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芝居編06●マイナーなテーマのバリアをはずす方法 |
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2月の12日、都と区の職員の自主研フォーラムで公共ホールのバリアフリーについて、研修をしました。 ●発表会分科会の受講者は、区職員3名(うち公共ホール職場1名)、都職員3名(うち公共ホール職場1名)です。進行は次のようにしました。 [前半 10:00〜11:00 世田谷パブリックシアターの事例報告] この時間帯は、講堂での発表と重なっている時間帯です。まず最初に自己紹介と、今日の流れを説明しました。ここでは、世田谷パブリックシアターの長原理江さんから、公共ホールとして視覚障害のある観客への「舞台説明会」を実施している状況や課題の報告を受けました。 この時間帯は、受講者以外は、コーディネーターとしての私と、世田谷パブリックシアターからの報告者だけしかいません。上記の都区職員の受講者つまり、ホールと関係ない職場の人も含む初心者のみなさんが、じっくりと報告を聞き、質疑応答ができるようにしました。「そんなことも知らないの」と言われる不安もなく、受講された方は、それぞれの職場の状況や現在持っている課題と引き比べながら、世田谷パブリックシアターのバリアフリー実践例について、共通理解をし、つまり、「世田谷パブリックシアターの事例については、ある程度の専門家」になりました。 [後半 11:20〜12:30 グループ討議] この時間帯は、講堂での発表を終えたバリアフリーシアター・ジャパン側のメンバーが合流しました。バリアフリーシアター・ジャパン発表者7名と、視覚障害関係メディア記者2名も同席しました。つまり、バリバリな人びと、です。 この時間帯は、実際にバリアフリーに向けて活動しているメンバーと、討議をする時間です。 討議は、自己紹介のあと、流れで説明したとおり、いきなりグループ討議とし、いろんな人と話し合えるようにバランスよく3グループに分けました。 討議テーマは「公共ホールのバリアフリーにむけて」です。 まず、30分程度の時間をとり、各グループ内で、今感じていることをフリートークしてもらいました。車椅子を使う観客が自分の体験を語っているグループ、ハードがあっても、どう情報を出したらいいか、悩んでいるグループ、舞台説明という方法の詳しい状況を聞くグループと、それぞれに違う話をしました。 分科会の後半は、まとめです。それぞれのグループから報告してもらいました。 [各グループのまとめ] ※バリアフリーはハードも大切だが、視覚障害者を案内する方法のように、運営ソフトも大事である。ちょっと手を貸すことで、ハードの不足も乗り越えられる。財政難の折、職員の研修は、少しの費用で大きな効果を生むのではないか。 ※障害のある観客に対して、ホールの対応の程度を示せる何かが必要なのではないか。それは、もしかすると、紙に書いた基準ではなく、口コミで伝わるようなものかもしれない。信頼関係をつくる、ということに近いかもしれない。 ※安定的に観客に来てもらうにはどうしたらいいか、情報提供などのノウハウが不足している。今後、NPOの役割や、ボランティアのシステムの充実が課題ではないだろうか。行政から、NPOに委託するということも考えられるのではないか。 というわけで、初対面の人同士がいきなり話し合って、ちゃんと話し合いができました。 「参加を促す。バリアをとる方法」も、もちろん、参加者の状況などでいろんなやり方があります。今回はコーディネーターとしても、おもしろく実施できた一例でした。 報告書全文は、バリアフリーシアター・ジャパンに載せてあるのでよかったら見てみてくださいませ。 |
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