2004-11-15

いちおうカーミラVol.6のハナシなんですが

# 少々面倒な話で恐縮ですが……。
 
弊社では弊社刊行物のほぼすべてを内製しています。画像データもほぼ99%は実データでデザイン・オペレーションしてからPDFを印刷所に突っ込む(というか自社サーバからダウンロードしてもらう)という工程が多くを占めます。で、デジカメによるデータ入稿が増えたこともあって、時々「こ、これは……」とアタマを抱えてしまうような解像度割れしたデータが入ってくることがあります。画像の品質云々というレベル以前に、ピクセルが見えかねないくらいのものまであるわけで、そういうったデータについての対処法の話です。
 
今までこういったデータが入ってきた場合、「使用サイズに合わせて、photoshop上で逆リサイズをする」という裏ワザをよく使っていました。つまり、800*600しかない画像を「再サンプリング」をチェックしてから拡大し、たとえば1600*1200にしてしまう。これによって画像のクオリティが上がるはずはないのですが、バイキュービックで拡大するので階調が補完され、結果的に仕上がりが良くなるんですね。あんまりDTPの教科書には書いていない話じゃないかと思いますが(あんまり美しい話じゃないですからね)、たぶん、みんなよくやっているんだと思います。
 
で、やっと本題なんですが、今回はちょっとここに書くのもはばかられるような拡大率で使いたい画像が出てきてしまい、印刷所に相談したところ「紙焼きして、スキャンしたらキレイになりますよ」とのこと。紙焼きはそこらのDPE屋でいいんだ、と。んなアホな、そしたら比べてみましょ、ということで入稿時のドタバタの最中にもかかわらず、「逆リサイズ」したものと「紙焼き」したもの(を印刷所でスキャンしてもらい、出力)を色校出ししてもらいました。結果は予想通り紙焼きのスキャンは輪郭もぼやけ、不自然なアンシャープで階調もおかしくなったようにしか見えない仕上がりで、結局「逆リサイズ」したものを入稿したのですが、正直未だに半信半疑です。営業さんは自信満々で、(聞いた範囲では)現場にいたっては「そんなデータは紙焼きをスキャンした方が良いに決まっておる」と、最初はテスト出力も断られかけたという……。
 
プリントして劣化させて、スキャンして劣化させた方が品質が上がる、なんてあくまでも理論上では、まったく荒唐無稽なハナシだと思うんですが、紙焼きスキャンの方が品質が上がる(少しはマシになる)なんてケース、本当にあるんでしょうか? 画像処理は時々理屈を越えた(ように見える)現象が起きるんで、そういう可能性もゼロではないと思うんですが……。