スタジオ・ポット
ポットのサイト内を検索 [検索方法]

芝居編 10090807060504030201
映画編 10090807060504030201

芝居編07●本当のネットワークって何?

●書き手
高島琴美さん
バリアフリーシアター・
ジャパン

 早速ですが、本当のネットワーク形成に必要なことを3つ挙げると、とりあえず、以下の3つの「ゆるやかなこと」じゃないかと思います。

1.ゆるやかな共通理解
世界がどんなものか、今やろうとしている仕事は何か、ということについての、ゆるやかな共通理解
2.ゆるやかな相互干渉
お互いを縛ったり、命令したり、上下関係があったりするのではない、ゆるやかな相互干渉。
3.ゆるやかな目標共有
共有すべきことは、「思想」「党派」「真理」「正義」というものではなく、「目標」であり、しかも、ゆるやかに、です。
 で、99年8月にバリアフリーシアター・ジャパンを始めたときの話です。バリアフリーシアター・ジャパンという名前を思いついたので、インターネット上を「バリアフリーシアター」で検索してみた。出てくるのは98年から行われていた川崎の「しんゆり映画祭」の、企画の一つとしての「バリアフリーシアター」だけでした。
 そこで、また考えました。周りの人からは、バリアフリーシアター・ジャパンで「商標をとったほうがいい」とか、要するに「バリアフリーシアターという名前を独占したほうがいい」、という意味のことを、結構言われました。確かに、私も自分で考えついた名前を人に独占されたり、使用を指し止められたりしたらいやなので、どうしたらいいか、専門家に聞きにいきました。
 すると、一般に使われるような「普通名詞」になってしまえば、商標はとれないとのこと。「そうか、独占されないためには、オープンにすればいいんだ」とわかり、ほっとしました。
 要するに、バリアフリーシアターを普通名詞にしよう、と思ったわけです。
 
 普通名詞になるには、とにかく露出することだと思いました。最初に朝日新聞の全国版に20センチ角くらいの記事が、写真入りで載ったのは、ホントにラッキーだったです。これはどうして載ったかというと、NPO関係の集会が衆議院議員会館で行われたときに、一参加者として手を挙げて意見を述べたら、取材に来ていた朝日新聞の記者が興味を持ってくれたのです。
 ホントはこの瞬間は、始めると言う決意をしただけで、なんにも始まっていなかった。でも、その記者は、「これから始める人」、つまり私のような人を探していた、と言うことで、ちょうどよかった。それからクロワッサンにも、地域創造ニュースレターにも、もちろん点字毎日にも、日経ユニバーサルデザインにも、教育家庭新聞にも、載った。
 それから、何回も、いろんな雑誌や新聞に載った。今月も、読売新聞の全国版に載りました。
 こういうのは、「普通名詞になるために、必要な仕事だ」と思っていた。
 それから、バリアフリー業界に、必死に顔を出しまくった。そして、名刺を配った。いまや、バリアフリー業界では、「バリアフリーシアター」というのは、あのころに比べると、普通の言葉になりつつある、と思う。
 
 ここ半年位で、ネット上にも、すごくすごく増えた。
 バリアフリーシアターが普通名詞になっていくということは、「バリアフリーシアター共通理解の土壌」ができていくということだ。次は、bftも普通名詞にしたいと思っている。略称として、一般化させたいということですね。読み方はビーエフティー。「bftの基本的概念」とか、「おすすめBFTガイド」とか。
 
というわけで、たくさんの人とゆるやかにネットワークするための第一段階、「1.ゆるやかな共通理解」が、なんとなく、できつつあるような、早い桜の今日このごろ。
 
 で、この春、名前も変えます。ちょっとですが。
 バリアフリーシアター・ジャパンの「・」を取ることにする。
 これからは、「バリアフリーシアタージャパン」なのだ。
 なぜかと言うと、そのほうがいい時代になったからだと、感じるから。
 理由になっていないですが、そういう感じがします。
   
page top

ポット出版ず・ぼん全文記事石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺ちんまん単語DB
デジタル時代の出版メディア・考書店員・高倉美恵パレード写真「伝説のオカマ」は差別か
黒子の部屋真実・篠田博之の部屋篠田博之のコーナー風俗嬢意識調査ゲル自慢S-MAP
ポットの気文ポットの日誌バリアフリーな芝居と映画MOJもじくみ仮名

▲home▲


このサイトはどなたでも自由にリンクしていただいてかまいません。
このサイトに掲載されている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
ポットメンバーのもの、上記以外のものの著作権は株式会社スタジオ・ポットにあります。
お問い合せ→top@pot.co.jp/本の注文→books@pot.co.jp