2008-02-09
ベルリナーレ 2月8日
2日目のベルリナーレ報告です。
朝は9時から、コンペ作品「In Love we trust」(Wang Xiao Shuai監督)をぺトラと見ました。
朝からいきなり115分という長い映画・・・。
でも、飽きませんでした!
現在5歳の娘を引き取った元妻と、彼女の夫だった男性は、すでに別々のパートナーを見つけて再婚をしている。
でも、娘が命にかかわる病気にかかったことで、今までの生活と2組の夫婦の絆が微妙に変化していく。
娘の病気は白血病。
兄弟の骨髄が唯一の助かる方法だが、娘は一人っ子。
そして、それぞれのパートナーの気持ちは・・・。
内容がハードなのに、湿っぽくなりすぎないのが良かったと思います。独特のリズムで面白く見ることができました。
そしてぺトラの感想:
卓越した、でも少々長すぎる作品。テーマはとても興味深いけれども、長かったのが良くなかった。
・・・
次に見たのは、やはりコンペ作品で158分の超大作! (朝より長い!)ポール・トーマス・アンダーソン監督の「There will be blood」。
主演は、ダニエル・デイ・ルイスです。
アンダーソン監督は、ベルリナーレと相性が良いのですが、今回も迫力ある作品で引き込まれました。
というか、本当に主演のデイ・ルイスが素晴らしい!
あまりに凄い演技なので、2時間半という上映時間にもかかわらず、私は一度も眠くなりませんでした・笑(レベル低過ぎですかね・・汗)
原作は、Upton Sinclair の小説「Oil!」で、本の冒頭から150ページまでの内容にインスパイアされた作品なのだそうです。
もう、登場人物はだれもかれも心に闇を持っていて、暗く醜い内面をえぐるようなえげつなさの連続なのですが、役者の演技が達者なのと、あえて婦人がほとんど登場しないことで、ダークな部分が深く表現されているように感じました。
油田ハンターの男と、彼をとりまく人々・・・。
長さを感じさせない、迫力たっぷりの映画でした。
そして、ぺトラの感想:
手に汗握る、油田に心を奪われたある貪欲な男の薄暗いエポス。彼は何を得て、そして何を失ったのか。何を求めていたのか。
まるでアメリカそのもののよう。
権力、欲望、信仰・・・。
オスカーにノミネートされているダニエル・デイ・ルイスの最高の演技が光っている。
アンダーソン監督が、再びベルリンで才能を見せつけた。
↑
ぺトラは、デイ・ルイスの大ファン! ということで、記者会見に行ったようですが(私はパスしました)、そのことには全く触れていないですね・・。
??
総括の時に聞いてみたいと思います!
あ、それから、昨日彼女が見た映画ですが、一か所テキストで訂正があるそうで、それがまだ到着しないので、明日ご紹介いたします。
・・・
その後、少し休憩してから、コンペには行かずに、フォーラム部門の作品を見ました。(ぺトラはコンペ映画の方に行きました。)
シンガポール生まれのTan Pin Pin 監督作品「Invisible City」。
過去を掘り下げていくドキュメンタリーで、年配の人々も多数登場します。
記憶があいまいで、でも記録を残している人物にインタビューをしたり、さまざまな視点から「過去」に光を当てていきます。
悪くなかったのですが、ビデオ=デジタル処理は少し見づらいですね。
私だけでしょうか?
疲れていたからかも???
・・・
実は、微妙に時間がかぶっていたのと、会場がポツダム広場ではないために行かれなかった映画があります。
それは、ミヒャエル・アルテンとハンス・ヘルムート・オウリンツラー監督作品「Auge in Auge」です。
この作品は、ドイツの映画の歴史をある切り口で見せていく映画なのですが、それはどういうことかといいますと、ドイツ映画の歴史を紐解くのではなくて、ドイツ人監督や撮影監督合計10名に、今まで一番影響を受けたドイツ映画は何か?そしてそれはなぜか?と質問をしているのです。
これ、ぜひ見てみたかったです。
資料を読むと、どの監督もとても興味深い作品を選んでいるんですね。
例えばヴィム・ヴェンダースは、フリッツ・ラングの「M」、トム・ティクヴァは、ムルナウの「ノスフェラトゥ」、ミヒャエル・バールハウスは、ファスビンダーの「マリア・ブラウンの結婚」、ドリス・デリーは、ヴェンダースの「都会のアリス」・・・。
上記だけでも、素晴らしいチョイスです! ワクワク・・・。
ロードショーになったら、ぜひ見に行ってみたいと思います。
それに・・・このミヒャエル・アルテンという若い監督に、実は私は過去に会っているんですね。
しかも、彼が監督ではなくて、南ドイツ新聞で文化担当の編集者をしていた時に!!
当時からかなり優秀な編集者さんでしたし、映画評論家もしていたはずですから、監督になったのも頷けます。
・・・
そして本日最後は、ぺトラが見に行ったコンペ作品「Black Ice」(Musta Jaeae 監督)。
フィンランド映画で100分です。
以下、ぺトラの感想:
非現実的で作為的な三角関係のドラマ。もう、これはまるで安っぽい三文小説みたい。何も言うことがない。何でコンペ部門に選ばれたのかしら?
・・・
以上です・・・あらら・・・。
ぺトラ、相当おかんむりですね・・・汗。
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さて、本日のベルリナーレ近辺ですが、アーケード内のチケット売り場は、インターネット予約をしても混雑していました。
このボックスは、今年初めてお目見えした「ロレアル・ビューティサロン」!!
何だかおしゃれです。
ロレアルは、随分長くベルリナーレのメインスポンサーの1社として有名ですが、今回は楽しいイベントを展開しているのですね。
一度入ってみましょうか・・・???
お化粧してくださるかも・・・。
そういえば、本日映画館でいつものように、ロレアルのコスメ製品をいただきました。
今年はマスカラでした!!
太っ腹のロレアルさんです!
そのロレアル・ボックスの前でくつろぐ、犬ぞり用のわんちゃんたち。(昨年同様いました~~!)
可愛いです! み~~んななでなでしていました♪
そして最後の1枚は、夜7時のポツダム広場です。
なかなか美しいです!
良かったら、写真をクリックして大きくしてご覧ください!
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ということで、今日はこの辺で!