2007-02-10
2月9日
今日は3本見ました。本当は4本目に、7時からポツダム広場ではなく、動物園駅(昔の中央駅)近くにあるツォーパラストで上映される、山田洋次監督+キムタクさん主演の「武士の一分」を見ようと思ったのですけれども、3本目のrain主演のパク・チャヌク監督作品「サイボーグでもいい」を見たら、記者会見に行きたくなってしまったので、(そうすると場所移動に
時間がかかってしまうので)武士はキャンセルいたしました。
ということで、では1本目です!ブラジルの映画で、タイトルは「O Ano Em Que Meus Pais」。
監督はCao Hamburger
12歳の少年の両親は、ある事情があって父方の父、つまり少年の祖父のところに行って、少年だけを置いて両親が去ってしまう。これはただのバカンスなのだと言い残して・・・。
祖父に会わずに玄関で降ろされてしまった少年は、祖父の住まいのドアをノックするが、返事がない・・・。
それもそのはず、父親と祖父が電話で話した後、祖父は急死してしまったのでした。隣人の老人が少年に気づき、話しかけて世話をするのですが、老人はユダヤ人で生活習慣がまるで違う・・・。
ぺトラ:
「もうね、退屈!政治的問題を取り扱っている社会派映画のようでいて、その周辺をうろうろしているっていう印象があったわ。内容がはっきりしないのよね。ムダなシーンも多かったし。エキサイティングしないドラマ構成で、私はよっぽど途中で出ようと思ったもの。淑子が出ないから我慢しただけで・・・。」
淑子:
「え~そうなの。私は結構楽しめたけれどもね。世代のこと、ユダヤ人のこと、政治のこと・・・いろんな摩擦をユーモアの中で軽やかに表現していたと思う。1970年の時代を設定していて、世の中はブラジルサッカー界の王様、ペレに熱狂していてね。そういうシーンもふんだんにあって面白かった。
すごく良い作品というわけではないけれども、ちょっと気になる映画かな。私は嫌いじゃなかったなぁ。」
・・・
2本目は、Steven Soderbergh監督作品「The good German」。
主演はジョージ・クルーニィ、ケイト・ブランシェット。
ぺトラ:
「1945年のベルリンで、戦争のコレスポンデントであるクルーニーが、ポツダム会議について書くためにベルリンにやって来ると。
そこでいろいろなことが起こるのよね。闇マーケットに通じている男と、ワケありの女(ブランシェット)。あまり説明するとつまらないからそのくらいにして、この作品どうよ?ちょっとねぇ。」
淑子:
「ソダーバーグ監督の作品って、私的にはいつも良くも悪くもなく、どこかしら中途半端な印象があるなぁ。私はブランシェットはけっこう好きだけれども、何もあそこまできれいに写さなくてもいいのではないかなって感じ。光はきれいだったよね!」
ぺトラ:
「そう、白黒映画で、ノスタルジックな雰囲気をかもし出しているんだけれど、その辺は多くの他の監督もやっているけれど、今回もきれいだった。ドキュメンタリーとフィクションの間って感じね。プレス枠で見たけれども、大きな会場ではなかったからよく聞こえたんだけれども、まばらな拍手の中で、それよりもっと大きな声でブーイングがあったわね。
あと、ドイツ人として言わせてもらいますけれど、ブランシェットのドイツ語はひどかった!あれは何!ひどすぎる!!がっかりだわよ、映画が大なし!」
淑子:
「外国人のドイツ語ってことでは、私だってそうなんだからちょっと私は言えないけれども、とにかく中途半端な印象があったわ。別にハリウッドスターのクルーニーを起用しなくてもいいんじゃないのかな、と思った。
なんか、タイトルがすごいよね・・・汗。」
・・・
そして3本目
はい、これは、海外でも常にとても高い評価を得ているパク・チャヌク監督
作品「サイボーグでもいい」。主演はヒロインに イム・スジョン、そして主演俳優はスクリーン初出演のRain.。今回レインは、チョン・ジフンという名前で映画には出演しています。プレス枠で見ていたのですが、満員だった会場が、始まって3分の1程度が過ぎてから、どんどん途中退場する人が出てきて、かなり減ってしまいました。ぺトラも途中で帰ってしまって・・汗。
メールが届いて「私、あの韓国の映画はいただけないって思ったわ。何もコメントできない、ごめん!」とのこと・・・はぁ。
で、私はと言いますと・・・結構好きでしたよ!! 正直に書くと、前半はかなりきつかった。パク・チャヌク監督のいつもの感じで、最初のうちは何が何だかわからず、こちらの頭が混乱してしまって、どうしたものかと思っていたのですけれども・・・後半になってかなりいい感じになって、もうそうなったらすご~~く素敵になって・・・じーんとして泣きそうにもなりました!
