2019-10-25
新刊のLGBT絵本の編集をしました
新刊『ふたりのパパとヴィオレット』の編集を担当しました。
ポットのLGBT関連の絵本は、これで5作目です。
2016年に出版した絵本に『くまのトーマスは女の子』というものがあって、これは、「トーマス」という名がついているけど自分のことを女の子だと思うくまのぬいぐるみと、持ち主の男の子の話でした。
それまでの『タンタンタンゴ』『王さまと王さま』、それから今年9月に出した『ランスとロット』はLGBT当事者の話がメインだったのに対して、『トーマス』は(ポットから出す絵本としては)初めて非当事者側の反応が描かれた話です。
そして今回の『ヴィオレット』はゲイのカップルに育てられている小学生の女の子の話で、もちろん当事者の話ではありますが、これも非当事者側の話でもあります。
物語は、両親がパパ二人だということを理由にヴィオレットがいじめられている場面から始まるのですが、ラストは、いじめの主犯だった女の子の両親が離婚したことをきっかけに、ヴィオレットとその女の子が言葉を交わすようになり、仲良くなるという場面で終わります。
トーマスの持ち主の男の子は、「きみがきみであることが大事」という理由でトーマスを受け入れます。
今回の女の子は、「自分の家族は“普通”じゃない」という共通項がきっかけとなってヴィオレットと仲良くなります。
相手のことをありのまま受け入れられるケースがある一方で、
自分がある程度同じような境遇に陥らないと、なかなか“普通”ではない相手のことを受け入れるのは難しいケースもあって、
そして、それは受け入れられるタイプの人と受け入れられないタイプの人がいるというわけじゃなくて、相手への親密さとか、自分の境遇によっても変わるというのは、実際の世の中もきっとそうなんじゃないかなと思います。