2008-02-09

困難の位置が変わっているのだ

最近、図書館にかんする議論をする場面が多い。

そんなとき、従来の「図書館の常識」に納得できないことが多いのだ。
無料の原則/公共と営利事業/図書館の自由、といった点だ。

図書館法には
【第十七条  公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。】
というのがあって、確かに法律上は無料がげんそくなのだ。
で、1950年4月にできたという法律だから、当時の貧しさや、平等に知にアクセスするために公共図書館が無料で開放される事は充分に意味のあったことだと思う。
でも、今もか? 一部には貧乏な人はいると思うが、そうした人には生活保護や学校教育の費用免除とおなじようにすればいい程度に日本は豊になってないか?
もちろん直ちに入場料を取ろうなどと思ってるわけではないけど、イベントなんかに入場料をとるのも否定されるような勢いの「無料論」は、議論の前提からはずそうよ。

図書館の自由。
国家権力の検閲と戦うのは今も大切だと思うけど、今、それってリアリティーある?

世の中が、一定の豊かさと自由(と非関与)を実現してるってことをまず認めて、今後のあり方を考えたほうがよくないか?

今の日本の抱える問題は、むしろ豊かさや自由を一定実現したことから起こってる問題ばかりだと思うのだ。

てなことまで議論できるといいんだけど。ジュンク堂のトークセッション「千代田図書館が目指すもの〜『ず・ぼん』へ徹底反論!!」。

このエントリへの反応

  1. [図書館][著作権]大きく変わった「図書館無料の原則」の意義

    図書館の有料化についての発言が様々なところでされているが、それに対して、一度次のようなエントリを書いた。 無料だからできること – Copy & Copyright Diary http://d.hatena.ne.jp/copyright/20...