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[第9章●午前3時の小ワザ] 1… S氏の必殺(小)技 |
[2003.08.15登録] |
石田豊 |
私がこういう連載をはじめるに至ったのは、ここPOTの代表者である沢辺さんから勧められたからである。 沢辺さんと私はなぜかこういうシゴトの技術の話が好きで、会うたびにその手の議論を繰り広げてきた。たとえば100枚のチラシを作るのにプリンタで全部プリントするか、コピー機で複写するか、どっちがトクか、などというような感じ。彼の話はつねに現実の数値をベースにしているため、非常におもしろい。もちろんこうした「技術の交換」の中で私が制式採用した技術(というか小ワザ)も多い。 連載を始めるにあたって、この沢辺氏から伝授された必殺小ワザを紹介するのが適切だろう。「必殺」といっても、小ワザである。 彼はモノを買うと即座に購入日付をそのブツに書き入れる。白っぽいものには黒い油性ペン、黒っぽいものには白い油性ペンで直接書くし、油性ペンではうまくないようなものにはタックシールに日付を書いて貼り付ける。 別に彼は資材管理を目的にしているのではない。そんな大袈裟な話しではないのだ。だって事務所で履いているスリッパを資材管理しても仕方なかろう。 モノにはかならず寿命がある。スリッパがあまりにも汚れてきたら、もう、こりゃ捨てようということになる。この時、彼はスリッパの購入日付をチラっと確認するのだ。そこに2000.02.02とあれば、そのスリッパは3年半ほどもったな、と認識するわけだ。認識してどうするということでもないし、それをどこかに記録するということでもない。 私の見るところ、彼のこの習慣は、「感覚だけで物事を考えるとダメになる」という思いから出てきている。われわれはみなそれぞれの生活を通じて森羅万象いろんなものに「感じ」を持っている。で、その「感じ」を基礎に物事を判断している。彼は「感じ」に数字を加味したいのじゃなかろうか。感覚だけの「感じ」じゃなくって、つねにちょっとした数字の裏付けがある「感じ」に研ぎ澄ましていたいのだと思う。 「このメーカーのスリッパは高いけど長持ちする」じゃなくって「5年4ヶ月も持っている」というふうに。 買ったものに日付を入れるのは、利便性というよりも、彼にとっては「日常的なトレーニング」なのではないか、と思うのだ。 私もそうすることに決めた。ただ、私はきわめて軟弱者だし、かつまだその行為が習慣化・血肉化していないせいで、貫徹はしていない。 |
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