2008-02-16

ベルリナーレ 2月15日

ここのところ、さほど寒くなかったベルリンですが、今日は随分寒く感じました。

でも、ベルリナーレの会場は、かなりホットです!

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本日は、3本の作品をご紹介します。


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Katyn1本目は、コンペ枠ですが、コンペ外作品、アンジェイ・ワイダ監督「 Katyn」です。
ポーランド

ベルリナーレでは、頻繁にワイダ監督作品が上映されます。

大御所ですし、特に戦争にかかわる内容が多く、いつも非常に力強く訴えるものがあります。

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Katyn1940年に起こった、ロシアによるポーランド人虐殺の話でした。
そこで起こる悲劇を描いているのですが、家族やさまざまな人間関係をたくみに深く印象深く見せていきます。

ワイダ監督の父親も、この殺戮の犠牲になったそうです。

Katyn私はワイダ監督作品を見る度に、戦争という恐ろしい人間の負の歴史を忘れてはならないと強く感じます。
何か、心にずし~~んとくるものがあるんですね。

82歳のワイダ監督。

これからも、もっともっと精力的に「忘れてはならない作品」を撮り続けて欲しいと思います。

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Katynそして、ぺトラの感想です:

この作品は、非常に重要なテーマを扱っている。

ロシア人NKDW(秘密情報機関)によって、ポーランド兵が大虐殺された史実に基づき、さまざまな層(戦争、家族、女性たちなど)で構築された、興味深い映画。

残酷な場面が多いが、最後にかなりショッキングな処刑シーンが、私にとっては長く感じるほど続く。

こうした虐殺の事実をを世界中の人々が忘れないように、ワイダ監督の作品は見るべきだと感じる。

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The Other Boleyn Girl2本目は、やはりコンペ枠での上映ですがコンペ外作品の、「The Other Boleyn Girl」(Justin Chadwick監督)
イギリス

この作品は、ナタリー・ポートマン扮するAnneと、スカーレット・ヨハンセン扮する妹Maryの話です。
Anneの、1501年から1536年という短い生涯の最後の頃を追った形になっています。

時の王、ヘンリー8世(エリック・バナ)には、妃が男子を出産しないという悩みがありました。
そこで、Anneに白羽の矢が当たり(つまり王の子を産む)、彼女が暮らす町まで王がやってくるのですが・・・。

・・と、これ以上書いてしまうと面白くありません!

まぁ、妹がヨハンセンですから、絶対にこのまま波乱なく話が進むわけもなく・・・汗。

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The Other Boleyn Girlとにかく、コスチュームが素晴らしい!

そして、二人のスター女優がきらめくばかりに美しく、凄まじい演技をしています。

あっぱれです。

でも私にとっては、この映画は二人の生きざまや思考の対比を見せたいがために、あまりにも劇画風に人物像が描かれているのが気になりました。

人間というには、どういう形であれ、権力を手に入れてしまうと、見たくない本質が見えてしまう・・・。

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というか、とにかくストーリィや映画のクオリティよりも、輝いている二人の女優の姿を見るだけでドキドキしてしまう映画です。

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The Other Boleyn Girlそして、ぺトラの感想:

とても新鮮に感じた作品。悪くないし、楽しめた。
特に、私は以前舞台衣装の仕事をしていたこともあるので、美しいコスチュームに心を奪われた。
ヘンリー8世の頃、古き良きイギリスの時代・・・。
緻密に練られたドラマとしての脚本の良さ、策謀や愛、裏切り、そして死。

ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンセン、エリック・バナの素晴らしい演技!
加えて、またまた登場のクリスティン・スコット・トーマス(レディ・エリザベス役)のなんと凄い演技!

The Other Boleyn Girlどんより曇った作品の多いベルリナーレのコンペの中で(これはコンペではないにしても)、別の時代に飛んでいかれるような見ていて飽きない作品だった。

こういうジャンルがお好きな方だったら、とっても楽しめると思う!

主演の3人が記者会見にも来ていたが、私たちは疲労困憊で行かなかった。
スターが来る記者会見には、早く行かないと入れない。
もう、それだけでも相当体力がいるので、お許しを!

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Ballastそして、本日最後の作品は、私は見ることができなかったのですが、ぺトラが見たコンペ作品「Ballast」Lance Hammer監督 
アメリカ映画です。

以下、ぺトラの感想です:

アメリカ南部、ミシシッピ・デルタのある所で、12歳の少年と母親が貧しく暮らしている。少年はいろいろ仲間とあって、麻薬の運び屋をすることになってしまう・・・。

Ballast登場人物は、全員素人で一度もカメラの前で演技をしたことがないとのことで、いささか退屈な印象、ちょっと集中力を失ってしまった。

こういうタッチの作品は、ベルリナーレの場合は若い監督や実験的な作品、ドキュメンタリーの多いフォーラム部門で上映した方が意味があるように思う。(ちなみに監督は41歳)

何とか最後まで見ようと頑張ったのだけれども、残念ながら途中で出てきてしまった。皆さん、ごめんなさい。

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以上です。

Ballastそうでしたか! ぺトラ、ついにお得意の(汗)速効退場してしまいましたか!

まぁ、仕方がないですね・・・。

毎日何本も見ていると、徐々に自分の好みの映画だけに気持ちが向いてしまったりします。

常に同じ精神状態で見るということが、なかなかできなくなってくるんですね。

でも、今回は私の場合は、比較的最初にセレクトして見ていますし、コンペ以外でもできるだけ興味のある作品を見るようにしているので、去年ほど当たり外れはないですが・・・。

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そして、明日はついに最終日です!

正確に言うと日曜日までなのですが、結果発表は明日の夜となります。

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コンペ枠での作品は、今日で全ての上映を終了しました。

コンペ部門の中でコンペ外作品として上映される作品が、1本だけ残っているのですが、それは土曜日の朝9時に見ることができます。
前評判がいいので、見て来ようと思っています。

その後ぺトラと私は、少しだけ別部門の映画を見ようかと考えていますが、さぁどうなりますでしょうか・・・。

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とりあえず、今日のうちに無料チケットを2枚入手いたしました。

それは、ショートフィルムの部門です。

・・・エネルギーがあったら、ちょこっと覗いてみようと思います!

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それでは、今日はこの辺で・・・。