残ったジャーナリストは、ヨーロッパ人もアメリカ人も、みんなあたたかい拍手をしていました。本当に楽しめたのだと思います。今回コンペでは初めての「受け入れたよ」という拍手でしたね。
それにしても、レインは本当に歌がうまい!! 映画の中でヨーデルの歌も歌っているけれども、あんなにうまいだなんて!
そして演技も! 見事でした~。ヒロインのイム・スジョンも素晴らしかった!
それで、「武士の一分」をやめて、記者会見に行ってみたのでした。
きゃ~! 生パク・チャヌク監督!! (私は監督で映画を見るタイプなので、役者よりも監督が好きなんです。)温厚ないい感じでした。それに・・・やはりアジアの枠を超えた、世界的に活躍しているレインは、すご~~くオーラを放っていました! いやはや、びっくりしました。めちゃくちゃ素敵でしたよ。
写真のように、かぶりつきで韓国のメディアの女性が陣取っていまして、記者会見中ずっと写真を撮っていました(笑)。それって、ハリウッド系の記者会見では禁止されているのに、アジア系は問題なかったですね。なので私も後ろからパチリ! (rainyさん、これでいかがでしょうか?)
ばっりちとスーツを決めてきて、さわやかな素敵な青年でした。それに、さらに驚いたのは、イム・スジョンの綺麗なこと~~!! 映画では、そういう役ではないので、何かちょっと性格女優なのかなと思ったのですが、いやはや、華奢で目が大きくて小顔で、とにかくすごく美しかったです。二人のスターは、それはそれは輝いていました。礼儀正しくて、凛としていて、品があって知性を感じさせる表情。二人とも沢山の才能と努力の持ち主なのでしょう。
堂々としていて、なのに謙虚な気持ちを持って受け答えている・・・。
通常、記者会見は、有名所だと満杯になって入れないほどですけれども、アジアの作品の時は、ジャーナリストはほとんど来なくてがらんとしています。
でも、この作品は、ベルリンでもとても人気の高いパク・チャヌク監督によるとのことで、ヨーロッパやアメリカのジャーナリストが結構入っていて、4分の3くらいはうまりました。日本人は、ほとんど「武士の一分」に行ってしまったようで、見かけませんでした。(いたかもしれませんが、韓国人と日本人、あるいは中国人の区別がなかなかつきません・・。
ストーリィは、あまり言うとつまらないと思いますので、かいつまんで説明しますと、レインとスジョンは精神病院で出会うのです。スジョンは、自分がサイボーグだと思っていて、電池で動くから食べ物がいらないと思い、喉に何も通らなくなってしまいます。それだけでなく、あることをきっかけに心にゆがみと傷が生じ、徐々に言動も行動も奇妙になっていくのでした。でもそこは精神病院。他の患者もそれぞれ何かをかかえている人達で、奇妙な生活を送っていました。
レインは恋に落ち、スジョンを心から守ろうとするのです・・・。
「オールド・ボーイ」などのように、暴力シーンもあるのですけれども、それは夢の中の出来事のように表現されています。あれほどの素敵なレインが、精神病の患者の役をする・・・ほとんどかっこいいところがないのですけれども、最後にすごく感動する素敵な最高のシーンがあるんです!
わ~~ん! 泣きそうでした!(というか、泣いていたかも・・・)
みんなが持っている心の痛み。それとうまく付き合っていくことのできない、繊細な心の人々が集まる精神病院。そこでは、ドクターがノーマルで患者を救うはずなのに、本当は患者同士こそが、心の奥を理解できていたりするのですね。
その辺の展開がとても面白く、心に残りました。
監督は、こちらでは高く評価されていて、質問するジャーナリストも、みんな尊敬しているという感じでした!
・・・ということで、思いつくまま書いてみました!
