2006-02-12

2006年2月10日・二日目

ベルリナーレ二日目です。

いろいろプログラムをチェックして、コンペは全て見て、後は余力があれば日本映画を見ようと思っているのですが、場合によっては、前もって無料チケットをプレスセンターで前日に受け取らなければならないのです。それで、毎年どんどんと関係者が多くなって、そうした無料チケットを受け取るだけでもかなり時間もエネルギーもかかるし、何だかそうなると嫌だなぁ、と思っていました。

でも、今回見たい映画は、全てジャーナリスト用のフリーパスで見られることがわかり、ほっとしました!朝早く並んばずに済むのは、本当に嬉しいことです。(年寄り発言ですね・・・汗)

フンボルト大学で日本映画を教えているかよちゃんにもばったり会いました! いろいろかよちゃんにはお世話になっています。

EN SOAP

EN SOAP
「EN SOAP」

さて、今日は3本見ました! 1本目は、コンペ作品・デンマーク映画の「EN SOAP」。監督はPernille Fischer Chiristensen。これ、悪くなかったです。何かとても現代的なテーマで、それはヘテロ女性とゲイの奇妙な関係を描いているのですが(と、簡単には言えないものがありますけれども)、構成もカメラも展開も、好きじゃないけれども、悪くなかったというか・・。個性的な映画だなぁ、と思いました。今回のコンペは、最初からがっくりくるようなスタートではなかったので、なかなか良い気分なのです。

SYRIANA

SYRIANA
「SYRIANA」

2本目は、ハリウッドスター、ジョージ・クルーニィ主演の社会派?ミステリー、コンペ枠で上映されますが、コンペ外作品として参加の「SYRIANA」。監督はStephen Gaghan。石油をめぐる、アメリカと中東の問題を描いた作品ですが、いろいろなことが起きるのです。それは別にかわまないのだけれども、カットがすごく嫌な感じで、場面の切り替えが陳腐な上退屈、全く興味がわかず、感情移入のできないつまらない作品でした。でも、これはコンペ外ですからね、それでもいいんです。記者会見には私は行きませんでしたが、ペトラがちょこっと顔を出したところ、ものすごいジャーナリストの数で、みんなクルーニー目あてだったといえるでしょう。質問も彼に集中していたようで、体重を15キロも増やして挑んだ役だったようです。その後しっかりその15キロを減量して前のような容姿に戻っていて、そうしたことにジャーナリストは関心を寄せていたようで、「どうやってそんなに多くの体重を減らしたのですか?」という質問などについては、クルーニィは「コカイン」と一言。(汗・・・もちろん、冗談なんですけれどもね・・。)マット・デイモンも映画の中で重要な役を演じているのですが、あまり彼の能力が活かされていないように感じました。

Slumming

Slumming
「Slumming」

本日最後に見たのは、やはりコンペのオーストリア作品「Slumming」です。監督はMichael Glawogger。これ、すご〜〜く面白かったですよ! 主演の男性は、くたびれたおっさんと、若さゆえに残酷でクールな美青年。2人のストーリィが、シンクロしたり、パラレルで展開したり、なかなか観客をあきさせない、気持ちが入る良い作品でした。涙が出るっていう映画ではないのですけれども、オーストリア人監督もすごいのが出てきたなぁ、と妙に感心してしまいました。さらに、滅多に俳優には注目をしない私ですが(私は、圧倒的に監督で映画を見るタイプです!)、このクールな美青年が、本当に素適! かっこよいのです! ペトラに聞いたら、「でしょ、でしょ!! 今ね、彼はものすごく人気があるのよ。私もとっても好きな俳優だもの。演技も冴えているし、容姿もいいし、これから活躍してくれる俳優だわ。」とのこと。そうなんですね! August Diehl(アウグスト・ディール)と言うドイツ人俳優です。写真の右側の青年が彼。いやはや、本当に素晴らしい魅力とオーラを発揮していました。そして冴えないおじさん役を見事に演じたのは、オーストリアの俳優Paulus Manker。この俳優さんも素晴らしかった!魅力的でした。アル中のおっさんが路上で酔いつぶれて寝てしまったのを見て、2人の青年が残酷な遊びをするのです。彼らは女の子の下半身を写真に撮ったり、いろんな悪さをするのですが、ピアという若い女性が現れます。3人は無関係だったのですが、徐々にパラレルで展開する話が不思議なリズムの中で交わっていくのでした・・・。テンポもあり、感性豊かな良い作品に出会えて、ちょっぴり幸せを感じました。

このエントリへの反応

  1. アウグスト・ディール、淑子さんも好きで嬉しいです〜!
    友達皆に、あれかっこいい?変な趣味〜と言われて来たので(笑)かっこいいってより、なんというか、えらがはってて、ドイツ人にしては平べったい顔で(ほめてない?)気になる顔ですよね〜。私は、ハンス・クリスティアン・シュミットの『23』出演後、出てたファッション雑誌のインタビューで気に入ってしまいました。Lichterの駄目男も良かった!
    グッバイ・レーニンの、ダニエル・ブリュールより、かなり良いと思ってます〜!

  2. kioさん、コメントをありがとです! そう、アウグスト・デイールは、私のまわりでは人気ありますよ!笑。なんというか、すごく個性的でクール。クリストファー・ウォーケンみたいな方向性の俳優さんかな、と思ったり・・。新聞には、彼が縞々のシャツで映画祭の撮影に来て、それがあまりにラフな装いで、ちょっと反逆児のような雰囲気があると。そういうところも面白いですね。彼は、ちゃんと着たら相当素適なモデル並のスタイルを見せてくれると思うけれど、あえて華やかな映画祭でそれをしないってのも、主張があるような?ということで、今後の作品が楽しみな俳優さんです。一緒に応援しましょうね〜!

    青木淑子