2011-07-08
機械仕分けでも謎の逆送がなぜ起こるのか考えてみた(追記あり)
先日、書店員さんと元書店員の編集者さんの3人で飲みに行ってきました。
真面目な話からくだらない話まで、色々していたのですが、
その時に「逆送」の基準はなんなのかという話になりました。
その時に私見を述べたところ、それツイッターに書いてくださいよと言われてすっかり忘れてました。
当番がちょうど回ってきた日誌に書くことが思いつかないのでこちらに書こうと思います。
これを読んでいるような人であれば言うまでもなく、
「逆送」は書店が返品した書籍を取次が書店に送り返すこと。
理由は書籍は新刊などの委託をのぞけば原則買切商品だから(建前上)。
取次からすれば、最悪なのは書店から返品を受け入れて、
出版社が受け入れてくれない場合なので、そういうリスクを避ける面もあるでしょう。
この逆送基準はかなり曖昧で、注文品搬入の同じ出版社の同じ商品を別の日に返品したら、
最初はOKだったか二回目は逆送なんてことが起こったります。
話しとして言われているのは、その日の取次の返品担当者によって基準が変わる、というやつです。
明確な基準というよりはその時の現場の人の気分や勘で決まっている。
まあ実際のところ、明確は基準に従っていたら1日ウン万冊の返品は処理できないでしょうし、
あながちウソでもないような気がしています。
さて、そうすると謎が出てきます。
人が仕分けているのならばたしかにそれで説明がつくのですが、
トーハンさんや日販さんは今は機械仕分をしているはずです。
トーハン●トーハン桶川SCMセンター
日販●王子流通センター
機械仕分は気分では決まりません。人間の側で何らかの設定をしないと、
この本は逆送する、しないという仕分は不可能です。
でも日販さんもトーハンさんも今なお逆送があるようです。
その基準は一体なんなのかと考えてみたわけです。
1.返品了解がくっついているものは人の目で通してフラグを立てるか手作業(だからミスもある)
2.注文品の返品を受け入れない版元の本は逆送(トーハンの見本出し時の「返品可否用紙」やデータ上の実績から)
この辺はおそらく間違いないんじゃないかと考えています。
でもこれに当たらない返品逆送というのを考えたときに、
考えられるのはこれしかないと個人的に思うのが以下の3つ目。
3.入金実績の悪い書店、返品率の悪い書店に逆送フラグを立てる(大手チェーンはその限りでないかも)
機械で仕分けるには基準を設けるしかありません。
この場合、出版社には数字の上での不利益はないので、基準を設けるなら書店側です。
このフラグ立ては新刊配本では行われているという話は聞いたことがあります。
事前注文を出しても、新刊配本されないわけですね。
そういう意味でも、個人的には結構当たってるんじゃないかと思っています。
というか拙者のスッカスカの脳みそではこれが限界でござるよ。
秘密主義ゆえにブラックボックスな取次さん。実際のところはどうなのでしょうか。
「お前それ違うしwwwwwwww」とか、「ウチはちゃんとやってるのにしょっちゅう逆送される」、
などあったら教えていただければ幸いです。
とりあえず繋ぎましたが、次回のネタも困りそうです。
次書くことなかったら個人的に出版業界一のファジーな言葉だと思っている
「フリー入帳」の謎に迫ってみます。書くことなかったら。
2011.7.11追記)
スタイルノートの池田さんにTwitterで触れていただいて、一つ大事なことを書いていないことに気が付きました。
もし書店側でフラグを立てると、注文品搬入で入ってきたものは
全て逆送されなければそれはそれで理屈が通りません。
なので、版元によって、ここのは逆送する、しないという基準「も」内部的にはあると思います。
それが取次の独自判断か、各版元との取り決めかは知る由もありませんが。
また、発売日や価格によって切っているものもあるかもしれません。
なので、この説を一言で言うならば、
逆送する書店の基準があり、その中でどれを逆送するかという基準がある、
ということです。
そして、その「逆送されない版元」こそが真のフリー入帳、と私は考えています。
(ここで個人的に出版業界一のファジーな言葉だと思っている「フリー入帳」の謎につながったりとか)
初めまして 納得いかない逆送があったので 検索したら此処に来ました。
小学館の こどもなんとか百科 とか高価本で見本に使ってください
などと発刊当時は、促進されているにもかかわらず、何ヶ月後に返品すると
汚損品という理由で、逆送になります。見本にしてたのだから、当然新品同様な状態で保たれるはずが無いと思うのですが、当店はブラックリストに
なってるんでしょうか(笑)また そのような場合他店ではどのように処理されておられるのでしょうか?