お疲れの中、早々のレポ感謝いたします。
せっかくの「武士の一分」を...申し訳けなかったですね(@@;)
でも、きちっとした感想を聞けて、よかったです。
Fan同士ですと、”好き”ということが先に出てしまい、正当な評価が言えないし、聞けないというとこがあります。
映画をたくさん観てきた人たちのコメントだからこそ、きちっと意見、考えが聞けるんですよね。
やはり、パク監督です。。
Rainも言ってました。パク監督だから、この映画に出演しようと決めた..と。
始めての映画、様々な評価が出るんでしょう。。。
全てを受け入れて、日本公開の日を楽しみしています。
本当に、ありがとうございました。
また、引き続いて、映画祭のレポ楽しみにしていますネ♡
あっ、写真もありがとうございました。。
風邪などひかないように、まだ続く映画祭、楽しんでくださいね。。
「サイボーグでもいい」ご覧になったのですね。
実は私もご縁があって鑑賞させていただいた作品です。
暴力シーンはあまり好きではありませんが、
私は主人公の心の痛みの表現として評価できました。
ネタバレになってしまうといけないのであまり書けませんが
私も胸がぎゅっとなって涙ぐんでしまったシーンが結構ありました。
ヨングンの背中のシーンとかいろいろ…。
私の友人達がrainくんと一緒にお仕事をしているので
私も一度、二言三言言葉を交わしたことがありますが
とてもシャイですが礼儀の正しい好青年ですよね。
横レス失礼します。。
seikoさん…RAINは好青年。。ありがとうございます。
演技や歌をほめられてもとても嬉しいですが、人間性をほめられることが何よりも嬉しく思います。
淑子さんもseikoさんも、涙ぐまれた作品….。
私も早く、イルスンやヨングンに会いたいです。
パク監督に感謝と、ここにこうやって取り上げてくださった淑子さんに、お礼を申し上げます。
RAINファンもここを訪れて、読んでくれています。
みんなに代わって、再度お礼を申し上げます。
ありがとうございました♡
初めまして♪
ベルリン国際映画祭の様子&rainy様同様Rain君の様子が知りたくて探していたらこちらに辿り着きました。
「サイボークでもいい」私はまだ見ていませんが、パク・チャヌク監督映画の美術が好きでこの作品も期待しています。(暴力シーンは苦手ですけど…)
「Lost In Beijing」は見に行かれますか?もし行かれるようでしたらレポート楽しみにしています!
色々なお話楽しみにお待ちしております♪
seikoさま
コメントをありがとうございます!
翌日の10日には、結構大きく新聞に「サイボーグでもいい」の記事が掲載されていました。やはり監督の知名度が高いので、注目されているというところでしょうか。でも、この作品を通してレインさんの知名度もアップしたと思います。
昨日3本目の会場で入場待ちをして並んでいた時、私のことを韓国人だと思ったどこかヨーロッパのジャーナリスト(65歳くらいの女性)が話しかけてきて、「サイボーグでもいい」は全く理解できないと言っていましたけれど、「きっとアジアの人だったら私達以上に理解できるのかもね。」などと言われて、それは違うと思いました。
jiimeiさま
コメントをありがとうございます!
パク韓国の人気は、ヨーロッパではかなりあると思います。韓国の監督では、パク監督の他にキム・ギトク監督はすごく人気がありますね。二人とも、前頭葉を刺激する作品を作っていますね!
パク・チャヌク監督は、コマーシャリズムに乗らないで、どんどん新しい試みを積極的に行っているという点で、評価も高いようです。
「Lost In Beijing」、ごめんなさい!
時間と体力に限界があり(汗)、全てをクリアできないことをお許しくださいませ!
でも、できるだけいろんな作品に触れたいと思っています。
rainyさま
ごめんなさい! コメントいただいていたこと、全く気づいていませんでした。お許しくださいね。
もう映画祭も終わってしまいましたが、レインもチャヌク監督も、新聞にかなり取り上げられていて、扱いも良かったし写真も大きかったし、かなり評価されていたってことだと思います。
嫌いな人はかなり苦手、でも好きな人は熱狂的に好きって感じがしましたね。私は好きでしたよ。
早く日本でも公開されるといいですね!
PS:あ、新聞でレインの記事が大きく載った時、今回の映画についてジャーナリストが全くレインに質問していないのには驚きました・笑。やはり、歌手としてのレインに注目ってことなのでしょうかね・・・。