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芝居編 10090807060504030201
映画編 10090807060504030201

芝居編10●「収益が発生しない仕事」ということ

●書き手
高島琴美さん
バリアフリーシアター・
ジャパン
]  

さて、桜は咲いたけれど、なんと一昨日あたりは雪が舞い散っていました。
今年は本当に変ですねえ。暖かいのか寒いのかよく分かりません。
春というと、年度の変わり目、バリアフリーシアタージャパンも、2004年度の活動に向けて、準備をしています。
 バリアフリーシアタージャパンの仕事は、前にも書いたとおりです。
『いろんな人が、バリアの存在を忘れて、いろんな方法で、劇場の観客席に着いて芝居を楽しむこと。すべての人にとって、観客席が開かれた場所であるということ。
そのことを、「きちんと実現しよう」、というのが、バリアフリーシアター・ジャパンの「仕事」です。』

「きちんと実現しよう」ということを考えるとき、重要だと思うことが、「提言活動」です。
 まず、現場から、ということで、観劇会の実施、お客様や劇場へのインタビュー、研修会の実施など、さまざまな機会を通じて「劇場のバリアフリーの実現」について、考え、実践してきました。ともに楽しむ観客席をつくるためのノウハウを研究し、提言活動を行ってきました。その成果として、【バリアフリーシアタージャパンからの提唱】が、以下のとおり反映されました。

▲ 国土交通省「高齢者・身体障害者等の利用を配慮した建築設計標準」への反映
1. 日本語字幕・音声ガイド操作オペレーターが使用する
「バリアフリー操作室」の設置
2. 車椅子使用者が,ロビーも含めた劇場内を自由に移動できるハード整備
▲ 文化庁「文化芸術の振興に関する基本的な方針」への反映
高齢者,障害者等の文化芸術活動の充実策として字幕や音声案内サービス等の促進

これらの記述は、バリアフリーシアタージャパンの働きかけによりものです。
このように、基本的な考え方が、関係する省庁などに浸透し、劇場をめぐる枠組みそのものが変化していくことが重要だと考えているのです。これからも、劇場のバリアフリーの概念整理や提案・提言活動を継続して行きたいと思っています。
では2004年度は、というと、以下のようなことを考えています。
▲経済産業省への「映画バリアフリー化」に関する提言
▲障害者の生涯学習としての文化芸術の享受について、文部科学省への提言
▲劇場にかかる施策の調整について内閣府と文化庁への働きかけ

さて、これらの活動は、収益が上がるようなものではありません。国などから依頼されて、その意向を反映して意見を作っているわけではないし、業界団体などの利益のために提言しているのでもありません。このように、非営利の立場でこの活動を続けていることが、提言の信頼性と説得力を増し、成果につながっていると思っています。 この提言活動は、劇場のバリアフリーに向けて、必要な作業だと思っています。しかし、収益は発生しません。提言活動は、収益が発生しない仕事です。

で、お願いです。
この活動の継続のために、支援をお願いします。多くの方々のご支援をいただき、またご意見を交換しながら、この活動を継続していきたいと思っています。
 ご支援の方法などについては、http://www.bft.jp/hp/siennonegai.htmに記載してあります。
これまでの活動をご理解いただき、成果を評価していただけたら、どうぞ、よろしくお願いします。

   
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