2005-02-10
初日/「MAN TO MAN」
1年のご無沙汰です。ベルリン国際映画祭が始りました。
写真のように、いつものごとくプレス用のパスを取得する際、ベルリナーレのバッグをいただきました。
今回は画家のペトラが私と一緒に皆さんにベルリナーレのレポートをします。
彼女はとてもストレートな言い方するタイプ。ドイツ人と日本人の考え方の違いなどもあるかもしれません。良い意味で、文化交流と思って読んでいただければ幸いです。尚、ペトラのプロフィールを詳しく知りたい方は:
www.petra-marwein.de
にアクセスしてくださいね! 彼女の絵の作品もご覧いただけます。しかも、インターネットで購入もできます(ちょっと宣伝)。
さて、それでは早速始めることにいたしましょう!
私達二人はとにかく全てのコンペ作品を見ようと決意しました。
面白くなかったら出る。中で寝ない(笑)。
時間を無駄にせず、集中して作品を感じようと思ったのです。ですから、他の部門のパノラマやフォーラムなどは、あまり見られないかもしれません。
今回は、オープニングがフランス・イギリス・南アフリカ共同作品。
MAN TO MAN
監督はパリ在住の Régis Wagnier
ペトラ:これは、1870年のアフリカの中央で起こった話ね。本当にあった話ではないものの、全くありえなかったわけじゃない。ピグミー族が人肉を食べるというカニバリズムの種族で、研究者がスコットランドに連れて行って研究しようとするのよね。
淑子:むごい話よね。だって人間として扱われていなかったのよね。
ペトラ:そう、檻に入れられて、2人の男女の小さなピグミー族が異国に連れ去られる。私はテーマは良かったと思うし、俳優も素適だったし、(ジョゼフ・ファインズ、クリスティン・スコット・トーマス)新聞では批判がひどかったけれども、今の世界情勢からみても、とても大切なテーマだったと思う。
淑子:徐々にファインズが人間と人間の関係でピグミーを見るようになってね、そういうことに気づくあたりはね。でも、私はなんだかちょっといやだったなぁ、この映画。気づいたかもしれないけれども、反省も謝罪もしたけれど、連れて来てしまった罪は大きいし、何か不自然なところも目立ったし。好きな映画じゃないな。ターゲスシュピーゲル紙はかなりの酷評をしていたね。去年、オープニングに出席するはずのスターが3人揃ってドタキャンして、かなり大変なことになったから、今回は確実に来るところをオープニングにしただけにすぎないとも書いていたものね。
ペトラ:確かに彼らはちゃんと来た(笑)。まぁ、オープニングにふさわしかったのか、というと、疑問ではあるけれどもねー。
淑子:今回のコンペの審査員長は、「インディペンド・ディ」などを作ったドイツの監督ローランド・エンメーリッヒ。
ペトラ(以下P):最悪!! ひどい監督だわ!あんなのが審査委員長なんていやだわよ。それに中国の女優のBai Ling。彼女なんて、毎日何着ようかな、と考えることだけで、映画なんて見てなかったんじゃないかしら?
淑子(以下Y):・・・まぁとにかく、この映画は私的には良くなかったな。あ、他の審査員もご紹介。「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポテンテ、オランダのプロデューサー、ウクライナの作家アンドレィ・クルコフ、そしてイタリアの超有名なモードデザイナーのセルッティ!
P:3年前からプライベートでベルリナーレを楽しんで、ディレクターのコスリックが審査員にならないかって声かけて。
Y:それでなってしまったんだからね・・・。あまりプロフェッショナルな判断ができないような気がするのだけれど。
P:個人的にはモードに対しては良いと思うわ。トム・クルーズ、ハリソン・フォード、そして我らがヨシュカ・フィッシャー!(笑)だから宣伝になるから映画祭に来るのよね。アルマーニの方が好きだけれど・・・。彼って、ちょっと保守的な審査するって感じるな。おじさんだしー。
Y:とにかく最初の映画はつまらなかった。先が思いやられる。新聞には、この監督は20年でたったの5本しか撮っていないくせにって。
P:「インドシナ」でオスカー受賞。
Y:でも、あれを見た人は、みんな言うんだけれど、内容はとてもいいけれども、なんか変だなって違和感が残るって。私もそう思うのよね。テーマもコンセプトも良いけれど、でも映画として見た場合、つまんない。
P:この映画に関してはもう言うことはないわ。クリスティンを見たさにジャーナリストは何も記者会見で見てなかったって新聞にも出てたよね。