。
ココから──────────
「出版文化の危機」をどうみるか
沢辺均(ポット出版/版元ドットコム)
14:20〜15:40 1:20
●出版業界のトピックを点描すると
・売り上げ低下
年 書籍売上げ 雑誌売上げ 合計
1960 374.0億円 571.0億円 945.0億円
1970 2,246.1億円 2,101.8億円 4,347.9億円
1980 6,724.8億円 7,799.0億円 14,523.8億円
1990 8,660.4億円 12,638.1億円 21,298.5億円
1996 10,931.1億円 15,632.7億円 26,563.8億円
2000 9,705.7億円 14,260.5億円 23,966.2億円
2008 8,878.1億円 11,299.3億円 20,177.4億円
(2009出版指標年報/社・全国出版協会 出版科学研究所)
・書店の減少
2001年 20,939店
2002年 19,946店
2003年 19,179店
2004年 18,156店
2005年 17,839店
2006年 17,582店
2007年 16,750店
2008年 15,829店
2009年 15,482店 ※2009年10月現在
(アルメディア調査)
・責任販売(増売? 返品減少化) 売上げ低下への対応
小学館
講談社
35ブックス
・電子書籍化 (PC/携帯)
2006 182億円(70/112)
2007 335億円(72/263)
2008 464億円(62/402)
(電子書籍ビジネス調査報告書2009 インプレスR&Dをもとに作成)
・Googleブックサーチ
(1Q84ー村上春樹)
→これらの背景はインターネットによるメディアの変貌
しかし、人間の使える時間は24時間で固定。人の使う時間の争奪戦
●メディアの変貌
・だれでもメディア発信者化
・メディア絶対量の圧倒的な増大による、情報・思想感情の質の変化
→残された課題は、情報・思想感情の選別・抽出(誰でもできる/いちいちやってられない)と、事実確認機能(誰でもできる/いちいちやってられない)
・圧倒的に増大したメディア絶対量は、一つ一つに平均に注目を集める訳ではない
●「メディア変貌」時代の図書館の役割
○それでも図書館は必要か
・図書館の役割は、読み書き能力向上を始めとした、社会構成員の知的基礎力の向上と、
多数で生きていくための相互に承認しあって生きていくための共通のルールづくりのために基礎情報提供
・としてもインターネット社会で、相変わらず必要かどうかはわからない
○わからなくとも「メディア変貌」時代に残された課題に対応しておく必要があると思う
・情報・思想感情の選別・抽出
・事実確認機能
・コンテンツの収集/整理・分類・編集/保存
[...] これからの図書館は本屋では売っていないコンテンツの収集/分類/再利用が必要なんじゃないかと思ってる。 全国公共図書館研究集会(2010.01.14〜15 新潟)で「「出版文化の危機」をどうみるか」というテーマで 話をさせてもらうのだけど、結論は、出版って別に危機でもなんでもないでしょ。 レジュメも書いた。 [...]
[...] 朝から新幹線で新潟へ。 全国公共図書館協会で話させてもらう。 [...]