2006-02-19

最終日

2006年のベルリナーレ・最終日。私は何本か見る予定をしていました。でも!! 息子が体調を崩して寝ていましたので、子供優先となり、1本だけ見て帰宅しました。私もにわかに具合が悪くなって(昨日無理をしすぎました・・・反省)、ゴホゴホ咳き込み、家でぐったりの状態。すると息子は急に元気になり、さっさと友達の家に泊まりに行ってしまいました・・・。息子の悪い体調を、全て私が吸い取って治したかのごとく! 

・・・と、言い訳してしまいまして、申し訳ありません。1本しか見ることができませんでした・・・。

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かあちゃん

それは日本映画で、フォーラムの中で9作も上映された、中川のぶお(漢字がわかりません。ローマ字で書かれているので・・・)監督の、いわばレトロスペクティブの1本。「かあちゃん」(1961年制作)です。この中川監督は、私は今まで一度も見たことがなかったのですが、ワンシーンワンショットの手法が素晴らしく、どんな生臭い風景や状況を撮っても、光がとても美しい白黒映画でした。親子が川の字で寝ている部屋で、薄暗い中に顔が浮かび上がるシーンなどは、小津監督作品のように極上です。ベルリナーレでは、この監督に光を当て、紹介することで、掘り出し物でも見つけたかのように鼻高々で、かなり宣伝していました。実際見てみますと、本当に面白かったです。もう、信じられないくらい貧乏の家族が長屋で暮らしていて、にっちもさっちもいかなくなるのですが、最後に希望を捨てずに前を向いて進んでいくというストーリィ。当時子役の二木てるみが、舌を巻くほど素晴らしい演技をしています。天才子役として評価が高かった女優さんですが、子役時代の作品を見たことがなかったので、本当にびっくりしました。すごいです。

で、その他いろいろ見ようと思ったのですが・・・キャンセルいたしました! ごめんなさい!

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水の花

明日も少し一般で上映されるのですが、子供映画の部門の日本作品、「水の花」だけを見ようと思っています。この作品は、とても若い監督によるものなのですが、私の知人の映画のカメラマン、丸池納さんが撮影をしているのです。丸池さんからメールがあり、ぜひ見てくださいと書かれていたので、最終日の翌日(日曜日)になりますが、ぜひ見ようと思っています。丸池さんは、多くの今村昌平監督作品を撮影したベテランのカメラマンで、もう20年以上も前に知り合いました。神代監督作品「赤い帽子の女」のミュンヘンロケの時です。私は当時、ミュンヘン大学の学生で、映画学もとっていたので、とても興味シンシンで撮影現場を見学させていただきました。懐かしい思い出です。

丸池さん、明日、「水の花」を見ますね〜〜!!

このエントリへの反応

  1. 中川信夫さんと書きます〜。
    中川作品は、3月に、ベルリンのプログラム映画館、Arsenalで特集が行われるので、今回はチェックしませんでした。
    『水の花』は、まさに、カメラワークがすばらしかったですよ!
    ずーっとヒキのショットが続くんですが、これぞ、映画館で映画をみる楽しみ。すみずみまで広がる美しい風景、光と影
    そこにいる2人のこどもの、心までが、その、広い空間の中に広がっている気がしました。
    なんらかの感情を映画の中で伝えたい、とする時に、俳優さんの顔に寄って、俳優さんが喜怒哀楽をあらわすという表現方法もあるでしょうが、この映画ではそれが、まったく使われず。
    それが美しくて、ちょっと悲しくて。きれいな映画でした!

    今回も淑子さん、すばらしい鑑賞記、楽しませて頂きました!
    もう終わりますし、十分ご自愛下さいませ。