2005-02-18

「Kong Que」ほか3本

コンペにおいては、最終日となる18日。
20日までベルリナーレはあるものの、実質的に最終日です。

ペトラ(以下P):あ〜〜どうしてこういう映画が賞とるかなぁ。貧しい家族の物語で、何かを求めてそこから飛び出すものの、うまくいかずに戻って来る。最後に戻るのは家。長い映画だったわね。確かに面白いとは思ったわよ。でも、長い!!
「Kong Que」。著名な中国の監督である、Gu Changweiの作品。
銀熊賞を受賞したね。長すぎて最後はもう退屈してしまった!!!
 

Kong-Que

Kong-Que
「Kong-Que」
監督Gu Changwei

淑子(以下Y):わかるんだけれど、それにある部分は身につまされたりするんだけれども、どうも長すぎてついていけない。だらだらとしていて、ここまでそれぞれの子供達にスポットを当てて見せなくてもいいんじゃないのって思ったり・・・。審査員に中国人の女優もいたし、日本にチャンスがめぐってこなかったのは致し方ないってところなのかな?映画祭は、ある意味政治的だから。

P:そんなの当たり前にそうなのよね。いやになるわ。でも、悪くもなかった。賞とるほどじゃないけれども(笑)。そんなところよね。

Y:次に「Anlaget」。
デンマークの映画で、Jacob Thuesen監督作品。
 

Anklaget
「Anklaget」
監督Jacob Thuesen

これは、相当ハードな内容で、かなり衝撃があったわ。当時11歳の少女と、実の父親が関係を持ってしまい、少女はそれから心を閉ざし、一緒に暮らせなくなる。その後父親は監獄に入ったりといろいろあるんだけれども、周囲の目も激しくなった時、母親である妻はそれまで彼の潔白を信じていたのに、14歳になった少女と父親が再会した時、最大の山場を迎える・・・・・。
強烈な映画だったわね。

P:この作品は、本当に構成もしっかりとしていて、役者もこのうえなく良かったし、テーマも今とても問題になっていることだし、とても興味深く見たわ。作品の内容は、今日ではありえることで、しかも問題なのは、大人の方だけでなく、子供の方にもある、ということ。つまり、今の時代は、日本のように父親が一方的に暴力のひとつとしてそういうことをしてしまうっていうのが通常なのでしょうけれども、実は子供の方が挑発しているという現実もある。そこが怖いよね。それに、発言ひとつで無罪にも有罪にもなるという、薄紙一枚で成り立っている現実のあやうさ。

Y:私も興味深く見たし、ジャーナリストの間では評価が高かった映画だよね。でも、あまりに事実が衝撃的なことなので、ちょっと怖かった。見ていて心臓がきりきりと痛む感じだったわ。聞くところによると、役者も演じていて、かなり精神的に大変だったとか。それもそうだな、と思う。
父が実の娘を犯すという行為・・・それが、娘は興味を持って、挑発して父親をその気にさせるという怖さ。でも、娘も心が壊れてしまい、その事実は隠れたまま・・・。
最後にどうなるのか・・・。それこそ、解決の糸も見えない暗い映画だよね。しんどかった。母親だって、娘と暮らしたいって思っても、一体どうやって・・・。家庭が崩壊するという悲劇は、見ていてつらいわ・・・。でも、何らかの賞は取れてもいいような気がしたけれど・・。

P:私も。こんな暗いテーマ。やっぱり北欧ってこういうの多いけれども、どんよりした天気が長く続きすぎるからなのかしらね。お酒もいっぱい飲むしね・・・。そんな簡単な問題じゃないんでしょうけれど。

Y:これにてコンペ作品は全て見た!!
その後、アメリカのスター、Will Smith主演のデート・ドクターの話「Hitch」。
 

Hitch

Hitch
「Hitch」
監督Andy Tennant

 
Andy Tennant監督作品で、女性にわからずに、密かに男性のお気に入りの女性に好かれる方法を伝授するデート・ドクターの話なんだけれども、あまりにテンションの高い映画の後だったので、ばかばかしくてびっくりして、出てしまったよね・・・。別に何が悪いとか、良いとかないんだけれども、もう静かになりたい、おちゃらけはやめてって感じで・・・。うちの息子などは、見たいっていう映画なんだけれどもね(笑)。

P:コンペ外でしょ。何もないわ。大げさでアホみたいな映画!

Y:頭を休めたい人にはいいのかもしれないな。別に害じゃないし。調子の良い日だったら、最後まで楽しめたんだけれども。

P:私はあんなの最後まで嫌いよ!アメリカ映画って本当にうすっぺらなのが多いわ。

Y:それはいえる!私もハリウッド映画は苦手。自分でお金払って見るんだったら、やっぱりヨーロッパ映画かアジアのものね。フランス映画も好きだしな〜。

P:!! プラプラプラ〜〜、が好きなの!! もう、よしこったら!