2006-02-14

5日目

2月13日月曜日、5日目です。
朝、少々だるくて会場に到着したのが、映画が始まる15分前。プレスでターゲスシュピーゲル紙を取って、すぐにペトラの待つ上映会場に走りました。やはり彼女は早く来ていて、良い席を確保していました。まぁ、彼女の家からポツダム広場までは、15分もかかりませんので、楽勝のようです。それに彼女は仏教徒でして、ものすごい早起きで瞑想をしているので、朝は強いのです。♪

ということで、今日も元気に映画を3本見ました!

The Free Will

The Free Will
「The Free Will」

1本目は、「The Free Will」。コンペ作品でドイツの映画です。監督はMatthias Glasner。演技派の実力ある俳優と女優が、かなり難しいテーマを演じ切りました。これ、凄かったです。良かったと思います。題材はハードで、私の趣味ではないのですが、良く出来た作品だな、と感じました。主演を演じたユルゲン・フォーゲルは、今まで出演した作品の中で、一番難しい役だったとふり返っています。女優は、天才的な演技で評価の高いザビーネ・ティモテオ。内容は、どうしてもレイプをしてしまう性癖を持つ主人公が、過去に3人も強姦し、セラピーなどを受けて更正するのですが、心の中は空洞のまま、現実の世界に戻ってきます。そこで、彼が働いている印刷会社の娘と知り合い、淋しい者同士が合い通じ、心が響き合い、彼もすっかり新しい人生をスタートできるはずだったのですが・・・。ストーリィは、どんどんと悲しく残な運命に向かっていき、行き場を失った彼、そしてその彼を温かい眼差しで最後まで見つめる彼女が再会した先は・・・。
う〜〜ん、本当に辛い映画でした。でも、今までのベルリナーレだったら、もっともっと救いのない気持ちになって憂鬱になるのですが・・・作品としてクオリティが高いので、最後までしっかり見ることができました。

EL CUSTODIO

EL CUSTODIO
「EL CUSTODIO」

2本目は、コンペ作品「EL CUSTODIO」。Rodrigo Moreno監督作品です。アルゼンチン、ドイツ、フランスの合作。なかなかこれもハードな作品でした。最後の展開がもう途中から透けて見えてきてしまったので、それほど新鮮な感覚ではなかったですが、表現したいことは理解できる作品だったと思います。大臣のボディガードの話なのですが、常に陰の存在として「存在をなくしながら」仕事をする主人公だったのですが・・・。監督がとても丁寧に、そして気持ちを込めて作ったように感じられる映画でした。ボディガードの日常を、ゆっくり淡々と描きながら、無表情の彼の内面を少しずつ見せてゆく・・・。でも、途中でギブアップして出てしまうジャーナリストは多かったですけれども・・・。とはいえ、ブーイングはありませんでした!

V For Vendetta

V For Vendetta
「V For Vendetta」

3本目は、これはコンペ外作品。かの有名な「マトリックス」の脚本家、ウォッシャウスキー兄弟が脚本を手がけた、1984年にイギリスで出版されたコミックス「From Hell」が原作。「マトリックス」3部作や、スターウォーズ・エピソード2などの助監督を務めたJames McTeigueの初監督作品です。ナタリー・ポートマンが好演しています。舞台は、核戦争が終ってからファシズムによってコントロールされている未来のイギリス。外国人やホモセクシュアル達が、不条理にKZ(強制収容所)に送り込まれるのですが、ある過去の事柄から20年たった11月5日、「V]と名乗る仮面をつけた怪人が、ひとりの可憐な女性が強姦されるところを助けたところから、ある抗えない結末に向かって歯車が動き出すのです。と、これ以上内容を言ってしまってはつまらないですね! これ、とにかくとてもよかったです!コンペ外なので、もちろん緊張せずに見られたということもありますが、なにしろ本当に面白かった!はっきり言って、「マトリックス」より面白いです!笑(少なくても私には・・・)なんというか・・私は泣いてしまいましたね、いろんなシーンで・・・。ペトラがどんな感想を持ったのかはわかりませんけれども、「私ちょっと記者会見を覗いてから帰るわ!」と言って、さ〜っといなくなってしまったので、きっと気に入ったということなのでしょう。
明日、聞いてみます。